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忍殺TRPGソロシナリオ【ニンジャアニマル作戦】

アイサツ

ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事は私がニンジャスレイヤー本編を元に二次創作したニンジャスレイヤーTRPGの非公式シナリオとなります。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

なお本記事はニンジャスレイヤーの話を元に作成した二次創作物であり、ニンジャスレイヤー本編、実在の人物・団体とは関係ございません。至らぬ点が多々あると思いますがご容赦くださいませ。

シナリオ難易度

このシナリオは、作成直後のニンジャアニマルで挑戦することを想定しています。難易度及びシナリオの改変などは自由に行ってください。

また、PCの所属組織についてはソウカイヤを想定していますが、もちろん他の組織の所属ニンジャやフリーランスニンジャでの挑戦も問題ありません。

こちらの記事について(利用規約)

こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGで遊ぶ際に使用するシナリオであり、非公式の二次創作物となります。

仮にプレイした記事をネット上などで公開する際には非公式のものであるということを明らかにする目的も含めてこちらの記事へのリンクを添付する、引用元として明記するなどしてください。また、「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は法的に認められた例外を除いて原則不可とさせていただきます。

当記事の内容は予告なしに変更される場合があります。

また、当記事の内容に改変を加えたシナリオなどを作成することは自由に行ってください。ただし、その場合も非公式のデータであるということ、ニンジャスレイヤーTRPGの二次創作物であるということは明記をお願いします。

以上の利用規約を守っていただければ、この記事が公開されている限りはニンジャスレイヤーTRPGを遊ぶ時に当記事のシナリオをご自由に使用していただけます。

※ニンジャアニマル作成

ニンジャスレイヤーTRPGにおけるニンジャアニマルについては下記の『PCキャラ名句のオプション集』をご覧ください。ここでは「特殊な生い立ち」として『○ニンジャアニマル』というデータが紹介されています。


まずは普通にダイスを振ってニンジャを作成しましょう。試しにこちらで振って見ます。

カラテ、ニューロン、ワザマエ、ジツ:4d6 = (1+4+3+1) = 9

はい。あんまり強くないですね。ジツも無しになったので立派なサンシタです。取り合えず現状では以下の通りになります。

◆サンプルニンジャアニマル (種別:ニンジャ)
カラテ    1 体力   1
ニューロン  4 精神力  4
ワザマエ   3 脚力   2
ジツ     0 万札   0
   
攻撃/射撃/機先/電脳  1/3/4/4
							
◇装備や特記事項

人間のニンジャであればこれでサイバネやアイテム、生い立ちなどを決めていくところですが今回は先述した通り生い立ちを『○ニンジャアニマル』で固定します。

『○ニンジャアニマル』の効果は大体こんな感じです。(一部上記記事より抜粋)

◉本来の生物種を再現するため、この背景を持つニンジャは「△」のシンボルを持つバイオサイバネ器官のうち1個を最初から持ってスタートする(変更不可)。

◉このニンジャは、モータルに対する『交渉判定』の難易度が+2される(状況によってマスターは交渉不可の判断も行う)。

◉ニンジャアニマルの種別は「ニンジャ」である。能力や装備などの制限は特に存在しない。人間用に作られ使用困難と思われる武器/装備は、適宜描写を読み替えること(特に高位のニンジャソウルが憑依した場合は、その体が怪物のように変異してもおかしくはない)。

◉『●浮世離れ』を自動取得する。
(『●浮世離れ』:UNIXやIRCなどの最新テックを用いたあらゆる判定時に、ダイス個数が半分となる。)

◉以下の『知識系スキル』から初期スキルとして一つ選択して習得する。
(『◉知識:山岳エリア』『◉知識:危険生物』『◉知識:バイオ系メガコーポ』)

まず大きいのが「△」のシンボルを持つバイオサイバネ器官を最初に持てるということですね。これは「▲」を必要としない特殊なバイオサイバネとなります。

せっかくですので上の記事にあるバイオサイバネリストから「△」のものを抜き取ってダイスで決めてしまいましょう。皆さんは自分で決めてしまっても構いませんよ。全部で17個あるようなので17面ダイスを振って……

カスタム器官:1d17 = (10) = 10

出た目は10。上から順に数えて10番目として『△バイオテイル』に決定しました。尻尾のある動物ということになりますね。もちろん適宜読み替えても構わないでしょう。テナガザルの手とか象の鼻とか。

△バイオテイル
  ・【体力】+1、『攻撃ダイス+1』、『側転ダイス+1』

クローンヤクザの反撃で死ぬ耐久力が改善されました。有難い。


次に、『知識系スキル』を選びます。今回は提示されている3つからダイスで選んでみます。

『◉知識:山岳エリア』『◉知識:危険生物』『◉知識:バイオ系メガコーポ』:1d3 = (2) = 2

どうやら危険生物について詳しいようです。

最初から習得できる『知識系スキル』については相応しいスキルが別にあればそちらでも良いかもしれませんね。例えば海に住む鮫なら『◉知識:水路港湾エリア』となるでしょうし、カチグミの家から脱走した元ペットなら『◉知識:カチグミエリア』となるでしょう。


ここらあたりで先程のサンプルにデータを足していきましょう。

◆サンプルニンジャアニマル (種別:ニンジャ)
カラテ    1 体力   2
ニューロン  4 精神力  4
ワザマエ   3 脚力   2
ジツ     - 万札   0
   
攻撃/射撃/機先/電脳  2/3/4/2
回避/精密/側転/発動  4/3/4/-
							

◇装備や特記事項

種族の力:『△バイオテイル』

スキル :『○ニンジャアニマル』:モータルに対する『交渉判定』の難易度+2
     『●浮世離れ』:UNIXやIRCなどの最新テックを用いたあらゆる判定時に、ダイス個数が半分となる。
     『◉知識:危険生物』

上記の記事にある追加オプションには「△」の数を「△△△」に増やすものもありますが今回は一つでやってみましょう。データ作りに慣れている方は「△△△」と言わず「△△△△」までやってみても良いかもしれませんね。


さて、後は大事なこととして動物の種族を決めてやらねばなりません。このサンプルニンジャアニマル君は尻尾が自慢の危険生物らしいので「バイオカンガルー」としましょう。ニンジャネームはカンガルーの名前の由来に関する逸話から「アイドントノウ」です。いい感じにサンシタっぽい名前が浮かびました。

アニマルの性格や思考回路なんて分からない!という方も多いと思われますが、そのような時は上記の記事にある「組織での立ち位置や性格」を利用して大まかな方向性を掴むとしましょう。自分もやってみます。

組織内での立ち位置や性格(D6):1d6 = (4) = 4

背景タイプ4:全能感や野望
君は超人的な力を振るうことが楽しく、調子に乗っている。
ニンジャとなってから未だ明確な敗北や挫折を味わっておらず、
組織内で礼節を欠いた行動も見られるが、今はまだ大目に見られている。
君はさらなる力を求めており、いずれ自分は幹部の座につくものと考えている。

すがすがしいくらいにサンシタですね。ニンジャネームのアイドントノウは「俺は敗北や挫折なんて知らないぜ」っていうことなのかもしれません。もう人間じゃないのが惜しいくらい。


さて、ひとまずこれでニンジャアニマルの完成です。

◆アイドントノウ (種別:ニンジャ)
カラテ    1 体力   2
ニューロン  4 精神力  4
ワザマエ   3 脚力   2
ジツ     - 万札   0
   
攻撃/射撃/機先/電脳  2/3/4/2
回避/精密/側転/発動  4/3/4/-
							

◇装備や特記事項

種族の力:『△バイオテイル』

スキル:『○ニンジャアニマル』:モータルに対する『交渉判定』の難易度+2
    『●浮世離れ』:UNIXやIRCなどの最新テックを用いたあらゆる判定時に、ダイス個数が半分となる。
    『◉知識:危険生物』

立ち位置や性格:『全能感や野望』
◆忍◆
ニンジャ名鑑#---
【アイドントノウ】
見世物小屋から脱走したバイオカンガルーにニンジャアニマルのソウルが憑依。無差別暴力を行っていたところをソウカイヤによって捕獲され、そのままスカウトされた。強靭な尻尾で地面を叩いて飛び跳ね、パンチやキックで敵を殺す。
◆殺◆

大体こんな感じでしょうか。

さて、貴方だけのニンジャアニマルが出来ましたか?それではシナリオ本編へ向かいましょう。


◆ダンゴウ

 ネオサイタマ全域を横断するタマ・リバーの水は今日も墨のように黒く濁っている。ヨロシサン系列の製薬工場が不法に流している化学薬品や川縁に並ぶ廃棄物によって、この川は常にマッポー級の重汚染に晒されているのだ。
 今、この穢れた川の水面を静かに観察するニンジャが一体。そう、君のことだ。ネオサイタマを裏から支配するソウカイ・シンジケートに所属するニンジャである君は、ソウカイヤ首領ラオモトの命令によりこのタマ・リバーにやってきた。君の目的はこの川の何処かに現れるというラッコを捕獲することである。
 重汚染されたタマ・リバーで発見される実際カワイイなラッコはネオサイタマ市民の荒廃した心に癒しを与えてくれる希望の象徴であり、ひとたび目撃情報が入ればテレビで特番が組まれ、見物客が大勢押し寄せる。それほどの人気パワーを持つマスコットを野放しにしておくメリットがあるだろうか? 少なくとも、ラオモトはそうは思わなかったようだ。
 しかし、ラッコを手中に収めるためにはいくつかクリアしなければならない問題がある。一つ目はタマ・リバーの重汚染。ラッコを捕まえようとこの川に身を投げれば例えスモトリであろうと5分としないうちにアノヨ行きだろう。
 二つ目の問題は万が一目撃された場合のリスクだ。かつて、希少な動物を保護するという名目でラッコを捕獲しようとしたあるメガコーポは市民たちの強烈なバッシングを受け株価が急下落。役員が全員セプクする事態となり、そのまま倒産した。その同じ轍を踏むわけにはいかぬ。
 そしてラオモトの優れた頭脳はこの二つの問題を一度に解決する妙案を導き出した。すなわち、ニンジャの動物……ニンジャアニマルにこの任務を行わせようというのだ。ニンジャであればタマ・リバーの汚染にも耐えられるし、ラッコを捕まえようとしているところが見られてもそれは自然社会の営みの一環として処理できる。これぞアブハチトラズだ。
 そしてこの任務を受けたニンジャアニマルこそ……他でもない君のことだ。君はなんとしてもラッコを探し出し、ラオモトの元へ持ち帰らなければならない。早速調査を開始しよう。

◆本編開始

まずはラッコの目撃情報を探さなければなりません。

下記の選択肢から選んでください。

選択肢1:【ワザマエ】で判定(目標出目4以上)

選択肢2:【ニューロン】で判定(目標出目5以上)

人間でなくて動物なので【ニューロン】での判定がちょっと難しくなっています。また、【カラテ】でモータルを脅してインタビューすることは出来ません。

※なお、【ニューロン】での判定はハッキングに読み替えてもいいですが、その場合は『●浮世離れ』の効果で判定ダイスが半減することに注意してください。

どちらか1つ選んで判定に成功すればOKです。もし失敗した場合はもう一つの選択肢で判定を行ってください。

 君は自慢の嗅覚、聴覚、視力、動物的直観を駆使し、ラッコが最後に見られた地点を割り出した。さっそくその場所へ向かおう。

どちらも失敗したらエンディングです。こういうこともありますよ。

 君は探索を続けている内に、ソウカイヤなぞの命令に従っていることが馬鹿馬鹿しくなった。君は任務のことも上司のことも全て忘れ、思うがままに生きることにした。今日から君は自由だ。

あなたのニンジャの所属を『ソウカイヤ』から『フリーランス』に変更してシナリオ終了となります。お疲れ様でした。

成功した方は先へと進んでください。


 君はタマ・リバー沿いに上流から下流へと進み、ラッコが発見されたらしいポイントへ辿り着いた。川幅は数Kmにも達し、川の流れも大分ハヤイ。少し離れた場所には凶悪犯罪者を集めた監獄島、スガモ・プリズンの威容が確認できる。さて、ラッコはいるだろうか?
 その時である!「アバーーーッ!」君のニンジャアニマル動体視力は奇声を上げながら路地から川に向かって突撃する男の姿を捉えた。その両手と両足は魚のヒレめいたサイバネに置換されている。マグロワナビーだ! タマ・リバーからオールド東京湾へ泳いでいく気だ! 
 更に、ああ!なんたる不運!マグロワナビーの向かう先、水面に浮かぶ木の葉のように儚げに揺れるその姿!間違いない!ターゲットのラッコだ!しかしこのままではマグロワナビーに激突され、最悪死んでしまうかもしれない!あの男を止めなくては!

下記の選択肢から選んでください。

選択肢1:【カラテ】で近接攻撃を仕掛ける。(目標出目4以上)

選択肢2:【ワザマエ】で射撃する。(目標出目4以上)

【ワザマエ】での射撃については普通にスリケンを投げているのかもしれませんし、その辺りに落ちていた石礫を投げているのかもしれません。あるいは体液を飛ばしたり鱗を飛ばしたりしているかもしれません。描写は自由に行ってください。

どちらか一方を選び、成功しても失敗しても次の選択肢に向かってください。

 「アバーーッ!?」マグロワナビーは弱肉強食の掟に従い、タマ・リバーの激流の中にその命を散らした。彼は望み通りオールド東京湾に到着することだろう。ただし、死体でだが。さて、後はラッコを捕まえるだけだ。

成功した場合はマグロワナビーが落とした『オーガニック・スシ』をゲットできます。次の判定に進んでください。

【万札:3】:オーガニック・スシ:【体力】3回復、使い切り、スシ

失敗した場合はニンジャの攻撃に驚いて急性NRSを発症したマグロワナビーは足を滑らせ頭を打って川に落ちて死にます。次の判定に進んでください。


 君はソウカイヤから支給された捕獲用の網を取り出し、ラッコに近付いていく。ラッコは観念したのか逃げるそぶりを見せない。いよいよ網を投げようとした……次の瞬間!
 「シャーッ!」黒い飛沫を上げながら水面から飛び出す巨大な影!開いた口には鋭利に尖った三重の歯列!バイオシャークだ!その牙には先程のマグロワナビーの肉片がこびり付く!「シャーッ!」ナムサン!網を喰い破られてしまった!
 「シャーッ!」血に酔ったバイオシャークは君とラッコに向けて猛然と突撃してくる!食うか食われるか、命懸けのイクサの始まりだ!

バイオシャークとの戦闘です。下記の選択肢から攻撃方法を一つ選んでください。難易度は全て【NORMAL】(出目4以上)です。なお、流れる川の上での戦闘ですが廃棄物などが足場になっているため移動制限などはありません。

選択肢1:【カラテ】で近接攻撃を仕掛ける。

選択肢2:【ワザマエ】でスリケンや投擲物を投げる。

選択肢3:【ジツ】を行使する。(【精神力】を1消費してから【ニューロン】値+【ジツ】値で発動判定)

【カラテ】で攻撃を行った際に出目で6が2つ以上出た時には『サツバツ!』としてバイオシャークに2点のダメージが入ります。

また、【ジツ】判定に成功した場合は【ジツ】の種類に関わらずバイオシャークに2点のダメージが入ります。(簡易ルールのため)


累計で5ダメージ与えることに成功するとあなたのニンジャはバイオシャークをネギトロに出来ます。

あなたのニンジャの攻撃でバイオシャークが倒せなかったときはサメの牙による反撃を回避する必要があります。回避難易度は【NORMAL】(出目4以上)で、ダメージは1です。もしもバイオシャークより先にあなたのニンジャの【体力】が0以下になればあなたのニンジャは爆発四散してゲームオーバー、キャラロストとなります。

見事勝利を収めたらエンディングへ向かってください。


◆エンディング

 「アバーッ!」君のカラテはバイオシャークをネギトロに変えた。餓えたバイオシャークとてニンジャの力の前には川魚同然。ネオサイタマの弱肉強食ヒエラルキーの頂点に君臨するのはヤクザでも鮫でもない。ニンジャなのだ。
 しかし今のイクサのせいでラッコには逃げられてしまったようだ。更に、ふと下流に目を向ければスガモ・プリズンから出てきたと思しきボートに乗る職員の姿。騒ぎを聞きつけたか、あるいは脱獄でも起きたか。いずれにせよこれ以上の捜索は不可能だ。君はデッカーたちに見つかる前にその場を離れ、トコロザワ・ピラーへと戻った。

◆◆◆

 「オウ、戻ったか。ラッコは捕まえられなかったようだな。エエッ?」ピラーへ戻った君を出迎えたのはソウカイ・シックスゲイツの一人、ソニックブームだ。その言葉に任務を失敗した部下に対する非難のニュアンスは含まれていない。
 「本来ならケジメの一本もしてもらうところだが……実はテメエが遊んだ鮫はたびたび陸地に飛び上がって近隣住民を食い荒らしてやがったようでな。護送中の囚人も食われたとかでスガモ・プリズンの連中も頭を抱えてたらしい。そいつを始末したってんでウチの名が上がった。運が良かったな。エエッ?」君はあの時職員たちが近付いてきた意味を知った。あれは鮫の調査を行っていたのだろう。
 「ほらよ、報酬だ」ソニックブームの差し出した【万札:5】を受け取り、一言礼を言ってから君はその場を後にした。
◆◆◆
 君はタマ・リバーの辺で一人考える。あのラッコはまた市民の前に姿を見せるだろうか。あるいは人知れず狂人や鮫の餌食となる運命だろうか。そして、自分は? ただの人間ではなく、ただの動物でもなく、ただのニンジャでもない、ニンジャアニマルである自分はどうなるのだろう。穢れた水面は何も映さない。タマ・リバーの水は今日も、明日も、きっとこれからもずっと、墨のように黒く濁っている。


後書き

以上でシナリオは終了となります。お疲れ様でした。

『○ニンジャアニマル』はなかなか面白いニンジャが作れそうだと思って今回のシナリオを作成してみました。本編では犬、猿、イルカなどが出ましたがこれから数が増えるのでしょうか。興味深いところですね。

それではここまで読んで下さってありがとうございました!