鈍感には、鈍感のやり方を。

本日の関東地方は、すっかり春の陽気。「念のため。」と着てきた冬物コートだけれど、なんだか急に季節外れ感が出ている気がして、どこか居心地が悪かった。

季節の変わり目は、いつも服装に悩む。
いつから春物のコートを着ればいいんだろう。
このニットは、素材的に季節外れかもしれない。
長袖ヒートテックはいつ脱げば……

特に一番悩むのは、黒ストッキングをいつまで履くか。私はデニール数の低いものが好みなので、真冬でも20デニール程度のストッキングを履くことが多い。しかし、いくら透け感の強いタイプでも、かなり暖かい日の昼間に、黒ストッキングはなんだか暑苦しい。

出かける前に察知できれば良いのだが、私の場合、なぜか外出先でしか気が付けない。「あ!もうこれ履く時期じゃない!!」

気が付いたが最後、自分の足元が気になって仕方がない。一個人のストッキングの色など誰も気にしていないことくらい理解しているが、そういう問題ではない。だって自分が気付いちゃったんだから。

要するに、私は道行く人の服装などを見てからでしか、気が付けないのである。ということは裏を返せば、誰かに気付きを与えられる、季節への感度が高い人が、確実に一定数存在するということだ。


私は、そういう人は、おしゃれ上級者だと思う。早すぎず、遅すぎず、絶妙なタイミングでひらりと衣替えできる人。

思えば、学生の頃は「制服の衣替え」という日が決められていた。気温というものは毎年違うので、衣替えの日にその服装がそぐわない事がよくあった。ジャケットを着るにはまだ暑すぎたり、薄手のシャツを着るには寒すぎたり。
しかし同時に、その衣替えの日が私たちに季節の移り変わりを教えてくれた。衣替えがあると、あぁ今日から季節が変わるのだなと、ごく自然に思った。頭のスイッチがぱちんと切り替わるように。

それが大学生になり、社会人となると、職場に制服がある人を除けば、誰かに服装を強要されることがほとんど無くなる。
常識という薄ぼんやりとした基準を元に、そこからはみ出ない程度で、毎日の服装を皆がそれぞれに考える。

そうやって日々をなんとなく過ごしていると、季節に置いていかれてしまう時がある。そんな中、敏感に季節を感じ取って、スマートに取り入れることのできる人は素敵だなと感じる。

さて、自分で季節の移り変わりを敏感に察知できない私はと言えば、数字という分かりやすい指標で線引きをするしかない。ここ数日の様子を見る限り、最高気温17度を超える日ならば、黒ストッキングは脱いだ方が軽やかで良いようだ。

しかし来年もこのことを覚えているかどうかは甚だ疑問。毎年冬が来るたびに、「こんな寒かったっけ⁈」となるように、今回の気付きを忘れ来年も同じことで悩んでいるかもしれない。
一応手帳に書き添えてみたが、どうなるだろうか。

#炬燵を仕舞うタイミングもわからない #ついでにマスカラを捨てるタイミングもわからない

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