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忍殺TRPG小説風リプレイ【ラスト・ライブ・イン・ヨタモノ(その4)】

アイサツ

ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

なお本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。

こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。

それではやっていきたいと思います!

本編

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イイヤアーッ!」「グ…グワーッ!」ライブハウス『ヨタモノ』にニンジャスレイヤーが上げた苦痛の声が響いた!ソニックカラテストレートが直撃し、吹き飛ぶニンジャスレイヤー!CLAASH!「グワーッ!」ステージ上のDJブースに突っ込み、動きが止まる!

「キャハ!ヤッタ!死ね!ニンジャスレイヤー=サン!死ねーッ!」ダストワールはその場で渾身のセイケンヅキを繰り出す!彼の拳から旋風が生まれ、音速の弾丸となってニンジャスレイヤー目掛け一直線!ダストワールの奥の手、ジェット・ツキだ!直撃まで0コンマ3秒、2秒、1秒!ダストワールは勝利を確信する!

……だがその時、ニンジャスレイヤーの右目の瞳孔がセンコめいて細まり、暗いライブハウスに赤い光の軌跡を描いた!

8ターン目

8ターン目開始時

「イイィヤアァーーーッ!」CLAAASH!ネックスプリングで起き上がったニンジャスレイヤーはジェット・ツキへ向けて右の拳を繰り出した!ジュージツの技、ポン・パンチだ!ニンジャスレイヤーの拳が、腕が、肩が、風の刃に切り刻まれ鮮血が舞う!だが、だがしかし!そこまで!

「な……!」ダストワールは絶句した。カイシャクとして放った渾身の一撃、されど致命には至らず!ニンジャスレイヤーは己の両脚で地面に立っている!風は止んだのだ!「イイヤアーーッ!」「グ…グワーッ!?」向かい風めいて接近してきたニンジャスレイヤーの前蹴りがダストワールの鳩尾に叩き込まれ吹き飛ばされる!

「ダストワール=サン!イヤーッ!」「イヤーッ!」セルフハームの援護攻撃!ニンジャスレイヤーの注意を引く!「グワーッ……ク、クソッ!痛え!ウッゼ!クソーッ!」ダストワールはふらつきながらもどうにか立ち上がる。だがダメージは甚大!

「ダストワール=サン!逃げなさい!もう十分よ!」ニンジャスレイヤーへ牽制の攻撃を繰り出しつつ、セルフハームが叫んだ。ダストワールは……「………チクショ、チクショ!イヤーッ!」逃走を選択!セルフハームとニンジャスレイヤーの横をすり抜け、鍵の溶接されていないライブハウス奥の扉へ連続側転!


………だが、何故ニンジャスレイヤーが扉を一つ残していたのか。その原因をダストワールはこれから知ることになる。

 ニンジャスレイヤーカラテ→ダストワール:5d6>=4+4d6>=4+4d6>=4 
= (2,2,4,1,6 :成功数:2) + (2,3,2,2 :成功数:0) + (1,5,2,2 :成功数:1) = 3

ダストワール回避:5d6>=5+5d6>=5 
= (3,2,1,3,4 :成功数:0) + (4,4,6,6,4 :成功数:2) = 2 カウンター!

ダストワール体力2

ニンジャスレイヤー回避:3d6>=5 = (1,5,6 :成功数:2) = 2

セルフハーム高速振動ナイフ→ニンジャスレイヤー:6d6>=5 =
 (4,4,5,1,3,5 :成功数:2) = 2

ニンジャスレイヤー回避:3d6>=5 = (2,6,1 :成功数:1) = 1
ダストワールは更に体力がヤバイ
ダストワールは
1戦う2、3逃げる:1d3 = (2) = 2

 ダストワール連続側転:7d6>=3 = (4,1,6,1,6,3,2 :成功数:4) = 4


「!イヤーッ!」扉を開けたダストワールの視界の端に黒く光る物体が映った!ダストワールは地面にばら撒かれていたそれを跳躍回避!「危ねえ!何だありゃ!ウッゼ!」それはニンジャスレイヤーが事前に廊下に設置していたトラップ、非人道兵器マキビシである!もし気付かず踏んでいれば、ダストワールは今頃ブザマに転倒し、大きな隙を晒していたことであろう!

ダストワールマキビシ察知:3d6>=5 = (5,2,4 :成功数:1) = 1


9ターン目

9ターン目開始時

「イヤーッ!」「イヤーッ!」ライブハウスに残ったセルフハームはダストワールが逃走する時間を稼ぐため、ニンジャスレイヤーに果敢に挑みかかる!「イイヤアーーッ!」高速振動ナイフをニンジャスレイヤーの首筋に突き立てにいく!「イヤーッ!」その手首が死神の右手に掴まれた!「……シマッタ!」

「イヤーッ!」「ンアーッ!?」ニンジャスレイヤーは手首を離さないまま左手でセルフハームの首元を掴み、後方に大きく仰け反りセルフハームを投げ飛ばした!アイキドーの禁じ手、カタパルト・スロー!「イ、イヤーッ!」セルフハームは空中で姿勢制御し、着地!ニンジャスレイヤーへ向き直る!……だが!

「居ない……?」既にライブハウスからニンジャスレイヤーは姿を消していた。奥の扉がギイと音を立てて揺れ動くのが見えた。「……いけない!ダストワール=サン!」セルフハームは急いで同僚の後を追いかけた。彼女の足はダストワールや死神に比べてあまりにも遅い。果たして間に合うか。

激しいイクサを繰り広げたニンジャ達が全員出ていくと、先程までの光景は白昼夢だったのではないかと思うほどの静寂がライブハウスを満たした。ギンイチはイチジクと顔を合わせ、身を寄せ合って手を繋いだ。お互いの温もりだけがこれが夢では無いことを、自分達は生きていることを教えてくれた。

◇◇◇

「ハァーッ!ハァーッ!」床中に設置されたマキビシを避けながらダストワールは廊下を駆ける。正面に楽屋への入口が見えた。あそこから事務所へ向かい、非常階段を通って外へ向かえば逃げ切れる!ダストワールは楽屋のドアノブを掴んで捻る!ガチャガチャ。「アア!?鍵がかかってやがる!ウッゼ!」

ナムサン。『ヨタモノ』のオーナーはバンドメンバーに対する気遣いとして楽屋のドアに強固なセキュリティを施していた。ダストワールのカラテでは破壊は不可能。テンサイ級ハッカーならばハッキングでセキュリティを破ることも出来ようが、彼はUNIXの心得も無い。「チクショ……!」ダストワールはやむを得ず廊下のさらに奥の扉を目指そうとした……だが!

「イイィヤアァーーッ!」「ア……アバーッ!?」ダッシュの勢いを乗せたニンジャスレイヤーの飛び蹴りがダストワールの背中に突き刺さった!蹴られた部分がゴキリと嫌な音を立てて激痛で意識が飛びそうになる!背骨が折れたか!「ウ、ウオオーーッ!」ダストワールは最後の力を振り絞り走る!

「ハァーッ!ハァーッ!イヤーッ!」事務所扉前に設置されたマキビシをソニックカラテで蹴散らしつつ、扉を開けて中に入る!正面には非常階段への出口!事務所に転がった死体の間を駆け抜け「グワーッ!?」………ダストワールは血溜まりの中に転倒した。

ニンジャスレイヤー連続側転:10d6>=4 = (3,1,3,3,5,3,4,6,5,3 :成功数:4) = 4

ニンジャスレイヤーカラテ→ダストワール:5d6>=5+4d6>=5+4d6>=5 
= (3,6,3,1,2 :成功数:1) + (6,4,6,3 :成功数:2) + (5,2,1,5 :成功数:2)
= 5 サツバツ!

ダストワール回避:3d6>=5+3d6>=5+3d6>=5 
= (1,1,1 :成功数:0) + (6,5,2 :成功数:2) + (6,3,4 :成功数:1) = 3

ダストワール体力1

セルフハーム連続側転:4d6>=4 = (1,5,2,4 :成功数:2) = 2

ダストワール連続側転:7d6>=3 = (3,2,1,3,6,3,5 :成功数:5) = 5

ダストワール精神力使用マキビシ回避:1d6>=5 = (1 :成功数:0) = 0
ダストワール精神力1

ダストワールマキビシ回避:2d6>=5 = (4,4 :成功数:0) = 0
ダストワール体力0! 行動不能!
ああ……


10ターン目

10ターン目開始時

「グ、グワーッ!何だ!?」ダストワールが転倒した理由、それは別に血で足を滑らせたのではない。床の血溜まりに隠されるように設置されていたトラップ、非人道兵器マキビシ。「ウ、ウッゼ……チクショ……」ダストワールは立ち上がろうとする。タメジマの首無し死体がこちらを見ている気がした。ガチャリ。背後でドアの開く音。

「ア……」死神がダストワールを冷徹に見下ろしていた。「イ、イヤ「イヤーッ!」アバーッ!?」ダストワールが何かするよりも早く、ニンジャスレイヤーがその頭を踏みつけた。ダストワールの右頬をタメジマ達の血が濡らした。「ハイクを詠め。小僧」「ウ、ウッゼ!クッセ!ダッセ!死ね!てめえなんか死ね!」ダストワールは喚いた。死神の足が僅かに浮いた。


「イイイヤアアアアーーーーッ!」ニンジャスレイヤーのサッカーボールキックがダストワールの頭を蹴り飛ばし、生首がボールめいて部屋の隅のゴミ箱にシュートされた。「サヨナラ!」ダストワールは爆発四散した。ニンジャスレイヤーはザンシンし、入ってきたドアからもう一度廊下に出る。もう1人のニンジャを殺すために。

ニンジャスレイヤー連続側転:10d6>=4 = (1,1,5,3,6,1,2,3,2,6 :成功数:3) = 3

ニンジャスレイヤーカラテ→ダストワール:13d6>=5 
= (2,3,4,2,6,2,4,1,1,4,6,6,5 :成功数:4) = 4 サツバツ!

サツバツ:1d6 = (2) = 2 「イヤーッ!」頭部への痛烈なカラテ!
ダストワール

???:2d6 = (6+1) = 7

アーチ級覚醒判定、失敗

ダストワール爆発四散!
セルフハーム連続側転:4d6>=4 = (3,5,4,5 :成功数:3) = 3

11ターン目

11ターン目開始時

廊下ではセルフハームが楽屋扉の電子制御盤に設置されたキーボードをタイプし、ハッキング開錠を試みていた。「ダストワール=サンは逃げきれたかしら……」とにかく今は自分も逃げねばならない。セルフハームは刃物も懐にしまい、タイピングに全身全霊を尽くす。

「イヤーッ!」「エッ!?」突如事務所の扉からニンジャスレイヤーが飛び出し、色付きの風めいてセルフハームに襲い掛かった!「ンアアーッ!?」ハッキングに集中していたセルフハームはこれを回避出来ない!(ナンデ私の方に!?ダストワール=サンは!?)セルフハームは混乱する!

(ダストワール=サンが逃げ切ったから私の方へ来たの!?それともまさか!)その疑問に答える者はいない!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはただ研ぎ澄まされた殺意をぶつけるのみ!……その時!キャバァーン!パワリオワー!楽屋の扉から電子ファンファーレが鳴り響く!ハッキングが完了したのだ!「イヤーッ!」セルフハームは扉を開けて滑り込む!

ニンジャスレイヤー連続側転:10d6>=4 = (4,4,2,1,3,1,2,2,6,2 :成功数:3) = 3

ニンジャスレイヤーカラテ→セルフハーム:4d6>=5+4d6>=5+5d6>=5
= (5,1,3,5 :成功数:2) + (1,5,6,6 :成功数:3) + 
(2,4,6,4,1 :成功数:1) = 6 サツバツ!

セルフハーム回避2発目精神力使用:2d6>=5+1d6>=5+3d6>=5 
= (2,1 :成功数:0) + (3 :成功数:0) + (4,4,2 :成功数:0) = 0

セルフハーム体力4
セルフハーム精神力4
セルフハームハッキング:5d6>=5 = (4,1,2,1,6 :成功数:1) = 1


12ターン目

12ターン目開始時

「イヤーッ!」セルフハームは全速力で楽屋を一気に駆け抜け、事務所の扉を蹴り破るように開き、出口を目指す!(とにかく一度脱出して、ソウカイネットでダストワール=サンに連絡を……)セルフハームはそこまで考えて、その足を止めた。彼女のニンジャ動体視力には見えてしまった。事務所の隅にあるゴミ箱、その中にあるものが。

「ヒッ……」セルフハームは恐怖に息を呑んだ。そしてニンジャスレイヤーが畳1枚の距離まで接近してくるまで逃げることも忘れ、立ち竦んでいた。「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「ンアアーッ!」鞭めいたキックを横腹に受け、身体がくの字に曲がった。その痛みで正気に戻ることが出来た。

ニンジャスレイヤー集中カラテ→セルフハーム:5d6>=3+4d6>=3+4d6>=3
 = (2,5,2,2,3 :成功数:2) + (3,2,6,3 :成功数:3) + (1,6,2,5 :成功数:2) = 7

セルフハーム回避:2d6>=5+2d6>=5+2d6>=5 
= (5,6 :成功数:2) + (5,3 :成功数:1) + (1,1 :成功数:0) = 3

セルフハーム体力3

セルフハーム連続側転精神力使用:4d6>=4 = (3,6,4,2 :成功数:2) = 2
セルフハーム精神力3


13ターン目

13ターン目開始時

セルフハームは出口への扉に手をかけた。ダストワールの首を回収することは考えなかった。恐怖が彼女の心を満たし、彼女の身体をジョルリ人形めいて操っているようだった。ドアノブを捻る。死神が迫る。ドアノブを引く。死神がパンチを打つ。外へ足を踏み出すのと同時、死神のパンチがセルフハームの背中へ吸い込まれた。


「ンア……アバーーッ!」セルフハームはキリモミ回転して吹き飛び、『電話王子様』のネオン看板に激突してずり落ちた。結果としてこの死神の一撃がセルフハームの命を救った。「イ…イヤーッ!」セルフハームは頭部の包帯を破り捨て、刃物の破片が埋め込まれた右目をかき回し、途切れかけた意識をイタミによって覚醒させ連続側転で路地裏へと逃れた。

ニンジャスレイヤー連続側転:10d6>=4 = (5,6,5,4,1,2,4,6,3,1 :成功数:6) = 6

ニンジャスレイヤーカラテ→セルフハーム:5d6>=5+4d6>=5+4d6>=5
 = (5,5,2,4,4 :成功数:2) + (4,5,4,2 :成功数:1) + (4,3,5,3 :成功数:1) = 4

セルフハーム回避:2d6>=5+2d6>=5+2d6>=5
 = (3,1 :成功数:0) + (4,3 :成功数:0) + (6,5 :成功数:2) = 2 
カウンターは省略

セルフハーム体力1

セルフハーム脱出成功!

戦闘終了

ニンジャスレイヤーは『ヨタモノ』事務所の非常階段扉の前でその様を見ていた。「ヌウ……」あと一歩のところで逃してしまった。ニューロンにナラク・ニンジャの叱責と罵倒が響く。その声を黙らせるとフジキドは事務所に戻り、ゴミ箱の中からダストワールの生首を拾い上げ、バイオフロシキで包んで腰から下げた。

「Wasshoi!」外へ出たニンジャスレイヤーはビル壁を飛び渡り、広いネオサイタマの狭い空の下にその身を投げた。次のイクサのため、次のニンジャを殺すため、死神はネオンの海を駆ける。新たな獲物を求めて。

………こうして、今宵パンクス達の聖地と呼ばれた『ヨタモノ』はネオサイタマからその姿を消した。その中で起きたニンジャの凄惨な所業、壮絶なイクサの記憶はNRSの影響で徐々に薄らぎ、やがて忘れられていった。『ヨタモノ』自身がそうなるか否かは、今はまだブッダのみぞ知ることであろう。

◆◆◆

リザルト

トコロザワピラー、スカウト部門執務室。

「以上が……事の顛末です」「そうか」机に両足を乗せて椅子に座るソニックブームはセルフハームの報告を淡々と聞き入れた。「チッ、ニンジャスレイヤー……バイオネズミみてえに何処にでも湧いてきやがる。フザけやがって」ソニックブームは眉間に皺を寄せる。

「だがまあ、土地の権利書も手に入れてあの死神野郎から逃げきれたなら上出来だ。お前の持ってきた交戦記録も役に立つ。報酬には色をつけてやる」ソニックブームは万札入りの封筒を投げて寄越した。

・土地の権利書を手に入れた:2点
・客に十分な恐怖を与えた(客を3人程度殺害もしくは気絶させた):1点
・タメジマを殺害して土地をソウカイヤのものにした:1点

評価
◆A :4点……余暇4日、1人15万札
◆ニンジャスレイヤーに1点以上のダメージを与えていた場合
※(結構頑張ったので特別に報酬を多めにします)

ニンジャスレイヤーの体力を減らした数だけ2面ダイスを振る。
今回は6減らしたので2面ダイスを6個振る。

特別報酬:6d2 = (1+1+1+2+2+2) = 9

【万札:9】GET
セルフハーム
合計【万札:51】【余暇:4日】GET

「アリガトゴザイマス……」セルフハームは封筒を受け取った。そしてじっとソニックブームの顔を見る。「……ア?まだなんかあんのか?」「……イエ、何も」「だったらとっとと行け。俺様は忙しい。これから重要な打ち合わせがある」「………ハイ、シツレイシマス」セルフハームはオジギをして部屋を後にした。

「………」扉の前でセルフハームは気落ちしていた。自分は何を期待していたのだろう。ダストワールの死にソニックブームは大した反応を示さなかった。それよりニンジャスレイヤーの動向やこの後の予定を気にしていた。自分はダストワールを殺されたことに怒ってほしかったのか?悲しんでほしかったのか?

それとも、そういった感情を見せないことがヤクザの美学とやらなのか?そもそも、自分にとってダストワールはどんな存在だったのか。それを彼女自身が理解する前にダストワールは死んでしまった。

(分からないわよ……やっぱり……)セルフハームは首を振ってその場を後にしようとした。ふと前を見ると、正面から歩いてくる影が1つ。影の主の顔を見たセルフハームは苦虫を嚙み潰したような顔をした。嫌な時に嫌な奴に出会ってしまった。高級ヤクザスーツに兜を被った男。ブレードブレイカー。

「……」セルフハームは無言で10度のオジギをしてブレードブレイカーの横を通り過ぎる。「……フン」相手は特に何も言わず、小さく鼻を鳴らしてソニックブームの執務室へ入っていった。セルフハームはブレードブレイカーを嫌っていた。といっても特に何かされた訳ではない。彼女が一方的に敵意を抱いているだけだ。

まず、ブレードブレイカーの刃物で切り傷を作れないという特異なイアイが何より最低最悪に嫌いだった。これ見よがしの高級ヤクザスーツも、下品な笑い声も、何もかも鬱陶しく思えた。だが、ダストワールはそんなブレードブレイカーに憧れていた。会話すらしたことも無い男に、だ。恐らく向こうもダストワールの事など知りもすまい。

「……バカバカしい」口を衝いて出た独り言は思いの外大きな声で響いた。セルフハームは己の本音を知った。バカバカしい、もうどうでもいい。そう思うと心が風のように軽くなった気がした。「フフッ…」自嘲気味に笑いながら、懐から取り出したナイフで手首に傷をつける。流れた血がパーカーの袖を濡らしていく。

「ウフフ…」真の美がそこにあった。少なくとも彼女にとってはそうだった。例え他人に理解されなくとも。「そうよ……もうどうでもいいじゃない」この美しさに比べれば、他の些末事など。「フフッ……」セルフハームは傷口を眺め続けた。手首から滴る血が涙めいて床に零れ落ちた。


後書き

ということで任務には成功しました。

しかし、ダストワール=サンが爆発四散してしまいました。PCキャラでは初めてですね。

逃走判定ダイスを何度か振りましたがなかなか逃げてくれませんでしたね。
今回ブッダは彼に微笑みませんでした。カゼに包まれてあれ。


生き残ったセルフハーム=サンは報酬でローンを返してジツをさらに伸ばしました。

【ニンジャネーム】:セルフハーム
【性別】 :女
【カラテ】:6        【体力】:6/6
【ニューロン】:5      【精神力】:5/5
【ワザマエ】:4       【脚力】:3
【ジツ】:3(イタミ)    【万札】:0
【DKK】:5         【名声】:6

【アイテム】:

【装備品】:*サシイタ&マソウ*:『近接武器』、『二刀流』、『連続攻撃+1』、『ダメージ1』、
                       『射撃不可』、『連続側転難易度+2』
     :高速振動ナイフ  :『特殊近接武器』、『攻撃難易度+1』、『ダメージ2』、
                『属性ダメージ追加不可』、『戦闘スタイル:精密攻撃/フェイントを選択可能』

【生い立ち】:○刀剣マニア

【備考】:ワザマエ蓄積1

ソウカイヤに所属するイタミ・ニンジャクランのソウル憑依者。
彼女が愛するのは人でもカタナでもなく鮮血を流す切り傷だ。

彼女も誰か他のニンジャと組ませてあげたいですね。

それではここまで読んでくださってありがとうございました!