野田クリのR-1吉住評を聞いて

野田クリスタルが自身のyoutubeチャンネルでR-1の総評をしていた。
その中でも吉住に対しての評価が興味深かった。

ボケは嘘がつけない。ツッコミは嘘がつける。と言っていた。
つまりピン芸で変人（ボケ）を演じる時、笑いをとるためにはツッコミの役割も自らが行わなくてはならない。
その嘘（ツッコミの役割をはたしている、ここで笑いをとります）の瞬間、冷めてしまう。憑依しているようには見えなかった。
ただ、それがないと決勝に上がれない。めっちゃ難しいところ。
とのこと。

なるほど。
今回の吉住のコントのキャラクターは、自らの性格や行動を冷静に分析できている。
「自分は芸能人の不倫とか気が触れるくらいブチギレちゃう。」
「自分は当事者なんだ。けど、ファンとかではない。お金は一銭も落としたことない。」
「こういうことがあると謝罪会見をしたかとか、謹慎期間どれくらいとかエクセルでまとめてる。」
「不倫についてまとめたyoutube収益化してアフリカの子供たちが教育を受けてる。あっちの国って一夫多妻制なんだよね。ほんと皮肉な話だよね。」

私としては、吉住はよくできている。と思う。
野田クリの言う「ここで笑いをとります」ポイントが同僚のOLへの説明だからだ。
テレビから不倫のニュースが流れて、気がおかしくなりながらも同僚のOLの視点を気にして、冷静に自分を説明している。
この行為の振り幅に私は狂気を感じる。

ただ、本当に難しくて、説明的すぎる変人だから隙がない。
変でありながらも自らを完結してしまっている。
そこに、観客が入るスペースがない。
魅力的に感じさせないキャラクターになっているのかもしれない。