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からかい上手の(元)高木さんのちょっと残念なところ

アニメ3期の放送から見て「からかい上手の高木さん」にドはまりして単行本、イラスト集、公式ファンブックをそろえた。もちろん「元」も全巻そろえて即読了。で、この「元」は面白いんだけど、物足りず残念に思うこともある。一番は、中学時代発揮されていた高木さんの生き生きした感情が見えないこと。だからキュンも軽め。大人でもキュンできることを描いてほしいんだよ。で、その考察。

1.専業主婦設定 社会性の無さ
(前にもTweetしたけど)高木さんくらい優秀な人は社会と接点を持って生き生きと暮らしているところが見たかった。仕事のシーンはいらないけど、設定として社会につながりがある存在でいてほしかったな。ミナは保育士、サナエはライター、高木さんは中学卒業後どうしてたの?西片は教師になるために大学行ってるはずだから、島を出たはず。その間、遠距離恋愛だったのか、高木さんも同じ大学行っていたのか。時々出かける(元)高木さんはどこに行っているのか、15巻「今日こそ」で西片と待ち合わせした高木さんはどこから来たのか。

2.ゴールが無い
「無印(本家中学版高木さん)」は西片に気持ちを伝えたい、付き合いたい、デートしたいという目標とする到達点があったけど、「元」の高木さんには目標が無い。現状維持か娘ちーを育てることくらいか。だからクリティカル、グリコ、調理実習みたいな神回が出ない。神回は、モチベーションとその障壁(恥ずかしさとか、勇気の無さとか)のギャップを超えたところに生まれる。

3.地味、明るさ・活発さが無い、さみし気
たばねた髪、落ち着いた表情。笑っているけど感情を抑えてるの?(目、眉の描き方のせい?)

つまり、「元」の高木さんは、主体性が無い。西片やちーをからかう時も、その場で起きた出来事に対してリアクション的にからかうだけで、目的のために自分から積極的に仕掛けることがない。中学時代は、台風だから自転車で来る、とか雪の日に呼び出すとか、図書館に会いに行くとか、積極的だった。ゴールが明確だったからね。主体性が無い主人公は魅力に乏しいし、感情移入しにくい。死んだ弟の代わりに甲子園に行くとか、七つの玉を集めるとか、未経験で見合い婚したふたりが夫婦生活を模索するとか。将来失敗して貧乏にならないように未来から送り込まれた猫型ロボットがサポートするとか。ちびまる子ちゃんやサザエさんはゴールは無いけど、クラスメートや近所の人々が登場し、社会の中で生きる喜怒哀楽を見せている。

とはいえ「元」の良さもある。
1.ほのぼの感。目標が無いから、淡々とした日常が描かれている。
2.微エロの効果増。大人で子持ちの女性なので、服を脱いだり、直接的なことを言わなくても発する何気ない一言のエロさが中学版とは桁違い。

でも、この2点はゴールや社会性とのトレードオフではなく、両立させられるんだよな。

いつか高木さんが就職して、活発に暮らすようになってくれるといいな。その方が夫婦の距離の解像度が上がり、キュンを取り戻せると思う。その忙しい中、第二子模索するとか。(脱線しますが。連載では弟がほしいという話があったみたいですね。でも中学生のちーが一人っ子みたいだから第二子はないのかな。高木さんも西片も一人っ子なのも勿体ないなと思う)

あと、山本先生、稲葉先生、担当編集者は、結婚しているのかな。子供はいるだろうか。子育て生活の実感が無いようにも感じている。ちーは可愛いけど言動にリアルな実感が乏しい。ちーが中学生くらいになると生き生きしてくるのに。15巻で急に説明するまで指輪をしていなかったのも、既婚者感覚の無さか。

ごめんなさいね。ドはまりしているファンの勝手な感想です。こんなこと言ってるけど、ホントに毎日「元」ばっかり読んでいる。「あんな中学時代を送りたかった」と悶死している俺を「大人でもキュンとできる恋愛が可能」っていう話を描いて、救ってよ。


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