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忍殺TRPGソロシナリオ【ニンジャのトロッコ問題】

◆アイサツ

 ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事は私がニンジャスレイヤー本編を元に二次創作したニンジャスレイヤーTRPGの非公式シナリオとなります。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

 なお本記事はニンジャスレイヤーの話を元に作成した二次創作物であり、ニンジャスレイヤー本編、実在の人物・団体とは関係ございません。至らぬ点が多々あると思いますがご容赦くださいませ。

◆シナリオについて

 このシナリオはデッドリー・ヴィジョンズ、『イネヴィタブル・デス』を元にして作成されたファンメイドのソロシナリオとなります。詳細は下記の記事を確認してください。


◆シナリオ難易度

 本シナリオについては成長の壁を1つ越えるか越えないか程度のニンジャPCを想定した難易度となっております。またPCのスタンスについては控えめで邪悪ではない善性寄りのニンジャを想定しておりますが、所属組織及びスタンスについては自由に改変してプレイしてください!

◆こちらの記事について(利用規約)

 こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGで遊ぶ際に使用するソロシナリオであり、非公式の二次創作物となります。

 仮にプレイした記事をネット上などで公開する際には非公式のものであるということを明らかにする目的も含めてこちらの記事へのリンクを添付する、引用元として明記するなどしてください。また、「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は法的に認められた例外を除いて原則不可とさせていただきます。

 当記事の内容は予告なしに変更される場合があります。

 また、当記事の内容に改変を加えたシナリオなどを作成することは自由に行ってください。ただし、その場合も非公式のデータであるということ、ニンジャスレイヤーTRPGの二次創作物であるということは明記をお願いします。

 以上の利用規約を守っていただければ、この記事が公開されている限りはニンジャスレイヤーTRPGを遊ぶ時に当記事のシナリオをご自由に使用していただけます。

◆シチュエーション

 フジサン地下、レアアース採掘場。お宝を求めてこの場にやってきた君はついに虹色のレアメタルを掘り当てることに成功する。だが喜びも束の間、君の前に現れたのは恐るべき闇からの刺客、ソウカイヤのニンジャであった……。

※レアアース採掘場をIP資源が貯蔵されたデータセンターとしたりニンジャレリックのある古代遺跡としたりしても良いです。

◆本編

◇シーン1:アイサツ、そして最初の問題

「ドーモ、クエスチョナーです」そこに現れたのは、 ニンジャであった。「私はソウカイヤから派遣されたニンジャだ。このエリアのゴミ掃除を依頼されたのだよ。君のような、コソ泥どもをね」

 ナムサン。なんたるウカツであろうか。念願の虹色レアメタルを手に入れた喜びが君の警戒心を鈍らせたか、君は警備役のニンジャに不法侵入を感づかれ、ここまで接近を許し、あまつさえ先制アイサツまでされてしまった。君はトーフほどもある原石を大事に抱えたままアイサツを返し、ニューロンをフル回転させてこの場から逃げる算段を立てる。

「分かる、分かるぞ。君の動揺が。そこで問題だ」クエスチョナーは唐突にそう言った。問題とはいったい何か、何故そんなことをする必要があるのか。君の脳裏にいくつもの疑問が浮かぶが、それを口に出すより早くクエスチョナーが言葉を続ける。この場の精神的イニシアチブは既にクエスチョナーのものだ。

「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足の生き物とは何か?」

 ここでPCは【ニューロン】の値を用いた【難易度:NORMAL】の判定を行う。

判定成功時:なにもなし。次のシーンへ向かう。

判定失敗時:「残念!不正解!イヤーッ!」クエスチョナーが投擲したクエスチョンマーク型のスリケンをもろに喰らい、【体力】が‐1される。更に問題に答えられなかった恥辱のあまり【精神力】が‐1される。【体力】が0になったらゲームオーバー(キャラロスト)。生き残ったら次のシーンへ向かう。

◇シーン2:二つ目の問題

「では次だ!第2ステージへ向かうとしよう!」クエスチョナーは近くにあったレバーを上げ、君たちの立っていたリフトを作動させた。ガゴン!ゴウンゴウンゴウン……ガゴン!やがてリフトは複数のレールが交差する大坑道に辿り着く。……そしてそこに広がる狂気的光景!

「「「アイエエエ!アイエーエエエエ!」」」ナ、ナムアミダブツ!そこにいたのはロープで縛り上げられ、トロッコレールの上にマグロめいて寝かされている複数のマイナーたち!

「さて、そろそろ来る頃かな?どうだ、聞こえてこないか……?」クエスチョナーは、わざとらしく自らの耳に手を当て、ジェスチュアした。君はニンジャ聴力によって彼の言葉の意味を既に理解している。暗いトンネルの奥から聞こえてくるガタンガタンという振動音。レールを走る装甲トロッコの音だ!

 レアアース採掘場のトロッコとは即ち武装トロリーであり、分厚い鋼鉄で補強されたその車体重量は、大型バスの数倍以上もある。自動操縦ゆえ慈悲を持ち合わせず、数名の轢殺などものともせずに走り続けるのだ!

「アイエエエエ!アイエーエエエ!」「助けて!助けてください!」「このままでは暴走トロッコに轢かれてしまいます!」分岐点から右のレールには6人。分岐点から左のレールには1人。ナムサン!このままでは、いずれかに轢殺の運命が待つ!マイナーたちは悲鳴を上げ失禁!

「さあ、ここで問題だ」クエスチョナーはねっとりした声で囁いた。「彼らを助けにいくのは私が妨害して間に合わせない。君の目の前にあるのはトロッコの路線切り替えレバーだ。これを引かなければ、暴走トロッコは現在のルートを直進し、6人轢殺される。だが、これを引いて路線を切り替えれば、別の1人が轢殺されるだけで済む」

 ブッダ!この邪悪なるニンジャは6人を見殺しにするか、1人を犠牲にするか、君の手で選ばせようというのだ!なんたる倫理と道徳の極限に迫る答えの見えない圧倒的難問か!それに仮にどちらかを助けられたとしても君は自責の念に駆られセプクするかもしれない!

「ハハハハハ!いいぞ!存分に悩み、苦しみたまえ!その様を眺めるためにこの状況を作ったのだ!」クエスチョナーは笑った!何たる外道!君が出した結論は……!

 マイナーたちを見捨てるという選択肢は残念ながら無い。(君がザイバツやアマクダリに所属する邪悪なニンジャだった場合は労働力であるモータルを殺させるわけにはいかないなどの理由となる。マイナーを暗黒メガコーポの重役などにしてもよい)

 ここでPCは【カラテ】の値を用いた【難易度:HARD】の判定を行い、暴走トロッコを受け止めようとする。

判定成功時:君の選んだ選択肢はレールの上に躍り出て、その身体で暴走トロッコを受け止めること!そして君はギリシャニンジャ神話において暴れ牛を素手で抑えつけたとされるニンジャの如く、暴走トロッコを停止させることに成功したのだ!ゴウランガ!おおゴウランガ!「バカナー!?」
狼狽するクエスチョナー!

判定失敗時:君の選んだ選択肢はレールの上に躍り出て、その身体で暴走トロッコを受け止めること!KRAAASH!君は【体力】に1D6のダメージを受ける。【体力】が0になったらゲームオーバー(キャラロスト)。生き残った場合は、君が障害となったことで勢いを減じたトロッコはマイナーたちを轢殺する寸前でその動きを止める!「バカナー!?」狼狽するクエスチョナー!

◇シーン3:秘拳スフィンクス・カラテ

「バ、バカな!こんな事が許される筈がない!出題者の予期せぬ回答など……無効だ!イヤーッ!」絶対的有利であった傍観者の立場から一転、予想外の展開にヘイキンテキを失ったクエスチョナーはヤバレカバレとなって君に襲い掛かる!秘拳、スフィンクス・カラテ!

 ここでPCは【難易度:NORMAL】の回避判定を行う。

判定成功時:クエスチョナーのスフィンクス・カラテを回避し、次の判定へ。

判定失敗時:クエスチョナーのスフィンクス・カラテが直撃し、【体力】に‐1のダメージを受ける。【体力】が0になったらゲームオーバー(キャラロスト)。生き残った場合は、次の判定へ。

 クエスチョナーの攻撃をやり過ごしたPCは反撃のための判定を行う。これは【カラテ】による近接攻撃でも、【ワザマエ】によるスリケンや銃による射撃でも、相手にダメージが与えられる類の【ジツ】でも、何でも構わない。

判定成功時:「サヨナラ!」君の反撃が直撃し、クエスチョナーは爆発四散!エンディングへ向かう。

判定失敗時:再びクエスチョナーがスフィンクス・カラテで襲い掛かってくる。上記の【回避判定】まで戻ってやり直し。

※オプション(解像度の高い戦闘)

 判定だけで終わるのが寂しい場合はクエスチョナーのデータとマップを用意して戦闘を行っても良い。敵の基礎データは下記の通り。

◆クエスチョナー (種別:ニンジャ)
カラテ    4  体力   4
ニューロン  6  精神力  6
ワザマエ   4  脚力   2/N
ジツ     0  万札   5

攻撃/射撃/機先/電脳  4/4/6/6
回避/精密/側転/発動  6/4/4/6

◇装備や特記事項
 『◉一瞬の勝機』(捨身のスフィンクス・カラテを再現する)

 『激しい動揺』:
  想定外の事態によってヘイキンテキを失っている。
  イニシアチブ値が【0】となり、『回避判定』の基本難易度が【U-HARD】となる。


◇シーン4:エンディング

 KA-DOOM!クエスチョナーの爆発四散に連動するように坑道の奥から爆発音が鳴り響き、地面が揺れた。事前に仕掛けられていたダイナマイトが爆発したのだ。クエスチョナー最後の足搔き、最後の問題といったところか。果たしてこの状況からどうやって生き延びるか?

 君が目を付けたのはよく躾けられた牡牛のようにレール上で静止する装甲トロッコだ。君は簀巻きにされたマイナーたちをトロッコの中に放り込むと自身も素早く飛び乗り、そのままトロッコを緊急発進させた!「「「アイエエエエエ!」」」急加速・急カーブのGに耐え切れず悲鳴を上げるマイナーたち!

 DOOM!DOOOM!後方から徐々に近付く崩壊音!落下してくる岩盤をギリギリで回避し、道を塞ぐ岩石を跳ね飛ばしながら、君たちを乗せた装甲トロッコはなおも爆走し続ける!そしてついに見えた外の光!出口だ!だが、レールが途中で途切れている!

 しかし悠長に速度を落とす暇は無し!君はブッダに短い祈りの言葉を捧げ、トロッコを最大速度まで加速させる!KRAAAASH!「「「グワーーーッ!?」」」トンネルが落石によって完全に埋まるのと、トロッコが空の下に飛び出すのはまったく同時であった。

 空中に投げ出されたマイナーたちは受け身もとれずに地面を転がったが、少なくとも死者は出ていない。君も当然無事だ。懐に納めたままのレアメタルの重みが君に生の実感を与えてくれる。

 君は適当なマイナーのひとりの縄をほどき、後の始末はそのマイナーに任せ、その場から離れていった。また別の稼ぎ口を見つけなければ。そんなことをぼんやりと思いながら。

◆報酬

【万札:10】【余暇:2日】を得る。
(レアメタルを売り払った、命を助けた代金をマイナーから
せしめた、クエスチョナーのカネをもらった、などの理由が考えられる)

◆後書き

 以上でシナリオは終了となります。お疲れ様でした。

 今回はソロシナリオでしたが、2人以上でプレイする場合はクエスチョナー=サン(NM)の出す問題にPLが答えられるかどうかで判定の成否を決めても面白いかもしれませんね。その場合も意地悪な引っ掛け問題を出したりしないで面白い回答にボーナスで万札をプレゼントしたりすると良いでしょう。

 それではここまで読んで下さってありがとうございました!