髪を切りました①

このテキストはマガジン「つまらない話リターンズ」の中に含まれているので、一つ一つ購入せずにマガジンを購入した方が多分安いと思います。

その人と出会ったのは、雨が降る冷え込んだ朝だった。
「『電気が走る』というのはこういうことを言うのだ」ということをその時初めて知った。
その瞬間から私の世界は色を変えた。
だが、その「世界」は砂上の楼閣のように、あっけなく崩れ去り今は跡形もなく。
私の前には、以前のような荒涼とした色を失った光景がただただ広がっているだけ。