超音波画像を用いた肝線維化ステージの自動分類

Automated classification of liver fibrosis stages using ultrasound imaging

Automated classification of liver fibrosis stages using ultrasound imaging | BMC Medical Imaging (springer.com)
Park et al. BMC Medical Imaging (2024) 24:36
https://doi.org/10.1186/s12880-024-01209-4

Abstract
背景
超音波画像診断は、慢性肝炎や肝硬変の患者に対して最も頻繁に行われる。しかし、超音波画像診断は操作者に依存するところが大きく、超音波画像の解釈は主観的であるため、評価には十分な訓練を受けた放射線科医が必要である。肝線維化の自動分類は、特に低・中所得国における熟練した放射線科医の不足を緩和する可能性がある。本研究の目的は、深層畳み込みニューラルネットワーク(DCNN)を用いて、US画像を用いたMETAVIRスコアによる肝線維化度分類を評価することである。

方法
2つの3次大学病院の超音波(US)画像を使用した。933人の患者から得られた合計7920枚のUS画像をDCNNの訓練/検証に使用した。全患者に肝生検または肝切除を行い、病理結果に基づいて肝線維化をMETAVIRスコアで分類した。METAVIRスコアを予測するために、5つの確立されたDCNN(VGGNet、ResNet、DenseNet、EfficientNet、ViT)を実装した。5レベル(F0/F1/F2/F3/F4)分類に対するDCNNの性能は、95%信頼区間付き受信者動作特性曲線下面積(AUC)、精度、感度、特異度、陽性および陰性尤度比により評価した。

結果
VGGNet(0.96)、ResNet(0.96)、DenseNet(0.95)、EfficientNet(0.96)、ViT(0.95)の5つのモデルで同様の平均AUC値が得られた。精度(0.94)と特異度(0.96)の平均値はどのモデルでも同じであった。感度に関しては、EffcientNetが最も高い平均値(0.85)を達成したのに対し、他のモデルは0.82~0.84とやや低い値を示した。

結論
本研究では、DCNNが従来のBモード画像を用いて、METAVIRスコアによる肝線維症の病期分類を高い性能で行えることを示した。その中でも、パラメータと計算コストの少ないEfficientNETが最も高い性能を示した。この結果から、DCNNを用いた肝線維化の分類は、追加検査機器を必要とせず、迅速かつ正確な肝線維化の診断を可能にし、放射線科医の臨床を支援する強力なツールになると考えられる。

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 BMC Medical Imagingに掲載された、ソウルの多施設共同研究です。超音波Bモード画像から肝線維化ステージを推定する試みで、まあ、この手の研究は多く報告されています。933例、7920枚とサンプルサイズは充実しています。ただ、F0 28.1%、F4 33.2%とバランスが悪く、これは連続症例ではなく、極端な画像を多くして結果を出そうという意図が明らかです。F4が少ない場合に増やす、というのは深層学習において悪いことではないですが。
 超音波診断装置は各社ハイエンドから普及機、発売時期もばらばらで、11種類の装置が使用されています。そのこと自体も検証結果の汎用性という意味で悪くはないと思います。
 問題は撮影画像です。部位は記載が無く、Figure 1をみるとどれも右葉ですが肋弓下、肋間操作の統一も無く、実質のスペックルパターンを読ませたい意図とのことですが、そもそもプローブコンタクトができていない画像も結構あって、ゲインやDepthも統一されておらず、脂肪肝がどの程度入っているかも記載が無く、無茶苦茶です。横隔膜はまだしも、胆嚢や心臓も含んだ画像もあって、これでスペックルだけ読んでいるとは思えません。深層学習もtrainingとvalidationはあって、最終的なtest画像での確認が無くて、信用できないですね。評価される内容であれば、もっと良い雑誌に掲載されたのではないでしょうか。

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