全部、真っ赤な嘘です。を終えて

終わってしまった。
終わってほしくなくて本当は今もnote書きたくないくらい、ずっと余韻に浸っていたいです。

1年前にやる予定だった舞台。
2年振りとなる劇団えのぐさんの本公演。
本当に、本当に、心から全員で千穐楽を迎えられたことが嬉しいです。

私は劇団えのぐさんが大好きで、稽古場での居心地の良さとかももちろんですが、なんと言っていいのか、劇団員の皆さんのひとつの舞台を作ることに対する姿勢が、すごく私が理想とする(というと偉そうなのですが…)ものだなと思うのです。

今回の脚本を書いた勇さんは、Twitterの感想などでも言われていましたが、まあもう私も天才なのかなと思います。
あんなお話書けないですって
どういう風に世界が見えているのでしょう
勇さんが生きている中で記憶に残っている事件をあそこまで物語として完成させられるのは、語彙力のない私には天才としか言えないです。
そしてこの物語の12人の陪審員の1人に私を選んでくれてありがとうございます、とても幸せな時間を過ごせました。
今回の勇さんの役は今まで私が見た勇さんとは違い過ぎて最初に稽古場であのシーンを見た時には、ただ「ずるい」と思いました。あんな勇さん見せられたらまあもうね。ずるいですよね

主宰の佐伯さんは、ずーーーっと忙しそうでした。
お客様に喜んでもらうための色んなことをずっと考えていたんだと思います。
感染症対策も、これ以上ないでしょうというくらいやってくれたので、いつも安心して稽古に行けました。
本当にありがとうございます
あんなに可愛い佐伯さんが今回私の役推しって言ってくれてめちゃくちゃ嬉しくてびっくりしました!
佐伯さんの演じた西島ハルは、どんどん佐伯さんに近づいていっているようで、見ていて楽しかったです。
私の好きな細かいシーンは「古賀さん、今日の裁判長があっち側です!」と言う前にめちゃくちゃ古賀さんにバシバシやってる手です(本当に細かい)

次にバンビさんは、すごい人なんだなと今回やっと気付きました。佐伯さんが書く作品のバンビさんと勇さんの書く作品のバンビさん本当に180度違くて、綺麗なみんなの憧れのお姉さんから鹿から今回の濱家八重子さんですから。
やっと気付いたというのも、バンビさんが今までそれを当たり前のようにやってきすぎて、すごいことだということを忘れてしまっていました。
本当にすごいです。しかも普段のバンビさんは割と静かなのに、舞台の上に立つと一気に!!!
尊敬です!
バンビさんの好きなシーンは歌い終わった後の「ありがとうっ!」の笑顔です!キラッキラ!!

ざっきーさんは、私がざっきーさんのこと大好き過ぎてずっとくっついててすみません。
いつも構ってもらってました
ざっきーさんの名探偵ポンコツぶりは最高でした!
実はずっと先生の小説読んでて話聞いてないんじゃないか??と思ったりもしますが、そこがまたいい!
「私も先生についていきまーす」の軽い感じとか。
えとわの時も思っていましたが、私はざっきーさんが一生懸命伝えるみたいなシーンに弱いです。「でも、本当なんですよ!」の時の真剣な視線、ぐっと来ます!

梶さんもまた、だいぶ構ってもらってありがとうございます
いつも私が気合い入れの時変なことしてたって報告してきました。大丈夫です。
梶さんの演じた和夫は、ずっとどんな気持ちで裁判に臨んでいたのでしょう。
臆病で汚い仕事をする勇気がなかった和夫が「俺がやった」と言うのは、なにか相当な想いがあるんだと思うと、胸がきゅぅっとなります。
好きな細かいシーンは陪審員側を向いてる和夫が眩しそうにしてる表情です。すみませんこれは配信やDVDでも確認できません。

今回衣装も担当していたさきさん。2度目の共演でしたが、今回ぐっと親しくなれたんじゃないかと密かに喜んでいます。
とにかく行動力!!実行力!!そしていつも笑顔!!
尊敬できるところしかありません!!
私が歌舞伎をやる時の風呂敷、いつもさきさんが端っこを出して持っていてくれていたのですが、1回も失敗なしで、すごく信頼していました!
あと陪審員がどんどん六番側になっていく中盤のシーンで私がずっと「あら、あらあらあら」とか言ってたら途中の日からさきさんも言ってくれてなんか楽しかったです笑
すてきな衣装を本当にありがとうございます


全員分書こうと思っていたのですが、さすがに無理すぎました。
劇団員のみなさんだけですが、十分私がこの公演期間を幸せな気持ちで過ごしていたのか伝わっていると思います。

でもせっかくなので私の細かい好きなシーンだけでも書いていこうと思います。

陪審員一番、かわともさん、張り切り陪審員長!
忘れちゃったなぁのところとかもなんですけど、「裁判の、やり直しです」のところ、なぜかおちゃめで可愛らしいです。
舞台の4段目から3段目へのジャンプも見所です
あと武者小路勝利の名前のところ、全部日替わりネタで楽しませてもらいました!!

二番、政野屋さん!
犯罪歴があった、という過去を抱えているのですが、とにかく声が優しい!!瞳も優しい!
役での絡みはあまりないのですが「探偵の推理力があれば〜」というところでいつも目が合うのが地味に嬉しかったりしていました

三番、タイガさん!!華道家!!!
華道家と明かされた時バンビさんと私はいやいやそれは嘘だよね〜と顔で言っていました笑
裁判の時席が隣でつっこみ楽しませてもらってました!
稽古場でもつっこみありがとうございます!
風呂敷あげるよ!とバンビさんに言われてる時、いやいやいらんやろ、ギターどうすんねん、とやっている時が楽しかったです

六番、城戸さん!!
あなたがいたからこそです。六番さんがいて良かったー!ほんとに!!
セリフの説得力がすごいんです!あんなに真剣に言われたらそりゃあ考えてしまいますよね
すごく真面目なお堅い感じなのに鳳鳴館に揺らいでしまったり変な動きしたりとにかく花火の役やりたがったり人間味があって大好きな役です!

七番彩美さん!鳳鳴館の若女将!同い年!!
彩美さんは本当に優しいお姉様でとにかく楽屋とか始まる前とかお世話になりまくりでした!
もう彩美さんの若女将がぴったりすぎて私が鳳鳴館行きたいです!!
パキッとクールビューティな感じなのに「私達が最後の砦なのよ!」って言う時砦作ってるのがほんとに好きでした。

八番さよさん!!
もう八番さんの後半のところ全部好きです!!
「あんた達頭おかしいんじゃないの!?」からのところ、バシバシ刺さりまくりでした。あと細かいんですけど、「あいつは殺したの」で和夫を指す指が綺麗でいつも綺麗だなぁと思ってました(細かすぎ)
あと最初のシーン、頭支えてくれたり手を戻してくれたりありがとうございました、全然起きなくてすみません!!

十番武田さん!歌舞伎役者!!
いやー、場が変わる時いつも武田さんのセリフから!
特に最初は(私は寝てるけど)武田さんのテンションでその日が決まるんじゃないかというくらいいい空気を作り上げてくれていました。
六番さんが討論を続けたいって言う時の"まあまあ"とか二番さんの私だけ変えてほしいって時の"俺も俺も"の動きとか、細かいところすごくいいなと思っていました!

十二番、まさきさん!露出狂小説家!!
まさきさんは和服似合いすぎです!稽古の最初からずっと和服着てたのもあると思うのですが、洋服より和服のイメージのほうが強いくらいです!
十二番さんの細かい好きなシーンがあって、六番さん側に最初につく時、右手に持っていた万年筆を左手にぽんと投げ変えて、「私はあの人側につく」と六番さんを指すんです。いや、細かい!けど十二番過ぎる!!

清子役、さえさん!!
可愛すぎるお方!!あんなに可愛いのに、本当に優しくて、ほわほわしてて、いいにおいで、完璧すぎました!かわいい…
でも清子の芯の強いところとかすごく伝わってきて、和夫を見る目、西島を見る目、勝利を見る目、全部違くて、強い女性だと思いました!
それなのに家族といる時はちょっと甘えんぼうの妹っていう感じで、かわいいが止まりませんでした

お母さん、千代役かんなさん!
ナレーションでとにかく自慢の母だった!というのがありますが、絶対的自慢の母でした!
おちゃめで強くて優しくて、和夫を叩いた時の声の強さ、無事でよかったって言う時の震えた感じ、そして最後の「そうか、もうだめか」からの見据えた声、全部赤松千代でした。
本当にかわいらしくて、"自慢の母"を具現化したようでした。

弁護士武者小路勝利役、セキュさん!!
動きと声と表情がそれはもう勝利でした。
稽古場でもずっと笑いっぱなしでした
でも中盤以降の勝利の真面目なトーンがあって、一気に物語が締まったような気がします。
意外と心は綺麗な勝利さん、和夫とステップ踏むとこ後ろから楽しませてもらってました!

弁護士助手、渋沢役谷さん!
中盤からの怒涛のセリフ量!!圧巻でした!
ちょっと冷たい感じとか、逆に熱い感じとか、役の厚み?がすごいなあと思っておりました。
でも、なんやかんや勝利を信頼している感じ、いいなあ。
和夫から話を聞いている時、ずっと本読んでるの、良いですよね。渋沢!っていう感じです!
初めて勝利が負けて、渋沢はこの後何を思うのか、気になります。

検事古賀静江役、えいこさん!
とにかく通るお声!!!!その声だけで全部丸め込まれてしまいそうです。
「今から手術なんで無理です」と「今晩は肉じゃがなんで無理です」が好きすぎました。
それなのに勝利と元夫婦って!!ゲテモノ好きって!!古賀さん!!可愛すぎす!
あの時代の検事、しかも女性で、相当できる方なんだろうな、古賀さん。オシャレだし。理想の上司です。

待って、全然普通に全員分書きすぎました。
どうもすみません、読んでくれた方がいたらありがとうございます。
ただの独り言と思ってください。

とにかく座組のみなさんが大好き大好きなので!止まりませんでした!!

あとスタッフさん!!!
みんな優しい方で、とてもとても幸せな座組でした!
舞監の佐藤さん、音響坂爪さん、照明仲光さん、制作清水さん、配信映像を撮ってくれたまゆさん、DVD映像の田中さん、みんなみんなありがとうです。

最後になりましたが、劇団えのぐさん、本当に10周年おめでとうございます。
劇団えのぐと出会えて良かったです。
劇団えのぐの作品が、劇団員のみなさんが、関わる皆さんが大好きです!

このご時世に劇場に足を運んでくださった皆様、配信で観てくれた皆様、何度感謝しても足りないけれど、心からありがとうです。

勇さん、素晴らしい作品をありがとうございます。
私を呼んでくれてありがとうございます。

きっと忘れられない作品になります。
池袋演劇祭でぜひ賞が獲れたら嬉しいです。

本当に、本当にありがとうございました。

また逢う日まで

陪審員五番、藤島愛子役/大屋海

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