【深海ロックアレンジ】谷の底で咲く花は -Rebirth- ステムデータ&解説
概要
先日投稿したリミックス「谷の底で咲く花は -Rebirth-」のステムデータを公開しました。その解説記事です。
今回は「深海から浮上し、花として咲く」をテーマに、Mr.children「シーラカンス」「花 -Mémento-Mori-」などを参考にバンドアレンジしてみました。
ステムデータ
ボーカル以外すべてのトラックが入っています。公序良俗に反しない範囲で好きにお楽しみください。
主な使用機材
ギター
・F.C.G.R. Green Pepper
・Fender American Acoustasonic Stratocaster
・FUJIGEN EXPERT FL
・Sago ストラトモデル
ギターエフェクター
・BOSS AD-2
・BOSS CP-1X
・Positive Grid BIAS FX2
・IK Multimedia Amplitube 5
ベース音源
・IK Multimedia MODO BASS
ドラム音源
・Toontrack The Rock Foundry SDX
キーボード音源
・IK Multimedia Hammond B-3X
その他音源
・Native Instruments DAMAGE
・Native Instruments Evolve Mutations 2
・Tracktion biotek2
曲の展開
セクション1(0:00~2:48)深海
BPM75、キーFm?→C?
水中にいるようなSEから曲が始まりますが、物語はまだ動き出しません。不気味な通奏低音たちが、彼女の厭世や諦念、停滞を表しています。
セクション2(2:48~3:10)予兆
BPM168(以降同じ)、間奏:キーDm
Lchのギターはミスチル「花」からの引用です。物語の開始を示すとともに、その終着点を暗示しています。
セクション3(3:10~3:57)宣告
キーFm?
渡り鳥が嵐の到来を告げ、彼女の物語は動き出します。
ディストーションギターが迫りくる雷雲を表しています。
セクション4(3:57~4:54)雷鳴
キーAm
待ちわびた嵐の到来に、どこか穏やかな気持ちになる彼女。演奏も少し穏やかになります。
セクション5(4:54~5:03)払暁
キー?
雲間から光が差し、彼女の心はざわつきはじめます。夜が明けたとき、そこに一体何が見えるのか…? 唸るフランジャーと変拍子がざわつきを表しています。
セクション6(5:03~5:46)希望
キーG#
そこに現れたのは彩りと生命力に満ちた世界。その美しさに彼女は息を呑みます。曲はようやくメジャーキーに転調し、楽器隊も息を呑むかのようなブレイクを決めます。
セクション7(5:46~6:11)浮上
キーCm
彼女はついに深海から浮上します。重たかった彼女の心が軽くなっていくように、オケも音の緊張感から開放されていきます。ギターの歪みは弱くなり、ドラムも重さがとれています。
セクション8(6:11~6:34)無風
キーC
そして彼女が見たものは、実に穏やかな世界でした。胸に残るのは、世界が姿を変える瞬間の煌めきです。ディストーションギターや圧迫感のあるドラムは姿を消しました。深海から脱出し、嵐はやんだのです。
セクション9(6:34~End)再生
キーC
彼女は日向で咲く花となる決心をしました。温かなギターが彼女を祝福して、物語は終わります。
各トラック解説
000-Vocal
・ボーカルトラックのため欠番。2:44~2:47は「さー」の音をループさせてロングトーンにしています。
001-BioTek 1 ~ 006-BioTek 6
・セクション1のSEっぽいものはほとんどBioTek2で鳴らしています。電子音と自然音を混ぜた変な音が出るシンセです。海底から響くような不穏な音を色々重ねてみました。
007-Evo
・Evolve Mutationsでエレピっぽい音を鳴らしています。
008-Loop
・DAMAGEで鳴らしているループです。
009-Organ
・ハモンドオルガン。他のパートのブレイク時にグリスを入れて目立たせています。
010-AgL
・アコスタ→BIASです。サウンドポジョションは覚えていません。3カポで4弦5弦の開放弦を鳴らしながらアルペジオしています。このパートはAD2の入手前に録ったので、BIASを使っています。
011-AgR
・アコスタ→BIASです。こっちもサウンドポジョションは覚えていません。多分3カポだと思います。BIASでコーラスをかけて12弦っぽい音にしています。
012-AgL2
・アコスタの2A/Bハーフ→アンプリのツインリバーブです。アコスタでエレキとアコギの音をブレンドさせてみました。
013-AgC
・アコスタ→AD2→Waves Maserati ACGです。この曲を作っている最中にAD2が届いたので、以降アコギは基本的にこのセットで録るようになりました。
014-GtL
・トラック12と同様アコスタのハーフポジションだと思います。それにアンプリのDS1→ツインリバーブです。曲中でボイスポジションを変えたり歪みペダルをWamplerのに変えたりしています。
015-GtR
・EFLのリア→アンプリのTS→ロッカーバーブです。歪みペダルは曲中でTSとDS1を踏み変えています。
016-GtC Flanger
・EFLのリア→アンプリのメタルゾーン→ロッカーバーブです。フランジャーはWaves Kaleidoscopesでかけています。
017-Gt Solo
・sagoストラトのフロント→アンプリのデラックスリバーブだと思います。ボトルネックを使って弾いています。sagoは弦高を高めにセッティングしてあって、ボトルネックやカッティングのときたまに使います。
018-GtL Arp
・たぶんFCGRのセンター→アンプリのOD1→ジャズコーラスです。コーラスはジャズコのものを使っています。
019-Bass
・MODO BASSですがどのモデリングを使ったか覚えていません。アンプリのSVX15Rに通して少し歪ませています。
020-Kick ~ 026-Comp
・ドラムトラック。コンプをかなり強めにかけて、圧迫感のある音にしています。セクション7以降はタイトで軽い音にするために、オーバーヘッド、アンビエンス、コンプの3トラックのボリュームオートメーションを書いています。
ミックス全体
・元ネタのローファイな感じを再現するため、ほぼすべてのバストラックにテープシミュレーターを挿しました。おかげで激重です。
・リバーブは展開に合わせてオートメーションを書いています。
感想
1曲の間でほたるの心象風景が変わっていくのを表現してみました。
このアレンジの構想は2020年の春ごろからあり、ロキマス2020で提出する予定だったのですが、うまくまとまらず断念していました。今回完成させられてよかったです。
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