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忍殺TRPG小説風リプレイ【ノーギャンブル・ノーライフ(その1)】

アイサツ

ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

なお本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。

今回挑戦させていただいたのはしげさん作成のシナリオ【シャドー・ジャン】です。詳細は下記の記事をご覧ください!

※なお、リプレイにあたりシナリオのルールを一部改変させていただいております。ご了承ください。

麻雀と言えば四人でやるゲーム!(多分)ということでウチのソウカイニンジャ3人組とソニックブーム=サンの四人が麻雀でイクサを繰り広げます!

◆ソニックブーム (種別:ニンジャ)    
カラテ     12        体力    12    
ニューロン    6        精神力    6        
ワザマエ    10        脚力    6        
ジツ       (3)        万札    50        

装備や特記事項
 装備:ヤクザスーツ(追加ルールなし)
 スキル:『●連続攻撃2』、『●連射2』、『ソニックカラテ衝撃波』

『ソニックカラテ衝撃波』:
 ソニックブームはスリケン投擲の代わりにソニックカラテ衝撃波で遠隔攻撃する    
  ・ソニックカラテ衝撃波(連発):連射5、ダメージ2
  ・ソニックカラテ衝撃波(収束):連射2、ダメージ3、時間差    
  ・ソニックカラテ衝撃波(乱打):連射10、ダメージ1
  ※乱打を行うのは、ソニックブームに対して1以上のダメージを与えた場合に限る。
ニンジャ名:ブレードブレイカー
【性別】:男
【カラテ】:12         【体力】:15/15
【ニューロン】:6       【精神力】:7/6
【ワザマエ】:9        【脚力】:7
【ジツ】:3(近接武器)    【万札】:10
【DKK】:2          【名声】:27

【アイテム】:**イチガツ**:
       近接攻撃ダイス+2 『射撃基本難易度:HARD』、『連続側転難易度+1』
      :オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)
      :ZBRアドレナリン注射器:次の手番まで【脚力】+2、行動不能状態にある仲間の蘇生(使い捨て)
      :トロ粉末:【精神力】を2回復(使い捨て)

【サイバネ】:ヒキャク:【脚力】+1、回避ダイス+1個
       オーダーメイドカスタム(ブースターカラテ・ユニット読み替え):近接攻撃ダイス+1個

【装備品】:フルヘルムメンポ【体力】+1
     :*高級ヤクザスーツ NPCに対する説得や脅迫時、1つの判定につき1回だけダイスを振り直せる。
      またこのシナリオの後に『カルマ・ロンダリング』を行う場合、1回だけダイスを振りなおせる。

【スキル】:『連続攻撃2』『連射2』『疾駆』
      ●ツジギリ ●タツジン(イアイドー) ●頑強なる肉体
      ◉ヒサツ・ワザ(マキアゲ) ◉一瞬の勝機

【備考】:アジトに『風呂』【精神力】+1

ソウカイ・シックスゲイツの一人。肩に担いだ妖刀『イチガツ』を扱う。
彼がカタナを振るったものは何故か切断されず、打撃的衝撃によって破壊される。


ニンジャ名:ブラインド
【性別】:女
【カラテ】:4        【体力】:7/7        
【ニューロン】:12     【精神力】:14/12
【ワザマエ】:5       【脚力】:3
【ジツ】:0         【万札】:8
【DKK】:6         【名声】:20

【アイテム】:ウイルス入りフロッピー:
       使用するとそのハッキングの難易度がー1される。使用後ダイスを1個振り、
       出目が3以下だった場合、このアイテムは失われる。
      :オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)
      :トロ粉末:【精神力】を2回復(使い捨て)
      :ZBRアドレナリン注射器:次の手番まで【脚力】+2、行動不能状態にある仲間の蘇生(使い捨て)

【サイバネ】:▶生体LAN端子+【ニューロン】判定時にダイス+2個、ハッキング時にさらに+4個
       ▷無線LAN攻撃用ユニットLAN直結を行うことなく「生体LAN端子」持ちの敵に対し遠隔ハッキング攻撃を仕掛けられる。

【装備品】:スゴイテック社製LAN直結攻撃用ケーブル:『特殊近接武器』、『ダメージ0』、『戦闘スタイル:直結攻撃』
     :パーソナルメンポ:【精神力】+1
     :*キーボード・オブ・ザ・ゴールデン・エイジ*:ハンドヘルド型レリックキーボード。ハッキング絡みの判定時に、ダイスを全て振り直すことができる。
       1回の判定につき1回までしかこの振り直しは行えない。また、任意のダイスだけを振り直すこともできない。シナリオ中1回限りの使用。

【生い立ち】:『ピンハネ』

【スキル】:『時間差』『マルチターゲット』
      ◉『挑発』◉『翻弄』◉『痛覚遮断』

【備考】:アジトに『サイバーカリブー』(『危険生物飼育施設』あり)
     アジトに『プール』(【精神力】+1)

ソウカイヤの女ニンジャ。怠惰で無計画。
アイマスクめいたメンポとジャージめいたニンジャ装束を纏う。
【ニンジャネーム】:チキンハート
【性別】:男       
【カラテ】:6         【体力】:7/7
【ニューロン】:5       【精神力】:6/6
【ワザマエ】:10        【脚力】:7
【ジツ】:6(ヘンゲヨーカイ) 【万札】:16
【DKK】:1           【名声】:22
【アイテム】:家族の写真

【ジツ】:★肉体破壊 ★★グレーター・ヘンゲヨーカイ・ジツ
     ★弾き飛ばし ★ヘンゲ・マスタリー

【サイバネ】:▶クロームハート:【体力】+1、【精神力】+1
       ▷第二の心臓:『サツバツ!』の出目6を受けた場合、即死をまぬがれ、
              本来のダメージ+D6ダメージを受けるだけで済む。
              1回限りの使用(使い捨てで再増設が必要)。                                    

【装備品】:伝統的ニンジャ装束:回避ダイス+1個

【生い立ち】:○実家のカネ

【スキル】:『連射2』『疾駆』
      ◉『トライアングル・リープキック』◉『常人の三倍の脚力』


【備考】:カラテの壁突破鍛錬蓄積2(センセイ役:ブレードブレイカー)

下流カチグミ家庭の青年カナオリ・ショウジにニンジャソウルが憑依。
唯一の友にして家族、ヒナイの写真を常に懐に忍ばせている。
※なお、筆者は麻雀に詳しくないためネットやら漫画やらで知識を仕入れて今回の記事を作成しております。そのためおかしな描写やミスが多くみられると思われますがその点は何卒ご容赦ください。

ではやって行きたいと思います!

本編

(前回までのあらすじ:ニーハオ!みんな元気?ブラインドだよ!私は今、中国のシャンハイに来てるんだ!嘘だよ!ホントはソニックブーム=サンに呼び出されてトコロザワピラーの娯楽室に来てるの!私の他にブレードブレイカー君とチキンハート君も来てるみたい!なんていうか娯楽室っていう響きの似合わない面子だね!ね!)

◆◆◆

トコロザワピラー、娯楽室。そこにはまったく抵抗を感じさせないほど柔らかな絨毯が床一面に敷き詰められ、広々とした空間にはカジノテーブルやビリヤード台、ダーツといったカチグミ特有の遊び場が並ぶ。壁の一つは巨大なガラス張りとなっており、そこから見えるネオサイタマの夜景を楽しみながらイタマエの握ったオーガニック・スシと高級ワインを味わうことまでできる。

この娯楽室の使用が許されるのはソウカイヤに所属するニンジャの中でもシックスゲイツを始めとする幹部から幹部候補生のみ。ここは選ばれし特権階級者たちの社交場なのだ。「スゲー!見てよブレードブレイカー君!チキンハート君!ビリヤードがある!ダーツも!麻雀卓まであるよ!」

騒音めいた声が娯楽室の空気を台無しにした。アイマスクめいたメンポの女ニンジャ、ブラインドである。「ブラインド=サン、お願いですからお静かに……」チキンハートと呼ばれた青年がやんわりと注意した。ジャケットにスラックスを着用したその姿はこの娯楽室の雰囲気にそこまでミスマッチしてはいない。

「テメェらいい加減にしろ。ソニックブーム=サンが来るまで静かに待てねェのかボケ共が」苦言を呈したのはオーダーメイドのヤクザスーツで身を包んだ痩身の男、ブレードブレイカー。彼はつい最近シックスゲイツに昇格したばかりのニンジャである。今回は同じシックスゲイツであり上司でもあるソニックブームからの呼び出しを受け、チームの二人と共にソニックブームが来るのを待っているところだ。

「にしても執務室でなく娯楽室とはなァ。意外だぜ」ブレードブレイカーは麻雀卓の上を撫でる。最新鋭の全自動麻雀卓だ。点数計算はもちろん洗牌から牌山作り、配牌に至るまでの全てを卓の中に組み込まれたUNIXがオートで行ってくれる。更に初心者にも優しいマイコ音声によるガイド機能付きだ。麻雀好きならば一家に一台持っていて損は無い。

「そう言えばそうですね……仕事の話じゃないんでしょうか」チキンハートは卓の端に並べられた麻雀牌を手に取ってしげしげと眺める。一つ一つが職人の手彫りによって作られたそれはもはや博打の道具というよりもある種の芸術品だ。質感といい見栄えの良さといい、これで麻雀を打ったが最後、工場で大量生産された麻雀牌は二度と握れなくなるだろう。

「お!もしかして二人とも麻雀打てる方?」ブラインドが胸の前で向かい合わせた両手を捻るような仕草をした。「まァ、ボチボチな」「俺は入院中……子供のころに、UNIXで」二人が肯定する。「へー!それじゃあさ!一局打とうよ!」ブラインドが卓に備え付けられた椅子に飛び込むように座る。

「打とうよって……ブラインド=サン、今俺たちはソニックブーム=サンを待ってるんですよ?麻雀なんて打ってたら怒られます。第一面子も足りないじゃないですか」「サンマでいいじゃん!萬子抜いて萬子!花牌入れて!」ブラインドはチキンハートの制止も聞かず、牌を勝手にかき混ぜ始める。

「いやですから……ブレードブレイカー=サン、何とか言ってください」チキンハートはブレードブレイカーに助けを求めるが「……いいんじゃねェか。別に」なんとブレードブレイカーは麻雀卓を挟んでブラインドの反対側の席に座ってしまった。「え……ちょっと!?いいんですか!?」面食らったのはチキンハートの方だ。味方がいなくなってしまった。

ブレードブレイカーは自分も牌をかき混ぜながら説明する。「まァ聞けよ。さっきも言ったがな、ソニックブーム=サンは仕事の話なら執務室に呼び出すだろうし、他にも会議室だのトレーニングルームだの空いてる部屋がいくらでもあんだろうが。そこをわざわざ娯楽室に呼び出すっつうことはこうやって遊ぶことに意味があんだろうよ。多分」「多分って……」チキンハートは頭を抱えた。


「いや、あながち間違いでもねえぞ。チキンハート=サン」チキンハートの背後から新たな人物の声が響いた。ブレードブレイカーは立ち上がり、60度のオジギをする。「ドーモ、ソニックブーム=サン」「ド、ドーモ!オツカレサマデス!」チキンハートも慌てて振り向き、ブレードブレイカーの後に続いてアイサツした。

「ドーモ、ソニックブームです。集まってるな、アホ共」リーゼントヘアに金糸のニンジャ装束、ソウカイヤスカウト部門、ソニックブームである。「あ、ドーモ!ソニックブーム=サン!ちょうどいいところに!麻雀打ちましょう!これで面子が四人になったよ!」ブラインドはオジギに参加せず、椅子に座ったまま卓中央の蓋を開き、その中に牌を流し込んだ。

「ブ、ブラインド=サン!シツレイでしょ!ちゃんと立ってアイサツを」「構わねえよ。むしろそれが目的だ」ソニックブームは特に機嫌を悪くすることもなく、ブレードブレイカーの左隣りの席にどっかと腰を下ろす。「ビリヤードでもダーツでも良かったんだがな。準備出来てんなら都合がいい。一局打つとしようじゃねえか」

「……っつうことは何ですかい。マジで俺たちは遊び相手として呼ばれたんですかい。カハッ!」ブレードブレイカーが噴き出した。「フン、ガキが……まあそういうこった。感謝しろよ。エエッ?テメエの昇進祝いにわざわざ俺様が直々に遊んでやろうってんだからな……」ソニックブームが煙草を咥えるとブレードブレイカーが素早くライターで火を点ける。

ソニックブームは紫煙を燻らせながら話す。「いいかガキども。テメエらもようやくケツの殻が取れて一端のソウカイニンジャらしくなってきやがった」チキンハートが用意した灰皿にソニックブームは煙草の灰を落とす。「だが揃いも揃ってヤクザとしての品格ってもんが欠けてやがる。特にチキンハート=サン、ブラインド=サン。テメエらだ」

「ウ……」チキンハートは心当たりがあるのか、ばつが悪そうに顔を俯かせる。「いやあ、それほどでも」ブラインドは胸を張ってふんぞり返った。彼女のバストは平坦だった。ソニックブームはブラインドを無視して続ける。「……いいか、ヤクザなら家でも車でも服でも靴でも酒でも、なんでもいい。”本物”に触れるんだ。例え最初はその価値が分からねえでもな。それがヤクザのソンケイに繋がるんだ」

「ソンケイ……」三人の中で誰ともなくソニックブームの言葉を鸚鵡返しに呟いた。ソンケイ。それは非常に曖昧な概念であり、しかしマッポーの世であるネオサイタマを生きるヤクザ達の中に確かに根付いている共通認識である。ソンケイを積んだヤクザは特有のオーラめいたものを発するようになり、ソンケイの有無がすなわちヤクザと一般人、あるいはグレーターヤクザとレッサーヤクザの違いであるとする考え方もある。

「言っとくがブレードブレイカー=サン、テメエもだ。ただの調子に乗った成り上がり者で終わりたくねえなら覚えとけ。ソンケイは飾り付けるもんじゃねえ。ソンケイを磨くんだ。わかるか?ア?」「………忠告ドーモ」ブレードブレイカーは拗ねたように返事をした。

「ええと、それじゃあシツレイシマス……」チキンハートはソニックブームの正面に座る。これで全員が席に着いた。「サイコロ振りますぜ……サ・シでソニックブーム=サン。アンタが親だ」ブレードブレイカーが麻雀卓の中央にあるサイコロボックス横のボタンを押すとボックス内でダイスが激しく回転し、「1,3」の目を出した。これはすなわちソニックブームから手番を始めることとなる。

席決め
左からソニックブーム、ブレードブレイカー、ブラインド、チキンハート:4d100 
= (68+53+15+23) = 159

ソニックブーム→ブレードブレイカー→チキンハート→ブラインドに決定​

それと同時に、キャバァーン!『配牌、完了ドスエ。東一局な』無機質なマイコ音声が麻雀卓に備え付けられたスピーカーから聞こえてくる。そして席に着いた四人の前に、自分だけが見えるように13枚の牌が横一列に並んだ。

「親がソニックブーム=サン?エへへ―!ソニックブームオトウサンだ!」「ブ、ブラインド=サン!殺されますよ!」「カハハ、そんじゃあ始めますか」ソニックブーム以外の三人は己の手牌を手元に引き寄せ理牌を行う。……しかし。

「……テメエら何か忘れてねえか?」「アァ?」「ンン―?」「エッ?」ソニックブームが唐突に発した言葉に手を止める。「いいトシこいた大人が四人集まって麻雀打って何も無しか?エエッ?分かるだろうが、オイ」「…………脱衣麻雀がしたいの?」「ドグサレッガー!」CLAAAAAAASH!「ンアバーッ!」ソニックカラテストレートだ!吹き飛ぶブラインド!

「あのアホ女はほっといて……つまり賭けようってんですか。カハハッ、いいじゃねェですか。上等すよ」ブレードブレイカーがまず乗り気になった。「イテテテ……エ?お金?賭けるの?イイよー」次にチキンハートに助け起こされたブラインドがあっさり了承する。残ったチキンハートに他三人の視線が集まった。


「……俺は遠慮しときます」チキンハートはバツが悪そうに呟いた。「エエーッ!マジでー!うん、じゃあ三人でやろっか!」「オイ、勝手に決めてんじゃねェぞバカ女。チキンハート=サン、テメェこういう時には付き合いってもんがなァ……」「やめろブレードブレイカー=サン」説教を始めかけたブレードブレイカーをソニックブームが遮った。

「ビズならともかく、本人にそのつもりが無えなら無理強いさせるんじゃねえ。そりゃただの立場を笠に着たクズのやることだ。……だがな、物事には付き合いがあるっつうのも事実だ。覚えとけよ二人とも」「そうだよ!覚えとけよ二人とも!」「アイ、アイ。分かりましたよ。あとブラインド=サンは黙れ」「スミマセン、ソニックブーム=サン」

カネを賭けるのに……
ブレードブレイカー1以上で乗る(確定)。
ブラインド4以上で乗る。
チキンハート5以上で乗る。
:3d6 = (2+5+1) = 8
どう賭ける?
1順位が上のニンジャが他二人から総取り
2順位が下のニンジャが他二人に払う
:1d2 = (1) = 1
いくら?
1どっちも万札:5
2上の方が万札:5で下の方が万札:10
3どっちも万札:10
:1d2 = (1) = 1

「………さて、話が長引いちまったがそろそろ始めるか」親のソニックブームがそう宣言した瞬間、部屋の空気がその重みを増した。先程までのどこか気の抜けたアトモスフィアは雲散霧消し、ピンと張り詰めた静謐なカラテが娯楽室を満たす。ここより先は互いの誇りを賭けた真剣勝負。マッタナシ、手加減無し、情け無用!今、四人のソウカイニンジャによるイクサの幕が切って落とされた!

ノーギャンブル・ノーライフ(その2)へ続く