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94万円スッたら…

お金に執着し過ぎて失敗した話の続きです。

2008年のリーマンショックの時、私は東証一部上場企業の地方の支店で営業事務をしていました。
仕事内容はほぼ毎日締切がある業務でいつも追われる忙しさでしたが、それと同時に私は「日経225ミニ」という日経平均株価(日経225)を対象とした先物取引に没頭していて、頭の中はチャートと日々の損益の変動でいっぱいでした。

投資を始めたのは2003年頃で、最初は株式の現物取引でした。
雑誌やテレビで株主優待のことを知って「優待も貰えて、利益も出たらラッキー!」とばかりに銘柄選びで頭がいっぱいで、1年目はビギナーズラックで80万円ほど利益が出ましたが、2年目以降は調子に乗って信用取引を始めて損失が徐々に増えていき、利益より損失の方が多くなる一方でした。

この頃は雑誌や投資関連の本以外にもネットでの情報をむさぼるように見ていて、怪しい投資コンサルタントが紹介する銘柄を買ったり(そういうのは当然買った後に株価が下がるパターン)、情報商材を買っては「全然使えない!」というものばかりで、いつも次から次へと新しい情報=楽して儲かる情報を探していました。

2006年にはライブドアショックで、利益が出ていたライブドア株の価格が下がっていく様にショックを受け、「もう株はこりごり」と思っていたところ、銘柄選びに悩まなくてよくて少ない資金で出来る日経225ミニに目が留まりました。

これで売買を繰り返せば儲かるかも!?と思い、大して勉強もしないうちから売買を繰り返し、まぐれで利益が出ることもありましたが、
・自分で決めた損切りルールが守れない
・投資の記録をつけていない
・損が出るとすぐに自分で決めたルールを変更してしまう
という痛い有様で、なかなか利益が出ない状況に焦る毎日でした。

そして、リーマンショックの時に今までで一番大きな損失を出してしまいました。
価格が乱高下し94万円の損失となったのです。

この時のことはあまりにショックすぎてほとんど記憶がありません。
覚えているのは、価格がどうなっているか気になりすぎてトイレに携帯を持って行ってチャートを見てどうしようか?とドキドキしていたことと、トイレから戻ってきた時に隣の席に営業マンに変な目で見られて(と私は思い込んでいた)変な汗をかいたことくらいです。

それから毎日価格は乱高下し、その時に売買すれば大きな利益が出たかもしれないのですが、怖くて夜な夜なチャートを見つめているだけでした。

それ以降、細々と少ない資金で続けてきましたが、そんな生活に疲れてしまい、投資で一発逆転なんて夢を見ることを止めました。

本当に私が望んでいたのは、平和で心穏やかに過ごせる毎日でした。

会社のストレス、家でのストレスはもちろんありましたが、最大のストレスは「自由にお金が使えない(と思い込んでいた)」ことでした。

本当にやりたかったのは、いろんなところに旅行に行ったり、美味しいものを食べに行ったり、好きな時にお酒を飲みに行ったり、好きなアーティストのライブに遠征したり、好きなファッションを楽しんだり、自分の部屋をリフォームしたり、という誰もが普通に出来そうなことでした。

それを「やってはいけない」と勝手に思い込んでいたのです。

多少はやっていましたが、少しやるたびに「お金が減る恐怖」「親から言われる文句」「会社の人・友人・他人の目」を気にしていました。

その反動で「使えるお金を増やせばいいじゃん!」と考えてしまい、間違った方向に労力を注いで、ギャンブル中毒にようにのめり込んで周りが見えなくなっていました。

もっと上手なお金の使い方が出来ていれば…と思いますが、後悔先に立たず。

ただ、これからはもっと自分にとって有意義なお金の使い方が出来ると信じています。

この痛い話が、お金の使い方を見直すきっかけなどになれば幸いです。


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