全部、一つ。

突然だが、月に一度ナレーションのレッスンを受けている。

現在の勤め先は、ナレーターだとか芸能だとか、華やかな職種では全くない。しかし、今の仕事を凄く気に入って働いている。

ただ、ナレーションをやる事がとても楽しく、具体的にどこかの事務所に…などという環境ではないのだが、レッスンを受け続けている。

今日もダメなりに頑張り、レッスンを受けてきたのだが、終わりに先生からこんな事を言われた。

「unagixさんは最初に新しいものを一人で読むと普通だけど、一回お手本を見せると悪いところが直って、直ぐにお手本通りに読めるようになるね。」

他の人の状況を知らないので、そんな事を思った事もなく、大きな気づきだった。そしてこうも言われた。

「それは凄い特技だと思う。そこをもっと活かせばもっともっと良くなるよ。そういう人は最初大して苦労せずともある程度まで上達しちゃうから、後々自分の色を出さないといけない段階で苦労するけど、そこを踏ん張れば凄く大成するよ。」

長年自分を器用貧乏だと決めつけていた私はハッとした。
私は器用貧乏だからそこそこにしかできなかったのではなく、自分で器用貧乏の段階に止めていただけだったのだ。

勉強、運動、アルバイト…挙げればきりがない。なんでも「そこそこ」にできてしまうが故に、成長が止まった段階で無意識に諦めてしまう癖が付いていた。「まぁ、このくらいはできるのだし、良いか。」と。

身の回りで起こる一つ一つが全然関係ない事に思えて、実は全て繋がっている。何年も心に溜め続けたひっかかりに対する答えが、ある時突然に見つかる事もあるのだなと思うと、人生がたまらなく面白く感じられる。

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