【１軒目】ハッピーアワーde役員会【道玄坂ハイボール】

ここは渋谷、時は夕暮れ。

酒場へと続く階段に、ふたりの男の影があった——

カラフルなポロシャツを着ているふたり。

向かって右、オレンジのポロシャツに身を包むのは蛎田一博。ドラム式洗濯機の費用対効果を謳うツイートがバズったことで知られるコスパマニア。普段は人材マッチングサービスを提供するユニポテンシャル代表取締役もやっている。

左のイエローポロシャツは同取締役、須田仁之。最近２冊続けて本を出版し作家を名乗りだした。

株式会社ユニポテンシャルの取締役は以上２名。このふたりが揃うところ、そこはすなわち役員会と化す。少し不思議でハッピーな役員会の世界をのぞいてみよう……

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会議の開始を告げるグラスの音。ハイボールとレモンサワーがお気に入り。

蛎田（かきだ）：定刻になりました。それでは株式会社ユニポテンシャル定期役員会を始めます。本日の議題は、当社の企業PR活動についてです。

須田（すだ）：かっきー、急にどうしちゃったの？ 企業PR活動って何の話よ？

（以下、蛎田＝か・須田＝す）

か：企業たるもの、もっと世界に向けてPRしていくべきだと思いませんか！？　特に我々がやっているのは人材と企業のマッチング、認知されることでより社会の力になれるんです。

す：まぁ正論だけど認知されるってのも大変よ？　広告にばっかりコストをかけて本業が疎かになったら本末転倒だしさ。

か：ふふっ、僕だってそれくらいの計算はしています。そこで妙案を思いついたんです。「僕の大好きな飲み屋のハッピーアワーで役員会を行い、その様子をブログで発信」することで会社をPRするんです！！

須田仁之４５歳、突然の提案に何を想う…。『恋愛依存症のボクが社畜になって見つけた人生の泳ぎ方』好評発売中！ タイトルが長いけどちゃんと面白いのでぜひ。

す：ハッピーアワーで役員会を……！！

か：これを当社役員である須田さんに承認して頂きたい！

す：ハッピーアワー役員会……。

か：完全に響いた感じですね。じゃあ役員会はここまでにして飲みに戻りますか！

す：待て待て！ それほんとにPRになる？

か：おっと、失礼しました。どうやら説明不足だったようですね。

す：妙案って自覚あるわりに完全に説明不足だよね。それに役員会は早朝プロントが俺たちの定番じゃん。かっきー、早起きがイヤになっただけじゃないの？

【定例会の場に最適なのはプロント？　ハッピーアワー？】

本日お邪魔したバーは渋谷「道玄坂ハイボール」。駅からすぐの好立地の、落ち着いた雰囲気のお店。ハッピーアワーは17:30～19:00まで。

か：プロントも確かに役員会をやるには素晴らしい環境です。早起きも好きです。でもユニポテンシャルの今後を考えたらそれでは足りない！ 弱いんです！ 居酒屋のハッピーアワーこそ、コスパを最も重んじるユニポテンシャルの役員会にふさわしい場なんです。

す：コスパ重視の方針には賛成。でもプロントこそコスパ最高だったよね？　低価格ながら席間も程よく空いていて、特に朝の時間帯は落ち着いて会議ができる。だからこそ役員会は早朝のプロントだったわけだけど、それよりもハッピーアワーの方がコスパ的に優れていると？

か：僕だってコスパを愛する者、確かにそれもわかります。でもハッピーアワーの方がよりハッピーなんです。ハッピーなアワーなんです。「心のコスパ」が良い、役員会にぴったりな空間なんです。まずはそこを“コスパの鬼”須田さんに知って頂きたい！

す：オーケー、そこまで言うなら聞こうじゃん。僕はね、昔からハッピーアワーには懐疑的なの。言うほど安いかね？　僕は飲むなら絶対せんべろ。だって36円のハイボールとかあるんだぜ。駄菓子みたいな値段なんだよ。

か：いいでしょう、ハッピーアワーの魅力を全力でお伝えします。

盛り上がっているがふたりの頭に「役員会は会議室で」という考えが少しも存在しないのがやや怖い。

【お得なだけじゃない。知る人ぞ知るハッピーアワーの真実】

か：原価率だけで判断すればせんべろかもしれない。でも僕が考えるコスパは「心の満足度」。ハッピーアワーの魅力は「お得感」「客層が良い」そして、「お得感」です。総合的に見てもコスパが良いんです。そしてそれは当社の事業である「人材マッチング」にも適用できるし、僕はそこを皆さまに……

す：ストップストップ、ハッピーアワーが人材マッチングにも通じるってどういうこと？　あと「お得感」ダブってるよ。

か：生レモンサワーが通常500円の店で、ハッピーアワーに300円で飲めたら気持ちいいじゃないですか。最初から激安の店で飲んだってそれは安い酒を安く飲んでるだけで期待値を超えてくることはないんです。
常に期待値を超えていきたい。それって実は高いお店で高い酒を飲むよりも良い体験なんです。高い酒が美味いのもまた当然ですからね。人材についても同じ事で、安売りするのではなく、お得感をどう演出するかですよね。

す：年俸300万円の人材をいったん年俸500万円で紹介して、期間限定で400万円に値下げして紹介する的なこと？

か：そんな軽いノリの小細工は致しません！　数字のやりくりではなく、たとえば営業職で採用した人が実は野球がうまいとか、すごく優しいとか、河島英五の曲を全曲弾き語りで歌えるとか。それって全てこちらの期待値を超えてきてますよね？

す：期待値を超えるのは確かに社会を生きていく上で大切だね……。でも人材の話はさておき酒は安けりゃ安いほうが良いって点は譲れないよ？

か：それではハッピーアワーが役員会にふさわしいふたつめの理由、客層の話に移りましょう。

【実は客層が良く民度が高いハッピーアワー】

か：原価に近い値段で飲めて、居酒屋特有の力の抜けた良い雰囲気を感じられるし、せんべろが良いってのはわかりますよ。

す：でしょ？

か：でもその安さを追求する途上、環境が犠牲にされることもありはしませんか？ たまにハードな酔っぱらいの人とかいるじゃないですか。その点ハッピーアワー客の民度は非常に高いのです！

す：いやいや。早い時間から飲んでるのなんてガラ悪い人も多いでしょ。

早い時間から飲んで上機嫌だがハートを作り慣れていないのは明らか。寒さに負けて長袖になった須田仁之４５歳著『捨てる。手を抜く。考えない 』も好評発売中。

か：実は、ひとりふたりで来るサラリーマンが多いんです。早い時間に飲めるということは仕事を終わらせてるわけで心に余裕がある。家族の時間を過ごす前に１杯だけ飲んで帰ろう、みたいな人たちなので落ち着いた雰囲気なんですよね。

す：それは意外。

か：しかもハッピーアワーで飲むって、大抵１軒目じゃないですか。さすがにみんな酔っ払う前なんで、へんに絡んだりする人もいないです。だから役員会だって開けちゃう。最近ではハッピーアワーって実は紳士淑女の社交場なんじゃないかとすら思えるようになりました！

す：なるほどね。あともうひとつくらい魅力あったよね、続けて続けて？

か：そう、３つめは何より「お得感」がハンパないんです！

す：やめて、その話さっき聞いたからもう大丈夫。

か：大切な事だったんで最後にもう一度言いたかっただけです。

す：要するに限られた時間の中でしか得られない「お得感」があって、早い時間帯だから「客層が良い」。故に酔っ払いトラブルに巻き込まれるリスクもなくコスパが高い。だから役員会はハッピーアワーでやりましょうと言うことね。

か：流石は須田さんです！　まさにその通り。

【こころのコスパと私】

す：それにしても、ハッピーアワー愛が度を超してるね。

か：僕は何事も無理はしたくないと思って生きてます。格好つけて高い酒飲んだり、飲み過ぎて体壊したりして嫌な気持ちになりたくない。安さだけじゃなく、心の豊かさも含めた満足度で測るのが、時代に即したコスパの考え方です。僕はこれを「こころのコスパ」と呼んでいます。

　そして何よりもハッピーアワーで役員会を行う様子を発信することで、ハッピーアワーのことをもっと知ってもらいたい！　ハッピーアワーを盛り上げたい！　全国津々浦々の酒場でハッピーアワーが導入されて、みんながそこに集まる世の中になったらきっと誰しもこころのコスパを考えるようになります！　

　みんながより満足度の高い仕事環境があるかもしれないと考えるようになればうちも儲かる！　景気も良くなる！　もっと酒が飲める！　そういうことですよ須田さん！

この役員会が行われた日付が後に祝日「ハッピーアワーの日」となるのだが、それはまた別のお話……。

【修羅の道 コスパの追求】

す：そこまで言うならやってみようじゃん、ハッピーアワー役員会。でも本当にハッピーアワーのコスパの良さを発信したいなら覚悟が必要だぜ？ 俺もコスパの鬼なんて呼ばれてるけど、そのために常に多くを犠牲にしてきた。

か：僕は、真のコスパは犠牲を必要としないはずだと思っています。そう、それはドラム式洗濯機のように。　でもそうですね、ハッピーアワーの素晴らしさを広めるためには死力を尽くします。須田さん、役員として付き合って貰えませんか。

す：いいだろう。今回はかっきーのコスパ論を理解するために手加減したけど、俺にだってコスパの持論はある。今後の役員会では本気のコスパ問答をしていこう。互いのコスパ魂をぶつけあって真のコスパを突き詰める。その高みを目指すと言うなら俺も付き合うよ。

か：ありがとうございます！！

す：でもさあ、結局これってなんのPR？ ハッピーアワーのPRだよね？

か：もちろん当社ユニポテンシャルのPRです。社名がここまでで６回も出てきてますし！

す：コスパ大丈夫かよおい……

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そんなわけでスタートしたユニポテンシャル代表蛎田と取締役須田の「ハッピ〜アワ〜役員会」。今後もさまざまなコスパについて探求して参ります。きっと今までのコスパの概念が変わるはず。次回は「死闘！ コスパ電撃大作戦！」をお送りします。乞うご期待！

コスパの先にある幸せを探すふたりの旅は、まだ始まったばかり。

↓↓  今回登場したふたりのTwitterはこちら！↓↓

蛎田一博（@KazuhiroKakida）

須田仁之（@sudax2000）

To Be Continued...