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綿津見
2018年5月31日 20:35
2018年5月の短歌、24首。----------------------行く先を燕が過ぎる真似をして右手のひらで空を浚った救うならいっそ全てを救ってよ快晴にただ白がはためく薫風が風切羽を掠めてくまだ少しなら飛べる気がした非遮光カーテンに透く日光が濾過した熱を届けてくれる天気予報どおり降り始めた雨がやわらかく肩口を染めてくあたたかい空気は上に行くのよと笑む横顔が思い
2018年5月5日 00:16
2018年4月の短歌、15首。春風がひときわ強く吹き四月、誰もかれもが輪郭になるもう何も見たくないのと伏せられた目元に淡い花弁がとける「ほんとうは、」飲み込んだまま動けずにもうすぐ地上へ着く観覧車透明な立方体で君の吐く「どこにも行けやしない」って嘘週末のカフェでひとえに溶けていく氷のように僕はなりたいまたね、って振りかけ握る手のひらに今年最後の春の花びらうす闇に輪郭線の