はしっこ殿さま
時は江戸時代。
とても警戒心の強い殿さまがおったそうだ。
その殿さまは、「はしっこ殿さま」と呼ばれていた。
いつも部屋のはしっこに座っているため、はしっこ殿さまと呼ばれている。
誰も信頼できないため、家来は必ず殿さまの右側におかれるのだった。
家来が裏切り、刃を振り上げて、自分を襲ってくるのではないかと、いつもビクビクしていた。
いつでも家来が裏切り、襲ってきたときのために、刀で切れるように右側に家来を置いていた。
なぜなら、さやから刀を抜く動作からすぐに切れるからだ。
左側に家来を置くと、さやから刀を抜く動作、切り返して切る動作の2ターン必要になり、その場合襲われた時に対応ができない。
はしっこ殿さまはそれを恐れていたので、家来は必ず右側なのだ。
左側には人物を置かないのが、はしっこ殿さまのポリシーだった。
殿さまであるが真中には座わらず、いつもはしっこに座るのだった。
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