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入院

診察から2日後、入院となった私。

長くて1週間家をあける事になるので、愛犬2頭を私の母の元へ入院前日に預ける事になった。内1頭のワンコは癌を患っていて、仕事の帰りが遅い主人にはお世話は無理だろうという事と、

この入院で主人も色々と動かないといけなかったり、気持ちの余裕もなかったりと…何も知らないワンコ達には申し訳ないのだけれど、しばらくみんな離ればなれの生活となった。

入院当日。主人に付き添ってもらいながら手続きを済ませ、病棟へと向かった。新型コロナの関係で、患者以外は基本的に病棟にハイレナイのだけれど、今回の私の入院の事情を含めて特別に一緒に入る事となった。

事情が事情なので個室の入院。担当の先生や看護師さん、助産師さんが次々と入れ替わり立ち替わり部屋を訪れ、必要書類や説明や検査をしていった。

たんたんと過ぎていく時間。出来るだけセンチメンタルにならないよう主人と時折会話をし。

他の患者さんの事もあるので、説明や確認が終わったら主人には早々に帰ってもらった。寂しくて心細かったけど、今のご時世仕方がない。

部屋にポツンとなった。お腹の子は一緒だけれど、なんで私はここに居るんだろ…??と目まぐるしい数日を経てふと我にかえる。

愛する我が子の命がたたれるまでの時間。いかにこの子の為に過ごすか。お空でも寂しくないように、折り紙と手紙と私たちの写真を用意しよう、と決めていた。

折り紙の束から思い思いの色を選んで、YouTubeの折り紙動画を見ながら、コツコツ折る。お腹の子を想いながら。男の子か女の子かまだわからないので、どちらでも大丈夫なように2パターン折る。兜やお雛様やドレスやシャツや蝶々やお花、ワンコや鯉のぼりや…色々。私の想いと比例するかのように、沢山沢山折り続けた。

もう、お腹の子に私がしてあげれる事は限られていて。もし順調に元気に健康に生まれて来てくれたら、もっともっと愛情を注いで、もっともっと幸せな時間を温かい時間を一緒に過ごしていきたかった。お世話も沢山したかった。もう叶わないから、折り紙を折るしかない自分に、何やってんだ私は…と思う瞬間が度々きたけど、ひたすら折り続けた。

その間にも、入院初日から前処置も始まっていた。気持ちも身体もついていかない状態で、ただ流されるままの時間だった。

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