みてわかる電子回路「電源回路とは?」

ここでは電源回路の必要性とその中身の動作原理について解説します。
(ご利用にあたり免責事項をご一読ください)


そもそもなぜ電源回路が必要なのか?

電源回路とは、さまざまな電子回路を駆動するための「電源」を供給するための回路です。

ここまでに学んできた電子回路では、理想的な直流または交流の電源があるという暗黙の仮定がありました。何があっても常に所望の電圧あるいは電流を供給してくれるものがある、ということですね。
でも現実には、そのような恵まれた状況ばかりではなく、環境の変化や負荷の変化によっては所望の電圧や電流を供給してくれないこともあります。それでも電子回路を安定して動作させるためには、安定的に所望の電力供給を保ってくれる専用の回路を作成しなければなりません。

電源回路の分類

電源回路とひとことで言いますが、実際にはいくつかの種類に分類されます。まず一定出力される物理量によって分類すると、
・電圧源回路: 所望の一定電圧を供給する電源回路
・電流源回路: 所望の一定電流を供給する電源回路
のように区別することができるでしょう。

さらに直流/交流によって分類すると、
・AC-AC変換回路: 交流の電源をもとに所望の交流を安定的に供給する回路
・AC-DC変換回路: 交流の電源をもとに所望の直流を安定的に供給する回路
・DC-DC変換回路: 直流の電源をもとに所望の直流を安定的に供給する回路
・DC-AC変換回路: 直流の電源をもとに交流の直流を安定的に供給する回路
とおまかに分けることができるでしょう。
専門分野により異なる名称で呼ばれることもありますが、このシリーズでは上記の名称を用いることにします。

目立たないけど重要な存在

このような電源回路たちは、電子回路を陰で支える立場なのであまり目立たないかもしれませんが、とても重要で不可欠な回路です。ここからのいくつかの記事でこの電源回路の基礎について学び、その面白さを感じとっていただければと思います。