2022.11.24 Novel Core No Pressure TOUR福岡公演所感「音楽で力を見せつけるCoreバンド3.0」
※セトリの詳細は他の方のレポートを参照してください。
※あくまで個人の感想ですので他の方の感じ方を否定するものではありません。
祝日の翌日(つまりど平日)に休みをとって、博多に降り立った時から妙な緊張感がありました。
11月22日にSKY-HIによるBMSG 新グループおよび新レーベルの設立について発表があり、これからBMSGはどうなっていくのだろう、その中で第一弾アーティストとしてすでにしっかりとポジションを確立しつつあるNovel Coreというアーティストはどんな風に大きくなっていくのだろう、そんな期待と緊張が入り混じった心持ちでZEPP福岡に向かいました。
会場にはロンリーベア(No PressureのMVキャラクター)のフーディやTシャツを着たOUTERでぱんぱん、開始前から熱気に包まれています。
イントロが流れていよいよ開演、Novel Coreが軽快な足取りで跳ねるように登場し、TROUBLE、独創ファンタジスタから怒涛のセトリで攻めあげます。
MCはほとんど無しで音楽を楽しませるライブになるとCoreも言っていましたがまさにそれです。何より、バンド編成の音楽づくりが1stワンマンを1.0、フェスを2.0とすると、3.0に突入したなと思わせるくらい、一体感のある完成度を感じました。
各曲のアレンジも、単純に音源にプラスしただけでなく、ドラムとギターが入った新しい曲として進化しており、Coreの伸びやかな声と融合して「あ、この曲はこんな魅力もあったんだな!」とたくさんの気づきと新鮮な感動を得ることができました。バンドバージョンの音源が欲しいです。
JUST NOISEは元々好きな曲だったのですが、少しアップテンポにしてギターとドラムが曲の中でどんどん勢いを増していくようなアレンジになっていてめちゃくちゃぶち上がってしまいました。
大切なことなのでもう一度言います。バンドバージョンの音源が何が何でも欲しいです。
曲の繋ぎ方、時折り挟まれるCoreのメッセージ、照明など演出面も効果的に織り込まれていて、時間が過ぎるのがあっという間でした。「まとまった楽曲を出した直後にコロナが広まってしまったから、実はそんなにライブの経験ってないんだよね。だから、今みんなと作り上げていってるつもり」(記憶飛んでるので細かな言い回しは違うと思います)というMCでのコメントの通り、試行錯誤しながら常により良いものを目指して作り上げようとする彼らの姿勢を、改めて実感しました。
印象的だったのはBrave Generation remixのラップ部分を歌い上げた後でまさかのBrave Generation。BE:FIRSTへの敬意を払いながらも、曲を作った者としての自負を胸に、曲の魅力を存分に引き出して歌ってくれました。曲の解釈が深いというか、歌詞の意味が音で伝わってくると言うか、まあなんというか凄かったんです。
カバー曲のマカロニえんぴつ「なんでもないよ」もそうだったのですが、カラオケではなく曲を自分のものにして色づけするのは、実力がないとできないことだと思います。もともと私はCoreの声はギフトだと思っていたのですが、声だけでなく彼の音楽性と表現力の高さを改めて感じることができました。
アルバムが出た時から泣きながら聴いていたuntitledにはトドメを刺されました。
アコースティックギターの音色にのせて、ピンスポを浴びたCoreから紡がれる孤独と音楽による救いの歌。「歌が上手い」「音程が合っている」という次元ではなく、彼の心を優しく渡してくれる、そんな時間でした。世界に私たちしかいないような、ZEPP福岡が世界から取り残されて、Novel Coreが私たちが寂しく怖くならないように歌ってくれているような、何にも邪魔されない世界が確かにそこにはありました。歌唱部分が終わって、ギターリフから静かに曲が終了しても、会場内は静寂のまま。全員が余韻に包まれて、ああ、ここまでがこの曲なんだなと強く心が揺さぶられました。
案の定号泣してしまったわけですが、マスカラをウォータープルーフにするのを忘れてしまったことによりアイメイクは全落ちです。あまりに泣きすぎて、隣の素敵なFLYERS兼OUTERの方に「大丈夫ですか?」と声をかけられてしまう始末。尋常じゃなく泣いてしまってすみませんでした(笑)。別に辛いこととか悲しいことがあったわけではないんです。ただ、この場にいれて、Novel Coreと Coreバンドに出会えたことが嬉しくて泣いていました。
アンコール(開演前の説明でまさかの事前に予告する新しいスタイル)はNo PressureとTHANKS, ALL MY TEARS。全員ロンリーベアフーディ着てて可愛い。(特にフードかぶったクマさん)
THANKS, ALL MY TEARSや、途中で歌ったEVEなどは、Novel Coreが自分の孤独を歌っていた時と伝わり方が違うように感じました。
目の前のOUTERの今の痛みに寄り添うだけでなく、OUTERが乗り越えてきた過去、OUTERが大切に思う人までまるごと愛する、そんな想いがMCだけでなく音楽を通して伝わりました。それは、彼がアーティストとして手ごたえと成長を実感していること、背中を預けられる仲間ができたことが大きいのだと思います。その手ごたえは勘違いや自惚れではないよと、伝えられたら良いのにな。
私はこれまで、SKY-HIやBE:FIRSTは他の人に勧めたりプレゼンしたりしてきたのですが、Novel Coreについては、上べだけ見られて知らない人に否定されたくないなとか、ヒップホップに馴染みのない人にどこまで伝わるかなとか、自分が好きすぎて客観的にどう見られるかなとか、ほんのりブレーキがかかって、あまり周りに勧めていませんでした。しかし今回のライブを機に、そうしたブレーキを外してたくさんの人に彼と彼の音楽性を知ってもらいたいなと思いました。
そうした人たちが雪だるま式に増えていけば、「隣にはpaypayドームがあるけど、いつか俺らもあそこでやるぜ!」と言っていた彼の言葉が現実になるのもそう遠くない気がします。新章突入したのはBMSGや新グループだけではないという、実力と気概を見せてくれた、素晴らしいライブでした。
Novel Core1stワンマンの所感はこちら
↓
Novel Coreに初めて沼ったきっかけはこちら
↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?