忍殺TRPG公式サンプルシナリオ小説風リプレイ【ザイバツ・チームアップ(その4)】

アイサツ

ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPG公式サンプルシナリオのマップを利用した小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPG及び公式サンプルシナリオについては下記の記事をご覧ください。(一部有料記事となります)

なお本記事はニンジャスレイヤーTRPGのサンプルシナリオをプレイした記録であり一部公式より抜粋、改変させていただいている記述がありますがニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。
また、PLもNMもすべて私が行っております。ご了承ください。

こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。

ではやっていきたいと思います!

本編

キョート城、ゴギョの間。

レツノスケ、ヴァルナ、ネクロマの三人はその部屋に入る前から異様なアトモスフィアを既に感じ取っていた。今までとは比較にならぬほどの重圧を持った空気。果たしてこの先に何が待ち構えているのか。その疑問はフスマを開いて部屋の中に居る人物を目にした途端、すぐに解けた。

全身にクナイベルトを巻き付けた黒髪黒目の男。年の頃は若い。だが……決して見くびって良い相手ではないということをレツノスケは理解していた。今までで一番厳しいイクサとなるであろうということも。男はレツノスケ達の姿を認めると両手を合わせ、アイサツをした。「ドーモ、シャドウウィーヴです……!」

◆シャドウウィーヴ(種別:ニンジャ)	
カラテ   4    体力  4
ニューロン 6    精神力 6
ワザマエ  4    脚力  2/N
ジツ    3    万札  5

攻撃/射撃/回避  4/4/6

◇装備や特記事項
 ジツ:『シャドウピン・ジツ』
 サイバネギア:生体LAN端子

『シャドウピン・ジツ』:
 敵の影にクナイを投擲して身動きを完全に封じる、カナシバリ・ジツの亜種。
 自分の手番中に、攻撃の代わりに発動判定を試みられる(【精神力】1消費、発動難易度:NORMAL)。
 発動に成功すると、シャドウウィーヴは直ちにクナイダートによる特殊な『遠隔攻撃』を行う(自動成功する)。
 このクナイ投擲に対する回避判定は、『難易度:HARD』。
 命中した場合、その敵にはダメージを与えず、代わりにその敵を身動き不能にする。
 身動き不能となった敵は、移動や『回避判定』を含むあらゆる行動が不可能となる(ジツの使用のみ可能)。
 
 以下のいずれかに合致した場合、直ちにシャドウピンの効果は解除される(それまではずっと継続する)。
  ・ピンされた状態のキャラが1以上のダメージを受けた場合
  ・シャドウウィーヴが爆発四散または行動不能になった場合、およびマップ外に脱出した場合
  ・シャドウウィーヴの【精神力】がゼロになった場合
※第1版、非プラグイン環境のデータとなりますが少し改変し、強化してあります。

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「ドーモ、シャドウウィーヴ=サン。ロンダイジ・レツノスケです」「ヴァルナどす」「ネクロマです!ヨロシクオネガイシマス!」アイサツを終えた四人はオジギ姿勢から頭を上げ、暫し無言。互いに牽制し合う硬い空気が場に流れる。

「……我がメンター、ブラックドラゴン=サンからお前達の相手をするよう命じられている」最初に口を開いたのはシャドウウィーヴであった。緊張のためか、若干声が上ずっている。「俺がお前達が乗り越えるべき最後の試練だ。ニンジャを相手にどこまでやれるか、カラテを見せてみろ」

「……それはブラックドラゴン=サンがそう言ったのか?」レツノスケが不意に投げかけた質問に、シャドウウィーヴはやや気色ばんで答えた。「そう言っただろう。つい先程そのように指示を受けたんだ。何か問題でもあるのか?」「……そうか。いや、シツレイした」レツノスケは20度の軽いオジギで謝意を示す。

……この時レツノスケはシャドウウィーヴに対し……正確にはシャドウウィーヴが語った言葉の文脈の中に隠された情報に対し……何がしかの陰謀めいた不審な臭いを嗅ぎ取っていた。

(……つい先程指示を受けた? 事前に言われていたのでは無く? そいつは妙だろう。この試験の内容は数日前には決められていて、あらかじめ準備されていた筈だ。でなければあれだけのクローンヤクザやモーターヤブが部屋の中で待ち構えているものか)

この試験を監督しているブラックドラゴンの性格から言って、入念な準備を以てテストが始められたことは間違いないだろう。では、シャドウウィーヴがいきなり呼び出されてここに居る理由は何か? おそらく、ブラックドラゴンの方で何かあったのだ。(それはつまり、マスター位階の彼をして予想外のインシデントが)「イヤーッ!」「アブナイ! レツノスケ=サン!」

イニシアチブ
シャドウウィーヴ→レツノスケ→ヴァルナ→ネクロマ→クローンヤクザ
※この戦闘では体力0になっても爆発四散しない。また、サツバツ!が命中したら部位欠損はせずに戦闘終了となる

1ターン目

「ヌゥッ!?」横からの衝撃にレツノスケの身体が飛ぶ! 直後、彼の立っていたタタミにシャドウウィーヴの投げたクナイ・ダートが突き刺さる!「考え事とは余裕だな!イヤーッ!」「せやせや。いつでも余裕たっぷりなんよこんお人は。イヤーッ!」「グワーッ!?」追撃を行おうとしたシャドウウィーヴは素早く接近したヴァルナに痛烈なチョップを浴びせられ、クナイを取り落とす!

「ネクロヘンゲ!イヤーッ!」レツノスケを助けたネクロマは素早くジツを行使し、二倍に伸びた手足で蜘蛛めいて床を、壁を、天井を這いずり回る!非ニンジャが見ればそれだけで発狂しかねない悍ましさだ!「イヤーッ!」「イ、イヤーッ!」天井に張り付いたまま放たれたチョップをシャドウウィーヴは紙一重でスウェーバック回避!

(なんたるウカツ! 私は何を呑気に考え事をしていたのか!)レツノスケは己を恥じた。既にアイサツは終え、イクサが始まっているというのに!(利口ぶって、さも熟練のベテランぶってこの体たらくか!この恥知らずめ! ロンダイジの名が泣くぞ!)「イヤーッ!」レツノスケは遅れた分を取り戻さんとシャドウウィーヴに向かって走り出す!

SWシャドウピン・ジツ→NE:9d6>=4 = (4,3,5,6,6,4,5,5,5 :成功数:8) = 8
シャドウウィーヴ精神力5
ネクロマ回避:3d6>=5 = (3,6,3 :成功数:1) = 1

RRカラテミサイル:8d6>=4 = (1,4,1,1,4,2,6,4 :成功数:4) = 4
レツノスケ精神力1
C1、C2、C3死亡!

VA連続側転:3d6>=4 = (1,6,4 :成功数:2) = 2
VAカラテ→SW:6d6>=5 = (1,3,6,3,5,1 :成功数:2) = 2
シャドウウィーヴ回避:2d6>=4 = (3,1 :成功数:0) = 0
シャドウウィーヴ体力3

NEヘンゲヨーカイ・ジツ:6d6>=4 = (4,1,6,6,1,1 :成功数:3) = 3
ネクロマ精神力1
NEカラテ→SW:6d6>=4 = (6,6,5,1,6,5 :成功数:5) = 5 ナムアミダブツ!
シャドウウィーヴ回避:4d6>=5 = (1,5,5,2 :成功数:2) = 2


2ターン目

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「イヤーッ!」シャドウウィーヴは三度クナイ投擲!狙いは再びレツノスケ!「イヤーッ!」一歩横に飛んでこれを回避!……だが!「何……!?」突如、レツノスケはその場で足を止めて立ち尽くす。否。足が、腕が、身体全体が動かない!

「レツノスケ=サン!?」「あら、どないしたん?」他の二人が訝しみ、カラテの手を止めた。「フー……シャドウピン・ジツだ。お前はもう動けない」シャドウウィーヴは息を整え、平静を装いつつもしたり顔で話す。「お前に俺のジツは破れない。俺の空はお前の空よりも暗い……」その声には隠し切れない達成感と高揚が僅かに滲む。

SWシャドウピン・ジツ→RR:9d6>=4 = (1,6,3,6,1,3,3,2,4 :成功数:3) = 3
シャドウウィーヴ精神力4
レツノスケ回避:5d6>=5 = (1,1,4,3,2 :成功数:0) = 0
レツノスケ、行動不能!

VAカラテ→SW:6d6>=4 = (2,1,3,3,5,1 :成功数:1) = 1
シャドウウィーヴ回避:2d6>=4 = (1,4 :成功数:1) = 1

NEカラテ→SW:6d6>=4 = (1,5,5,5,5,3 :成功数:4) = 4
シャドウウィーヴ回避:4d6>=4 = (3,6,6,4 :成功数:3) = 3
アトモスフィアハードモード突入


3ターン目

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「シャドウピンだと……!」レツノスケは眼球だけを動かしてタタミに伸びた自分の影を見る。そこに突き立てられたシャドウウィーヴのクナイ!あれが地面と影を縫い合わせてしまっているのだ!レツノスケはジツの行使すらままならぬ!

「な、なんてスゴイジツだ!さぞ名のある高位のソウルの持ち主に違いない!こんなに素晴らしいニンジャが所属しているザイバツに入れて本当に良か」「言ってる場合か愚か者……!」感極まった様子のネクロマをレツノスケが叱責!

「イヤーッ!」シャドウウィーヴがネクロマ目掛けクナイを投擲!「イヤーッ!」長い腕を鞭めいて振り回して弾き飛ばす!「イヤーッ!」その隙にシャドウウィーヴは地を這う影のように動いてネクロマのボディに潜り込む!「ヌウーッ!」ネクロヘンゲで伸び切った手足はワン・インチ距離での攻防に不向きだ!

「イヤーッ!」シャドウウィーヴは蜘蛛めいた四つん這いの体勢を取るネクロマの鳩尾にアッパーを食らわせに行く! ネクロマは……「……イヤーッ!」「何だと!?」ゴウランガ! ネクロマは強引にヘンゲを解除! 手足の長さを戻し、空中でアッパーを受け止める!「イヤーッ!」「グワーッ!?」腕を掴んでのケリ・キック!シャドウウィーヴの左肩に直撃!

「イ、イヤーッ!」シャドウウィーヴは苦し紛れにクナイ投擲!「アブナイ!」ネクロマはシャドウウィーヴの腕を放し、連続側転で大きく距離を取る!タタミの上に虚しく刺さるクナイ!シャドウ・ピンの危険性が存在する以上、クナイを取り出されると回避行動に専念せざるを得ない!

「こらあかん。2対1でもまだうちらが不利や。レツノスケ=サン、いつまでも高みの見物しとらんで早う手伝ってえな。……………………レツノスケ=サン? どないしはったん?」「……」レツノスケは憮然とした表情で沈黙を返した。「……エ? あんたまさか……ほんまに動けへんの?」ヴァルナが目をしばたたかせた。

「ほんまにほんま?……ウフ!イケズしとるんやのうて? エエエ? ウフッ!ウフフッ!アッハハハ!」「グ―ッ……」ヴァルナはついに吹き出した。レツノスケが気の弱いモータルならば目を合わせただけで失神するような瞳で彼女を睨むが笑い声が止むことは無い。

「……冗談だったら良かったのだが正真正銘指一本動かせん。極めて強力なジツだ。もし動ければすぐにでもカラテを叩き込んでやってるところだがな……!」「ウフフ。そら気を付けんとあかんなぁ。ご忠告ドーモ、レツノスケ=サン」「……ググ―ッ」レツノスケは檻の中に閉じ込められた猛獣のように唸った。

SW集中カラテ→NE:4d6>=3 = (1,2,6,2 :成功数:1) = 1
ネクロマ回避:6d6>=5 = (5,4,1,3,5,2 :成功数:2) = 2 カウンター!
シャドウウィーヴ体力2

VA集中カラテ→SW:6d6>=4 = (6,6,2,2,1,5 :成功数:3) = 3 サツバツ!
シャドウウィーヴ回避:3d6>=5 = (4,5,1 :成功数:1) = 1

ネクロマ、ヘンゲ解除
NE集中カラテ→SW:3d6>=4 = (3,1,6 :成功数:2) = 2
シャドウウィーヴ回避:3d6>=5 = (5,4,3 :成功数:1) = 1


4ターン目

「イヤーッ!」「イヤーッ!」シャドウウィーヴの水平チョップ!ネクロマはガード!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ネクロマの左ストレート!シャドウウィーヴは回避!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」後ろ回し蹴り!捌く!ショートフック!防ぐ!粗削りだが若々しく勢いのあるカラテがゴギョの間に小台風を生じさせる!

「「イヤーッ!」」互いのチョップが激突し、鍔迫り合いめいて押し合った!「グ、グワーッ……!」押されているのは……ネクロマだ!シャドウウィーヴは決して体格に秀でたニンジャではない。だがヘンゲの力を解いたネクロマはそれ以上に貧弱な体付きなのである!「グワーッ……!」足の踏ん張りが効かず、徐々に背中が弓形に曲げられていく!

(いける! やれるぞ! 俺はジツ無しでもいけるんだ! 見ていて下さいマスター・ブラックドラゴン=サン! 闇の秩序を担う暗黒の使途である俺のカラテ)「イイヤアァーーッ!」「グワーッ!?」だが、一瞬後強烈な打撃を受けて背中を曲げたのはシャドウウィーヴの方であった!

「グワーッ!」ワイヤーアクションめいて吹き飛び、壁に叩き付けられるシャドウウィーヴ!肺の中の空気が全て吐き出され、意識を手放しかける!「ネクロマ=サン、お手柄やな。おかげで楽出来たわ。誰かさんにも見習ってほしいわ。誰とは言わんけど」「ゼェー……ゼェー……お役に立てて何よりです!」

「グ……グワーッ……」シャドウウィーヴは混濁したニューロンでそんな会話を聞いた気がした。(何があった?何をされた?)必死に息を吸って酸素を取り込み、状況判断を行おうとする。……起きたことは単純である。シャドウウィーヴはネクロマへのフィニッシュ・ムーブに拘泥するあまり、警戒が疎かになった背後からヴァルナに殴られたのだ。

ニンジャのイクサにおける死因の四割はカイシャクのタイミングを読み違えることに起因するという。今回のシャドウウィーヴの失敗はまさにこの統計的事実に基づき、起こるべくして起きた悲劇であった。(追撃が来る。シャドウピン・ジツを。いや回避行動が先か?とにかく立たなくては)シャドウウィーヴは立ち上がろうと腕に力を籠める。……その時!

「ソコマデ!」

レツノスケにかかっていたカナシバリすらも解除させるような威圧的な声が響き、ニュービー・ニンジャたちは動きを止めて声の主を見た。すなわち、彼らをここに呼び集めた張本人、ブラックドラゴンを。

SW集中カラテ→NE:3d6>=4 = (6,4,1,1 :成功数:2) = 2
ネクロマ回避:3d6>=5 = (1,4,6 :成功数:1) = 1

VA集中カラテ→SW:6d6>=3 = (2,6,6,6,5,4 :成功数:5) = 5 ナムアミダブツ!
シャドウウィーヴ回避:6d6=6 = (2,3,2,3,3,3 :成功数:0) = 0
 
 戦闘終了

「マ、マスター……」「ウィーヴ、三人相手に良く立ち回った。だがまだ基礎的なカラテが未成熟だ。精進せよ」「……ハイ、マスター……」尊敬する師の前で恥を晒してしまった事実に、シャドウウィーヴはメンポの下でその口を悔し気に歪ませた。

「お前達三人のワザマエも、とくと見せてもらった」ブラックドラゴンはレツノスケ達三人へ向き直る。既にレツノスケにかけられたシャドウピン・ジツは解けていた。「各々の力量、そして課題も判明しただろう。各自部屋に戻って今日の試験での反省点をまとめ、明日のネオサイタマ行き新幹線に乗るまでに報告せよ。いいな」「「「ヨロコンデー」」」

「ではこれで試験の全工程を終了とする。ギルドの行く末に栄光あらんことを……ガンバルゾー」「「「ガンバルゾー!ガンバルゾー!ガンバルゾー!」」」三人のザイバツニンジャは邪悪なるバンザイ・チャントを唱和し終えると、オジギをしながら一人ずつ退室していった。

部屋に残ったシャドウウィーヴはブラックドラゴンに対してやおら頭を下げた。「マスター。不甲斐無き姿を見せてしまい、申し訳ありませんでした」シャドウウィーヴは厳しい叱責の言葉を予想した。…………だが。「そのことはもう良い。それより大事な話がある」「エッ?」

頭を上げたシャドウウィーヴとブラックドラゴンの目が合った。ブラックドラゴンは神妙な声で言い聞かせる様に説明する。「ウィーヴ。よく聞け。我々も任務のために暫くキョートを離れることになった」「エッ!?な、何故です?つい先日ネオサイタマから戻って来たばかりだというのに……」

「それはお前が口を挟むことではない。与えられた任務を粛々とこなせ。良いな?」「で、ですが……ハイ、ワカリマシタ……」シャドウウィーヴは何か言おうとした。だが、今の彼には何を言うべきなのかが分からず、それがまた彼の口を噤ませた。

(許せウィーヴよ……お前はザイバツの政治闘争に関わるのはまだ尚早なのだ……)ブラックドラゴンは声に出すことなく己のアプレンティスに謝罪をした。彼にとってシャドウウィーヴは将来性のある優秀な弟子である。だからこそ、彼がザイバツの派閥争いに巻き込まれ、潰されることは何としても避けたかった。ブラックドラゴンは数分前に茶室で行われたパーガトリーとの会話を思い返す。

……(三対一でありながら実にアッパレな立ち回り。もはやこれはアプレンティス位階に留めておくのは惜しい器よ。いかがかなブラックドラゴン=サン。貴公さえ良ければ私の推薦で彼をアデプト位階にしてもよろしいが……ンン?)

……そう語るパーガトリーの狙いは何処にあったのだろうか?シャドウウィーヴを自分の派閥に引き込むことが目的か、ブラックドラゴンの力を削ぐためか、あるいはどちらでも良かったのか、はたまたその両方か。ブラックドラゴンのニンジャ洞察力を持ってすら分からなかった。結果としてブラックドラゴンは弟子を守るため危険な橋を渡ることになった。

(キョートから物理的に離れたネオサイタマでカラテを鍛え上げ、ジツを磨き、経験を積ませる……。言うは易いが実際に行うは至難だな。だがやるしかない)ブラックドラゴンは拳を握り、決意を固める。

(ウィーヴはきっとギルドの築く理想社会に相応しい素晴らしきニンジャ戦士へと成長する。俺に出来ることはそこまでこいつを導いてやることだ。いや、必ずやそうしてみせる。死んでいったレッドゴリラ=サンの無念を晴らすためにも……!)ブラックドラゴンのオハギめいた瞳に覚悟の炎が燃えた。師の放つプレッシャーを受け、シャドウウィーヴの額を冷たい汗が濡らした。

◆◆◆

ザイバツ・チームアップ(その5)へ続く