GPTより優れていると噂のClaude3とは?特徴や利用料金、始め方まで解説!

近年、さまざまな分野で注目されているのがAI活用です。
なかでも文章や画像解析といった、誰でも使いやすく汎用性の高い対話型AIは、大手テック企業をはじめ、たくさんのモデルがリリースされています。

そこで本記事では、GoogleのGeminiやOpenAIのChatGPTとならぶ対話型AI「Claude3」について紹介します。

Claude3ってどんなことができるの?」や「GeminiやChatGPTとの違いは?」など、さまざまな観点から解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

Claude3とは?特徴を解説

まずは、Claude3の基本的な概要や特徴から見ていきましょう。

Claude3とは

「Claude(クロード)3」とは、アメリカのスタートアップ企業・Anthropic(アンソロピック)社が開発した大規模言語モデル群(LLM)です。

チャット形式でプロンプト(命令)を打ち込むことで、さまざまな回答を返してくれる対話型AIです。
関連度の高い順にまとめた表を作成したり、文章やHTML、プログラミングコードの生成・レビューなど、一般的な業務にも応用可能な操作を簡単なテキストや音声による入力で実行できます。

Claudeを開発したAnthropic社は2021年創業ながら、生成AI分野における主要4社(Google、OpenAI、Microsoft、Anthropic)としてアメリカ政府からも認められており、まとめて「GOMA」と呼ばれることもあります。

最大20万トークンの処理が可能

Claude3は、膨大な情報量を処理する能力が優れており、最大20万トークンの入力を扱うことが可能です。
ChatGPT4が約13万トークンなので、大きな差があることがわかります。

これにより、より長い文章や複雑な文章構造を理解し、文脈を考慮した回答を返すことが可能です。
Claude3が持つ大規模なデータセットや文脈を利用した高度な自己学習機能を有しており、情報の理解や処理の速さに優れています


より自然な会話が可能

大規模なデータセットにより、前モデルよりも自然で流暢な会話が可能です。
言語理解と生成の精度が大幅に向上しており、人間のような表現や、さまざまな文体の模倣ができるようになっています。

喜怒哀楽といった感情やユーモアも理解し、それに応じた適切な回答を返そうといった挙動を見せます。
対話の質が向上し、ユーザーとのコミュニケーションがより自然になることで、オフィスワークのような事務的な用途に限らず、さまざまな分野での活躍も可能になるかもしれません。

ファイルのアップロードが可能

Claude3は、外部ファイルのアップロードと処理も可能になっています。
扱えるファイルの種類は画像、音声、PDFファイルなどです。
さまざまな形式のデータを入力として受け入れ、それに基づいて適切な応答や解析を行います。

テキストだけでは伝えるのが難しかったデータや資料を扱うことができるようになったため、より精度の高い返答や洞察に富んだアウトプットが期待できます。

外部ツールとの連携機能

Claude3は、外部ツールやシステムとの連携機能も備えています
他のAIモデルやデータベース、アプリケーションなどと連携し、複合的なタスクを処理したり、外部データベースからの情報を参照し、それを元に解析を行うといったことが可能です。

特定のタスクや用途に特化した外部ツールとシームレスな連携が可能となるため、複雑で面倒なタスクの自動化なども、シンプルな操作で行えるようになります。

Claude3の基本モデルは「Haiku」「Sonnet」「Opus」

Claude3は、異なるニーズに対応するために、3つの基本モデルを提供しています。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

スピード重視の「Haiku」

ひとつ目のモデルは「Haiku(ハイク)」です。
Claude3シリーズで最も小さなモデルとなっており、高速な処理速度と使いやすい料金設定が特徴となっています。
チャットボットのようなリアルタイムの応答システムなどで利用されることがあります。

3つのなかでも最小モデルとなっているため、利用料金ももっと安くなっているのが特徴です。
100万トークンあたりの出力コストが1.25ドル、入力コストが0.25ドル程度となっています。

バランス重視の「Sonnet」

ふたつ目のモデルは「Sonnet(ソネット)」です。
Sonnetは、性能とバランスの両方を重視した設計がなされており、処理速度と生成品質のバランスが取れた返答結果が期待できます。

利用料金は、100万トークンあたりの出力コストが15ドル、入力コストが3ドル程度です。比較的小さな企業やチーム内での利用が想定されています。

最も高性能な「Opus」

3つ目のモデルは「Opus(オーパス)」です。
シリーズのなかで最も高性能なモデルであり、Claude3の能力を最大限に引き出せるよう設計されています。
より大規模で複雑なタスクや、高度な自然言語理解が必要な場面での活躍が期待できるでしょう。

利用料金も、100万トークンあたりの出力コストが75ドル、入力コストが15ドル程度と最も高いため、一般での利用は難しいかもしれません。
企業やプロジェクトチームなど、規模の大きな組織の活用を想定したモデルといえます。

ChatGPTやGeminiと比較

ここでは、対話型AIで最もポピュラーな言語モデル「ChatGPT」と「Gemini」それぞれの性能をおさらいしながら、Claude3との違いを比較してみましょう。

ChatGPT

ChatGPTは、OpenAI社が開発した大規模な対話型言語モデルです。
2023年11月にリリースされた最新バージョンでは、前モデルであるChatGPT3から大幅に性能が向上しており、自然で流暢な会話、創造的なコンテンツ生成、高度な情報検索機能を備えています。

とくに、ChatGPTリリース当時から話題だった情報検索機能はGPT4になっても健在で、Google検索を通じてさまざまな情報にアクセスし、解像度の高い返答が期待できます。

また、 差別的、攻撃的、偏見のある内容を生成しない配慮や、より事実に基づいた正確な情報の提供、ユーザーのプライバシー保護機能なども強化されたモデルです。

学習支援や顧客対応、チャットボット、ストーリー生成やゲーム開発、資料作成や翻訳、会議録作成といった各種サポートなど、より汎用性の高いサービスが期待されています。

Gemini

Geminiとは、Googleが開発したマルチモーダル(複数のデータ形式や手段を組み合わせること)生成AIです。
音声や動画、プログラミングコードなども理解し、さまざまなデータを組み合わせることで結果を出力するため、より精度の高い出力が可能となっています。

また、ローカルデバイス上だけでマルチモーダル処理が可能となっているため、オンライン環境が不要な点も大きな強みといえるでしょう。

Google検索を通じた精度の高い分析力や、長文の理解度、安全性の向上はもちろん、Googleがリリースしているさまざまなアプリケーションとも連携可能なため、メールやオフィスソフト、写真アプリといった、身の回りのさまざまなソフトで自然と機能するような使い勝手が期待されています。

【比較表あり】AIテスト結果は?

Claude3の3シリーズとChatGPT、Geminiの各モデルを、生成AIでよく用いられるベンチマークスコアから比較した表です。

MMLU(理数・人文科学の知識と問題解決能力)では、OpusがGemini Ultraと同様の59.4ポイント、ドキュメント画像処理能力では、Gemini Ultraに若干劣るものの、Claude3の3シリーズすべてでGPT‐4 TurboやGemini Proを上回っています。

また、Science diagrams(科学的な概念や情報を視覚的に表現した図)や、Chart Q&A(グラフから情報を分析し質問に答えること)でも、他のAIモデルと同様かそれ以上のスコアを示しています。

こちらの画像でも、AIシステムの一般的な評価基準のほとんどで、ChatGPT、Geminiのスコアと同様かそれ以上の結果を示しており、最上位モデルのOpusでは、最新のChatGPT‐4 TurboやGemini Ultraをすべてのスコアで上回る結果でした。

とくにCode(プログラミングコード)や、Math problem-solving(論理的思考と数学的知識を使って問題を解く能力)、Graduate level reasoning(高度な専門知識と複雑な問題解決能力を用いて論理的に推論すること。修士課程レベル)などは、非常に高いスコアを示していることがわかります。

引用元
https://www.anthropic.com/news/claude-3-family 

ChatGPTやGeminiとの出力の違いを検証

ここでは簡単なプロンプトに対して、ChatGPT3.5、Gemini、Claude3 Sonnetがどれだけ正確なやり取りができるのか、検証してみました。
使用したプロンプトは以下になります。

アナタは優秀な経営者のメンターです。 スモールビジネスを始めたいと考えているので3つの質問を経て、あなたから5つのビジネス案を提案して下さい。

質問は1つずつお願いします。

Gemini
まずはGeminiの回答を見ていきましょう。


質問を1つずつしてほしいと言っているにも関わらず、3問一気に投げてきてしまっています。
こちらの意図をあまり理解していないように見えます。

また、質問の回答を参考にすることなく5つのビジネスアイディアを出してしまっています。
この点から見ても、こちらの意図をすべて理解できていないという事がわかります。

Claude3 sonet

Claude3に関しても、質問1が完了したタイミングでビジネスアイディアを5つ提案してしまっており、こちらの意図が伝わっていない状況です。

Geminiよりも理解しているものの、まだ使えるレベルにはないように感じます。
ChatGPT3.5

ChatGPT3.5はこちらの意図をすべてしっかりと汲み取り、適切なやり取りが行なえているという事がわかります。

今回使用したプロンプトでは、ChatGPT3.5、Gemini、Claude3 Sonnetのそれぞれで大きな違いが見受けられました。

Claude3の利用方法と料金

ここでは、Claude3の利用方法や利用料金について紹介します。無料版での始め方も解説しているので、ぜひ試してみましょう。


無料版なら公式サイトからすぐに利用可能

Claude3は、公式サイトから簡単に無料版を始められます

公式サイトにアクセスし、「Try Claude 3」ボタンを選択。

「Try Claude」を選択。

入力フォームからメールアドレスを入力するか、Googleアカウントから登録可能です。

登録したメールアドレスに届いたコードを入力し、電話番号も同じように入力していきます。

電話番号は英語版になっているので「Japan」を選択しましょう。

登録が完了したらすぐにWeb版を利用開始でき、一般的な対話形式のAIチャットと同じ使い勝手です。

例として、AIテスト結果の比較表で用いた画像のテスト項目(英語)の翻訳にトライしてみました。
スクリーンショットでテスト項目だけを切り取り、チャット欄に読み込ませているだけです。

英語で書かれたそれぞれのテスト項目があっという間に翻訳されて出力されました。画像をそのままドラッグ&ドロップするだけなので、非常に使い勝手が良いです。

先の検証ではあまり正確ではなかったものの、今回の検証では正確な出力ができています。
プロンプトや出力させる内容によって正確性にばらつきが出るということを、知っておくことがAIを活用するうえでは重要だという事が分かります。

参考元
https://claude.ai/login 

有料版は月額20ドル

つぎは有料版に登録してみましょう。Web版のチャット入力欄の上に「Subscribe to Pro」というリンクが表示されているので、クリックします。

クレジットカード情報を入力し、認証されれば問題なく進むことができます。2024年3月現在でClaude3のプロプランは月額20ドルです。ChatGPTやGeminiとの料金も比較してみましょう。

ChatGPTとClaude3は同じ月額20ドル(3,000円程度)となっているため、Geminiともそこまで大きな差はないようです。

有料版にすると、Claude3の場合はOpusChatGPTの場合は最新版のChatGPT-4 Turboが使えるようになります。
GeminiはGoogleストレージやGoogle ワークスペースといった他のサービスも付属してくるため、お買い得感はGeminiがいちばん大きいかもしれません。

Claude3は日本語処理能力と外部ツール連携が魅力

注目の「Claude3」について解説しました。Claude3は日本語処理能力や画像処理性能、外部ツール連携が大きな魅力といえそうです。APIを提供しているため、今後はさまざまな開発者が制作したアプリなどの登場も期待されています。

ChatGPTやGeminiと同様にClaude3も無料版を提供しているので、興味のある人はぜひ使ってみてください。

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