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社会と折り合いが付けられない、私の彼氏の話

前田さんがかっこよすぎる。SHOWROOMの社長の前田さん。

見た目はもちろんのこと、彼の生き様と言動一つ一つに信念というかこれから自分が死ぬまでに果たすべき役目を自覚して、それに従って行動している姿が物凄くかっこいい。

自分みたいに「何者かになりたいのに、何者にもなれないグズ」とは大違いだ。彼は「前田裕二」という者になりきって、「前田裕二」という人生を生きている。代替不可能な人間だ。では自分はどうだろうか。きっと自分のような人間なんてそこらじゅうにいるし、きっと自分の上位互換のような人もそこらじゅうにいる。代替可能な人間なのだ。

自分は性格が悪いから「顔がいい人ほどチャンスが多い」と思っている。美男美女ほど生きやすい世の中で、そうでない人はチャンスが巡ってこない。まあ巡っとこないことはないけど、美男美女の打席が10打席あったとしたら、我々みたいなオタクくんグループは2打席しかない。男も女もそういう風にできている。

前田さんもかっこいい。かっこいいから色んなチャンスが回ってくるんだろうな、と思う時もあった。でも、きっと前田さんが自分と同じ容姿だとしても、容姿のせいにせず今と変わらずひたむきな努力を見せるんだろうな。できない理由を周りに見つけて、自分の無能さに気づかないよう気づかないようにただ息を殺して生きていくのではなく、自分が果たすべき役割だけを見て、真っ直ぐ生きていくのだろう。綺麗すぎる。そんな力強く真っ直ぐ生きられてしまうと、自分みたいな人はどうすればいいのだろうか。今からでも間に合うのだろうか。

自分は、「尊敬する人」がほとんどいない。尊敬しているのは前田さんと、ブロガーのARuFaさんだけだ。職場の上司とか偉い人とか、普通に好きだけど尊敬は全くしていない。これって多分、自分の「尊敬する」という感情が「その人みたいになりたいけど、現状維持をしているだけではきっと無理で、手を届かせるためには無限の努力が必要」だからなんだと思う。たいていの人って大した努力はしてないから、きっと自分でも手が届くと思ってしまう。自分の上司とか、人格者だし普通に頼りになるけど、別に手が届かないかと言ったらそんなことは無い。現状維持のその先に彼がいる。

でも前田さんやARuFaさんは、きっと今自分がこのまま生きているだけでは決して手が届く存在ではない。例えばイチローとか羽生さんとかも、同じく手が届かない存在だけど、別に尊敬はしていない。恐らくこれは「自分がそうなりたいと思っている」かどうかなんだろうな。自分は前田さんorARuFaさんになりたいのだろうか。きっと深層心理ではなりたいんだろうな。彼らに共通点があるのかどうか分からないけど、ひとつ言えるのは「どちらも自分の使命を理解し、そこに向け努力を怠らず、真っ直ぐ生きている」ということだろう。

前田さんは「努力がフェアに報われる世界」の創造を目指しているし、ARuFaさんはそんな大層な思いはないだろうけど世界に自分が面白いと思ったコンテンツを誰よりも全力で届けている。誰かのパクリなんかではなく、全て自分のオリジナルで届けているのは彼くらいではないか。今のYouTuberに違和感があるのはきっと全て二番煎じだからだと思う。バター1kg食うとか、激辛ペヤング食うとか、もうみんなやってるから。まあそれでも見ちゃうんだけど、凄いか?そして尊敬するか?と聞かれた時に、別になんとも思わない。ただYouTuberになるリスクを厭わなかった、というだけだと思う。まあ、自分なんて彼らより多くの人を幸せにしていない時点で、同じ土俵にも立てていないのだが。

自分も彼らみたいになりたいのであれば、なぜ行動しないのか。ただの口だけのカスではないか。こういう矛盾をかかえながら、人は社会に順応していく、または順応していくしかないんだと思う。その中で自分の思いに正直になって、努力し続ける人間に、自分はずっとなりたいと思っている。いつか、社会との折り合いがつく日が来るのかもしれない。

高野悦子氏の「二十歳の原点」を読んで、学生運動という激動の時間を必死にもがきながら生きた学生の想いをまざまざと感じた。自分のようなゆとり世代をぬくぬくと生きてきたあまちゃんと比べるのはおこがましいかもしれないが、50年経過した今でも、若者は同じような悩みを抱くのだとしみじみした。若者が今後の生き方に迷うのは、今の時代だけだと思っていた。でもそれは驕りでしかなく、きっと昔の若者の方が迷っていたと思う。インターネット、そしてSNSが無い中、目の前に起こることだけで善悪を判断しなければならない時代では、きっと選択するのにも勇気がいったと思うし、さらに政府による絶対支配から逃れる術もなかった=社会への折り合いをつけるしか無かったのでは無いだろうか。学生運動を経験した多くの若者も、きっとその後ほとんどの人が折り合いをつけていっただろう。社会は、そういう風に出来ているのかもしれない。

自分はどうするべきなのだろうか。

と、彼氏が言っていたので「はやく寝なさい」と言っておきました。

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