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忍殺TRPG小説風リプレイ【ホーリー・シット・ホーリー・ナイト】

アイサツ

ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

なお本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。

今回挑戦させていただいたのはラブサバイブさん作成のソロシナリオ【ニンジャと不思議な夜】です!詳細は下記の記事をご覧ください!

※なお、リプレイにあたりシナリオ描写や設定の一部を改変させていただいております。ご了承ください。

ということで今回挑戦するのはニューロンの成長の壁を破ったブラインド=サンです!

ニンジャ名:ブラインド
【性別】:女
【カラテ】:4        【体力】:4/4        
【ニューロン】:9      【精神力】:10/10
【ワザマエ】:5       【脚力】:3
【ジツ】:0         【万札】:23
【DKK】:2         【名声】:8

【アイテム】:ウイルス入りフロッピー:
       使用するとそのハッキングの難易度がー1される。使用後ダイスを1個振り、
       出目が3以下だった場合、このアイテムは失われる。
      :オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)
      :トロ粉末:【精神力】を2回復(使い捨て)
      :スゴイテック社製LAN直結攻撃用ケーブル:
       『特殊近接武器』、『ダメージ0』、『戦闘スタイル:直結攻撃』

【サイバネ】:▶▶生体LAN端子+【ニューロン】判定時にダイス+2個、ハッキング時にさらに+4個
       ▷無線LAN攻撃用ユニットLAN直結を行うことなく「生体LAN端子」持ちの敵に対し遠隔ハッキング攻撃を仕掛けられる。

【装備品】 :パーソナルメンポ:【精神力】+1
         :*キーボード・オブ・ザ・ゴールデン・エイジ*:ハンドヘルド型レリックキーボード。ハッキング絡みの判定時に、ダイスを全て振り直すことができる。
       1回の判定につき1回までしかこの振り直しは行えない。また、任意のダイスだけを振り直すこともできない。シナリオ中1回限りの使用。

【生い立ち】:『ピンハネ』

【スキル】:『時間差』『マルチターゲット』
      ◉『挑発』

【備考】:
ソウカイヤの末端女ニンジャ。怠惰で無計画。
アイマスクめいたメンポとジャージめいたニンジャ装束を纏う。

それではやって行きたいと思います!

本編前

ブンブンブーン。ブンブンブーン。ブンブンブンブブーン。街中に流れる電子ジングルベルの音楽はネオサイタマの普段の喧騒に慣れてしまった市民の耳にはことさら新鮮に聞こえるものだ。彼らの顔をよく見ればいつもはどこかに忘れてきた人生を楽しむ気力のようなものが垣間見える。

「ブンブンブーン!ブンブンブーン!ブンブンブンブブーン!」そういった気力を忘れることとは無縁そうな女が一人でジングルベルを口ずさみ、路地裏を踊りながら歩いていた。アイマスクめいたメンポにジャージめいたニンジャ装束。ソウカイニンジャ、ブラインドだ。

その時であった。ドスン!「アイエッ!?」ブラインドの目の前に何かが降ってきた。路地裏のポリバケツが引っ繰り返って中に入っていたバイオマグロの頭やハンマーで砕かれたHDDなどが地面にぶちまけられる。「グ、グワーッ……おのれ…」降ってきた何かはうめき声を出した。「何だ何だ?」ブラインドは警戒しつつも近づく。

「体が動かぬ……ここまでか…!」無念そうに呟くその何者かは赤と白の装束を着た老人であった。その顔は白い髭めいたメンポに覆われている……。すなわちニン「サンタ=サン!?どうしたんですか!」ブラインドが老人に駆け寄って上半身を抱き起した。「わ、儂はサンタ=サンではない……ドーモ、ニコラウスです」老人はアイサツした。

「ドーモ、サンタ=サン。私はブラインドです。酷い怪我…!一体誰がこんなことを!」名前間違い!大変シツレイである。だが老ニンジャにはそのことを咎める力も無いようだった。全身あちこちに何かで殴られたような打撲の跡が残されている。重傷だ。助からないだろう。「ど、どうかこれを…!儂の代わりに…!」

ニコラウスと名乗った老ニンジャは背負っていた大きな白い袋とノートを指差しながらブラインドに言った。「ま、まさか自分はもう死んでしまうから代わりにそこのノートに名前が載っている子供たちに白い袋に入っているプレゼントを配れっていうの!?無理だよ!」ブラインドは涙ながらに言った。

「頼む…どうか…どうか……サヨナラ!」だがニコラウスはブラインドの言葉に返事をすることも無く爆発四散した。「サンタ=サーーーン!ウワァァーーーーッ!」ニコラウスの爆発四散痕にブラインドは突っ伏して慟哭した。ブンブンブーン。ブンブンブーン……町に流れるジングルベルも今のブラインドの心には空虚に響くばかり。

「ウアア……ウアア……」どれだけそうしていたのだろう。やがてブラインドは泣くのを止め、すっくと立ちあがった。そして大きな袋を肩に担ぎ、ノートに付いていたゴミを手で払ってから懐に仕舞った。「やらなくちゃ…」その声は心を決めたセンシの声であった。「私は今日だけ、ブラインドじゃない。今の私は……サンタクロースだ!」

そしてブラインドは……否、サンタクロースは路地裏からビル壁や室外機を蹴ってネオサイタマの夜空に躍り出た!「イヤーッ!」プレゼントを待つ子供たちのために走れ!サンタクロース!走れ!「Wasshoi!」

◆◆◆

………所変わってブラインドの実家であるノモ家!「お母さん!お父さん!」窓から入ったサンタクロースは大声で両親を呼んだ。「あらお帰りチャリコ。フライドチキンとアンコケーキがあるわよ」出迎えたのはチャリコの母……ウイナであった。「ワーイ!食べる食べる!……じゃなくて!大変なんだよ!」

「どうしたどうした」騒ぎを聞きつけたチャリコの父、ホウジもクリスマスツリーの飾りを両手に持ったままやってきた。「聞いて!さっきそこでサンタ=サンに会って!サンタ=サンはニンジャで爆発四散して!私がその後を継いだんだよ!」両親は顔を見合わせて、深く溜息を吐いた。「何をバカなことを言っとるんだお前は」

「サンタ=サンは20世紀に絶滅したのよ。そう教わったでしょうに」「そうだぞ、暗黒メガコーポのサンタ狩り作戦でな。おばあさんから聞いただろう」両親はサンタクロースの言葉に取り合わなかった。「生き残りが居たんだよ!きっと地下でレジスタンス運動をしてるサンタ=サンが居て、でもさっき暗黒メガコーポに殺されちゃったんだ!」

サンタクロースの必死の言葉にも両親は半信半疑だった。「どうせオムラあたりが作ったサンタロボだろう。オムラはそういうとこがある」「ムムム!じゃあこれ!証拠!」サンタクロースは白い袋とノートを見せた!「それはサンタ=サンの!?」「そんな!本当だったのか!」動かぬ物的証拠を突き付けられた両親は娘の言葉を信じた!

「これで分かったでしょ!私はこれからこのプレゼントを配って回らないと!」サンタクロースが胸を張ってふんぞり返った。サンタクロースのバストは平坦だった。「ウーム、それで何故家に来たんだ?早く配り始めた方が良いんじゃないか?」父親が尋ねる。「決まってるでしょ!サンタ的な格好をしないと!」「なるほどな」納得!

「でもサンタの服なんて無いわよ」「そんな!」母の無慈悲な宣告にサンタクロースは打ちひしがれた。やはり自分には無理だったのか?「赤いハンテンならあるけど」「それだ!」装着!「後は赤い帽子!あれがあれば私はサンタだ!」

「サンタの被ってる帽子なんて無いぞ」「そんな!」父の無慈悲な宣告にサンタクロースは打ちひしがれた。やはり自分には無理だったのか?「赤いテヌギーをホッカムリすれば良いだろう」「それだ!」装着!

赤いハンテン!赤いホッカムリ!背中に背負った巨大な袋!サンタクロースは鏡で自分の姿を見た。「スゴイ!どう見てもサンタだ!」完璧である!今やサンタクロースはニコラウス以上のサンタ性を持った真のサンタであった!サンタより出でてサンタよりサンタだ!そうとしか言いようがない!

「ヨッシャ!行ってくる!」サンタクロースは決断的に窓から飛び出る!「イヤーッ!」ビルを、看板を蹴り渡りネオサイタマの夜空を駆けた!「遅くならないうちに帰ってくるのよー」背中越しに母、ウイナの声を聞きながら……!

◆◆◆

1軒目

「まずはここか…」サンタクロースは片手に持ったノートを確認しながら最初にプレゼントを渡す子供の家まで辿り着いていた。そこは中流階級向けの高層マンションであり、例え聖夜であろうともネオサイタマにおける最低限基準の防犯設備は稼働している。

…サンタクロースは無言でボサボサの髪から伸びたケーブルをマンションの扉の横に設置されていた制御用UNIXに直結した。

ハッキング:15d6>=4 = (3,4,2,1,3,5,4,4,1,6,6,1,6,3,6 :成功数:8) = 8

コンマ五秒後。パシン!「ヨッシャ」ハッキングの成功を知らせるファンファーレすら鳴らせる暇も無く制御用UNIXは沈黙し、扉の論理鍵が開いた。サンタクロースは生体LAN端子から伸ばしたケーブルで直結することにより高速論理タイプによるハッキングが可能なのだ。「オジャマシマス」扉を開き、慎重にエントリーする。

サンタクロースはノートを見ながら部屋を一つずつ確認し、やがてスヤスヤと眠る少女の元へ辿り着いた。この少女がプレゼントを渡す相手だろう。サンタクロースは袋からプレゼントを取り出す。その手に握られていたのは……

精神力:11d6>=4 = (2,6,1,3,4,6,2,2,4,3,3 :成功数:4) = 4
『SP』+2

可愛らしいシロクマのぬいぐるみであった。枕元にそっと置く。「メリークリスマス」少女を起こさない程度の小声でサンタクロースは呟いた。心なしか少女が笑顔になったような気がする。

……ところで読者の皆様は何故サンタクロースがシロクマのぬいぐるみを選んだのか不思議に思われたかもしれない。少女が欲しいものがこれだという保証などどこにもないのだ。ではサンタクロースは適当にプレゼントを選んだのか?答えは否である。彼女は確信をもってプレゼントを選び、そして実際その判断は正解であった。何故か?

それは彼女がサンタクロースだからである。シマウマが草を食べ、太陽の周りを地球が回り、ニンジャがモータルを虐げ、ニンジャスレイヤーがニンジャを殺す。それらが何もおかしくないとされているのと同じようにサンタクロースが正しいプレゼントを選ぶのは自然な事なのだ。おわかりいただけただろうか。

サンタクロースは入ってきた扉から外に出て、再びのハッキングで制御用UNIXを復活させた後にマンションの廊下から飛び降り、次の目的地へと向かった。「イヤーッ!」まだまだプレゼントを渡すべき子供は多い!彼女の戦いは始まったばかりだ!

◆◆◆

2軒目

サンタクロースはネオサイタマのカチグミ・ディストリクトに訪れていた。次の子供はどうやらカチグミ家庭の子供のようで邸宅は厳重な警備で守られている。サンタクロースは警備員たちに見つからないように赤と白の色付きの風めいて物陰をしめやかに進んでいく。

ハッキング:15d6>=4 = (4,4,2,5,5,5,2,1,5,1,5,2,2,4,2 :成功数:8) = 8
ワザマエ:5d6>=4 = (1,1,6,6,5 :成功数:3) = 3

パシン!カチャリ!「フーッ……」サンタクロースは額の汗をぬぐった。ハッキングで論理鍵を開錠しても扉が開かなかった時は焦ったが何とかピッキングで物理鍵を突破することが出来た。「オジャマシマス」大きな袋が扉に引っ掛からないようエントリーする。

ベッドで規則的な寝息を立てて眠っているのは真面目そうな少年だ。勉強机の上は教科書やノートがキッチリと並べられていて消しゴムのカス一つ無い。カチグミとしての教育を今から受けているということだろう。サンタクロースは適当な教科書を開いてぱらぱらとページをめくる。「なるほど」一人納得して教科書を逆向きに戻した。

精神力:11d6>=4 = (2,4,4,4,5,5,4,1,5,5,5 :成功数:9) = 9
『SP』+2

サンタクロースは少年の勉強机の上に科学の入門書と実験セットをそっと置いた。「メリークリスマス」ベッドで眠る少年へそっと語り掛けた。……部屋を出る前に先程自分で置いた科学の入門書を開いてぱらぱらとページをめくる。「なるほど」一人納得して逆向きに戻した。

◆◆◆

3軒目

続いてサンタクロースが向かったのは先程とは打って変わってネオサイタマでも治安が悪いことで知られる港湾地帯のバラック街だ。「こんなところにプレゼントを配る良い子がいるのかな?」サンタクロースは不審に思ったが確かにノートにはこの近辺の住所が記されている。……その時。

「おうおう!誰に断って俺たちの縄張りに入ってきてるんだ!?」「ヒキャクか?通行料として荷物全部置いていけや!」「ンン―?」暗がりから現れたのは粗悪なハンドガンをこれ見よがしに構えたヨタモノ連中だ。この聖なる夜にもこの手の人種がネオサイタマからいなくなることは無い。

「何だコイツ!ドロボウか?イカレた格好しやがって!」「姉ちゃんとりあえずその背中の袋の中身よこせや!そしたら「イヤーッ!」「グワーッ!?」サンタクロースは電撃的速度でスリケン投擲!ヨタモノが手に持っていたチャカガンを弾き飛ばす!

スリケン投擲:5d6>=4 = (6,2,5,6,2 :成功数:3) = 3

「ア、アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」「コワイ!」ヨタモノ二人は腰を抜かして失禁!ニンジャリアリティショックだ!「ドーモ、私はサンタクロースです」サンタクロースはアイサツした。ヨタモノの動きが止まる。「エ…」「サンタ……アイエエエエエエ!?」「サンタがニンジャ!?ニンジャナンデ!?ゴボボーッ!」

ナムサン。ヨタモノとはいえサンタの存在くらいは当然知っている。今、彼らはサンタがニンジャであったという歴史の闇の真実を知ってしまったことで己のパーソナリティが失われかねない程の重篤NRSを発症してしまったのだ。これも偏にサンタクロースの純サンタ性が高すぎたゆえの悲劇であろう。

「あなたたち……」「アイエエエ!ゴボボーッ!」「スミマセン!スミマセン!」ヨタモノの一人は白目を剥きながら嘔吐し、もう一人は狂ったようにドゲザしながら額を地面に打ち据え続けた。何たるマッポー的光景か。「聞きなさい」「「アッハイ」」サンタクロースの威厳ある声にヨタモノたちが騒ぐのをやめた。

「いいですか。サンタクロースは良い子にプレゼントをあげます」「「アッハイ」」「サンタクロースは悪い子にはプレゼントをあげません」「「アッハイ」」「プレゼントは欲しいよね?」「「……ハイ」」「だったら来年は貰えるように良い子になろうね!」「「……ハイ!」」ヨタモノたちの目に輝きが宿った。聖夜のちょっとした奇跡!

「アリガトゴザイマシタ!サンタ=サン!」「俺達マジでやり直しますんで!マジですんで!」ヨタモノたちが銃を捨てて手を振りながら去っていった。「オタッシャデー!」サンタクロースも手を振り返し、やがてヨタモノの姿が見えなくなるまでそうしていた。

「…ヨシ!急がないと!」サンタクロースは気を取り直して次の目的地の方向へと向き直る。思わぬ時間を取られてしまった。早く次の家に行かねば!「イヤーッ!」

◆◆◆

ニューロン:11d6>=3 = (4,3,3,6,3,6,6,6,3,6,4 :成功数:11) = 11

サンタクロースはマグライトを持って見回りをしていた女性をやり過ごし、鍵が既に機能していない窓をくぐって薄汚いバラックにエントリーした。そこでは指先が黒い金髪少年がベッドの上で寝息を立てている。「あんまり良い子っぽくないな」サンタクロースは独り言を零しながら袋からプレゼントを取り出す。

精神力:11d6>=4 = (1,2,1,3,5,4,2,6,3,2,6 :成功数:4) = 4
『SP』+2

サンタクロースは袋からニルヴァーナのアルバムと音楽プレイヤー、冷凍ピザ用トースター、エッチ・ピンナップ、ロブスターのプラモデルを取り出して金髪少年の眠るベッドの横に置いた。彼女はサンタクロースだ。プレゼントの選択に間違いなど無い。「メリークリスマス」サンタクロースはお決まりの言葉を呟いて窓から出ていった。

◆◆◆

4軒目~

その後もサンタクロースは次々とプレゼントを配って回っていった。これなら今夜中にプレゼントを配り終えるだろう。「袋がだいぶ軽くなったなー。後一人か二人かな?」サンタクロースが袋を担ぎなおした……その時!

回避:9d6>=4 = (6,5,6,3,2,1,6,2,1 :成功数:4) = 4

「イヤーッ!」「!イヤーッ!」サンタクロースは自分目掛けて飛来してきた物体をチョップで叩き落とした!飛来物の正体は鋼鉄製の十字型の刃物!スリケンである!すなわちニンジャのアンブッシュ!「イヤーッ!」サンタクロースはビル壁を蹴ってスリケンが飛んできた地点へ向かう!

サンタクロースがビルの屋上に降り立った時、目の前に一人のニンジャが立ち塞がった!相手のニンジャは両手を合わせてアイサツを行う!「あのジジイの後を継ぐ奴が現れるとはな。ドーモ、レッドノーズです」「あのジジイ?……まさか!」サンタクロースは何かに気付きながらもまずはアイサツを返す。「ドーモ、サンタクロースです」

◆レッドノーズ (種別:ニンジャ)	
カラテ   4  体力  4
ニューロン 2  精神力 2
ワザマエ  4  脚力  2
ジツ    2  万札  5
回避ダイス 4
装備:『生体LAN端子(電子戦の際の判定ダイスが合計5個として扱われる)』
ジツ:『???』

「サンタクロースだと!?貴様が!?」レッドノーズは憤慨した。「くだらんジョークも休み休み言え!お前如きが名乗って良い名前ではないぞ!」レッドノーズはサンタクロースを指差して非難する。だがサンタクロースはそのシツレイには反応せず、「サンタ=サンを……ニコラウス=サンを殺したのはお前か!」そう言って拳を握った。

「ああ!俺だ!俺が殺してやったんだ!だというのにこうも早く別のニンジャが現れるとはな!恨みは無いが…貴様にも死んでもらう!」レッドノーズは両手を高く掲げるような独特の構えを取った。一方、サンタクロースは両手を前に掲げるというこちらもやはり独特の構え。「いいだろう

その声にはレッドノーズの怒りよりもなお深く、なお暗い感情が込められていた。レッドノーズは思わず怯み、一瞬構えを解いてしまう。……サンタクロースはサンタクロースそのものの声で宣言した!「レッドノーズ=サン、殺すべし!プレゼントは無い!

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1ターン目

集中、事前ポートスキャン:15d6>=5 = (2,1,5,5,5,1,2,6,5,1,1,3,4,5,5 :成功数:7) = 7

「ぬ、抜かせ!イヤーッ!」レッドノーズは連続側転でサンタクロースへ接近!「ヌンヌンヌン……」サンタクロースは両手を前に掲げたまま動かない。「イヤーッ!」レッドノーズが握った拳を上から振り下ろす!

レッドノーズ連続側転:4d6>=4 = (5,6,2,4 :成功数:3) = 3
レッドノーズ近接攻撃:4d6>=5 = (1,3,4,6 :成功数:1) = 1
回避:9d6>=4 = (6,6,6,3,1,2,5,3,5 :成功数:5) = 5 カウンター!
レッドノーズ回避:4d6>=4 = (3,3,4,6 :成功数:2) = 2

「イヤーッ!」「ヌウーッ!?」サンタクロースはワン・インチ距離どころかゼロ距離までレッドノーズに接近し、相手の身体に纏わりつくような不可思議な動きで攻撃を回避!「イ、イヤーッ!」レッドノーズは思わず飛び離れる!……そしてこの瞬間、レッドノーズの敗北が決定した!「みっけ」サンタクロースが宣言した。それは事務的な死刑の宣告めいていた。

2ターン目

「イィヤァーーッ!」「グワーッ!?」サンタクロースはレッドノーズの首の後ろにある生体LAN端子に狙いを定め……自らの脳内にインプラントした無線LAN攻撃用ユニットによって遠隔ハッキング攻撃を仕掛けた!デッドリーな電子戦のスタートである!

無線LAN攻撃:15d6>=4 = (3,4,3,5,6,4,4,5,3,1,4,5,2,2,2 :成功数:8) = 8
ブラインド精神力9

レッドノーズ電子戦対抗:5d6>=4 = (4,5,2,1,2 :成功数:2) = 2
9-2=精神力7ダメージ

レッドノーズ精神力-5

「アババババーーーーッ!?」勝敗は電子的速度で決した!レッドノーズのニューロンは一瞬で焼き切れ、黒い煙がレッドノーズの顔中の穴という穴から噴き出てくる!

ニューロン焼き切り残虐ボーナス:2d6 = (1+5) = 6
【万札:6】GET
【万札:5】GET

戦闘終了

「ンン…アアーーーッ!」おお、だがこれは一体どういうことか!ニューロンを焼き切った側のサンタクロースも悲鳴を上げる!「ンアーッ!ンアーッ!」彼女の意識が011100飛び0111010散り0101010101頭上0101101010黄金10100110101010110


010101101010110101001010101101000


「あれ?何処ココ?」ブラインドが気が付くと彼女は南国のビーチに居た。照り付ける強い陽射しは冬のネオサイタマのものではありえない。…陽射し?いや、太陽かと思ったそれは黄金の……『おい!何をしに来た!?ガキめ!』後ろから何者かに声をかけられてブラインドは振り向いた。そこに居たのは……「あなたは!」



そこに居たのはピンク色の後光を背負い、頭の上に痛そうなアレを被った髪の長い男!ジーザ01(磁気嵐)!「スゴイ!本物!?サインください!」ブラインドは大興奮!『やかましいぞこのメスが!帰れ!』ジーザ01は怒鳴った。「そんなこと言わずに……アッ!そうだ!」ブラインドは何かを思いついた。

「お願いです!ジーザ01=サン!サンタ=サンを…ニコラウス=サンを生き返らせてください!」ブラインドはジーザ01の前に跪いて両手を合わせた。「なんかこう……奇跡的なパワーとかそういうアレで!オネガイシマス!」ブラインドは必死に懇願した。『何?あのジジイがくたばっただと?』

ジーザ01は呆気にとられたような顔になり、そして『そいつはファッキングッドニュースだ!あのジジイめ!今日という日に得意顔しやがって!』ジーザ01は哄笑した!『ザマミロだ!これからこの日には枕元に靴下でなくて穴の開いたゴムでも吊り下げとけ!』「バカハドッチダー!」『グワーッ!』ブラインドの左ストレート!右の頬をぶん殴った!

「バカハドッチダー!」『グワーッ!』流れるようにマウントポジションに移行!殴り続ける!「バカハドッチダー!」「グワーッ!このガキ!」「ンアーッ!」逆転!『イヤーッ!』「ンアーッ!」『イヤーッ!』「ンアーッ!」ジーザ01が強い!『イヤーッ!』「ンアーッ!」右の頬も左の頬も殴られる!インガオホー!

『イヤーッ!』「ンアーッ!」ブラインドはいつの間にか出現していたピンクのドアの中に蹴り飛ばされた!終わりの見えぬワームホール的空間を前後左右上下も分からず高速で吹き飛ばされる!「ンアアーッ!」やがて光景が0101011ネオサイタマ10100101クィジター10010ニコラウス010追跡され10101レッドノーズ01010


010110101011010110010100101101001


「ンアーッ!」サンタクロースの論理肉体はあるビルの屋上へと叩き落とされた。「アイタタタ……ここは?」尻を押さえて起き上がった彼女の前に二人の人影が現れる。サンタクロースは驚愕した。「サンタ=サン!?レッドノーズ=サン!?」確かに死んだ筈の二人だ!一体なぜ!?

「どういうことだニコラウス=サン!」レッドノーズがニコラウスに詰め寄った。「今言った通りだレッドノーズ=サン」ニコラウスはレッドノーズの怒りの声にも平静を崩さず言い返した。「ネオサイタマはネオンの光で夜も明るい。お前の鼻は必要ない」「何だと…!」何やら険悪なムード。

「俺の…俺の使命を否定するか!こともあろうに貴様がーッ!イヤーッ!」レッドノーズの拳がニコラウスを打ち据える!「グワーッ!?何を!?」「俺の使命を奪うというのなら貴様も道連れよォーッ!」「グワーッ!」おお…ナムアミダブツ!ナムアミダブツ!


「なんてこったい」サンタクロースは思わず目をそむけたくなるようなこの悲劇の結末を見届けた。二人のすれ違いが生んだものは二人ともに使命を果たせず、最後にはその命すらも失うという余りにも救いの無いものだった。「ナムアミダブツ」サンタクロースは両手を合わせて祈りを捧げる。頭上では黄金の立方体が……011010100101010


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気が付くとサンタクロースはレッドノーズの死体の前に立っていた。「ンアーッ…」頭がクラクラする。さっきのは何だったのだろうか。レッドノーズのニューロンを焼き切った際に彼のソーマト・リコールが逆流してきたとでもいうのか?ならばあのジーザ01は一体?サンタクロースは少し考えたが「…分からないや」何も分からないということが分かった。

そうと決まればサンタクロースはもう考えない。分からないことを考えても仕方がない。「イヤーッ!」サンタクロースは白い袋を持ってビルの屋上から飛び降り、最後のプレゼントを待つ子供たちの家に向かうのだった。…………空に浮かぶドクロめいた月だけがレッドノーズの死体を見下ろしていた。

◆◆◆

最後の家

最後の家は見張りもおらず、物理鍵も論理鍵も開ける必要は無かった。サンタクロースは静かに家の中にエントリーする。ある部屋の扉を開けると……少年と少女が並んで眠っているのが見えた。兄妹だろうか?

精神力:10d6>=4 = (5,6,1,1,5,6,1,6,1,4 :成功数:6) = 6
精神力:10d6>=4 = (5,6,2,4,1,6,1,6,5,3 :成功数:6) = 6
『SP』+4

「メリークリスマス」サンタクロースは少年の枕元に練習用オリガミ、少女の枕元にパルクール練習用シューズを置いた。2人は幸せそうに眠っている……。「ンン…?」何故かその時、サンタクロースは悪寒のようなものを覚えた。何の変哲も無い少年から何か不吉なアトモスフィアを感じ取ったのだ。

「カゼひいちゃったかな?」サンタクロースはそう自分を納得させて部屋を後にした。まるで得体の知れない恐ろしい何かから逃げるように。だが、外に出て空っぽになった袋の中身を見たサンタクロースは嬉しくなってジングルベルを歌いながら踊り、数時間後にはそのことをすっかり忘れてしまった。

◆◆◆

エンディング

翌日。ブラインドにしては珍しく昼前に目が覚めてフートンから這い出てきた。「フワー」大きな欠伸をしながら腕を伸ばす。あの後、一度実家に戻ったブラインドはフライドチキンとアンコケーキをたらふく食べ、シャンメリーを飲み、良い気分になって自分のアジトへと帰ってきたのだった。

「ンン―?」ブラインドが部屋の端を見ると何かがそこに置いてあった。確かそこには昨日帰って来た時に持っていたままだった白い袋を置いておいたような気がする。「……アアーー!」そこにあったものを見てブラインドは驚きの声を上げた!

SP:10
ブラックマーケットで購入できる【必要万札:20】までの好きなアイテムを1つ入手する。どれも不要な場合は代わりに【万札:10】を得る。

……なのですがちょっと改変させていただいて……




「GRUUU……」そこに居たのは立派なツノを持った四足獣!ブラインドの大声に反応して唸り声を上げながらその身をゆっくりともたげる!サイバーカリブーだ!そのツノは色とりどりのイルミネーションがクリスマスツリーめいた輝きを放っていた!「スゴーイ!カワイイ!」ブラインドはサイバーカリブーに抱き着いた!真っ赤に光るランプめいた鼻がキュート!

◆*サイバーカリブー* (種別:ビークル、バイク、大型1x2、乗員限界1人)
 カラテ   2    体力  3
 ニューロン 3    精神力 2
 ワザマエ  3    脚力  12/5/2
 ジツ    ー    万札  0

『サイバーカリブー』:
 サイバーカリブーは【精神力】を持つため、カナシバリ・ジツや精神攻撃の対象となりうる。
 サイバーカリブーは操縦者がいない状態でも自身の【ニューロン】値で手番行動ができるが、
 この間は【カラテ】1、【ワザマエ】1となり、【脚力】も5/2/1へと低下する。
 『轢殺攻撃』も不可能。
 サイバーカリブーも通常のビークルと同様に爆発する。
 
『ツノ攻撃』:
 操縦者とは別にサイバーカリブー自身のイニシアチブ値と【カラテ】値で
 『近接攻撃』を行える。ダメージは1。
 操縦者がいない場合は、『ツノ攻撃』を行えない。

きっとレッドノーズ=サンの魂が聖夜の奇跡めいたなんかで生まれ変わって良い子のブラインドの元へプレゼントとしてやって来たんだね!「カワイイ!カワイイ!」ブラインドはサイバーカリブーに頬ずりした。「GRUUUU」サイバーカリブーも鼻をブラインドに擦り付けてきたよ!かわいいね!

……こうしてブラインドの家に新しい家族が迎え入れられた。ブラインドは知り合いのニンジャにIRCで動物の世話の仕方を聞いたり動物OKのマンションに引っ越したりした。面倒くさがりな彼女がこんなに自主的に動くようになったのが本当の奇跡だったのかもしれないね!メリークリスマスネオサイタマ!アンドハッピーニューイヤー!


【余暇:2日】GET
※レッドノーズ=サンを倒したことにより【名声:2】が手に入るのですが、
 彼はサイバーカリブーに生まれ変わったのでナシです。


ホーリー・シット・ホーリー・ナイト 終


後書き

……ということで好き勝手させていただきました。せっかくビークルルールが出たのでビークルを出したくなりまして。今後使用するかわかりませんが。

ブラインド=サンは今までトイレ付カンオケオフィスに居たのですがサイバーカリブーのためにマンションに引っ越しました。マンションのデータは以下の黒鷺あぐもさんの記事を確認してください。その後残った余暇でニューロンを鍛えて以下の通りです。


ニンジャ名:ブラインド
【性別】:女
【カラテ】:4        【体力】:4/4        
【ニューロン】:10      【精神力】:11/11
【ワザマエ】:5       【脚力】:3
【ジツ】:0         【万札】:9
【DKK】:2         【名声】:8

【アイテム】:ウイルス入りフロッピー:
       使用するとそのハッキングの難易度がー1される。使用後ダイスを1個振り、
       出目が3以下だった場合、このアイテムは失われる。
      :オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)
      :トロ粉末:【精神力】を2回復(使い捨て)
      :スゴイテック社製LAN直結攻撃用ケーブル:
       『特殊近接武器』、『ダメージ0』、『戦闘スタイル:直結攻撃』

【サイバネ】:▶▶生体LAN端子+【ニューロン】判定時にダイス+2個、ハッキング時にさらに+4個
       ▷無線LAN攻撃用ユニットLAN直結を行うことなく「生体LAN端子」持ちの敵に対し遠隔ハッキング攻撃を仕掛けられる。

【装備品】 :パーソナルメンポ:【精神力】+1
         :*キーボード・オブ・ザ・ゴールデン・エイジ*:ハンドヘルド型レリックキーボード。ハッキング絡みの判定時に、ダイスを全て振り直すことができる。
       1回の判定につき1回までしかこの振り直しは行えない。また、任意のダイスだけを振り直すこともできない。シナリオ中1回限りの使用。

【生い立ち】:『ピンハネ』

【スキル】:『時間差』『マルチターゲット』
      ◉『挑発』

【備考】:アジトに『サイバーカリブー』

ソウカイヤの末端女ニンジャ。怠惰で無計画。
アイマスクめいたメンポとジャージめいたニンジャ装束を纏う。


それではここまで読んでくださってありがとうございました!