一音の響きで同じところに着地できる私たち
九月からの対面授業再開前に、2020年3月10日以来初めて大学のオフィスへ行ってみると、まるでポンペイ遺跡のように、次のクラスで配布しようとしていたプリント、三学期前の学生の情報カード、名前カードなどなどが机の上に並べられたそのままの姿で埃をかぶり、日に焼けて色褪せていた。
おそらく最後の出勤日に、いつもの如く帰りの電車の時間ぎりぎりになり、慌てて帰宅したような気がするので、仕事中に誰かに突然連れ去られたみたいな状態のままになっており、なんだか事件現場みたいな雰囲気。それに