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忍殺TRPG小説風リプレイ【ラット・イナ・ケイヴ(その3)】

アイサツ

ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。


なお本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。

こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。

ではやっていきたいと思います!

本編

戦闘開始7ターン目

ZOOOM!「KSJAAA!?」おお、ゴウランガ!プレイグの巨体が……止まった!一体何が起こったのか!読者の皆様にはチキンハートが立っている位置をよく見ていただきたい。彼の今居る場所に見覚えは無いだろうか?そう、チキンハートが立っているのはヒョットコ達が潜んでいた小部屋の入口前である!

「KSJAAA!KSJAAA!」プレイグの巨体はその狭い穴の中を通ることが出来ぬ!更に彼の巨体が閊え、バイオネズミ達も通行不可能!チキンハートはセタガヤ・ケイヴ内のMAPとプレイグのデータを確認し、このフーリンカザンを作り上げたのだ!「だからデブネズミと言ったんだ。イクサはここからだぞ!」チキンハートが吼える!「KSJAAA!」

プレイグコクシ・ジツ:17d6>=5 = (2,4,5,2,2,6,4,5,4,3,6,2,2,3,3,5,2 :成功数:5) = 5
プレイグ精神力2
チキンハート体力5

プレイグ近接攻撃:4d6>=4+4d6>=4 = 
(6,2,4,3 :成功数:2) + (4,3,5,6 :成功数:3) = 5
チキンハート回避:5d6=6+4d6=6 = 
(4,1,1,1,3 :成功数:0) + (4,2,4,4 :成功数:0) = 0
チキンハート体力3

プレイグの目が……またもや光った!「グワーッ!?」チキンハートの身体に急激な悪寒と頭痛が襲いかかる!コクシ・ジツの症状だ!ニンジャ耐久力で無理やり耐える!「KSJAAA!」「グワーッ!グワーッ!」追撃の牙による噛み付きがチキンハートの肉体を抉る!

8ターン目

プレイグ 仲間呼び
チキンハートヘンゲヨーカイ:10d6>=4 = (4,4,4,2,5,3,1,2,1,2 :成功数:4) = 4
チキンハート精神力4
チキンハート連続側転:7d6>=3 = (1,1,1,4,4,6,2 :成功数:3) = 3
チキンハートトライアングルリープ:9d6>=4 =
 (1,4,5,4,1,1,4,5,3 :成功数:5) = 5 肉体破壊!
プレイグ回避:6d6=6 = (1,4,5,1,4,4 :成功数:0) = 0

サツバツ:1d6 = (5) = 5 敵の両腕を切り飛ばした!
プレイグ体力7 【カラテ】【ワザマエ】-2

サツバツボーナス:1d3 = (2) = 2

「…………ヘンゲヨーカイ・ジツ!イヤーッ!」「グワーッ!」鶏の足でプレイグの発達した前歯を蹴り飛ばす。「KSJAAA……!」衝撃が脳まで伝わったか、プレイグの動きが一瞬止まる。好機!「イィィヤアァーーーッ!」「グワーッ!」胴回し回転蹴り炸裂!鶏の鉤爪がプレイグの前歯を歯肉ごと抉り取った。サツバツ!

プレイグコクシ・ジツ:19d6>=5 = (1,5,1,3,3,1,2,2,1,6,1,1,5,5,1,6,2,3,3 :成功数:5) = 5
プレイグ精神力1

チキンハート精神力自動回避:1d6>=5 = (3 :成功数:0) = 0
チキンハート精神力3

プレイグ近接攻撃:3d6>=4+3d6>=4 = (2,1,1 :成功数:0) + (3,1,4 :成功数:1) = 1
チキンハート回避:8d6=6 = (4,4,6,1,5,2,2,1 :成功数:1) = 1

9ターン目

チキンハート連続側転:7d6>=3 = (6,3,2,1,4,1,2 :成功数:3) = 3
チキンハートトライアングルリープ:9d6>=4 = (4,3,2,6,5,2,6,3,2 :成功数:4) = 4 肉体破壊!

プレイグ回避:4d6=6 = (3,1,6,3 :成功数:1) = 1
プレイグコクシ・ジツ:21d6>=5 = (5,3,5,5,5,5,1,1,5,1,3,2,2,2,5,4,3,3,3,5,6 :成功数:9) = 9
プレイグ精神力0

チキンハート精神力回避:1d6>=5 = (4 :成功数:0) = 0
チキンハート精神力2

プレイグ近接攻撃:3d6>=4+3d6>=4 = (2,5,1 :成功数:1) + (3,4,1 :成功数:1) = 2
チキンハート回避:4d6=6+4d6=6 = (5,5,4,2 :成功数:0) + (1,6,1,4 :成功数:1) = 1
チキンハート体力2

10ターン目

チキンハート オーガニックスシ使用
チキンハート体力5
チキンハート連続側転:7d6>=3 = (5,4,4,4,4,2,3 :成功数:6) = 6
チキンハートトライアングルリープ:9d6>=4 = (2,3,4,1,2,4,5,4,3 :成功数:4) = 4

プレイグ回避:4d6=6 = (2,4,3,6 :成功数:1) = 1
プレイグ近接攻撃:3d6>=4+3d6>=4 =
 (4,3,1 :成功数:1) + (1,6,2 :成功数:1) = 2
チキンハート回避:5d6=6+4d6=6 =
 (1,3,5,1,4 :成功数:0) + (3,6,3,2 :成功数:1) = 1
チキンハート体力4

11ターン目

「イヤーッ!」「KSJAAA!」「グワーッ!」「KSJAAA!」「イヤーッ!」「KSJAAA!」「イヤーッ!」「KSJAAA!」「イヤーッ!」「グワーッ!」

一進一退の攻防!鼠の爪と鶏の足が激しくぶつかり合い、イアイドーのタツジン同士の立ち合いめいて火花を散らす。チョーチョーハッシ!だが、やがて徐々にだが、互角に見えたイクサの趨勢が傾き始めてきた。「KSJAAAA……」プレイグの動きが鈍りつつある。無尽蔵に見えたスタミナが切れかけているのだ。

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」これを機と見たチキンハートは一気に攻勢に転じる。再びコクシ・ジツを使われれば今度こそ耐えられぬ。ここで何としてもカイシャクすべし!「グワーッ!グワーッ!グワーッ!」右ハイキック!左後ろ回し蹴り!飛び上がって右踵落とし!プレイグの脳味噌を頭蓋骨越しに激しくシェイクする!

「グワーッ……」プレイグが昏倒する。チキンハートは連続側転で一度大きく距離を取る。そして陸上選手めいて地面に両手を付け……「イイィィィ……ヤアァァーーッ!」両足に込めたカラテを爆発させてスプリント!プレイグへ向けて一直線に突撃する!

チキンハートヘンゲ続行
チキンハート精神力1
チキンハート連続側転:7d6>=3 = (4,1,4,6,3,5,2 :成功数:5) = 5
チキンハートトライアングルリープ:9d6>=4 = (6,5,1,4,2,3,6,6,4 :成功数:6) = 6 サツバツ!

プレイグ回避:4d6=6 = (1,3,1,4 :成功数:0) = 0

サツバツ:1d6 = (6) = 6
「イイイヤアアアアーーーーッ!」ヤリめいたチョップが敵の胸を貫通!

プレイグ 爆発四散!
サツバツボーナス:1d6 = (6) = 6

「イイイヤアァーッ!」「アバババーーーッ!」馬上槍めいた飛び蹴りがプレイグの眉間を突き破った!血が、頭骨が、脳漿が飛び散る!「ネ……ネコ……サヨナラ!」プレイグは爆発四散!ゴウランガ!おお、ゴウランガ!「ハァーッ!ハァーッ!……ナムアミダブツ」息を整え、ザンシンを決めたチキンハートは両手を合わせてネンブツを唱えた。

戦闘終了
ボス部屋トレジャー

トレジャー判定:3d6 = (2+2+2) = 6
【万札:9】GET
【**エンシェント・招き猫**】GET

◇◇◇

プレイグが爆発四散すると周囲にあれだけいたバイオネズミ達も煙のように姿を消していた。チキンハートは一度プレイグが寝ていた部屋に戻る。「あった……」先程はイクサの最中だったこともあってよく確認できなかったが、プレイグが寝ていた部屋の壁一面にはずらりとマネキネコが並んでいた。無論、イマトヤキのマネキネコも。

「……」チキンハートはイマトヤキのマネキネコを拾い上げる。思い返すのはプレイグの断末魔。ネコ、確かにそう言っていた。何故プレイグがマネキネコを執拗に集めていたのか。それはもう分からない。「帰ろう……」チキンハートはそこで思考を止め、ロウム達の待つ部屋へと戻った。

◇◇◇

「ロウム=サン。今戻ったぞ。みんな無事か?」「お、おお!戻ったか!ということは……プレイグはどうなった!?」チキンハートが扉へ声をかけるとすぐにロウムの声が返ってきた。ずっと神経を張り詰めさせていたのだろう。「……安心してくれ。決着はついた」「そ……そうか……そうか、そうか」扉の向こうでロウムの涙声が響く。

「終わったんだな……プレイグ……私の罪……ああ」ロウムはその場で地面に膝と両手をついた。これ以上彼の作ったバイオニンジャによる被害が出ることは無いだろう。しかし、プレイグのコクシ・ジツによって失われた命も戻ることは無いのだ。ロウムはこれからその消えぬ罪を生涯背負って生きることになる。

「お、おい。何だか知らんが終わったんだな?」長髪が声を上げた。「俺達は……助かったんだな?ヤッター!バンザーイ!」壊れメガネが喝采する。「おい、早く扉を開けてやれよヨロシマン」厚着がロウムの尻を軽く蹴った。「あ、ああ。そうだな。すまない!今開ける!」ロウムがロックを解除しようと扉に近付く。


「待て!開けるな!」「アイエッ!?」扉越しに聞こえてきたチキンハートの鋭い声にロウムは尻餅をついた。「ど、どうしたんだよ?」「まだネズミがいやがるのか?」ホームレス達が不安げに尋ねる。「とにかくもう少しだけ待って下さい!開けていいという言うまで絶対開けないで!」


チキンハートはロウム達の居る部屋の扉を背にして立つ。その目線の先には、一体いつからそこにいたのか。1人の女が立っていた。(まるで接近に気付けなかった…!いつの間にこんなに近くに…!?)チキンハートは警戒しつつ、アイサツを行う。「ドーモ、チキンハートです…何者だ」

「ハイ、ハイ、往診に来ました」女は真面目なのかふざけているのか判然としない口調で無造作に歩み寄ってくる。裾の長い白衣を改造したニンジャ装束。ちらりと見えた歯はヤスリがけされているのかギザギザと鋭い。女は立ち止まり、アイサツをした。


「こんにちは、私の名前はニューロサージ(脳外科医)と言うんです」


◆ニューロサージ  (種別:ニンジャ)
カラテ      4		体力	7
ニューロン    9		精神力	9
ワザマエ     6       脚力	3
ジツ        5		万札	10

◇装備や特記事項
 装備:改造白衣装束(追加ルールなし)
 スキル:『痛覚遮断』(体力+3、急所破壊による【精神力】ダメージ1軽減)、
    『拘束』(プラグイン共通ルール参照)、『邪悪なサディスト』
 ジツ:『アナトミ・ジツLV3』、『攻性ボトク・ジツ』、『ニューロンハック』、『肉人形の作成』

『アナトミ・ジツLV3』:
 術者は破損した肉体や神経を応急的につなぎ合わせたり、心臓直接マッサージなどの応急処置を行う。
 手番の攻撃フェイズに「その他の行動」として【精神力】を1消費し、発動判定を行うこと。
 成功した場合、術者と隣接しているキャラ1人に対して、以下のいずれかの効果を使用できる。
  ・行動不能状態にある者を【体力】1で蘇生させる。このキャラは次の手番に限り【脚力】+1される。
  ・このシナリオ中に部位破壊を受けた者(自分でも可)の能力値ペナルティを、この戦闘終了まで無視する。

『攻性ボトク・ジツ』:
 本来は戦闘用ではないアナトミ・ジツやボトク・ジツの人体クラフト能力を、強引に攻撃に転用する。
 手番の開始時に【精神力】を2消費し、発動判定を行う(難易度:HARD)。
 発動に成功すると、接触した相手の肉や骨を一瞬だけ泥のように捻じ曲げ貫通するような
 特殊なエンハンスメントを、自らの手刀などに宿らせる。
 この手番中、術者が繰り出すあらゆる『近接攻撃』には、以下の効果が当てはまる:
  ・出目61個以上含まれていた場合、『回避難易度』+1
  ・『肉体破壊』:出目62個以上ではなく、出目5以上が2個以上で『サツバツ!』が発生する。
  ・ただし『戦闘兵器』や無機物に対しては、上記のどちらの効果も得られない。
 術者が望むならば、攻撃を命中させた敵にダメージを与えず、『拘束』効果だけを与えてもよい。

『ニューロンハック』:
 術者は対象の頭蓋骨に自らの指を差し込み、ニューロンから記憶を直接読み取ったり、破壊することができる。
 指を差し込んだ部分の傷は即座にふさがり、後遺症を残すことも残さないこともできる。
 術者が『攻性ボトク・ジツ』を使用した攻撃で敵を『拘束』することに成功した場合、
 この『拘束』の脱出判定は、通常の『拘束』とは異なり、対抗判定となる。
 またこの拘束脱出判定時、術者側は【カラテ】ではなく【ワザマエ】で拘束維持のための判定を行ってもよい。
 この『拘束』を維持したまま自分の手番になった場合、
 術者は「その他の行動」として【ワザマエ】判定(難易度:HARD)を行うことで、
 相手に『サツバツ!』の出目2または出目6の効果を与えてもよい(いずれも回避不能)。
 この方法でダメージを与えるたび、敵のニューロンから目的の記憶1つを読み出したとみなす。
 術者が望むならば、上記効果やダメージを一切与えず、記憶だけを読み出したとみなしてもよい。
 『ニューロンハック』の使用に【精神力】の消費は必要としない。

『肉人形の作成』:
 『ニューロンハック』を持つニンジャが『サツバツ!』の出目2または出目6の効果で敵を殺した場合、
 直ちに【精神力】を1消費し、ジツ発動判定(難易度:HARD)を行うことで、対象を肉人形として支配下における。
 肉人形と化した者は、【体力】6、【ニューロン】1、【精神力】-、【脚力】1となり、生ける屍のようになる。
 この状態にある者は、術者からの単純な命令しか受け付けず、基本的には手近な敵を攻撃し続ける。
 肉人形は高度な精神的行動や回避を行えず、【精神力】を使用するような行動も取れない。
 肉人形はシナリオ終了時に倒れ、死亡する。

脳外科医1

ニューロサージ。聞かぬ名であった。「あんたは何処かの所属ニンジャか?それともフリーランスか?ここに何をしに来た?」チキンハートは重心を僅かに移動させつつ、質問を重ねた。目の前の相手がもしザイバツを始めとする敵対組織のニンジャだとしたら厄介だ。消耗した今の自分では手に余る。いや、仮に万全の状態であったとしても……

「自己紹介ですか?まあそういうのはいいでしょ」ニューロサージは自然体のまま近づいてくる。チキンハートの額に汗が流れた。彼はあまり取りたくなかった手を取る。「俺はソウカイヤのニンジャだ。それに手を出す意味が分かって「ハイ、ハイ、そういうのはいいから」ニューロサージの手がチョップの形を取り……

イニシアチブ
ニューロサージ→チキンハート

1ターン目

ニューロサージ攻性ボトク・ジツ:14d6>=5 = (2,2,6,1,5,3,4,1,3,2,4,5,2,1 :成功数:3) = 3
ニューロサージ精神力7
ニューロサージ近接攻撃:4d6>=4 = (2,6,3,2 :成功数:1) = 1 攻性ボトク発動

チキンハート回避:9d6>=5 = (2,5,4,2,1,4,2,1,1 :成功数:1) = 1

「イヤーッ!」「イヤーッ!」脳天を狙った一撃をチキンハートはブリッジ回避する。「イヤーッ!」地面に手をついたままカポエイラめいた回転蹴り。「イヤーッ!」ニューロサージはバックステップで蹴りの範囲から脱出。「ふうん、なかなかやる」「お前が何処の誰か知らんが……やる気か、エセヤブ医者女!」このセタガヤ・ケイヴ内で、2度目となるニンジャ同士のイクサの幕が切って落とされた。

チキンハートは手番開始時にその他の行動で救援を要請
救援到達までターン数:1d6 = (4) = 4

4ターン目の終了時に救援が到着

ヘンゲヨーカイ使用:9d6>=4 = (4,1,5,3,4,5,4,3,4 :成功数:6) = 6
チキンハート精神力0
チキンハート連続側転:7d6>=3 = (6,2,6,1,5,1,5 :成功数:4) = 4
チキンハートトライアングルリープ:9d6>=4 = (6,5,1,1,3,2,1,2,4 :成功数:3) = 3

ニューロサージ回避:9d6>=4 = (1,4,2,1,4,2,1,5,2 :成功数:3) = 3

チキンハートは携帯IRC端末でシンジケートに救援信号を送る。救援が来るまで自分は持つか?否、持たせるのだ。心中に湧いた弱気な考えを払うように叫ぶ。「ヘンゲヨーカイ・ジツ!」彼の両脚が鶏の足めいた形状に変化していく。「そういうジツね、ハイ、ハイ」ニューロサージは顔色一つ変えず、冷静にコメントした。

アトモスフィアハードモード

2ターン目

ニューロサージ攻性ボトク・ジツ:14d6>=5 = (1,6,3,2,5,6,4,5,4,5,1,5,1,6 :成功数:7) = 7
ニューロサージ精神力5
ニューロサージ近接攻撃:4d6>=4 = (2,1,4,6 :成功数:2) = 2 攻性ボトク発動

チキンハート回避:11d6=6 = (3,1,1,2,3,5,4,4,4,5,4 :成功数:0) = 0
チキンハート体力3
チキンハート拘束

「イヤーッ!イヤーッ!」ニューロサージが両手で手刀を繰り出す。狙いは頭部と心臓。「イヤーッ!」チキンハートは心臓を狙った一撃を半身になって回避し、頭部への一撃をクロス腕で防御しようとして「グワーッ!?」防御に掲げた腕を貫通したニューロサージの右手が、脳天に埋まる感触を味わうことになった。

「ハイ、ちょっとシツレイ。フゥーム。本当にソウカイヤのニンジャ。こりゃ厄介」「アッ、ガッ、グワッ、グワーッ!?」おお、ナムサン。一体いかなるジツか?チキンハートの腕を貫通し、脳天に突き刺さった筈のニューロサージの手刀は血の一滴すら付着していない。それどころか既に防御が解かれた腕に至っては初めから攻撃などされなかったかのように傷一つ付いていないのだ。

これぞニューロサージのジツ、ボトク・ジツ。手刀に宿らせた特殊なエンハンスメントで相手の肉や骨を泥めいて捻じ曲げ、切開と縫合の工程を省いた手術めいた芸当を可能とする冒涜的なジツである。「もっと見せてもらえます?あなたの上司、同僚、その辺り」「グワッ、ガッ、グワーッ!?」

ニューロサージの手は今、チキンハートの脳に触れている。彼女の細い指先が無遠慮にニューロンをかき回す度にチキンハートの全身に吐き気を催すような不快感が走った。「フム、ソニックブーム、ブレードブレイカー、ブラインド。なるほどなるほど。今回は引っ越し祝いのお使いと」「グワーッ!?」

ニューロサージは脳に刺した指先から情報を吸い上げていく。彼女にとってそれはインターネットで無料公開されている動画データをコピーする程度の気軽さで行われることだ。彼女が記憶を吸い取られる相手の苦痛と屈辱などに配慮することは決して無いのだから。

「グワッ、グワーッ!イ、イヤーッ!」チキンハートはがむしゃらに身体を動かし、ニューロサージの支配に抗った。「おっと」流石に危険と見たのか、脳天から手を引き抜いて距離を取る。「ああ、思ったより早く抵抗出来ましたね。うまく抜き取れませんでした」「ハァーッ!ハァーッ!オゴゴ―ッ!」チキンハートは嘔吐した。

チキンハート拘束脱出:9d6>=4 = (3,6,6,6,6,6,2,1,2 :成功数:5) = 5
ニューロサージ拘束維持:6d6>=4 = (6,6,5,3,2,3 :成功数:3) = 3

チキンハート拘束脱出

チキンハート連続側転:7d6>=3 = (1,4,1,2,3,1,4 :成功数:3) = 3
チキンハートトライアングルリープ:9d6>=4 =
 (4,5,3,3,2,2,2,5,1 :成功数:3) = 3 肉体破壊!

ニューロサージ回避:9d6>=5 = (2,4,6,6,1,6,2,6,4 :成功数:4) = 4 カウンター!
チキンハート体力2

3ターン目

ニューロサージ攻性ボトク・ジツ:14d6>=5 = (4,3,4,5,2,5,2,1,4,2,5,2,4,5 :成功数:4) = 4
ニューロサージ近接攻撃:4d6>=4 = (2,4,6,4 :成功数:3) = 3 攻性ボトク発動
チキンハート回避:11d6=6 = (2,4,4,5,5,2,6,1,4,3,2 :成功数:1) = 1
チキンハート連続側転:7d6>=3 = (4,2,4,2,6,5,1 :成功数:4) = 4
チキンハートトライアングルリープ:9d6>=4 = 
(6,3,1,2,3,6,1,5,5 :成功数:4) = 4 サツバツ!

ニューロサージ回避:9d6>=5 = (2,2,6,5,3,1,3,5,2 :成功数:3) = 3

「次はもう少し奥まで見せてもらいますからね。色々抜き取らせてもらいます」「ゲホッ!やって、やってみろ!ゴホッ!」ニューロサージは悠然と、チキンハートはふらつきながらカラテを構え、向かい合った。

アトモスフィアウルトラハードモード突入

4ターン目

ニューロサージ攻性ボトク・ジツ:14d6>=5 = (2,2,4,4,6,1,4,3,3,4,5,1,1,2 :成功数:2) = 2
ニューロサージ近接攻撃:4d6>=4 = (4,1,3,6 :成功数:2) = 2 攻性ボトク発動

チキンハート回避UーHARD2:11d6=6 = (1,1,6,3,4,2,3,1,4,6,3 :成功数:2) = 2
チキンハート連続側転:7d6>=3 = (3,6,3,2,2,1,3 :成功数:4) = 4
チキンハートトライアングルリープ:9d6>=4 = (3,4,6,2,1,6,4,3,3 :成功数:4) = 4

ニューロサージ回避:9d6=6 = (5,4,5,5,2,5,6,4,3 :成功数:1) = 1

「イヤーッ!」チキンハートは先程のお返しとばかりにニューロサージの頭部へ右ハイキックを放つ。「イヤーッ!」かざした右手で往なされる。「イヤーッ!」「グワーッ!」体勢を崩したチキンハートの顔面にニューロサージの掌底が入った。「イヤーッ!」「グワーッ!」そのまま足を払われ、地面に頭を打ち付けられる。チキンハートの意識が一瞬途切れた。ニューロサージがマウントポジションを取る。

「イヤーッ!」「グワーッ!」右ストレート。「イヤーッ!」「グワーッ!」左ストレート。「イヤーッ!」「グワーッ!」右ストレート。「イヤーッ!」「グワーッ!」左ストレート。「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」

………「グ、グワーッ……」「ハイ、大人しくなりましたね」もはや反撃を行う気力も失ったチキンハートの頭部にニューロサージは指を埋めていく。見せつけるように、殊更ゆっくりと。彼女はサディストなのだ。「さっき、あなたの過去も少し見えたけど」「グワーッ…」「私はね、あなたみたいな子は好きですよ」「グワーッ…」埋めていない方の手でチキンハートの頬を撫でる。

「あなたみたいな、下らない正義感だの、人間性だの、そんなものに拘泥して美談の主ぶってるガキ。そういう勘違いした馬鹿を痛めつけて殺すのはね、本当にタノシイ」「グワーッ…」「昔の事、もっと思い出せる?お父さんとお母さんの事」「……!」「ああ、いい表情」ニューロサージは微笑んだ。

「……!」チキンハートは苦痛の声すら上げられぬ。ただニューロサージのされるがまま、己の記憶と思考が好き勝手に覗かれ、穢される恥辱に耐えていた。彼の両脚は既にヘンゲが解除されたことで人間の足に戻っている。「それにしても……プッ!鶏!ミニバイオ鶏が家族って!ハッ!」ニューロサージが噴き出した。

チキンハートヘンゲ解除

「写真があるの?ああ、これね」「……!」ニューロサージはチキンハートの懐から1枚の写真を取り出した。そこに写っているのはミニバイオ鶏のヒナイ。チキンハートの唯一の家族。「ハイ、ハイ、思い浮かべて。この鶏との思い出、もっと見せて」「……!」「全部抜き取ってあげるから」「……!」


その時である!「「「ザッケンナコラー!」」」BLATATATA!クローンヤクザ達の一斉射撃!弾丸の雨がニューロサージに降り注ぐ!「イヤーッ!」ニューロサージはチキンハートから飛び退いた!「イ……イヤーッ!」マウントポジションを脱したチキンハートはネックスプリングで起き上がり、ニューロサージの手からヒナイの写真を取り返す!

「おや、元気がありますね」「ハァーッ!ハァーッ!撃って!撃ち続けて!」「「「スッゾコラー!」」」BLATATATA!クローンヤクザ達はチキンハートの指示を受けて銃撃を続行!彼らのネクタイにはクロスカタナの刺繍!チキンハートが事前に呼んでいたソウカイヤの救援が間一髪到着したのだ!

ニューロサージは連続側転で洞穴の壁や天井を蹴り渡り、弾丸の隙間を縫うような動きで回避する。改造白衣の裾が撃ち抜かれて焦げ跡を残した。「チッ……流石に分が悪い。イヤーッ!」「グワーッ!」ニューロサージはこれ以上イクサを続けても益無しと判断したのか、立ちはだかるクローンヤクザ達を殺しながら逃走した。

救援到着
ニューロサージは撤退を選択

「ハァーッ!ハァーッ!……フー」「センセイ、お疲れ様です」チキンハートは荒い呼吸を整え、その場にへたり込む。生き残りのヤクザが駆け寄ってきて労いの言葉をかけた。「ああ、スミマセ……すまないがそこの扉の向こうに居る人達を保護してあげてくれ。今回の事件の証人という体で」「ワカリマシタ」

「それと、車を出してくださ……くれ。トコロザワピラーへ向かいたい。あと、出来ればスシも」「すぐ手配します」そこまでクローンヤクザに指示を出して、チキンハートは手の中の写真を見た。扉から出てきたロウムやホームレス達が何か話しかけてきているが頭に入ってこない。

「ヒナイ、俺の家族。大丈夫、全部覚えてる」幸いにも、ヒナイのことはしっかり覚えていた。出会いから今朝の会話まで、正確に覚えている。「全部覚えてる……その、筈だ」チキンハートは誰にも聞こえないような声で呟いた。

◆◆◆

ブオオオオ……赤漆塗りのターボ・リンカーンがセタガヤ・ダルマ・ストリートを走る。運転をクローンヤクザに任せ、後部座席に座るのはニューロサージだ。「そういうワケでプレイグのデータは回収できました。ええ、偶然居合わせたソウカイニンジャの記憶から」右手には携帯IRC端末を持って何処かへ連絡を取っている。

「他にも面白い記憶も見れましたのでね、後で報告します。エ?趣味の話じゃありませんよ」彼女の左手はシートの上に置いてある生首に指の付け根まで埋まっている。彼女は退屈凌ぎにこうして他者のニューロン情報を再生して個人的に楽しむ癖があり、車内の冷蔵ストレージに気に入ったニューロンの持ち主をホルマリン漬けにして保管している。

「ニンジャスレイヤー、ニンジャ殺しの狂人。ええ、どうも実在しているようで。それとアベノスゴイハルカスビルでのザイバツとのイクサ」ニューロサージはチキンハートの記憶情報を思い返しながら会話を続ける。「ハイ、ハイ、今から向かいますので。シツレイシマス」通話を切ると端末をシートに放り投げた。

「トネ・レイクに向かって」「ヨロコンデー」一通り楽しんだ生首を冷蔵ストレージへ戻し、アームレストに肘を置いてぼんやりと運転ヤクザの首を眺める。そこにはクローンヤクザの型番と製造番号がバーコード・イレズミされていた。『Y-14型』。

◆◆◆

トコロザワピラー、スカウト部門オフィス。この部屋の主であるソニックブームは部屋中央のソファに腰かけ、チキンハートの提出した報告書に目を通していた。ソファの横には緊張した面持ちのチキンハートが背筋を伸ばして立っている。

「ニューロサージ、聞かねえ名前だ。コイツにいいようにやられたってのか?エエッ?」「……ハイ。手も足も出ませんでした……」チキンハートが俯きながら答える。握りしめた拳が僅かに空気を軋ませた。「ハッ、サンシタが一丁前に悔しがれるなら上出来だ」ソニックブームは報告書の束をガラステーブルの上に放り投げた。

「今回お前が始末したバイオニンジャの件でヨロシサンに連絡を取った。すぐに担当役員共のケジメ指と謝礼金としてコーベインを送ってきやがったがな。で、その時ついでにニューロサージっつう女ニンジャの情報があるか確認させた」「……どうだったんです?」「調査してから連絡します、だとよ。舐めてやがる」

ソニックブームは苛立たしげに足を組みなおした。「俺様の読みじゃあ間違いなくヨロシサンとニューロサージには繋がりがある。別の企業の所属ニンジャだったら調査してから、なんて呑気な事言えるわけがねぇ。クソが」「……」根拠こそ無いが、チキンハートにもその推察が的中していることは何となく分かった。それはある種のインセクツ・オーメンであったのかもしれない。

もっともだから何が出来るわけでもない。ソウカイヤとヨロシサンは協調関係にあるとはいえ、腹の底を見せあうような間柄ではない。互いに後ろめたいこともあれば見せていない手札もある。今回のケースはその内の一つだったというだけの話だ。「……もう行っていいぞ、ご苦労だったな」ソニックブームはガラステーブルに視線を落としたまま言った。

「……シツレイシマス」チキンハートは一礼してから退室した。部屋に残ったソニックブームは執務机の上を見る。そこにはチキンハートが持ってきたイマトヤキのマネキネコが鎮座していた。幸運を呼ぶ猫が。「チッ……」ソニックブームは舌打ちを零す。

何が福を招く猫だ。コイツが運んできたのはとんだ厄介ごとではないか。……そこまで考え、自分がらしくもなくオカルトを信じているかのような思考に流れていたことに気が付き、ソニックブームは恨めし気にマネキネコを睨みつけた。


リザルト

①評価S:セタガヤ・ケイヴ内でプレイグを撃破+「シャナイヒ級バイオニンジャ生体情報」を入手
 【万札:20】、【名声+5】
※ニューロサージ目撃報酬:1d3 = (3) = 3
 【万札:3】
合計【万札:61】【名声+5】【余暇:4日】GET


後書き

ということでシナリオクリア―!

ゲスト的な感じでニューロサージ=サンにも登場してもらいました。動かしてみて分かりましたがかなりツヨイ!これで『◉翻弄』とか覚えていたら手に負えませんね。

ていうか見返してみたらプレイグ戦で連続側転の回避ダイス増加をちょくちょく忘れていますね。まあいいや。結果変わらないし。

余暇でついにグレーター・ヘンゲをGETしてこんな感じです!

【ニンジャネーム】:チキンハート
【性別】:男       
【カラテ】:6         【体力】:7/7
【ニューロン】:5       【精神力】:6/6
【ワザマエ】:7        【脚力】:5
【ジツ】:5(ヘンゲヨーカイ) 【万札】:21
【DKK】:1           【名声】:13

【アイテム】:家族の写真
       トロ粉末:【精神力】を2回復(使い捨て)

【ジツ】:★肉体破壊 ★★グレーター・ヘンゲヨーカイ・ジツ

【サイバネ】:クロームハート:【体力】+1、【精神力】+1

【装備品】:伝統的ニンジャ装束:回避ダイス+1個

【生い立ち】:○実家のカネ

【スキル】:『連射2』『疾駆』
      ◉『トライアングル・リープキック』◉『常人の三倍の脚力』

【備考】:

下流カチグミ家庭の青年カナオリ・ショウジにニンジャソウルが憑依。
唯一の友にして家族、ヒナイの写真を常に懐に忍ばせている。

後は取り合わせの悪いスキルの方を何とかしたいですね。カラテの壁も突破したい。

それではここまで読んでくださってありがとうございました!