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そういえば

入院が決まる診察の前に、

母親に会いに行ったのを思い出した。

当時はコロナ禍で、妊娠してから1度も母親に会えなかったので、おばあちゃんに会いに行こうってお腹の子に話して会いに行った。

母親はいつもと変わらない感じで優しく出迎えてくれた。他愛もない話をしながらコーヒー飲んで。コーヒーはちょっと気が引けたけど、お母さんの好きな飲み物なんだよーってお腹の子に喋りながら、久しぶりの味を噛みしめた。

本題の話も母親にした。母を泣かせてしまった。母親は同じような経験をしているので、気持ちがわかるから余計に…と言葉を詰まらせていた。

そんななか、ふとお腹の子が心配になった。

奇跡を信じて、私はまだ妊娠継続の状態でいるけど、お腹の子は苦しんでいないのだろうか…。首や背中に大きな水の袋があって、お腹の中で辛い思いをしていないか心配になった。

病院の先生は心配な事や気になった事があればいつでも連絡してきなさい、と言ってくださったので、思いきって電話してみた。

忙しい中、先生はじっくりと私の話を聞いて、

「大丈夫、赤ちゃんはあなたのお腹の中で機嫌よく過ごしているから。心配いらないからね。赤ちゃんの痛みなどの神経はまだ未発達だから、あなたが思うような苦しみはないからね。」

そうか…そうなんだ…。

ホッとしたのと、まだまだ未熟な我が子の現状に、言い表しようのない感情だった。

ただ、先生の「機嫌良く」という言葉は、とても救われた。「そっかぁ…そっかぁ…」と我が子に語りかけながら、優しく優しくお腹の撫でた。

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