少数派であることを受け入れること

たまたま過去を振り返る機会があったので残しておく

わたしは中学高校の6年を女子校で過ごした。はじめて好きになってはじめてキスをしてはじめて触り合ったのは女の子だった。

渦中は周りからどう思われるとか自分が今一般的にどう括られるようになったのかとかまるで考えていなかった。ただ近くにいる人を好きになって思いが通っただけだったから。

大学に進学して話が変わった。急に異性に囲まれるなかでもちろん浮ついた話が出てくるようになった。自分にも想いを伝えてくれる人が現れた。そのときになってはじめて自分が少数派であることが怖くなった。バレちゃいけないと思った。

男性経験はなかったけど自分の体は処女と言うにはそういうことに慣れすぎていた。自分が体を開け渡したときにこの矛盾に気づかれると思った。だから処女は近くにいた男で捨てた。その子を男だと嘘をついても矛盾がなくなるように。

もちろん自分に好きだと伝えてくれた人は離れていった。とても嫌な想いをさせたと思う。

そうやって嘘をついて過ごして彼氏も作って、別に楽しく過ごしてた。でもずっと自分は同性を好きになったことがあるから今後どうやってもバイセクシャルって分類されちゃうんだって思ってた。女性に惹かれることはあのとき以来ずっとなかったのに。

ある日不意に自分の性的指向を調べた。そのアンケートが私を救った。そのアンケートの項目には直近数ヶ月のあなたについて答えてください、と言う内容が繰り返し書かれていた。

心底安心した。今のわたしは少数派じゃない。あのときあの人を好きになった私は悪くない。



自分が少数派であると自覚がある人には酷な内容だろう。わたしは多数派であることを自覚することで救われたから。でもこの経験がある私だから言えることがある。少数派であることを受け入れることのできたあなたはとても強くてかっこいい。私には怖くて怖くて到底できなかったことだから。私はあなたを心から尊敬しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?