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#ニューヨーク生活

「この世界は良いところ派」に隠された罠のこと

先日書いた「世界認識」の傾向に関する記事の追記として。 この世界をおおむね良いところと認識しているか、悪いところと認識しているかという思考の傾向が、個人の経験に関係なく、生まれ持ったレンズとして装着されている、という話だった。 このことを考える時に、セットとして考えたい罠があるのだけれど、それを書くと長くなり過ぎるので省いた部分を、ここに。 ざっくり言うと、世界認識が生まれつき決定しているのだとしたら、世界がろくでもないのは、お前の認識のせいだから、不満があるなら己の認

この世界は良いところ?悪いところ?

ニューヨークの地下鉄には、「会話スタイル」と呼ばれる座席の配列がある。 L字型に座席が配列されてあり、3、4人で乗った時に、みんなで会話を楽しめる、というものだ。 ところが、実際は大勢で地下鉄に乗る人ってそう多くない。大抵の場合、他人同士で密着して乗る感じになってしまう。それも横の人の息が頬にかかりそうなほどの距離感で。 そのせいかどうかは知らぬが、この「会話スタイル」は、順次廃車になっていくことが決まった。これからは一列型のみが作られていくそうだ。 そうなると、こん

「欲しても無駄と思うと欲さなくなる」この思考を変えるには

ジェーン・スーさんと堀井美香さんのポッドキャストOver the Sunが好きで、聴いています。 今週のOver the Sun(エピソード85)で話されていた内容、「人間、欲しても無駄と思うと欲さなくなる」という、あれ、学術的には「Learned helplessness」という概念です。 (ポッドキャストでは、それが様々なハラスメント、DV、洗脳の被害者の思考の根にあることや、仕事や学習の場面で、自分には用意されてないと思うと、欲することさえなくなるという怖さについ

「自分は偽物(インポスター)だ」と感じたら。

今でこそ英語を使って生活していますが、もともと英語は得意でも好きでもありませんでした。(今でも特に好きではない。) 小さい頃から英語に触れて育ったわけでもなく、海外旅行や留学の経験もなく、大学受験と大学の英語の授業が終わった途端、英語とはすっかり会うことも話すこともお互いを思い出すこともない昔の知人状態になっていたので、初めて海外で英語を使う機会が訪れた時、askとanswerのどっちが「尋ねる」でどっちが「答える」だったっけかなー?と悩んだくらい。 博士課程への入学

20年前の自分に送りたいアドバイス

今年もまた大学の一年が終わりました。アメリカの大学は4月末~5月頭が年度末。そこから9月(大学によっては8月中旬)まで4か月の長い夏休みです。 夏休みの間にも一応夏学期のクラスはあって、教えたい人は教えていますが(うちの大学はそれによって結構良い額の給料も出る)、私は敢えて夏学期は教えないポリシーを貫いている。 というのも、12か月分の仕事を8か月にぎゅぎゅっと凝縮したようなこの仕事量をこなしたあとの疲労困憊度といったら、イギリスとフランスの間にあるドーバー海峡を泳いで渡

ふつうの答え

12月23日に、一応のところ今学期の仕事が終了しました。はぁ、辛かった。 とはいえ、終了したのは教える仕事のみで、3週間の冬休み中に遅れを取っている研究の仕事をがつがつと進めなければならないのですが。 今は燃え尽きてしばしの休息中。(2021年の年末に書いています) 学期が始まったころは、まだ半袖で通勤していたのに、気が付けば真冬。ついこないだまで冬だったような気がするのに、いつの間にかまた冬になっているこの感じ。ニューヨークの冬は長い。 学期中も、できる範囲でnote