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平和維持機能としての軍事要員の展開条件

「段階的なオプション」を考える

アリョーシャ:「紛争というのは、一つの大きな形があるんじゃなくて、段階的にあると思うんだ。」

アリョーシャ:「非常にローカルなものから、地域に広がり、国際紛争になるという、それぞれに対応した紛争処理のメカニズムが必要だし、そのメカニズムを強化するための一種の強制主体が必要になってくると思う。」

アリョーシャ:「難民が出れば、われわれはそこにいく。逃げていく者たちの中には、軍事要員だった人が必ずいる。その武装解除をして、どうやって難民の安定を守っていくか。」

アリョーシャ:「われわれのような人道要員だけでなく、法と秩序を守るための一種の警察のようなものが必要だ。」

アリョーシャ:「それは、本来なら受け入れる国がやることだ。しかし、たくさんの人たちが逃げてきても、収容する能力のない国がたくさんある。」

アリョーシャ:「犯罪者がいたら法廷に連れていく司法制度の存在とか、そういう底辺の問題は、積極的にやっていかなければならない。」

アリョーシャ:「それが国境を越えてさらに周辺諸国に広がっていくと、地域の平和維持機能みたいなものが必要になってくるのではないか。」

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<参考文献>東野真『緒方貞子ーー難民支援の現場から』

人道援助の中立と公平

信:「国連の平和維持活動の原則は知ってるね。」

アリョーシャ:「うん。当事者の同意、公平性、それから自己防衛と任務の防衛の場合を除く武力不行使の三つの基本原則があるよね。」

信:「平和維持活動は、強制権限が付与され、同意原則が緩められたことがあった。その結果、所期の効果を上げなかっただけでなく、かえって紛争に巻き込まれ要員に多大の損害が出た。」

アリョーシャ:「事後の報告では、維持すべき平和が存在しない場所において平和を維持し、平和維持活動の諸原則を適用しようとしたことの誤りを認めたんだよね。」

信:「うん。アリョーシャが指摘した段階的なオプションについて、平和維持活動が、その原則を維持した上で、機能する場面もあると思う。」

信:「人道援助にとって、政治的対立に巻き込まれることなく中立・公平の原則に徹することは、ミッションの遂行のためにも、要員の安全にとっても、とっても大切だと思うんだ。」

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