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竜と黄金の梨と焼け残りの感想まとめ

「竜と黄金の梨と焼け残り」は第15回ウディタコンテストの作品
ジャンルは3Dダンジョン型ローグライク+半自動戦闘(プレイ時ver1.10)
https://silversecond.com/WolfRPGEditor/Contest/entry.shtml#11

このゲーム、ステータスに数字という概念がなくて"雰囲気で察せよ"という斬新な試みが面白くて好き
HP表示もなく右下の絵がぼこぼこになっていくと、そろそろやばいんか?みたいなのを察して飯を食わす
バトル画面も独特で勝手に戦ってくれるんだけど左下にLIVE!!とかあってキノコが走ってくる

グラフィック面がとにかく豊富でかわいく楽しい、システム面も本格的な主観系3Dダンジョンに自作戦闘と全体的にオリジナリティあって好きだ

ただ、それだけにプレイビリティ(遊びやすさ)や
ローグライクとしてのゲーム性に惜しさを感じてしまったので
どういった部分でそう感じたかと1プレイヤー目線でまとめてみた


探索、初見での引っかかりポイント

・ダンジョン探索がダレる

昨今のノンフィールド系ゲームに慣れてしまった事情もあるんだけど
この疑似3D空間を主観で進んでいくのはなかなか疲れるのだった
主観視点だけだとどう進んでいるかもわかりづらく、ミニマップを見比べながらアイテムを拾いにいったり、敵との遭遇をこなしていく

ノンフィールド系のゲームではボタン1回押すなりすれば1フロア進み
次の選択肢が現れる、つまりプレイヤー思考タイミングが多いのだが
このゲームの場合は前に進む、向きを変える(横移動)量が多いため
ある種、単調で作業的になる時間が多く感じるのだ

ただこれは、このゲームのテンポ感に慣れてくればそう悪いものでもない
自分は隣でラジオ的なものを聞きながらゲームを遊ぶのも好きなので
ある程度慣れたらそういう「ながらプレイ」でゆるゆる遊ぶのはいいかもしれないと思った

・アクションへのアクセス性が遠い

ゲームで特定のアクションを行うためボタンを何回押す必要があるか
このボタン回数(クリック数、タップ数)が3回を超えると面倒くさくなるみたいな話がある

このゲームの場合、杖や書物のようなアイテムを使おうとすると
メニュー開く→道具→上下に長押し+何回か入力→決定→使う……
という手順を踏むことになる、とっても面倒くさい!!
これはRPG系のメニューベースで作る以上ある程度仕方ないとはいえ
アイテムの並び順が「武器、防具、投擲、食べ物、杖、書物、素材」になっているせいで、上から選ぶにも下から選ぶにも一番遠い位置になってしまっているのは難点

たしか風来のシレンだと道具は左右でページめくりができるようになってて、ボタン押し回数を減らす工夫がされていたような気がする
このゲームの場合、道具欄で最も使うのは杖か書物なのでそれらを上に置くかカーソル記憶があってもいいし、個人的にはそれでも遠いのでお気に入りしたやつを登録してショートカットキーで使えるとかが最高(そこまでいくと凝りすぎかもだが…)

特技に関しても同様で
メニュー開く→下を押す→特技→キャラを選ぶ→技を選ぶ→決定
っていうのはなかなか面倒くさくて
それでつけられる探知スキルなどが一定時間しかもたなかったりしてかなり使いづらかった、せめてフロア内持続してくれ

森や洞窟の15階~くらいまでいくと杖や特技も重要に感じるんだけど
逆にいえばそこに辿り着くほどやらないと売却用アイテムにしかなってなかった感じがする

アイテムの全ロストはあまりに鬼

このゲームは独自性を持ちながらもローグライクシステムを踏襲した部分が結構あって、その嚙み合わせが悪いと感じる部分が
パーマデス(恒久的な死)、死んだらすべてを失うという要素である

ステータスがあやふやでなんとなくで察するのがこのゲームの持ち味だが
そのゆるい雰囲気に反して、失敗するとガチで容赦ないペナルティがある
持ち込み有り19Fあたりの深層で全滅しようものなら、そこまでにかけた探索努力や時間、そしてその冒険のみならずそれまでに集めた物資全てを失うことになる
ポストアポカリプス(文明が崩壊した後)の世界なので、シビアなのもある意味では説明つくとはいえ…
HP表示もなく突然死ぬゲームで、ステータスも細けえこと気にすんなって感じのコンセプトとこの仕打ちの嚙み合わせはだいぶ悪い印象だ

おのれキノコ

ちなみに自分もかなり手痛い形でこれを味わった
倉庫という存在があるものの、アイテム製作的にも手持ちにあった方が便利でほぼ抱えこみ森の19Fくらいで壁ドンされて全滅
なまじそれまで順調に行っていたので潤沢だったもちものが消え去った
まさかアイテムが全部なくなるとも思っておらず、セーブされる前にリセットした方がマシだった
とはいえ19Fまでいくのだって小一時間は頑張ってるはずなのでそれを自らリセットするのも悲しいものがある

他にも持ち込み有なのにダンジョンに入る度に装備が剥がされるとか
単純に不便な部分もある、地味に面倒なんだ!!

拠点、面白くなった瞬間

色々と引っかかる部分が多かったけど、それでもこのゲームをエンディングまで遊び続けられた要因と、面白くなった場面がある

・分解と製作(アイテムを作る)の面白さ

これもレシピがわからないのにやたらと失敗する、素材1個1個それなりに手間かけて集めたものなのに、失敗したら当然その素材はなくなる
……と、あまりプレイヤーに優しい作りにはなっていないものではある

ただしこれは拠点で行えるので、セーブ&ロードが行える
素材をある程度集めてから製作の試行錯誤をして
成功パターンをメモしてロードでやり直せば失敗をないことにできる
そんなズル前提ではあるが、この手探り感は楽しかった
組み合わせパターンはかなりあるようで、新アイテムを作れる限られた方法でもあったのでわくわく感もあったのだ

自分はこんな表を作って、これを埋めるのを楽しみに遊んでいた
これが素材を集める、探索する、という目的にも繋がっていったので
こういう楽しみ方を発見できる人にとってはやりがいがあると思う

木の枝から「薪」を作るのはクエストにもあったが
これを売ると結構儲かる、みたいな発見をするのも醍醐味
「サバイバルナイフ」なんかを自力で発見したときは楽しかったが
まあちょっと強くなったのか?よくわからない程度ではあった

無数の組み合わせを自力で発見するのはなかなかに困難で
なんだかんだ教えを乞うイベント頼りなところではあった
それで知ったのが「爆弾」の製造方法である

この「爆弾」は作り方からしてもなんだか裏技的で
石クズ1個があれやこれやで無数の爆弾を生み出していった
このゲームわりと単調で盛り上がりに欠けると評されていたのだけど
「製作による発見」は劇的な爽快感を得られる変化を与えたと思う

しかし、教えを乞うイベントにもっと会えればいいけど
かなり希少なうえ、特定アイテム持ってないと断られることもある
ゲームクリアまでにヒントもらえた機会は3~4回くらいで、最初はよくわからないのでロクなヒントをもらえなかった
つまり実質的に2回くらいしかチャンスはなかった

超重要イベント

自分はたまたま「石クズ」→「火」の使い道を聞いたから
この爽快感に出会えたのだ……と考えると
多くのプレイヤーは「爆弾」に出会わずにこのゲームを過ぎると思う

その後も先生を求めて何度か潜ったものの、出会うのは大変で
全部のアイテムについて聞くのは相当しんどいだろうな…という印象
先生イベントがもっと出現するか、アイテムの数だけ何度も聞けるとか
それくらいの方がこのゲームの面白さ、変化をより楽しめそうだと思う

製作スキルのほどは、ちょっと大変

あと製作を繰り返すとその上達がテキスト表現で上がっていって
これが結構な段階用意されているので成長させる楽しさもある
これもモチベーションを引き上げるでっかい要素だったと思う
自分のクリア時はこんな感じだったけど、まだまだ上がありそう

戦闘、プレイヤーが取れる行動について

オリジナリティのある戦闘、ビシバシしたり壁際でドンドンなったり
アイテム投げ込んだりとか楽しい要素
半自動ではあるが、プレイヤーが取れる選択肢はいくらかある
ただその行動にどれほど意味があるのかは結局はよくわからなかった

・応援

応援はどれほど効果があるのかわからないけど連打を要求され
その上デメリットもあるようなことが書かれていて
どのタイミングでやるべきなのかやらないべきなのかは全く分からない
連打という労力性と、それによる実感のなさ(数値表現がない)が
悪い方向に相乗効果を生んでいる気がする……
プレイヤーはどれほど効果があるかわからないけど連打を要求される

・コマンド選択の操作性に引っかかりがある

例えば左右キー入力すると、コマンド選択状態になって上下キーの入力が効かなくなる
一度決定ボタンを押さないといけなくて、これがあまり直感的でない
入力効かなくなった!逃げるにカーソル動かせない!とかが最初あった
選択系の入力いれたら戦闘ストップ(休憩中と同じ状態)して
←→で選択 みたいな説明表示してくれた方が親切そう

・行動選択を有効に切り替えられる場面が少ない

リアルタイム戦闘なので、自分がやりたい動きをさせたいと思った頃にはもうバシバシ撃ち合ってるみたいな感じになりがちで
戦闘前に作戦を変える、Vキーでゆっくり化してから変える手段があるけど、それもなかなか煩わしい
メニュー開いて一戦毎に、作戦を変える→元に戻す、というのをわざわざやる気がなかなか起きないのだ

・罠誘導

戦闘に入る前に罠が近くにあると戦闘でも罠が出現するという
これはほんとにすごいシステムで、罠にはめる気持ちよさがあるけど
味方が踏んでしまうので下がる指示をしないといけない
それも戦闘に入ってからでは遅いので、作戦から変えないといけなくて
この操作手間の関係で面倒くささが勝つのであんまり使えない
そもそも見えてるんだから踏むな!!と言いたい
(これを戦術的に誘導してる時点で一回引っかかったりしてるんだし)

・操作不能なタイミングの多さ

バトル開始直後、勝利演出中など操作が効かなくなったりするので
操作可能なタイミングが分かりづらく、なにかと無駄にボタンを押していることがしばしばある
特に戦闘終了の入力受け付けがわからないので連打になりがち
勝利演出が最後のスローモーションでテンポがかなり悪くなっている
ボス戦ならまだしも雑魚戦で毎回あるので……勝利ポーズはかわいい

操作を受け付けない演出時間は、慣れるほど退屈に感じてしまうところ
オプションに速度設定項目があるが、これはゆっくり戦闘速度を
ゆっくりにするかどうかというもので……基本の速さをもっと変えたい
戦闘テンポ(ウェイト時間の短縮)とかができたら
もっとサクサクできるのにな、とも思ったところ
クリア結果報告とかもせっかちなので操作不能時間が長く感じちゃう

全体、ゲームの長さ

ダンジョン自体が結構長く、変化が少ないけど尺が長いことがゲームのテンポ感をゆったりさせ、作業感を強め、プレイ時間が伸びることでの全ロストの傷も深めている
・探索の長さ
・戦闘の操作テンポ
→全ロストのダメージの大きさ、という感じに関わってしまっていて

・序盤は全くやられる要素がないのに時間がかかる
・終盤は加速的に敵が強くなって一瞬でやられる
それで今まで積み重ねたものが失われる、という作りになっている

個人的には荒れ地5F、森10F、洞窟20Fくらいで
その分アイテムの密度をあげたり、敵が強くなる速度をあげて
最初からある程度の緊迫感ももたせて、だらっとする階層を減らす
ってくらいの方がプレイ感が凝縮されていいんじゃないかとは思った
長く遊ぶというより、おいしいところをどんどん味わわせるみたいな
ウディコンの性質的にもプレイする人の時間が限られてそうなので…
(自分は結構好きなやつを存分にやってしまうタイプだけど)

このシーンはめちゃめちゃおもろかった

最後に

作者さんが「何でもいい、どんどん言ってくれぇ」と
言ってくださってたのでばりばり言いたいこと書いてみた!
ただの一プレイヤーの好みの話でもありますし、あれこれ考えるのも趣味で
それもまた一つの楽しみ方をさせてもらってました

「竜と黄金の梨と焼け残り」は今回のウディコンで初めて
パッとスクリーンショットを眺めてた中で面白そうと思って遊んだ作品で
(その前に文無し行商人遊んでたけど、これは前作知ってたので)
ジャンル的にも好きそうだったというのもあるけど
惹かれたのは雰囲気のあるテキスト(ステータスさえもテキスト)や
オリジナリティ溢れるゆるゆるかわいいキャラ絵
そして統一感のある綺麗な背景…自作なのマジ!?ってなっちゃう
さすがにこの画面センスの高さに引き寄せられたッ

キノコ走ってくるやつもアニメーションほんとに面白くて、実際遭遇したらすごい勢いで追突されて良いキャラしてた
ヒヨッコたちもかわいく意外と傭兵で頼りになるし
ヒトたちの表情変化が楽しくて好奇心旺盛くんと心配性ちゃんがとくにもちもちでお気に入り
色々もちもの持ちたかったのであとはタフな人を愛用しておりました

ぼろぼろのパーティ
嬉しそうな踏破

エラー報告

Ver1.10で起きてたエラー
更新で直ってる可能性ありますけど一応報告まで…
基本的に連打してたら先に進めたので致命的ではなかったけど色々でてた

ゴミクズを投げたら発生
クリア時に発生
クリア時に発生、上のと同じエラーっぽくて何度か出てた
森の11F→12F移動時に発生


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