「連載の憐才」

小説を書いていますが、SNSやこのnoteを発表の場として、連載という形式で執筆しています。

若い頃に中篇(300枚) を原稿に手書きで書いていましたが、2作書いてからかけなくなり、15年ほどブランクがありました。

もう自分にはしっかりとした作品は書けないのだと諦めていましたが、3年ほど前にお遊びの気持ちでFacebookに連載してみたら止まらなくなり、1年かけて115.000字の三部作になりました。
それから恒常的に執筆できるように復活しました。

連載という形が、きっと自分には良かったんですね。
元々構想を練って書くタイプではなく、出たもの勝負みたいな書き方をしていたので、欲張って長い作品を書こうとしても続かなかったのだと思います。

ただ、自分の手法はかなりイレギュラーです。
本当に思い付きで書き出し、毎回考えながら書いていますし、それまで書いた連載も全く読み直さない。ひたすら前に向かうだけ。
推敲も一切しない。

そんなやり方で書き上げた後、全文を再読した時、意外に一貫性があったりして自分で驚いたりします。
いや、それがいいとは思わないのですが、変える気はさらさらありません。

人の美点は、欠点と同じだと思っているのです。
推敲しないのは、良くも悪くも最初の感性を信じたいからです。

トム・ウェィツのこの歌を思い出しました。
わがままな男が恋人とケンカしてしまい、恋人が家を出て行ってしまう。
男は恋人が心配で、頼むから電話をくれと歌うのです。
「だけどおまえはわかっちゃいないのさ
もし俺が悪魔払いをやったら
天使だって一緒にいなくなっちまうのさ
奴らをいったん追い払ったら
もう二度と見つけることはできないのさ」

僕も、そう思っています。

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