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海外旅行する為にモルモットになった話


 皆さん海外旅行最近してますか?僕は1ヶ月前にイギリスに入ることに成功し、一昨日ロックダウンの第三段階目の緩和で4〜5ヶ月ぶりに再オープンした盗品博ぶ.....大英博物館やナショナルギャラリーを観てきたところです。

 入国以降「え、今旅行できるの?」「旅行する方法教えてください!!!」といった問い合わせがリプライやDMで何十件も来てましたが久しぶりの海外旅行で浮かれて筆無精に至ったことをお許し願いたい。初noteで書き方よくわかってない点もご容赦願います。

(※僕の個人的な事情とか興味ねえ!!どうやって旅行するんや?って人は前半読み飛ばしてください。)

昨年のパンデミックと卒業旅行計画の破綻

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昨年大学卒業旅行としてインドから入り、パキスタン、アフガン、イランイラクへと西に向かいその後、中央アジア、カフカス地方を回りながら未承認国や反米国家を回ろうとしていたところインド渡航前日にVISAが停止され航空券が吹っ飛びました。

 まだその時点では入国可能な国が残っておりVISAの期限も残っていた為、旅行できる可能性を模索していましたがルート策定しているうちにイランで感染爆発が起き独裁国家のトルクメニスタンが早々と国境を封鎖し次々に周りの国々も封鎖されていきました。旅行計画は幻と化しました。

 これ以降海外旅行をする方法は一部の政情不安定国に行くか密入国、もしくはペーパーカンパニーを作ってビジネス客を偽装するぐらいしか残ってません。僕は一筆書きでまとめて旅行したかったので諦めました。

 去年海外旅行しようとしていた人は程度の差こそあれこんな感じでしょう。旅程が吹っ飛んだ後「コロナはいつ終わるのか」「海外旅行はいつからできるの?」と最初は考えていましたが、情勢が更に緊迫度を増していく中でいつまでも無駄な思考に時間を費やすのも馬鹿馬鹿しいので、僕は今まで疎かにしていた国内旅行に切り替えロードバイクで稚内から東京まで1500kmを13日で走破したり、ソーシャルディスタンスを人と会わない口実にして筋トレと減量に励んだりしてめちゃくちゃガタイがよくなりました。

転機  

 今年の2月熊野寮でシーシャパーティーをやるから来ない?と誘われたので京都まで旅行することになりました。この際に辺境さんのシェアハウスにお世話になりました。(この方は僕が人生で会った中で5本の指に入るぐらい面白い方で毎日朝の5時から檸檬堂を飲み、酔っ払ってない時を見たことがないが、渡航先は100カ国を超えサウジアラビアで僕がゲイにレイプされかけた際にやり取りするようになり仲良くさせて頂いています。)


​ 辺境さんと日課の比叡山登山をしながら朝から酒を飲んで話していたら「指笛君、今でも海外旅行する方法あるよ。なんならお金ももらえるよ。治験って言うんだけどね。」盲点でした。なんと身体を人体実験として差し出すだけで海外旅行できるのです!!!

 僕はそれを聞いて速攻で決めました。ただ本当に行ける国が存在するのか?情勢は不安定でした。大体の国は感染者数が増えすぎると国境が閉まり、一時的に開いてもビジネス客限定の渡航しか認められないことが多かったからです。調べていくとイギリスの国境は開いてました。

 その時点でイギリスは第三波がロックダウンのおかげで減少方向に向かっていましたが以前一日の感染者数は1万人を超えていました。ただ足元ではワクチンの接種が順調に進み接種スピードをもとにしたロックダウン緩和計画が発表されていました。

 いやこれやるしかないでしょ。人体実験はされますがそもそも海外旅行中死ぬ可能性に比べたら副作用など大したことありません。こうして僕はモルモットの道を模索し始めました。

 他に渡英を決めた理由としてはイギリス政府がワクチンを不法移民を含む全ての滞在者を対象にすると発表していたからです。日本の接種計画だとどんなに早くても2021年末頃だったのでイギリスの方が早く打てるなと思いました。日本では現執筆時点で高齢者へのワクチン接種ですらもたついている惨状ですがイギリス36歳以上まで基準が緩和されています。

 治験にも色々あり1ヶ月近く施設に軟禁されるものから投薬した後数ヶ月定期的に通院するものまでありました。また制約事項で筋トレ禁止であったり喫煙不可等細かい条件が案件ごとに設定されていました。

 僕は筋トレして海外旅行できればなんでもいいや、後ついでにワクチン打てそうなタイミングに合わせたいなと数ヶ月単位の案件を探していたところ条件に合うものが幾つか見つかりました。健康体でなくてはいけないというモルモットとしての条件も筋トレの為に超規則正しい生活をしていた為何も問題ありませんでした。

 僕はモルモットとして優秀でした。

 そこから先は片っ端から応募しました。第一志望は落ちましたが「4/22頃の航空券取って早めに渡航して待機してくれるなら第2志望の補欠要員、無理な場合の第3志望に優先配置という形で通過してもいいよ、ただし早い者勝ち」と言われたので返信から10分で航空券を取り無事イギリス行きが決まりました。


 こうしてモルモットになることで海外旅行できることになりました。



ここから下は入国手順等、実務的な内容になります。待機しているだけなのでまだモルモットになれていません。

実際に渡英するまで

 今回の旅行は今までとは勝手が少々違いました。普段なら日本のパスポートは最強なのでその恩恵に預かり航空券をパパッと取ってその日には旅行する事もできましたがそうも行きません。いつもと違うのは以下の点です。

1.直行便しか使えない

2.出国前72時間以内の陰性証明書提出

3.Passenger Locator Formという政府サイトに登録する必要がある

4.隔離される、ただしガバガバ(後述)

 一つ目の違いは航空券です。普段の僕はLCCを使い経由地の国でついでに数泊してその国を旅行してたのですが、今回それをやるとイギリスの隔離措置区分が変わってしまい2週間缶詰になるので直行便で行くことになりました。

 二つ目の違いは陰性証明書の提出が必要な点です。これがまた厄介で自費PCR検査にも様々な種類がありその中から各国政府の定める要件が異なり病院HPから調べたり問い合わせしなければなりませんでした。イギリスの場合は

(1)100,000copies/mlを超えるウイルス量(viral loads)において、特異度97%、感度80%であること。
(2)検査方法には、PCR検査を含む核酸検査、LAMP法を含むその派生技術、あるいは、ラテラルフローデバイスでの検査等の抗原検査が含まれうる。
検査証明書は、英語、仏語またはスペイン語で作成された原本を提示しなければならず、他言語からの翻訳は不可。また、検査結果は物理的に印刷された書類、または、自身の携帯電話からEメールまたはテキストメッセージにより提示すること。検査証明書に必要となる情報は次のとおり。
(1)パスポートなどの渡航文書と合致する氏名
(2)生年月日または年齢
(3)検査結果
(4)検体採取日または検査機関の検体受領日
(5)検査機関名及び連絡先
(6)検査デバイスの名前


ってな感じで、いやそんなん知るかよと言う気持ちでしたがなんとか頑張りました。

 3つ目のサイトはイギリス政府が海外渡航客の追跡サイトみたいなもので宿泊施設や入国前陰性証明書や個人情報を記録します。

 ここまで非常に長ったらしい条件を書き連ねましたが北朝鮮やサウジアラビアに入る時のような手続きの煩雑さでした。ここら辺の苦労をものともせず終えられる人は辺境旅行に向いてると思います。

イギリス到着後


 渡英前に聞いていた感じだとイギリス到着した後自動ゲートは使えず入国審査を受けなければならなかったのですが普通に自動ゲートで通過できました。あれれ?ここで既に違和感を感じました。以前ベルギーからユーロスターで入国した際は不法移民と思われ小一時間ほど質問攻めされ今回もそれぐらいの覚悟をしていました。拍子抜けでした。

 税関審査も何も言われずあっさり入国完了しました。日本の防疫体制を見ていると入国手続き終えた後に専用車に乗せられ指定の隔離施設に連れていかれるのでイギリスはどうなんだろうなと思っていたら普通に空港から地下鉄に乗れました。ん?

 そのままホテルに着きチェックインしたら保健所職員がくるのか?と思っていたところ誰も来ませんでした。あれれ?本当に隔離措置はあるのか疑問に思っていたら少し前にイギリス入国した人から「抜き打ちの検査されて罰金払った奴がいる」とのことでした。

 全ての入国者は渡英後2日目と8日目に自宅コロナ検査をします。入国前は検査官でも来るのかと思っていたら郵便で検査キットが届きました。

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 これを鼻腔と咽頭粘膜に突っ込んで検体を送付するのですがそこで気づきました

「あれ、この検体送り返すのに外出る必要あることない?」

 普通に外出して指定のポストに投函しました。一応抜き打ちの検査を恐れてはいたのですが「検体投函しに外出していたんだ!」と言い張れば余裕だなと思えるガバガバさでした。僕はスーパー寄ったり散歩してました。

 渡英5日目にTest to releaseという試験を日本人は受けることができます。これを受けて陰性だと無事なんちゃって自主隔離は正式に終了です。結局抜き打ちの検査は一回もされませんでした。

 モルモット仲間と事前検査の際話すことがありましたが日本人は誰一人として抜き打ち検査されていませんでした。その中には隔離措置があることをよくわかっておらず普通に遊んでいた人もいました。

 自主隔離先のホテルのスタッフと話す機会があり隔離時の話をしたところ「え、ほんとかい?今アフリカから来た家族が自主隔離してるところだけどさっき検査官来てたよ。日本人だから隔離緩いんじゃない?」と笑っていました。

現況

 一昨日ロックダウンの第3段回目の緩和が実施されました。美術館や博物館が4ヶ月ぶりに再開し、レストランでは店内飲食が可能となり、別世帯とのハグが許可されるようになりました。町中歩いてるとカップルがあちこちで抱き合ってます。

 モルモットの事前検査も周りが追加の検査を受けさせられている中なんなく通過しました。‪コロナで外国人観光客がいないので観光名所はどこもガラガラですのでロックダウン明けのロンドンを満喫しています。

 以上モルモットになることでコロナ禍でも海外旅行する裏技でした。

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