#twnovel 2011 by Nozomu.K

きしめられていた腕の力が不意に緩められた。これが本当に最後なのだ。去っていく彼の背中を見送りながら、吹きすさぶ風を怨む。彼からの最後の熱を、簡単に奪ったりしないで、と。そして、どうせ同じように風が吹くのならば、今まで培ってきたこの想いごと吹き飛ばして、と。

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