見出し画像

忍殺TRPG小説風リプレイ【エヌ・デイ(その3)】

アイサツ

ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

なお本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。

こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。

ではやっていきたいと思います!

7ターン目前半

◆◆◆

7ターン目

…48階!展示室!

「アイエエエ…アイエエエ…」フロアの隅ではサラリマンが一人、ガタガタと身を震わせながら縮こまっていた。股間を見れば失禁しているのが分かる。だがそれも無理はない。目の前の光景を見てしまっては。

「イヤーッ!」「アバーッ!」マニ車メイスを持った男が正座している別のサラリマンを打擲!「グワーッ!グワーッ!」サラリマン悶絶!床を転げまわる!「痛いか?だが耐えるべし。その痛みは貴様の罪が浄化されておる証左故」ブッダの教えを説くように話すこの男の名前はエッジビショップ。ザイバツシャドーギルドのアデプト位階ニンジャである!

N3:エッジビショップ
◆エッジビショップ (種別:ニンジャ) 
体力          4     精神力          6    回避:6
カラテ		4	ニューロン    	6	
ワザマエ		5	脚力		5
ジツ		-	万札		5		
			
◇装備や特記事項
◆マニ車メイス:近接武器、ダメージ2
◆スキル:『突撃』
 一直線方向に脚力の2倍までの距離を移動できる。
 『突撃』の使用直後に近接攻撃を行う場合、そのダメージは+1となる。
 ただし、『突撃』を使用したキャラは次の出番まで一切の回避が行えない。
※エッジビショップは斜めにしか突撃しない。

「非ニンジャのクズで非キョートのゴミ!もはや生きている事すら度し難い罪深さであるが私は哀れな貴様を見捨てはせん。必ず救うてやろう。耐えるべし。イヤーッ!」「アバーッ!」「耐えるべし!イヤーッ!」「アバーッ!」エッジビショップがマニ車メイスでサラリマンを殴る度にマニ車メイスが回転し、聖典を唱えるのと同じだけの功徳が積まれていく。

「苦痛を感じれば感じるほど死後ニルヴァーナに行ける確率がアップするのだ!耐えるべし!イヤーッ!」「アバーッ!」ナ、ナムアミダブツ!何たる理不尽暴力的説法光景か!だがエッジビショップはこの行いこそが相手に救いをもたらすと妄信しているのだ!

「アババーッ!もうやめてください!もう十分に救われました!」サラリマンがマッタをかける。「フム?そうか。イヤーッ!」「アバーッ!」頭部粉砕!サラリマン死亡!「フゥー。また徳を積んでしまった。救うべき子羊でもない非ニンジャのクズに生きる価値無し。故に殺すが善行。そして死ねば皆ブッダ。善哉善哉」

「アイエエエ…アイエエエ…」フロアの隅にいたサラリマンが頭部を血塗れにした死体を見て再失禁した。「オホホ……非ニンジャのクズでも死に様だけはイトオカシ…」煌びやかな装飾を纏った女が上品な声で笑う。彼女はゴールデンクイーン。エッジビショップと共にこのフロアに待機しているザイバツニンジャである。

N4:ゴールデンクイーン
◆ゴールデンクイーン(種別:ニンジャ) 
体力          3    精神力           5    回避:6
カラテ		3	ニューロン    	5	
ワザマエ		6	脚力		3
ジツ		2	万札		5
◇装備や特記事項
カラテミサイル
ジツ。連射3。マルチターゲット。対象は自働命中。PCは回避可能

「しかしゴールデンクイーン=サン。アンバサダー=サンの退避が完了したという連絡がまだ来ておりませんな」「下賤なソウカイニンジャ共にハエめいてたかられておるのでしょう。イクサの気構えをしておくべきやも」「ヌウゥーッ!偉大なるロードに逆らう罰当たり共!一人残らず救済した後に叩き殺してくれる!」

「アイエエエ…もう逃がしてください…タスケテ…」恐るべきニンジャの会話を聞いたサラリマンが命乞いをする。ゴールデンクイーンは蹲るサラリマンの方を見た。まるで今初めて存在に気が付いたというような顔で。「はて、何を言うておるのやら。逃げたければ逃げればよかろう」「エッ?」サラリマンが顔を上げた。

「非ニンジャのクズがどうなろうと知ったことでなし。勝手に逃げるなり死ぬなり自由にすればよい」ゴールデンクイーンは手で払う動作をした。「ア、アイエエエ!」サラリマンは倒けつ転びつ逃げていく。「イヤーッ!」「アバーッ!」その背中にゴールデンクイーンの放ったカラテミサイルが直撃し、サラリマンの体が爆ぜた。

「ウム、やはり逃げる非ニンジャのクズを撃つのはイクサ前の良い肩慣らしになる……オホホホホ」ゴールデンクイーンは口元に手をやって嘲笑した。その時、エッジビショップのニンジャ聴覚が展示室の外から聞こえてくる戦闘音を捉えた。「来たようですぞ」マニ車メイスを構える。ゴールデンクイーンは後ろで待機だ。

KRAAASH!展示室のガラスが割れて人影が飛び出してきた!人影の正体は…アンバサダー!「アンバサダー=サン!?」「アナヤ!?」エッジビショップとゴールデンクイーンは狼狽した。彼らが見たアンバサダーの姿は実際満身創痍!まさかマスター位階の彼がここまで追い詰められていたとは!

A?連続側転:6d6>=4 = (2,1,2,2,3,6 :成功数:1) = 1
A→BLスリケン:6d6>=5 = (1,2,1,2,5,5 :成功数:2) = 2
BL回避:2d6>=4 = (3,4 :成功数:1) = 1

「う、後ろからすぐにソウカイニンジャが来る!援護を頼む!」「「ヨロコンデー!」」アンバサダーの様子がいつもと少し違うことにも気付かず二人のザイバツニンジャは戦闘態勢に入った!

SB連続側転:10d6>=4 = (2,5,6,4,3,3,5,6,4,1 :成功数:6) = 6
SB→N2ソニックカラテ収束:5d6>=5+6d6>=5 = (2,1,3,3,1 :成功数:0) + (5,5,2,2,6,4 :成功数:3) = 3
N2回避:5d6>=4 = (6,5,2,2,5 :成功数:3) = 3
BB連続側転:6d6>=5 = (6,6,3,4,1,3 :成功数:2) = 2
BB→A強攻撃:6d6>=5+7d6>=5 = (4,4,2,4,3,2 :成功数:0) + (5,1,1,5,3,5,4 :成功数:3) = 3
A回避:6d6>=4 = (4,5,5,3,3,1 :成功数:3) = 3

そしてその1秒後!「待ちやがれガキが!」ブレードブレイカーが展示室にエントリー!起き上がろうとしているアンバサダーに強烈な突きを繰り出す!「イ、イヤーッ!」ワームムーブメントで回避!

BL連続側転:5d6>=4 = (1,6,6,2,6 :成功数:3) = 3
BL→Aスリケン:5d6>=5 = (3,3,3,4,2 :成功数:0) = 0
N3→BLカラテ:4d6>=4 = (4,2,2,3 :成功数:1) = 1
BL回避:2d6>=4 = (1,2 :成功数:0) = 0
BL体力3

「ヨイショー!」続いてブラインドがスリケンを投げつける!「イヤーッ!」ガキン!だが弾かれてしまう!エッジビショップのインタラプトだ!「イヤーッ!」勢いそのままにマニ車メイスでブラインドを殴りつける!「ンアーッ!」突然の攻撃にブラインドは対処できない!脇腹を殴られる!

「ドーモ!救いがたきソウカイヤの皆さん!エッジビショップです!」「ザイバツシャドーギルド、アデプト位階、ゴールデンクイーンです」「チッ…新手かよ。ドーモ、ブレードブレイカーです」「ンアーッ!ブラインドです!痛い!」四人はアイサツした。

アイサツ終了コンマ5秒後、ゴールデンクイーンはエッジビショップの後方からセイケンヅキ・ムーブを行った。彼女の周囲に複数の光球が生まれ、ブレードブレイカーとブラインドに向けて高速飛翔!カラテミサイル!「下賤の身に触れるカラテなど持ち合わせなし!イヤーッ!」

「オイ!ブラインド=サン!まだくたばるんじゃねェぞ!」「ンンン…頑張ってみる!」二人は身構える!カラテミサイルが迫る!「イヤヤヤーッ!」ブレードブレイカーはカタナで迎撃!無傷!だがブラインドに向かった光球が多い!確実に一人仕留める算段か!「ヨイショー!」連続側転で避ける!だが!

「オホホ!無意味な抵抗を!」ナムアミダブツ!避けたはずのカラテミサイルがまるで磁石のS極とN極めいてブラインドへと引き寄せられている!「我がカラテミサイルは必中!そしてその数!到底ヤクザまがいのニンジャもどきに捌き切れるものでなし!」「ムムム!ヨイショー!」次々避けていくもブラインドはついに壁際に追いつめられる!危うし!

「ンヨイショー!」BOMBBOMBBOMB!「何ですって!」おお、ゴウランガ!ブラインドは壁に追いつめられたのではない!壁際ギリギリで回避することでカラテミサイルを壁面に接触させ、爆発させることで無限に続くかに思われた自動追尾カラテミサイルとの鬼ごっこを終わらせたのだ!フーリンカザン!

N4→BB、BLカラテミサイル1,3発ずつ:7d6>=4 = (4,3,2,3,4,4,4 :成功数:4) = 4
N4精神力4
BB回避:10d6>=4 = (1,1,5,4,2,3,1,2,2,4 :成功数:3) = 3
BL精神力使用回避
BL精神力5

「ンン、ゴホン。必中のカラテミサイルとやらがヤクザまがいのニンジャ擬きに破られた気分はどうだ、貴族気取りのアデプト風情が。いくらでも無駄玉を撃つがよい。オヌシの寿命が少しは伸びるかもしれんぞ」ブラインドの挑発!「き、きぃさまぁーーーっ!」ゴールデンクイーンが激昂する!「カハハハハッ!その通りだろうがバカが!ザマを見ろ!」ブレードブレイカーも便乗する!

「ヌウーッ!何たる罪深さかーッ!許したまえ!清めたまえーッ!」エッジビショップが頭上でマニ車メイスをブンブンと振り回す。今や二人のザイバツニンジャは完全にヘイキンテキを失った状態にあった。…そこに付け込む影一つ!「イヤーッ!」チキンハート!

CH連続側転:6d6>=3 = (6,2,2,5,2,6 :成功数:3) = 3
CH→A?トライアングルリープ:7d6>=4 = (1,5,3,1,1,2,6 :成功数:2) = 2
A回避:6d6>=4 = (3,2,3,2,3,2 :成功数:0) = 0
A?体力0
チキンハートが捕獲成功

「グ…グワーッ!」チキンハートの胴まわし回転蹴りがアンバサダーの横っ面に叩き込まれる!アンバサダーは壁に強かに打ち付けられた!そのままずるずるとずり落ち、動かなくなる。チキンハートは急いで近づき、アンバサダーが気絶していることを確認すると背に負った。

「シ…シマッタ!」「アンバサダー=サン!」エッジビショップとゴールデンクイーンは自分たちが取り返しのつかない失態を犯したことを思い知った!「カハ…カッハハハ!デカシタ!キンボシだぜチキンハート=サン!」「ドーモ、チキンハートです。ブレードブレイカー=サン、この後は?」チキンハートはアイサツを行い、指示を仰ぐ。

「フン、そうだな…撤退を選びたいところだがそこの女はカラテミサイル使いだ。背中を狙い撃ちされねェよう先に始末するぞ」「分かりました」「ヨッシャ!もうすぐ帰れるね!」三人はゴールデンクイーンに狙いを定める。「お、おのれ!田舎のヤクザ共めがよくも…!」…その時である!

「イヤーッ!」KRAAASH!再び展示室のガラスを破ってエントリーしてきたのは…ルークホイール!ソニックブームを振り切って来たというのか!「イヤーッ!」チキンハートに背負われたアンバサダーを見るや否や、チキンハート目掛けコンダラを振るう!「イヤーッ!」だがチキンハートは片足を上げて受け止めた!鶏の脚力だ!

「イィヤァーッ!」「グワーッ!?」そのままチキンハートはコンダラをルークホイールごと蹴り飛ばす!「ルークホイール=サン!?…スマヌ!みすみすアンバサダー=サンを敵の手に!」「ヌゥーッ…!状況は悪いか!」ザイバツニンジャたちは敗北の予感にカラテを縮こませた。

N2連続側転:3d6>=4 = (3,6,2 :成功数:1) = 1
N2→CHカラテ:5d6>=5 = (3,5,1,2,5 :成功数:2) = 2
CH回避:7d6>=4 = (3,6,4,4,5,2,3 :成功数:4) = 4 カウンター!
N2体力5

…その時である!


BOOOOM!KA-BOOOM!「アイエエエ!?」「何だ!?」「ヌオオーッ!?」フロア全体を襲う振動と爆発音!「ツェッペリンの砲撃か!?」「ブラインド=サン!インカムで連絡を取れ!」「アイサー!…あ、ダメだった。通信障害があって」「アア!?クソッ!状況はどうなってやがる!」だがその時、まるでタイミングを見計らったようにノイズを放つばかりであったインカムと連絡が通じた。

「ザリザリ…こちら…ザリザリ…ヘル…イト…応答…」「お!繋がったよ二人とも!モシモシ!ブラインドです!ドーゾ!」「こちらヘルカイト…貴様たち大使は…?」連絡をしてきたのはヘルカイトであった。ブレードブレイカーとチキンハートはやや戸惑った顔を見せるがブラインドは気にせずに話し続ける。

「目標は捕まえましたよー!もう帰ります!ドーゾ!」「…そうか…貴様らが…デカシタ…すぐに…逃げ…新手…スナイト…」ヘルカイトの声は聞き取りにくかった。通信状況が悪いためか?否、どうもそれだけではないようだ。「ンンー?大きな声でお願いします!ドーゾ!」「オイ…ちょっとよこせ…」ブレードブレイカーがインカムを取り上げる。

「ヘルカイト=サン!?こちらブレードブレイカー!もしかして負傷してんのかよ!?」「黙れイディオット…!この程度で…それより早く…奴が…グワーッ!」ブツン。ザリザリザリ……。「モシモシ!モシモシ!…クソッ!」再び通信障害が発生し、ヘルカイトの声が聞こえなくなった。

「ブレードブレイカー=サン。指示をお願いします…」「ブレードブレイカー君…どうしよう…」「……」ブレードブレイカーはニューロンを加速させる。目の前のザイバツニンジャ達も今の振動で浮足立っているがすぐに態勢を立て直すだろう。迷っている暇はない。「とにかく目の前の敵に集中しろ。コイツらを始末したら撤退だ」「「ヨロコンデー!」」

7ターン目後半

◆◆◆

…アベノスゴイハルカスビル屋上!


「グワーッ!おのれ…!」ソウカイシックスゲイツの一人、ヘルカイトはスリケンの刺さった肩を押さえながら目の前の敵と相対していた。彼は先程まで屋上でカイトを飛ばし、ザイバツニンジャ達相手に空中を自由に移動できるアドバンテージを生かしたイクサを行っていたが、今はビルの屋上にその二本の足で立っていた。

援護砲撃を行うソウカイヤの鬼瓦ツェッペリンの間をすり抜けて飛んできたVTOLを撃墜せんとタケヤリを向けたところまでは良かった。だが彼がタケヤリを投擲するよりもVTOLに乗っていたニンジャがスリケンボウガンでヘルカイトにアンブッシュを仕掛ける方が僅かに早かった。

そのままVTOLはビルに激突し、先ほどの衝撃を与えた。多くの市民が巻き添えを受けて死んだだろう。あるいはソウカイヤとザイバツのニンジャ達も。アンブッシュを受けたヘルカイトは体勢を立て直すために一度ビルの屋上に降り立ち、自分にアンブッシュを仕掛けたニンジャを待ち構えていたのだが…姿を現した敵にヘルカイトは驚愕した。「まさか貴様が…!マルノウチ抗争にも参加したザイバツマスター位階…!」

「マルノウチ抗争?」関節部に甲冑めいたプロテクターを持つ特殊なニンジャ装束に身を包んだニンジャは何かを思い出そうとするように目線を動かした。「確かにあの日、私はそこに居たが…君は誰だったか」奥歯を噛みしめながらヘルカイトはアイサツを繰り出す。

「ドーモ、ソウカイシックスゲイツ、ヘルカイトです」「シックスゲイツ…はて、記憶と違うが」「ガーゴイル……バンディット=サンは死んだ」「ほう…」甲冑ニンジャは僅かに興味深そうな反応を見せた。「羨ましいことだ。このジゴクのような世界から抜け出せたのなら」そして物憂げに呟いた後、アイサツを返す。


「ドーモ、デスナイトです」

D:デスナイト
◆デスナイト(種別:ニンジャ) 
体力           13    精神力           7    回避:13
カラテ		13	ニューロン    	7	
ワザマエ		10	脚力		7
ジツ		-	万札		10
			
◇装備や特記事項
◆カタナ
◆連続攻撃3
◆『タツジン(イアイドー)』: このスキルを持つキャラは、カタナを装備している間、近接攻撃のダメージが全て+1される。
◆ダブルポン・パンチ:踏込みながら行う強力な打撃技
 移動後使用不可。直線3マス移動後、近距離攻撃。ダメージ1d6。回避難度:Hard
◆スリケン・ボウガン
 連射3。ダメージ1。
◆バイオ・イーグル連携
 巨大なバイオ・イーグルが相手を切りつける。
 移動前に宣言することで、行動を消費せず、目視できる範囲にいるキャラに対して近接攻撃をする事が出来る。ダメージ1。連続攻撃不可。振れるダイスの個数が半分(端数切り下げ)になる。この攻撃でサツバツ!は発生しない。
 
◆死よりも深い絆
 デスナイトに遠隔武器が命中した場合、そのダメージはバイオ・イーグルが代わりに受け自動的に1軽減される。この方法で5以上のダメージを吸収した時点で、バイオ・イーグルは破壊され、二度と使えない。
 バイオ・イーグルが破壊された場合、デスナイトのカラテ+2(15)、回避ダイス-510)となる

「イヤーッ!」アイサツ終了と共にヘルカイトは連続バック転でデスナイトから距離を取る!屋上の端まで辿り着くと背中にカイトを展開!上昇気流を捉えて大空に飛び上がる!「空中は俺のテリトリーだ!」そのままバクチクを投下しようとする!

「キューン!」「ワッツ!?」その時一匹のバイオイーグルがどこからともなく飛来し、嘴に咥えたカタナでヘルカイトにアンブッシュを仕掛けた!「イ、イヤーッ!」カイトを急速転回させて回避!だが!「イヤーッ!」「グワーッ!?」地上のデスナイトからのスリケンボウガン連射を受ける!連携攻撃だ!

「キューン!」「グワーッ!」更に空中を旋回したバイオイーグルがカタナでカイト(大凧)を斬りつける!「グワーッ!」カイトの制御を失いヘルカイトは落下!屋上の縁を掴もうとするも捉え損ね……はるか先の地面に向けて落ちる!アブナイ!「ヌウーッ!」手を伸ばしてビルの壁面を掴む!辛うじて落下阻止!

「キューン」バイオイーグルが滑空し、デスナイトが掲げた右腕に留まる。「よくやってくれた、アヤミ=サン」「キューン」バイオイーグルは返事をするように鳴いた。「キューン」「いや…捨ておこう。アンバサダー=サンを援護せねば」「キューン」「ああ…ああ…そうだとも…」まるでバイオイーグルと会話をするように呟きながらデスナイトは虚ろな目で屋上階段を下りていった。

「おのれ…おのれーッ!」ビルの壁面にしがみ付きながらヘルカイトは屈辱の叫び声を上げた。「アイツら……もしも大使を取り返されたりしたらタダでは済まさんぞ…!」ヘルカイトは壁面を蹴り、再びカイトを展開してビルの周囲を飛び回る。ザイバツニンジャを一人でも多く倒すために。全てはラオモト=サンのために。

◆◆◆

エヌ・デイ(その4)へ続く