天文学的な財政赤字 なんで?

民主主義国家だから止めようがない。

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日本の財政赤字が止まりません。あんなの返済無理だよね。

日本に限らず、主要国はどこも五十歩百歩です。日本が先頭切って走っているだけで。本日時点で平穏無事なのが不思議なくらい。

過去いろんな国が財政破綻して、その都度財政規律の必要性が訴えられてきました。中央銀行の独立性、というのもその一つですね。でも結局は元の木阿弥。なんで?

民主主義国家の場合、これは避けられないです。なぜか?

1.ひどい経験に懲りて、財政規律を確立します。
 税収の範囲内で予算をつくるのだ。
2.急な不景気などで、どうしても予算が足りない年が来ます。
 仕方がないので、ちょっとだけ赤字予算を組もう。
 税収が戻ったら赤字を解消すればよい。
3.不景気対策で赤字を増やします。
 国家の赤字は国民の収入(←これは事実です)。
 おお。景気が回復して税収が増えた。赤字も解消。すばらしい!
 → その政権が次の選挙に勝つ
4.不景気でもないけど、ちょっとだけ赤字を増やしましょう。
 好景気!国家が発展!すばらしい!
 → また選挙に勝ちます。
5.赤字解消できてないけど、ちょっと不景気に。
 a. 財政規律は譲れない!→ 不景気のまま → 選挙に負ける
 b. もう少しだけ赤字を増やそう → 景気回復 → 選挙に勝つ
6.なんだ。少しくらい赤字増やしても大丈夫だ。

以下3~6の繰り返し。国によりますが、数十年この繰り返しが続きます。

7.もう限界!破綻!
 → 1に戻る

これを回避するには、5の選挙で a を選択する以外にありません。
それも長期にわたって。国家破綻など歴史のお話だと思っている世代でも。
そういう例は、私の知る限りありません。サイクルを止めるメカニズムが存在しないのです。

じゃあ民主国家以外では?
基本的に5の選挙が無いだけなので、その時の権力者が不景気に耐えると決めればこのサイクルに嵌りません。
理屈はそうですが、王政の場合アホな王様が現れたらアウトです。
寡頭政などでも、権力者が財政規律を無視しだしたらアウトです。
人類は未だにこのサイクルを止めるメカニズムを発明していません。

いっそ選挙のかわりにAIに判断を任せる?
そうもいきません。景気対策としての赤字財政は窮乏化した国民の救済でもあります。これを一切否定すると、食い詰めた国民の暴動に発展します。こっちのルートで瓦解した国家も歴史上数知れず。機械学習で両方のバランスが取れる政策を立案?学習のために何回国家破綻サイクルを経験すればよいのでしょう?

答えは見つかりません。
とはいえ、今まで何回でもこのサイクルを乗り越えてきました。
まあ運が悪ければ死ぬだけだよね、と腹を括るしかないようです。

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