ピーチクパーチク囀りやがれ、すっとこどっこい畜生め。

ドドンコドンドン。

其それは、社会のド底辺から鳴り響く命懸けの大太鼓。

ドドンコドンドン。

嘗かつて地の底で。

ドドンコドンドン。

血反吐ちへど垂らして、ロック響かせし男在りけり。

ドドンコドンドン。

何処からともなく。

ドドンコドンドン。

生命のリズムが今日も聞こゆ。

ドドンコドンドン。

おゝ……彼あれは一体、何なんであつたか。

ドドンコドンドン。

一寸ちよつと思ひ出せぬ。

ドドンコドンドン。

いゝや、私しは決して忘れぬ。

ドドンコドンドン。
ドンドコドンドン。

其れは畢生の灯火。

ドドンコドンドン。
ドンドコドンドン。

安心したまへ、ドドンコドンドン。

手前の生涯、此処に居ります、俺をいらが書き記さん。

ドドンコドンドン。
ドンドコドンドン。

此の己をのれに任せたまへ。

ドドンコドンドン。

原罪持ちたる、今日日の若者よ。