春と夜気

なんとなく日記を書かないようにした。もう日記を書かなくてもへいきなんじゃないかと思って。途端に、喉に餅でもつまっているようになってしまう。だめ、限界。話したいことをすべて人との会話で消化できているときは、書かなくても平気なんだけど。なにせ、話したいことがどうでもいいことばっかりだからなぁ。人をノートのかわりにしたくなくて黙る。書かずにはいられないということは、思っていたより綺麗なことじゃない。

もう春だなあ。雨が肌にすいついてくるような、この空気。どうだろう、この春の夜のにおい。春休みになったら散歩をきっとたくさんするだろうと思ったのに、寝てばかりいる。本もすこしは読む。最近は民俗学の本が好き。神隠しや呪い、都市伝説、神話が気になっています。こういうものを読むと、日常と夢の隙間が埋まっていくので安心する。できるだけ胡散臭くない、それっぽい本をさがしているのだけど、もし何か知っているものがあれば教えてください。今は柳田國男と、野尻抱影の本を交互に読んでいます。野尻抱影の「星の神話・伝説」は古本屋さんで見つけた本で、中表紙に著者の名前のハンコが押してあるんだよ。もしかしたら抱影さんが自分で押したのかもしれないんだよ、と本屋のおじさんが教えてくれたのです。いいでしょ。

学校の七不思議とかも好きだったな。こういうものが気になってしまうのは、それが私的であるからなのかもしれない。なにかつくることも、それに入りこむことも、おまじないのようなものであってほしい。念という言葉も合っているかもしれない。念じるだけでは叶わないことのほうが多いけど、念じている、ほかでもないわたしの存在を、もっとつよく感じたい。

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