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クラップス(ホースシュー$777の男)

ラスベガスは、ダウンタウンにあります・・・
「ホースシュー」と言うカジノのクラップスで・・・

一人のギャンブラーが・・・
$777777(約1億円と考えると楽)の勝負を挑みました。

ギャンブラーは、「Don't Pass Line」に全額を賭け・・・
二投目に「7」を出して、見事、勝ちを手中に収めました。
 

この話題は、よく知られており・・・
「ホースシュー」は、一目置かれる存在となりました。

他のカジノは、1回勝負等、リスクの大きい勝負を受けたがらないので・・・
「話せる」カジノとして、ギャンブラーにその名を知らしめたのです。

なにせ、私でも知っているくらいですので・・・
その宣伝効果は莫大であります。

・・・と、まぁ、この話を知っている人はいても・・・
これから話すエピソードを知っている人は、おそらく、いないでしょう。

それは、深夜のダウンタウン。
一人のギャンブラーが、ホースシューの前に現れました。

彼は、しばらくクラップスの状況を見守っていましたが・・・

「今だ!!」と思ったのか・・・
おもむろにテーブル着き・・・

$777を置いたのです。
(この時、$100札と$10札と$1札を7枚ずつ用意する事)
 

ピットボスやディーラーは、何かに気づいたのか・・・
「ニヤリ」と笑って、ギャンブラーを見ました。

すると、ギャンブラーは、チップ全額をDon't Pass Lineに賭けたのです。

そして、ギャンブラーは、軽く、天井を見上げると・・・
何かを決意したかのごとく、サイコロを放ったのです。
 

「ウイナー!!」
 

ディーラーの、その声で・・・
勝利を確信しかけたギャンブラーでしたが・・・

1秒後には、それが敗北である事を知るのでした。

そう、「7」が出ていたのです。

Don't Pass Line以外のプレイヤー・・・

すなわち、ギャンブラー以外のプレイヤーが・・・
すべて「ウイナー」だったのです。

ギャンブラーは、一つ大きく深呼吸すると・・・
暗闇のダウンタウンへと消えて行くのだった。

・・・で、終われば、格好良かったのですが・・・

残念ながら、3枚目の星の下に生まれてしまった・・・
このギャンブラーは・・・

すごすごと、$10をディーラーに渡し・・・
今度は、パスラインに賭けるのでした。 

そう、出目が「7」ですと・・・
シューを継続しなければならないからです。

ギャンブラーは、先ほどの負けが、かなりショックらしく・・・
ほとんど放心状態で、サイコロを投げたのでした。
 

「ウイナー!!」
 

この言葉が、ギャンブラーを余計に落ち込ませます。

しかしながら、今回は、パスラインに賭けてますので・・・
$10は、$20へと増えていました。

しかし、ギャンブラーは、まだまだ放心状態です。

どうやら、早く負けて、帰りたい心境のようです。

またまた、無気力に、サイコロを投げます。
 

「ウイナー!!」
 

$40になりました。
しかし、まだ、魂の抜け殻です。

サイコロを投げました。
$80になりました。
 

「ん?」

ギャンブラーは、少し正気を取り戻したようですが・・・
「どうせ、俺なんか駄目な男さ」と、つぶやくと・・・

再び自己嫌悪の無気力状態に戻り・・・
「さっさと負けろ」

・・・と、自暴自棄の言葉を吐きながらサイコロを投げたのです。

「ウイナー!!」

$160になりました。
 

ギャンブラーの目に、輝きが戻って来ました。

そして、ちょっと気合を込めて、サイコロを振ってみました。

「6」が出ました。

ギャンブラーは、考えます。

先ほどから、5回連続で「7」が出た。

「もう、しばらく7は来ないだろう。ここは勝負だ」
・・・と、ギャンブラーらしく決意し・・・

お土産代として残しておいた・・・
最後のキャッシュ$500をチップと交換し・・・

フリーオッズに$320。
そして残り$180をプレイスに賭けました。
 

「行くぞ~~」と、気合満々で投げた先には・・・

またもや、「7」が・・・

一瞬、さっきまでの「7」イコール勝利の方程式があった為・・・

喜びかけましたが、目の前のチップをディーラーが・・・
マッハで回収して行くのを見ますと・・・

自分の敗北を知るのでありました。

そして、ギャンブラーは・・・
ダウンタウンの闇の中へと消えて行くのでありました。

「おみやげ、どうしよう?」と、口ずさみながら・・・


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