法学部首席(※1)になれる、教職課程のおはなし。

画像1

※1 2021年度法学部卒教職課程履修者(N=1)内の順位

 こんばんは。うにやまと申します。某くんに「教職課程についてnote書くぞ」と宣言してから早半月。成績も出揃い、めでたく卒業&教職免許(高校一種公民)取得が決まったので、ついに重い腰を上げて書いてみることにしました。大体自分の思い出話になりますが、教員免許取得がメジャーではない大学/学部の人の何かの参考になったり(私のFF大体大学3、4年生だから全く参考にならないんじゃないか)、教職課程ってこんな世界だったんだ、って関心を持ってくれたりしたりしたらいいなと思います。

1. 私のプロフィール

 基本的にTwitterのFFに見られる想定で書いているので深くは書きませんが、法学部の政治コースに所属しています。上の画像を見ても分かるように、1学年3000人いる大学で教職課程履修者は60名弱(2%)、しかもほとんどが文・教育・教養学部、我らが法学部に至ってはここ3年間で私一人らしいです。ドマイナーですね。

2. 教職課程、良かったところ

教育に関する知見が深まった
 正直全ての教職課程の授業に興味深く取り組めたわけではないのですが、教職課程を通じて学べたことは数多くありました。特に興味深かった授業・概念として、「教育相談I」での認知行動療法の概論や、「進路指導・生徒指導」(「第二外国語の成績が悪いと生徒指導されるの?」と同クラにあらぬ勘違いをされましたが)でのキャリア教育の考え方、「教育課程I」における我が国の高等教育における教養部の考え方とその縮小の歴史などがあります。気が向いたらまた詳しく書きます。

就活で役立った
 
特定の業界だけ(教育界ではない)かつ受けた数も少ないので一般化できるかは微妙ですが、教職免許取得予定であることを伝えると概ねいい反応をもらえました。

面接官「教職免許取得予定なんだ、教育学部...じゃなくて法学部なんだね、それまたなんで?」
私「以前からマクロ的な教育政策などに興味を持っていましたが、それをより深く考える為にもミクロな教育現場の実情を知りたいという思いがあり...」

 といったようなやりとりで話が弾みました。これが合格の決め手!って訳でもないですし、いわゆる就活のコスパで考えるとサークルなりインドなりでガクチカ積み重ねた方がいいと思いますが、取得予定の方は履歴書に書いてみるといいと思います。

※教員になる意思がないのに教員免許が取れるかは大学によって違いがあり、例えば筑波大学は「『教職に就くことを強く志望する者』のみ実習参加(=教員免許取得)の機会を与えています」という方針をとっています。
https://www.tsukuba.ac.jp/education/ug-courses-tt-programs/s2.pdf
一方、私の所属する大学は、「教師論I」を担当する教授から「エリートと呼ばれる立場になるであろう君たちが、教職課程に触れることには社会的に大いに意義のあることだと個人的に考えます」という旨の発言があったように、教員とは別の進路に進む学生が教職課程を履修し、教員免許を取得することに好意的な環境でした。

事務の方がとても親切
 私の在籍する大学では教員免許が取得している学部毎に教職担当者の方が置かれていましたが、その方が(私のせいで余計な仕事を増やされたというのに)とても親切でした。教職課程的には取らなくていい科目でも、法学部での教員免許授与には必修、みたいなケースが教員免許マイナー学部では頻出するので、少しでも不安があれば早めに「自分の所属する学部/研究科の」事務に連絡を取ってみることが大事です。

成績の見栄えが良くなる() 
 私の大学における教育学部の授業は少人数・グループ形式のものが多いこともあり、優3割規定の対象外かつ出席重視で真面目にやれば優・優上が狙える科目も多く、成績表の見栄えが良くなりました。なお、法学部のGPAの算出対象にはならないそうです。

教員免許がとれる
 
なんだかんだ言っても教員免許という資格が取れることが一番の魅力でしょう。教職課程を履修していた学生も、両親が教師だったからとか、母校の教師になりたいからとか、博士課程に進む前の保険としてとか、いろいろ理由はありましたが、「教員免許」という資格を取りたい!という点では(当然ながら)一致していました。教員免許という資格を取っておきたい!というモチベーションがあれば教職課程を考えてみたらどうでしょうか。

3. (法学部の)教職課程、悪かったところ

単位がキツイ
 
第二外国語の再履修を食らったり、必修単位に充当されないゼミ形式の授業を無駄に15単位以上取ったりしている私が4年で取得できているのでカツカツという訳ではないのですが、やはり他の人が取っていない単位を取るというのはなかなか辛いものがあります。他学部履修に寛容な学部なら良いのですが、法学部では他学部履修が10単位までしか認められず、後述しますが大量に積み上げた教育学部&文学部の単位が法学部卒業にはほとんど役に立たないのはキツかったです。また、前期教養課程では教職関連の科目がほとんど6限に詰め込まれて、20:30までキャンパスに残ってグループワークをやってたのも中々ストレスでした。法学部では教職課程は一学期に取得できる単位の上限を定めたキャップ制の対象内なので、履修は計画的に。

学部内で教職履修者の存在が全く考えられていない
 
先程事務の方がとても親切と書きましたが、法学部の制度は全くの不親切で、事務の方と一緒に不親切な制度に頭を悩ませていました。一番酷かったのが法学部の教職課程で必修の「一般的包括的内容を含む科目」である「倫理学概論I」と「国際経済論I」と「教育実習」の時間割・期間が全く被っていて、結果3年次に倫理学概論Iを履修した結果、4年次の国際経済Iのテストの日程と教育実習の時間割が被り、国際経済Iの単位が取得できませんでした。文学部の「一般的包括的内容を含む科目」である「社会学概論」を取得して「国際経済I・II」に充てることで教職免許を取得できましたが、2年間しかない後期課程において(教職課程で)必修の科目を3科目全く同じ時間帯に突っ込むという事実が、教職課程履修者の存在が忘れ去られていることの証拠ではないでしょうか。別に軽んじられていてもいいのですが、それだったら無駄に厳しい法学部独自の教職課程の縛り(例:法学部単位に充当されない倫理学概論I・IIが一般的包括的内容を含む内容として必修)をもう少し緩くしてくれてもいいんじゃないか、と思います。

高校公民だけという、実際に教師として働くにはあまりにも狭い範囲の免許しか取得できない
 
何年か前までは私の所属する法学部でも中学社会・高校地理歴史の教員免許も取得できたのですが(それでも教職課程を維持してくれているだけありがたいのかもしれません)、教職課程の単位数増加などもあり取得できる免許が高校公民のみとなってしまいました。今日(こんにち)教師として実際に採用されるには、高校地歴と公民どっちも持っててなおかつ中学社会もいけます!ってところでようやくスタートラインという感があるので、実際に働くという観点からするとかなり心許ない免許と言わざるを得ません。
 ...が、私の場合教員という進路はあまり考えておらず、教職課程を体験しながら最終的に免許取得したいという思いが強かったので気になりませんでした。また、新規に免許を取得する困難さに比べ、他教科、他校種の免許の追加取得は比較的容易で、いざとなれば放送大学等で追加取得する方法もあり、個人的にはそこまで大きなデメリットだとは感じませんでした。https://www.ouj.ac.jp/hp/purpose/teacher.html (放送大学リンク)
 法学部にいながら(法学部ではなく)文学部や教育学部の教職課程を履修することで大学在籍中に他教科の免許を取得することも理屈の上では可能ですが、自分の感覚だとこれ以上他学部の聴講を増やすのはシンドいな、というのが正直なところです。

3. で、どうすれば法学部で教職免許を取得できるんですか?

 論より証拠ということで、まずは私が4年間で取得した教職課程の科目を見てもらいたいと思います。(カッコ内は単位数)

・教職課程で必修だが、どのみち法学部でも必修な科目
憲法(6)
民法第1部(4)
・教職課程では必修だが、法学部卒業単位に算入される科目
国際政治(4)
国際法第1部(4)
・教職課程では(選択)必修で、しかも法学部卒業単位に算入されない科目
教師論I(2)
教育原理I(2)
教育心理I(2)
教育と社会(2)
教育課程I(2)
社会科・公民科教育法(実践)(2)
特別活動論(2)
教育の方法(2)
進路指導・生徒指導(2)
教育相談I(2)
社会学概論(4)
倫理学概論I(2)
倫理学概論II(2)
教職実践演習(2)
教育実習II(5)

 あれ、こんなもんだっけ?というのが正直な感想です。もちろん、4年の春学期のど真ん中に教育実習が3週間ドカっと入ることによるスケジュール的な負担だったり(特に院試を受ける予定の人は大変そうでした)、講師が社会学専攻の学生を利き手として想定してゴリゴリに話を進めてチンプンカンプンになったりなど大変なこともありましたが、今思い返すと量的にはそこまでなのかな、という感じはします。そもそも法学部生なのに法律が嫌すぎて一番キツかったのが国際法第1部でしたし。法学部科目70単位(+他学部10単位算入)で卒業できる学部で35単位「余計な」ものを取得するのは、そこそこ大変でしたが、耐えきれないほどではありませんでした。俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった。
 ただ、私の次の学年からまた教職課程の必要単位数が増加して、教科教育法も基礎と実践の両方を取得する必要が出てくるなど、また厳しくなるそうです。俺は旧課程だから我慢できたけど新課程だったら我慢できなかった。

4. おわりに

 いかがでしたか?今後の教職課程にも期待ですね。教育実習とか、教職課程の中でも特に印象に残った科目とか、ポケモンウルトラサンムーンの分身バシャーモバトン構築とか、今後気が向いたら書いていきたいなと思います。何か反応やリクエスト、質問等をしてくれたら泣いて喜びます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?