みつひかり不正事件の教訓⑤

国の説明と教訓

「今年のみつひかりは供給しない。」2023年2月20日頃、突然三井化学クロップ&ライフソリューションから栽培農家と種苗会社に通知が届き田植えを控えての突然の通知に農家は大混乱となった。

前年の天候不良によると思われる交配不良による純度不足が理由であった。夏には同社のサイトに「お詫びと回収」が掲載され、さらに農水省に対する報告書が提出されて不正が明らかになった。

不正内容は以下参照(2016年より以前のものは社内メールが残っていないため不明とした。)

*2016年〜生産地偽装をしていた。

*別品種を混合していた。
 ・2017年〜2019年→3%異品種混入
 ・2020年→25%異品種混入
 ・2021年→39%異品種混入

*発芽率偽装していた。(発芽率90%以上としていたが2019年以降90%に満たない物が出荷されていた。)
 ・2020年→17ロット/18ロットが90%に満たず。
 ・2021年→4ロット/4ロットが90%に満たず。


また、山田元農水相が直接種苗会社を訪れ話を聞いた所によると、全く発芽しないロットもあり平均すると70%未満ではないかと言うことであった。

種子法の下、公的種子事業により優れた品種が開発され厳しい基準で維持管理され安定的に種苗が提供されてきた。

種子法廃止の折には国はみつひかりを民間の優れた品種の代表例として推奨した。そして種子法廃止の疑問の声には公的種子が民間品種に置き換わっても、みつひかりのような民間の優れた品種があるから種子法を廃止しても問題はないと説明したのだ。

さらには、38都府県で栽培され超多収、一反で12俵採れる。吉野家でも採用された美味な品種である。こうしたみつひかりのような民間の優れた品種が普及しないのは、種子法が邪魔をしているからだ!として種子法を廃止したのである。

国が民間の優良品種の代表例として上げ推奨したみつひかりが、優良とは程遠い粗悪品であり不正の温床となっていたと言うことは、つまり種子法廃止の根幹が失われたことになる。

そしてみつひかりは2026年撤退することを発表している。

種子法廃止とは一体なんだったのか。公共の種子を潰すことだけが目的だったのではないかと疑はざるを得ない状況となった。

国はみつひかりを推奨し種子法廃止の目的の根拠とした以上、この不正を受けて種子法を廃止したことの評価をし直し国民に対し説明責任を果たさなくてはならない。

このような粗悪品が供給されていたということは、栽培委託した農家に対するチェックが民間企業では難しいことを表している。そして民間企業は採算が取れなければ撤退するのみ、責任を負う義務もない。民間の種子が支配的になれば、外資かどうかは分からないが民間企業の不正や撤退は国民の生命を直接危険にさらすことになる。これを避け国民の命を守る役割を果たしてきたのが種子法であったのだ。公共の種子を守り種子の自給を確保すること、これが国民の生命を守るための必須事項であった。これがみつひかり不正事件の教訓である。

(参考資料↓岩月弁護士1:00:00頃〜非常にわかりやすい講演内容です。
20240404 UPLAN 基本法に「種子の自給」を!~ 種cmzFkxdXRz7jdt6Ys://youtu.be/vLrN3Q_0YIY?si=cmzFkxdXRz7jdt6Y @YouTubeより)

そして…

食料への権利が憲法上の人権であることを改めて裁判所に認めさせ、種子法廃止は食料への権利を保障する憲法に違反することなどを明らかにする目的で行われている、「種子法廃止等に関する違憲確認訴訟」は本日6月14日11:30から第3回の控訴審が行われる。

今控訴審の注目すべき点は

1.種子法廃止により財政措置が廃止前と後において同等であるとは言えないと地裁で認められた。国は地裁の結審時にでさえこれに対する反論をしなかった。原告側は国はこれを認めるのか、返答を求めた。そして財政基板がしっかりしていると言うなら資料を出すよう国に求めた。
国はこれに何かしらの返答をするかどうかが注目すべき点。

2.憲法25条の保障のため衣食住の保障が必要になることは否定できないとして、食料への権利について25条で保障される余地があると地裁で認められた。国はこれに対しても反論しなかった。原告は国がこれを認めるのかどうか返答を求めた。国がどのように返答するかどうかが注目される。

3.みつひかりを国は推奨し立法目的とし種子法廃止したが不正事件を受けて立法目的は正しかったのか、原告側は国にはこの問題を受けて弁明を求めた。これに対して今まで国は一切の返答をしておらず、これの返答をするかどうか、どのように弁明するかが注目すべき点。

4.原告側はタネ農家さん、元農水大臣の山田先生、大分大学の経済学部の先生、3名の証人の尋問申請をした。これに対して国はこの尋問が必要だと認めるかどうか、意見はどう述べられるか注目すべき点。

これまで国はまともな反論をせずにいる。より多くの注目が集まり、国からの誠意ある対応を引き出す手がかりとなる様長々と下手な文章を並べた。

多くの皆様に裁判所前で会えることを祈っている!
足を運べない皆様にも注目いただき、この国の行く末により良い判断が下される様声を上げ、祈っていただきたい。

皆さん!今日です!!
ご注目下さい↓
種子法廃止意見訴訟  6月14日11:30〜  東京高等裁判所
皆さん集まれ〜&ご注目ください!!
詳しくは↓
http://tpphantai.com/info/20240605

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