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日本にはなぜレジレス店舗がないのか?~文化背景とシステムの違い

■いわゆるレジレス(Just-WalkーOut)システムがない日本

最近ふと思ったのですが、アメリカはAmazonGoを始めとしたレジレスが普及しつつあるのに、日本だと実験店以外でレジレスってないんですよね…レジゴーもTTGも全部レジがある。

ところが欧米だとレジレスの方が人気になっています。有名どころだとStandardCognitionさん、AiFiさん、Tescoさん、Zippinさん…いずれもレジを持たないJust-Walk-Outを採用しています。むしろScan&Goも含めてレジをベースとしたシステムがない(警備員が乱数チェックすることは除いて)。

■文化の違いから生まれたもの?

でいろいろ考えていたのですが、おそらく「文化」の違いなんじゃないかなって思いました。しかもクレカ文化の有無だけではない、日本小売業全体にのしかかる「おもてなし文化」がそうさせているような気がするのです。

某小売業の中の人と無人店舗の話をしていた際に「レジの違算はいかなる理由があってもNG(もちろん100%を求めるものではありませんが、最低でも98%は欲しい)」と言っていたのですが、この「いかなる理由」は単にお客様が損をする話だけではなく、お客様が得をする場合でも「ご返却いただくお客様がいるので」と言う理由でお客様に手間をかけてしまう…だからNGと考えるようです。

ところがAmazonGoはこのあたりの割り切りが凄くて「買ってないのにリストに上がったらリストから消して(請求しないようにして)ほしい、リストに載っていなかったのに手元に会ったら進呈するのでそのまま持って帰って欲しい」となっています。返金や返品処理にコストと人員を払うなら捨てた方がマシ…すごくビジネスライクな感じですよね。

こうした「お客様に対する態度の違い」が結果的にレジを残さざるを得ない日本の事情であり、そこがZippinさんやCloudPickさんが実証実験ライクな店舗から抜け出せない理由なのかな?と思ったりしています。

■Just-WalkーOutは日本で普及なるか?

とは言え日本の小売業の皆さんだってキューライン撲滅は悲願であるので今後はJust-Walk-Out型の検討も進んでくるとは思いますが、この「文化的差異」をどこまで自分たちの中で消化できるのかがカギになりそうな気がします。そのためにも半ば実証実験(PoC)的に運営されているJust-WalkーOut型の店舗には頑張って欲しいものです。

こうならないためにも…。

大手PoCあるある



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