初めて都議会立候補者を確認してみた

基本「選挙は行く派」ですが、これまであまりにもテキトーに投票するだけだったので、今回は多少真面目に見てみることにしました。

情報収集は当たり前ですが、ネット頼りです。紙の何か(選挙公報?)が届くような気がするも、告示日にすぐ届くということはないので。テレビや新聞といったオールドメディアの情報は信頼しているほうです。とはいえ、情報の出るタイミングは分からず、付き合っていられません。

立候補者情報は東京都のサイトから確認可能

「東京都 都議選 2021」とGoogle検索すると、見事に選挙ドットコム運営のサイトがトップ、民間力素晴らしいです。次はNHK、こちらは都議会全体の椅子取り合戦の模様中継が基本で、投票の参考にはならなさそうなので却下。選挙ドットコムもいいけど公式ないのかな~と思い、東京都のサイトで検索するとありました。

もう少し、目立つようにしてほしい…まぁ、情報収集したい輩は自分で探すからいいのか。

区(選挙区)ごとに立候補者がPDFにまとめてあります。立候補者氏名、 党派、新現元の区別と各立候補者のHPのURLが貼ってあります。シンプルだけど比較的親切設計?

流れに従って、各候補者のHPを確認しました。公平性など全く気にせず、いち消費者・ユーザー目線でざっと気分の赴くままに見ていきます。

超・独断と偏見!HPの印象

私の住む北区の立候補者は5人。順番に見ていきます。

やまだ加奈子さんは区議から都議に移ったという方で、たまに息子の小学校の来賓等で見かけます。あと、選挙カーが走っているとき、「やまださーん、頑張って」と応援している主婦を見かけます。印象は「地方政治家っぽいおばちゃん」か「おばちゃんっぽい地方政治家」という感じ。

主婦からすると、地方政治家というと「結局何してんの?」というイメージが強い中、「おばちゃん」は「少なくとも主婦はしている」という謎の好印象につながるだろうと予想できます。

私が政治家を判断するうえでつい見てしまうのが、プロフィールの高校・大学です。ホント、学歴で判断するなんてひどいですよねー。学歴なんてたかだか、20代前半までの経歴であることがほとんどで、ある程度の年齢ならそこから先に何をやっていたかが大事ですよねー。えぇ分かっています。でももう一方であるのが「三つ子の魂百まで」。本人と接することができる場合は学歴はあまり参考にしないことにしています(参考にならないことを実感しています)が、こんな字面で見るだけでは無理。学歴見ます。

やまださんは大妻女子大学短期大学部家政科食物学科出身とのこと。地方出身の私は分からないのですが、東京に出てきてから大妻女子出身という人はよく会います。超適当イメージとしては「近寄りがたくないお嬢様校」。大学と短大はまた違うのか…判断つかないという判断しかつきません。

都議は2020年7月の補欠選挙で通ってからという、いわば「微妙な現職」であるためか、目指すという政策も実績もぼんやりしている印象を受けました。当たり前のことが書いてある感じで、そんなにピンとはきません。


佐藤ことさんは最近よく選挙カーが走っているように思います。出身の静岡県立浜松北高等学校はいわゆるその地域の名門校と認識していますが、ダブリン大学は分からない…

新人は政策言いたい放題なので、結構自由に書いてあります。所属の維新も現議席が1なので、自由に言えますよね。目についたのは「議員報酬・ボーナスの3割カット・寄付を率先」。できれば3割カットを実現し、できない場合は有志で3割寄付するということでしょうか。選挙前の維新は議席1、立候補者も13(議席数127)ということなので、3割カットが実現することはないとは思いますが、維新の議員が全員近く当選すれば、報酬カット要求があることは多少伝わるのかもしれません。(でも伝わるだけで、今回に関しての実効性はたぶんないですね。)

ブログは上手だと思います。さすが音喜多さんの弟子(⁈)。東京都不健全図書指定制度の話とかも面白く、ただ「これ今か?」という気もしつつ…きっと「これ今か?」が続いた結果、「昭和39年の条例制定時から全く検証されていない」ということなんでしょうね。こういうコツコツしたところから不条理や無駄を省くのも大事なのかもしれません。前職広報さんで音喜多さんの弟子ということなので、都議会で何をやっているのかを知らせるといった役割は果たしてくれそうに思えます。

個人的には、維新は信念みたいなのが好きではないです。国政でない都議会では信念もへったくれもあんまりないかな…



25歳若っっ!という林元まきさん。この年齢だと学歴で判断するほか、ないですね(正当化)。早稲田大学国際教養学部卒だそうです。早稲田大学は分かるけど、国際教養学部ってのが分からん…

BBAはBBAかJJIの政治家を選ぶ理由が分かってきた。

「2019年4月パーソルキャリア株式会社入社」「都政改革委員北区担当として活動し、立候補を決意。」とのことなので、正確には分かりませんが、会社勤務3年は経っていないということですよね。うーん、判断がつかない…。でもこの年代は就職売り手市場だった頃で、入った企業を3年もたたずに辞めるというのはマイナスなのではないかとの気もしますが、3年かからずに見切ったという点で優秀な可能性もありますね。

ものすっごいどうでもいいですけれど、ポスターの写真よりもスナップ写真の方が年相応でかわいい印象です。なんでポスター写真、あんなに老けてんの…眉毛が薄いのか、ライティングが強すぎたのか…

林元さんも新人ですが、所属の都民ファーストの会が現在第一党(?)なので、政策はちょっとなまって見えてしまいます。「「爆速」ワクチン接種で経済活動再開へ」というのは、現状のワクチン接種が「爆速」だと思えばプラス、「爆速でない」と思えばマイナスですよね。元々、ワクチンは国から降ってきたものなので都が爆速かどうか、難しいところですが…。しかも北区はほかの区に比べて早くないので、マイナス判断になりそう。区の問題を都議にぶつけるのもどうかとは思うのですが。一方でこの一点などから(真実かどうかは別として)「都政は北区を重視してくれない」→「北区選出の都民ファ都議がいないからだ」→「都民ファに入れよう」という発想もあり得るのかもしれません。

都民ファが掲げる「五輪無観客開催」は、個人的には賛成と思うものの、現時点でそのように進んでいないところを見ると、「今更ですか」感は拭えない。現在45議席で立候補者47人です。2人増えたら通るようになるとかなさそう…公明党も自民党と組むようになったしね。

「国に上納している都税を都民に取り戻す」というのも面白いですが、こっちも「そう思うなら選挙する前にさっさとやってよ」と思ってしまいます。この策は都議会で反対する人はほとんどいないのでは。国政政党だと言いにくいとしても、「都が上納する必要はない」とか言って回避とかできそうだし、都議会としてできるならすでにやっていそうと感じてしまうのですが、どうなのでしょうか。

都民ファなら都民ファとしての実績を、若い新人ならもっと若いなりの視点とか入れてあればと思います。特にパーソルキャリアは人材サービス会社なので、その経験に基づいて「働く若者の現場」にフォーカスした意見などを全面に出すと説得力はありそう。それが都政でどれだけフォローできるのかは未知数ですが、世間的にさほど反感もなさそうだし、ある程度の実効可能性はありそうにも思います。


大松あきらさんは公明党の現職。プロフィールも目を引くさすがの書き出し、さらに大阪大学法学部卒とのことで、分かりやすく安定感あります。卒業後は公明新聞へ入社し記者生活19年から都議会4期という、「ガチ公明党」漂う経歴も安定的です。

また、実績と政策がきっちりと書き込まれているという点では、判断しやすいです。「区内の保育園の定員を5年間で2500人以上増」「避難所にもなる小中学校の体育館にエアコンを設置」「石神井川の氾濫を防ぐ地下調節池の整備」など、私にとっては身近に感じられる話題も盛り込まれています。ちなみに、「実績マップ」というスゴイものもありました。さすが準備がいい!

ただ、都議なんですよね…都議会に地方(北区)の権利を守るための議員を送り込むって発想、あんまり好きじゃありません。加えて、不勉強な私の場合、実績マップにある項目について「それって都の仕事なんだっけ?区の仕事なんだっけ?」と思うところも多々ありました。もちろん、都が動かないと区では動けないということもあるとは思うのですが、都議会では北区のことより都としての仕事をしてほしいなぁと思います。(北区内の整備は区議にやって欲しいです。)

今後の政策として「全ての児童の給食費を無償化」を掲げているのは大賛成なのですが、実績として「私立高校授業料を実質無償化(年収910万円未満世帯)」を挙げているのが個人的にはマイナス。授業料は公立(都立高校、都立大学)を都民はできるだけ低額、場合によっては無償として、地方のように「金がなかったら猛勉強して(難しい)公立に入る」体制にし、無駄な私立学校を潰して無駄な私立学校助成金のようなものをなくす方が私の好みに合っています。もちろん、お金があって優秀な教育を望む金持ちは従来通り、私立学校に行けばいいと思います。


そねはじめさんは日本共産党の現職。「都立小石川高校、北海道大学理学部を卒業し、北区浮間にあった新日曹化工に勤務」というプロフィールに「普通に優秀な人っぽい」という好印象を持つのですが、その後ろの「日本民主青年同盟専従を経て」という一言に私はノックアウトされました。

キターーーーーーーーーーッ!!民青!!!

私は北海道大学出身ではありませんが、理学部出身で、当時、民青の人を学内でお見掛けすることが多々ありました。私が大学生だったのは2000年前後で、私の大学にはもはや相方の「革マル」がおらず、ピン芸人的に孤独な闘いをなさっているというイメージでした。あくまでイメージですが。今でもメンバー2人の方の顔は思い出すことができ(名前は忘れた)、
「ちょっとインテリぽいかもしれないけれど、でもそれ以上にカルトっぽい」という印象で、あまり近寄らないことにしていました。そうは言いつつも、なかなか新入生勧誘に苦戦されている様子には親近感を抱き(自分は体育会で万年女子ナンパ中)、よくあんなにタテカン作るよなー、大変そう…と思っていました。

そんな私が複雑な感情を抱く「民主青年同盟」にいた、そしてそれをサラッと書いちゃうんですね!(というか共産党だから当たり前なんですね!)という現実を見せてくれる、素晴らしい破壊力です。

公明党と共産党は、こんな私のようなタイプの本質を見抜き、ガッチリ高学歴で抑えてくるところがナイスです!!高学歴政治家は一日にしてならず!地道な学生時代からのスカウトが功を奏しているというわけで…やっぱり宗教すげーわ(共産党はきっと無神教という宗教と理解)。

おまけにそねさんは大学の童話研究会で宮沢賢治と出会ったと、HPに宮沢賢治の論文4本を掲載しています。(私も高校生のときに図書委員として宮沢賢治の小論文的なものを書きました。)切り絵や絵の趣味の成果も載せています。「地方政治家のおじさんってなにやっているのかわかんない」という私に、斜め上からの波状攻撃を浴びせてくるあたり、もう完璧です。なんか名前を聞いたことも会ったこともないのに、知っている人のような気がしてきた…

共産党は現在18議席ということで、いい感じに言いたい放題できるといったところでしょうか。五輪は安定の中止派。若干、言いっぱなしの気軽さを感じます。

政策・実績も文章で詳しく書かれています。単純な「実績」としてアピールしにくいところも逆に経緯として詳しく書くことで「ちゃんと貢献しているんだよ」とアピールするという、うまい戦略で攻めています。読むと「へぇ~」と思うところ多数。実績は北区に寄せて書かれており、私としては「うーん…」と感じてしまいましたが、よく読むと「都に認めさせて」など「都の制度などを変更した結果、区の環境がこうなりました」というように書かれていて、よく考えられてるなーと感じました。

都議を6期もやっているとあって、古い実績も一緒に書かれているのが個人的にはマイナスイメージです。確かに、子供がお世話になった病院の政治的(?)背景が分かって勉強にはなるんですけど、「それ、もう結構前ですよね?」的な。強調する部分は過去1~2期分にしてもらえると読みやすいです。

気になった政策の一つが、「北区を含め、保健所を25年前の体制に戻し、職員を増員します。」というもの。確かに、東京都の人口が1000万人ほど増加し、パンデミックの機会が増えると予測される中、現在の状況では体制が貧弱過ぎるというのは正論だと思うのですが、ごく日常の生活では「保健所」のお世話になる機会は確実に減っています。私が子供のころは保健所で集団予防接種を打っていた記憶があるのに対して、今やそれもなく、お世話になったのは子供の乳児健診くらい。今回の新型コロナで久しぶりに「保健所」の存在を意識しました。日本全体では労働人口の減少が問題となっている中、どれだけ襲われるか分からない非常時のために人を確保するのは難しく、柔軟な体制を取れるようにするか、ITを活用し、つまり金はかけても人はかけずに対応できる制度を整えたり、その制度を整えるための人材を増やした方がいいのではないかと思いました。


と、公平性などは全く無視して、心赴くままに見てきましたが、その結果、時間はかけたものの結局特に投票したい人はいないという「なんだかねー…」感が半端ないというのが今の心情です。

もうちょっと真面目に調べないと、ちゃんとした判断はできそうにないですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?