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【製品レビュー】AKAI PROFESSIONAL LPD8(MIDIコントローラー)

 MIDIコントローラーのAKAI PROFESSIONAL LPD8を購入したので、第一印象をレビューします。
 演奏目的ではなく、DAW操作時にPCやCCを送るショートカットスイッチとして使用予定です。

ワイヤレス版じゃない理由

 まずこの製品、現在はワイヤレス版が販売されているのですが、WindowsとのBluetooth接続は公式にはサポートされていません。(MIDIberryを使えば接続できるとは思います)
 そもそも卓上で使う製品なのでワイヤレス機能は不要と判断し、よりサイズがコンパクトな有線版を購入しました。

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モンスターエナジーと比べると小ささがわかるとおもいます。

送信できるメッセージ

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↑公式のエディタです

・4つのプログラムモード(要はプリセット)を切替可能
・ノブはCCで固定。CCナンバーは自由に設定でき、最小値と最大値が指定できます。
・MIDIノート/PC/CCのモードを切り替えると8つのパッド全てがそのモードになります。それぞれナンバーを指定できます。
・パッドごとにモーメンタリー/トグルモードを設定できます。

良かった点

・とにかく筐体がコンパクト
 卓上の空きスペースを有効活用できます

・ノブがしっかりしている
 安物にありがちな「触れただけでCCが送信されてしまう」なんてことはありません。またノブ上部の白い印は少し出っ張っているため、わりと指一本でも操作が可能です(例えばギターのピックを持ったままでも中指で操作できます)

・モードの切り替えがスムーズ
 プリセット/モードは左下のボタンで切り替えます。LEDのが点灯していてわかりやすく、スムーズです。

・トグルモードが使用可能
 トグルモードに設定した場合、1度叩くとノートオン(LED点灯)、もう一度叩くとノートオフ(LED消灯)という挙動になります。
 スイッチ目的で使用する際に便利そうです。

イマイチな点

・DAW等との接続中にエディターを使用できない
 僕の環境では、DAWのやスタンドアロン音源にLPD8を接続中、エディター⇔LPD8間の通信がエラーになってしまいます。実戦で使いながら設定を調整できないという状態であり、この点は非常に不便です。

・パッドが硬い
 パッドの感度はかなり硬めだと思います。外周部を叩いてもあまり反応しませんし、中央であってもタッチ程度の強さでは全く反応しません。しっかりと押し込むように叩く必要があります。
 スイッチ用途に使う場合は軽いタッチで反応してほしいので、ここはマイナスポイントです。

・ベロシティカーブが選択できない
 パッドの硬さも相まって、ドラムの打ち込みなどにはあまり向いていないと思います。

・パッドのCCの値がベロシティ依存
 CCナンバーは設定できますが、CCの値はベロシティ依存です。なのでCCモードの値を操作したい場合は素直にノブを使いましょう。

・パッドをスプリットできない
 あまりやる人はいないかもしれませんが、8パッドのうち4つをMIDIノート、残りの4つをPC、のような使い方はできません。

使用例

 こんな風にADPTR AUDIO Metric ABを操作するために購入しました。リファレンストラックをワンボタンで切り替えています。
 今回の例ではizotope RX8のMusic Rebalanceで曲を分解し、原曲、オクターブアップ、ベースのみ、上モノのみ、ドラムのみ、ボーカルのみ、とトラックを分けて、耳コピ用に使っています。
 このようにMIDIデバイスでCakewalkを操作するには、AZ Controllerを使うのが便利です。(いずれきちんと紹介したいです)

総評

 パッド感度の関係で、演奏にはあまり向いていないと思います。シンプルなMIDIスイッチとしては使いやすいんじゃないでしょうか。
 エディターによるLPD8のカスタマイズ幅は狭いので、↑の動画のように凝った操作をするには、AZ Controllerのようなプラグインを使ってMIDIメッセージを加工してやる必要があります。

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