見出し画像

【OAK】大谷翔平のライバルを獲得!!他

※すぐに本題を読みたい方は最初の大見出しまで飛ばしてください。


 オークランド・アスレチックスは11月6日、パイレーツから大谷翔平のライバルとして有名なミゲル・アンドゥハーを獲得したことを発表しました。主砲級の選手をトレードでの出費を惜しまずにチームに加える動きは手放しで称賛できます。この動きによってアスレチックスは打線に厚みが増し、来季に向けて隙のない布陣になりました。

 はい。上記の内容はアンドゥハーを獲得したこと以外は全て嘘です。書いておいてこんなことを言うのはおかしな話かもしれませんが、アンドゥハーは現在2018年に大谷と新人王を争った頃の姿からは程遠い状態です。どちらかというと、ちょうどサードが手薄なアスレチックスがお手軽な手段で取れる復活候補として目を付けたというのが正しいかと思います。

 元々所属していたヤンキースから放出されて移籍した先のパイレーツからウェイバーに掛けられたところをタダで獲得できたという経緯からも、現状の球界におけるアンドゥハーへの評価の低さが伺えると言えそうです。

 昨オフにウェイバー経由で加入し今シーズン主砲として活躍したブレント・ルーカーと同じような活躍を期待したいところですが、二人は選手としてのタイプが大きく異なります。ルーカーはコンタクトに難はあったものの四死球も多く、打球に角度をつけるのも得意なパワーヒッターでした。対してアンドゥハーはコンタクトスキルこそ高いもののフリースインガーでゴロもやや多い中距離砲タイプです。

 似たようなタイプの若手であるジョーダン・ディアズを修正できていない中でルーカーのようにブレイクするかと言われると厳しいという感じがしますが、アンドゥハーも一度は名門ヤンキースでレギュラーを勝ち取った選手。2023年のシーズンはケガで成績を落とした2019年以降で最高の成績を残しており、復活に期待したいところです。

ロスター整理

 タイトルに書いたアンドゥハーについての内容が少し長くなってしまいましたがこの記事の本題はこちらの方です。お金もトレードチップもないアスレチックスにとってFA補強以外ではオフの最大の目玉と言えるルール5ドラフトをめぐる話を書いていければと思います。

 ルール5ドラフトについてわからないという方はご自分で調べていただいて、分からなければこのNoteのコメントやTwitterのDMで質問していただければと思います。

 ではまずロスター整理について。ルール5ドラフトで選手をプロテクトしたり指名したりするにはロスター枠を空けなければならないため、オフの間メジャーの枠を与える必要のない選手をメジャー契約からマイナー契約に切り替えます。以下はこのオフにマイナーへ降格した選手です。

マイナー降格

カルロス・ペレス(捕手)→FAを選択
ザック・ニール(右先発)→FAを選択
オースティン・プルーイット(右中継ぎ)→FAを選択
ヤックセル・リオス(右中継ぎ)→FAを選択
チャド・スミス(右中継ぎ)→FAを選択
テイラー・スコット(右中継ぎ)→FAを選択
ジェームス・カプリーリアン(右先発)→FAを選択
サム・ロング(左中継ぎ)→FAを選択
カービィ・スニード(左中継ぎ)→FAを選択
アンソニー・ケイ(左中継ぎ)→FAを選択
イーストン・ルーカス(左中継ぎ)
リチャード・ラブレディ(左中継ぎ)→FAを選択

 見ての通り、リリーフを大量に降格させています。FA市場からマイナー契約で補充するのが容易だからですね。2年連続で同じタイミングで市場に出た後再契約しているプルーイットを筆頭に何名かは来年もスプリングトレーニングをアスレチックスの選手として迎えるでしょう。

 カプリーリアン元トッププロスペクトですが、相次ぐケガと若手の突き上げに遭いマイナーからのやり直しとなりそうです。リリーフ転向も視野に入れて大成を目指して頑張ってほしいですね。

FAでの流出

 FA権を取得した選手やFA加入した後契約が切れた選手たちも数名います。メイは今季FAで加入し、序盤はメンタルヘルスの問題で苦しみましたが復帰後はクローザーとして盤石の投球を披露し活躍。シーズン終了後に引退とTwitch配信者への専念を発表しました。

 引退表明の配信ではジョン・フィッシャーオーナーに対して、「チームを売れ。売った方がいい。自分の保有するチームにプライドを持って本気で向き合ってくれる人に経営させてやってほしい。あなたのお父さんとお母さんが頑張って大きくした会社(GAP)からのお金は、もっと別のことに使った方がいいよ、間抜けが。」と怒りを露にしていたのが印象的です。

トレバー・メイ(右中継ぎ)→引退
トニー・ケンプ(セカンド・レフト)
ドリュー・ルチンスキ(右先発)

 ケンプは筆者がアスレチックスを見始めた2020年から在籍した選手。身長が170cm程度と小柄ながら優れた選球眼全力プレー、そしてアストロズ時代にサイン盗みへの協力を求められて拒否したというナイスな人柄でチームメイトの尊敬を集め、クラブハウスの中心的存在でした。チームの象徴とも言えるような選手ですから、できる限り再契約の可能性を探ってほしいものです。

 ルチンスキは韓国で一年間好投し加入しましたがアスレチックスでは故障でほとんど投げられませんでした。来季の契約はチーム側に選択権がありましたが破棄されFAとなります。

ウェイバーでの流出

バディー・ケネディ(内野手)→カージナルスへ

 シーズン終盤にダイヤモンドバックスからウェイバーで加入したケネディですが、結局1試合もアスレチックスの選手としてメジャーの試合に出ることなく移籍となりました。

新加入・新昇格

 ここまで枠から外した選手の話をしてきましたが、ここからは新しく来た選手のことも少し。

アンソニー・ケイ(左中継ぎ)→先述の通り降格→FA
ミゲル・アンドゥハー(外野手)
ラザロ・アルメンテロス(外野手)

 ケイはブルージェイズからウェイバーで獲得しました。パワーのあるピッチャーですのでマイナー契約で残ってくれたら嬉しいですね。アンドゥハーは先に述べたので割愛します。

 アルメンテロスはキューバ出身の外野手鳴り物入りで入団しましたが、契約当初の課題だった三振の多さが一向に改善されず24歳になる今年までAAにすら昇格できていませんでした。しかし三振は劇的には減らない一方で徐々に四死球とパワーとBABIPで稼ぐスタイルを作っていき、今シーズンついにAAに昇格。96試合でフォアボールを15%選びながら二桁ホームランと二桁盗塁をマークし大ブレイクに成功しました。

 アルメンテロスはこのオフにマイナーリーグFAの資格を取得するため、チームに確実に残留してもらうためにはメジャーの枠を与えなければなりませんでした。主に守っているのはチームでもある程度人材が足りている両翼であり、相変わらず三振が多いところを見ると25年シーズンの開幕争いに参戦するかすら怪しいのでルール5ドラフト後即DFA→マイナー降格ということも考えられますが、出場機会があればぜひ持ち前のパワーを見せつけてほしいです。

補強ポイント

 どこもかしこも穴だらけと言ってしまえばそうなのですが、挙げるとすればショートと右打ちの野手あたりでしょうか。ショートは手に入らないと思いますが、ほかのポジションでいい選手はいるだろうと思います。前回左打ちの一塁手ライアン・ノダを獲得した時のような上手い指名に期待ですね。あとはベタに良さそうな投手を取ってくることになりそうかなと。

プロテクト候補

ダレル・ヘルナイズ(SS)

 ヘルナイズはプエルトリコ出身で、昨オフに当時のエースだったコール・アービンとのトレードで加入した22歳のショートです。編成陣がルール5ドラフトに向けたプロテクト期限を忘れて全員でスキー休暇を取りでもしない限りプロテクトされるでしょう

 高いコンタクトスキルが持ち味の安打製造機候補として高い期待を寄せられているヘルナイズ。守備面ではスピードが目立たないことから守備範囲があまり広くないという評価が多いですが、昇格後すぐは問題なくショートを守れると思います。

 成績からはパワーレスな印象を受けますが、上の動画のように一応当たれば飛ぶこともあります。これについては体格の成長と打つ球の選び方の変化でどうとでもなりそうなのであまり心配していません。

ロイバー・サリナス(RHP)

 サリナスはショーン・マーフィーとのトレードで加入した22歳の投手で、100マイル近い速球スライダーが持ち味です。カーブとチェンジアップのクオリティに不安があるほか、制球に課題がありリリーフ転向の可能性も絶えず取り沙汰されていますが、シーズン終了後に派遣されたアリゾナ秋季教育リーグでも先発として投げており、当分は先発での起用が続くでしょう。

 リリーフとしてならメジャーで見たいというチームもあるかもしれないため、おそらくプロテクトされると思います。モノになればエースクラスですから、焦らず育成してもらいたいですね。来季夏以降のデビューが楽しみです。

マックス・シューマン(UT)

 シューマンは2018年にドラフト20巡目で入団した選手。大学時代はショートがメインでしたが入団後はユーティリティープレイヤーに。今年もファーストとバッテリー以外は守りました。持ち前のスピードを活かしてどのポジションも十分なクオリティで守ります。ショートでのプレーは少ししんどそうですが、緊急時には守れなくはないというのもチーム事情にフィットするのではないでしょうか。

 最低限ロスターに柔軟性を与える程度の役には立ちますので、他球団からの指名の可能性もなくはありません。そうでなくともチームにとっては便利な選手なので、実際にプロテクトされるかはわかりませんが筆者はプロテクトを熱望しています。

 打撃面も、パワーレスではありますが四球を選ぶことに長けており守備面を考えると十分な価値を持ちうる選手。メジャーレベルで適応するのは簡単ではなさそうですが、控えに置いておく分には腐らないのではないでしょうか。

その他

 可能性は低いですが候補に上がる選手として、投手陣では打者天国のAAAで打たれているパワーリリーバーたちや、まだAAまでしか到達していないスティービー・エマニュエルズ(RHP)ジャック・ウェイゼンバーガー(RHP)、超サプライズ候補として変則リリーフのカルビン・コーカー(RHP)あたりが挙げられます。

 野手からは、あるとしても打撃型捕手のカイル・マッキャンくらいのものでしょうか。

まとめ

 確実なプロテクト候補はヘルナイズとサリナス以外は粗方メジャーに昇格させてしまったため、正直そこまで魅力的とは言えないと思います。どちらかと言えば、ルール5ドラフトに向けて他球団からプロテクトや指名のための枠を用意するために押し出される若手の獲得のほうが面白そうです。

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。今後もアスレチックスを中心にメジャーリーグに関する記事を投稿していきますのでよろしければスキフォローTwitterのフォローもお願いします。それでは、また次の記事でお会いしましょう。

この記事が参加している募集

野球が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?