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基礎戦略もカウンティングもいらない?

ラスベガスの中でも、日本人の多いホテルと少ないホテルがあります。

私の常宿は、ダウンタウンにありますので・・・
ホテル内で、日本人に会うことは、ほとんどありません。

これはこれで、「外国に来たな~」
・・・と言う雰囲気を味わえますので、良いのですが・・・

ラスベガス滞在が長くなりますと・・・
「日本語」が、恋しくなったりします。

そんなある日のことです。

なんと!!
日本人を全く見かける事のない・・・
私の主戦場カジノで、日本人を見かけたのであります。

彼らと言うか、彼女らは・・・
一つのブラックジャックのテーブルを独占しておりまして・・・
(つまり、6人組と言う事)

負けると・・・
「アホ」「ボケ」「カス」「ナス」「お前のかあちゃんデベソ」と・・・

何も分からないディーラーに、悪態を笑顔で浴びせ・・・

勝つと・・・
「あんた天才」「あんた最高」「私を好きにしていいわよ」と・・・

最大限の賛辞を送っておりました。
 
「アホ」と言う言葉と、イントネーション。

まぎれもなく、「関西人」であります。
 

同じ関西人なら、恥ずかしくも何ともないぜ!!
ってことで、サクッと合流。

ただ、6人の内、5人は寝るとのことで・・・
私の合流と同時に離脱。

もしかして、ウザがられた?
・・・との疑念も少し湧きましたが・・・

既に、深夜2時ですし、皆さん、お疲れのようでしたので・・・
本当に寝るのでしょう。

ってことで、一人だけ残った関西人相手に・・・
マシンガントークを炸裂させていたのであります。

会話重視ですので、ベット額の増減はせず・・・
ず~~~~~っと、1単位を賭け続けていたのですが・・・
 
なっ、なっ、なんと!!
チップが、見る見る増えて行くではありませんか!!

$300バイインしたものが・・・
既に、$1000になっております。

ん~、無欲の勝利ですかね。
とりあえず、知らず知らずの間に、痛い負けを喫して・・・
後で、「反省」する事にならず、ホッと一安心であります。
 

まぁ、元手の$300は確保しておいて・・・
後の$700は、負けて元々と思い・・・
私は、勝負そっちのけで、「話しまくって」おりました。
 

私は、「話す」事が目的なので・・・
正直なところ、相手は誰だって良かったのであります。

また、変に相手を観察してしまいますと・・・
話すネタに気を遣ってしまう為・・・
話しまくっていながらも、「相手の顔」を一切見ておりませんでした。
 

しか~~し、どうしてなのか、女性は、素性の話をしたがります。

特に、「年齢」の話が、どうしてもしたいようです。
(古今東西、「年齢」の話をしない女性を見た事がありませんもん)
 

・・・で、年齢の話を振るくせに・・・
自分の歳は、ストレートに話しません。
(歳を取れば取るほど、この傾向は強くなるようです)
 

もちろん、私も、この傾向をよく熟知している為・・・
ストレートには聞きません。

また、ストレートにも答えません。
では、参考までに、実際のやり取りを見てみましょう。
 

彼女:私の事、何歳だと思ってるの?
私:やっぱ、ブラックジャックやってるだけに「21歳」じゃないの?
・・・と言うか、21歳にしときなよ。
 

彼女:真面目に答えてよ!!
私:(・・・って事で、初めて、彼女の顔に目をやった)

(化粧が濃いので、結構、行ってるのかな?)
(でも、真面目に当てに行って、正解よりも上を言っても、良い感じはしないだろうし・・・)
・・・って事で、「23歳」と答えておきました。
 

彼女:またまた~。これでも結構、行ってるのよ。
私:すると、「三十路」ですか?
 

彼女:「行ってないわよ!!」
私:(怖っ、どうも女性は、「三十路」って言葉が嫌いなようである)
(特に「三十路前」の女性は・・・)

「じゃぁ~、24歳」
(一歩、一歩、恐る恐る、下から正解に近づく方が、危なくない)
 

彼女:ぶぅ~、28歳でした。
私:へぇ~、若く見えるねぇ~。
(言っておいて、損はなし)
 

彼女:そうなのよ。今日も、ID見せろって言われちゃった。
(ラスベガスでは、21歳未満にギャンブルをさせては行けない為)
(若く見える日本人は頻繁にIDを求められる)

私:だね。ハタチくらいにしか見えないもん。
(ハタチの言葉は、ポイントが高いらしいので、言っておいて損はなし)
 

彼女:うまいんだから。
私:よく言われます。
(ここで、肯定しても、相手が機嫌を損ねる事は、あまりなし)
 

・・・と、まぁ、一通りの「年齢問答」を終えますと・・・
次は、「職業問答」へと移ります。

(女性は、何がなんでも、「年齢」と「職業」にこだわるようですね)
(ん~、お見合いの釣書感覚なのでしょうか?)
(逆に釣書が、それを反映したものなのか?)
 

彼女:何してる人?
私:ここだけの秘密にしてくれる?
 

彼女:うん
私:実は、マッカーサー元帥が残したM資金を・・・
カジノで、マネーロンダリングするのが、お仕事です。
 

彼女:またまた~
私:マジだって。

でも、負けまくってるので・・・
マネーロンダリングになってないって言う噂はあるけどね。

そっちは?まさか、FBIとかじゃないよね?
 

彼女:ロサンゼルスの日本料理屋で働いてる。
私:女体盛りある?
 

彼女:女体盛りって何?
私:「・・・・・・・・・・」
(ギャグを聞き返されるほど、対処に困るものはない)
 

私:女体盛りないの?
今、日本で、1番人気のメニューだから・・・
今度マスターに作ってもらいなよ。

マスターなら、知ってると思うからさ。
 

彼女:うん。言ってみる。
 

・・・と、まぁ、こうして「職業問答」を終えると・・・
初めて、普通の会話に移る事が出来るのである。
 

例えば、なぜ、こんな日本人の来ないホテルに来ているのか?
答え:安かったから
 

ちなみに、彼女らは、6人で1室を使っている為・・・
部屋代は、6分の1の割り勘となるので・・・
超安くラスベガスに来れるらしい。

本当は、違反らしいけど、問題になる事はないらしい。

ちなみに、この時、彼女は徹夜でブラックジャックをしていた為・・・
部屋を一度も使わず、宿泊料の6分の1を払うのが・・・
とても嫌のようでした。

ん~、女性だねぇ~~。

ちなみに、今回一緒に来た友達は・・・
各々$200ほど負けて部屋に帰ったらしい。

しかし、彼女は、$500ほど勝っていて・・・
徹夜の勝負を敢行しているとのこと。

なら、宿泊料くらい全部おごって上げればとも思うのだが・・・
そう言う感覚は、女性にはないようである。

あと、ブラックジャックをしている時に・・・
日本語で「惜しい」と言うのは・・・
やめておいた方がいいとの事。

「Oh see it」と発音が似ていて・・・
「Oh see it」は、行儀の悪い言葉との事。
 

おっと、余談に余談を重ねた結果・・・
タイトルの「基礎戦略も、カウンティングもいらない」から・・・
かなり遠ざかっておりましたね。

・・・って事で、話をそちらに移しますと・・・
要は、彼女のプレイスタイルが・・・
「基礎戦略も、カウンティングも無視」と言うのでありました。
 

基礎戦略とカウンティングに一応の知識がある私からすると・・・
彼女のプレイスタイルは、「カジノのカモやな」と思えるのですが・・・

そんな私の感想をよそに・・・
彼女は、めちゃめちゃ、楽しそうなのであります!!
 

私は、ディーラーカード「10」の時・・・
「16」なら、基礎戦略に従って、カードを引きますが・・・
彼女は、絶対に引きません。

私は、ディーラーカード「2」の時・・・
「12」なら、基礎戦略に従って、カードを引きますが・・・
彼女は、絶対に引きません。
 

カードを引いてバーストするよりも、生き残って・・・
ディーラーのバーストを期待するスタイルであります。

このスタイルは、基礎戦略を知らない初心者の人が、よく取りますが・・・
確率的には、分の悪いスタイルで・・・

やればやるほど、負けが込んでしまいます。
(かく言う私も、初心者の頃は、このスタイルを取っておりましたし・・・)
 

その事は、基礎戦略についての本等を読むと、痛いほどよく分かるのですが・・・

そんな本を読んでいない人にとっては・・・
GOODな戦法に思えるようでして・・・
とても、楽しく、自信を持ってプレイしているのであります。
 

彼女を見ていますと、この楽しくプレイすると言う事が・・・
非常に大切に思えてしまいます。

基礎戦略やカウンティングを覚えてしまいますと・・・
プレイヤーのする事は、正しい一手を選択するだけでして・・・
自分の個性が入る余地はありません。

負けても、「これが正しい」と基礎戦略に責任転嫁するだけで・・・
自分は、無責任状態になります。

自己責任こそが、アイデンティティーを育むものではないでしょうか。

基礎戦略を書いた作者の代わりに勝負するのではなく・・・
自分自身で勝負する方が、「熱い」のではないでしょうか。

他人の考えた必勝法よりも、自分独自の必勝法・・・
例えそれが、どんなにトンチンカンなものでも・・・

自分の信じた必勝法で戦う事が・・・
最も大切な気がする今日この頃であります。

ただ、負けても笑って済ませられる範囲ですることが・・・
前提条件ですけどね。

ちなみに、基礎戦略を全く無視している彼女は・・・
これまで、BJで負けたことがないとのこと。

毎回、ラスベガスに来るたびに、500ドルほど勝って帰るとのこと。

ん~、恐るべしは、女の勘?

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