忍殺TRPG小説風リプレイ【モンスター・ライク・モンスター・ザン・モンスター(その5)】
アイサツ
ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。
なお本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。
こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。
ではやっていきたいと思います!
本編
バタム!イグゾーション、アンバサダー、クラミドサウルスがリムジンへと乗り込むとドアが閉まり、そのまま緩やかに道路を走る車の流れに入っていった。後に残されたのはブレードブレイカー達3人、そして「アアーーッ!アアアーーッ!」……全身にバリキの活力を漲らせるレッドゴリラ!明らかに正気を失い、暴走している!
「ク、クソが!とんでもねェ置き土産残して罪罰罪罰罪罰……まだ立ち上がりやがるだと!?どうなってやがる!」「ヤバイよヤバイよ!どうしようブレードブレイカー君!」「やるしかねェだろうが!ここはソウカイヤのテリトリーなんだよ!」然り!この暴走状態にあるレッドゴリラを放置すれば周囲に甚大な被害を齎し、ソウカイヤにとっても無視できぬ損失を生むであろう!
そうなれば原因を目の前にしていながら何の対応もしなかったブレードブレイカー達がケジメを迫られるのは必至!それが嫌ならばここでレッドゴリラを抑え込まねばならぬ!「キアイ入れろ!どう見たってこの状態が長続きしねェだろ!コイツがくたばるまで粘れ!」「アイエエエ!」「GGHH…!」
アトモスフィアハードモード突入!
エクストラ1ターン目
「ウウウアアーーッ!」CLASH!CLASH!CLAAASH!レッドゴリラが闇雲に拳を振り回して暴れ回る!一切のワザマエを感じさせぬ稚拙な動きではあるがレッドゴリラ本人の筋肉が生み出す暴力が却って迷いの無い単純な破壊を生みだしており危険!「ウウオーーッ!」「ンアバーッ!」ブラインドに丸太めいた腕のチョップが掠る!
「スゴイイタイよー!」完全に直撃したわけでは無いにも関わらず、まるで転がる大岩の下敷きになったかのような甚大なダメージ!「イヤーッ!」ブレードブレイカーがレッドゴリラの膝と肩を蹴って飛び上がる!「イヤーッ!」脳天に唐竹割り!「アバーッ!」ハンマーで殴られたような衝撃!レッドゴリラの頭骨が砕ける!
「アババアアアーッ!」だがしかしレッドゴリラ健在!「効いてねェだと!?クソが!筋肉までバカになってやがる!」「ウオオアアーッ!」空中で身動きのとれぬブレードブレイカーへ殴りかかる!「GGGHHH!」「グワーッ!」チキンハートがインタラプト!「GGGGHH!」「ウオオーッ!」2体の怪物がぶつかり合う!
「GGGGHH!」チキンハートは体全体を使って蛇の尾をメイスめいてぶつけにいく!「ウオオーッ!」レッドゴリラはその尾を掴み、針めいた鱗で手が傷つくことも厭わずチキンハートの体ごとハンマー投げめいて振り回す!「GGGGHH!」竜の翼を激しくばたつかせて抵抗!更に鶏の脚で蹴る!「ウオオーッ!」レッドゴリラは反撃の拳!拳!拳!
「GGGGHH!」「ウオオーッ!」「GGGGHH!」「ウオオーッ!」「GGGGHH!」「ウオオーッ!」「GGGGHH!」「ウオオーッ!」「GGGGHH!」「ウオオーッ!」「GGGGHH!」「ウオオーッ!」「GGGGHH!」「ウオオーッ!」「GGGGHH!」「ウオオーッ!」
なんたる古事記に記された神話の如き壮絶極まるイクサ光景か!この現場に居合わせたモータルはそれだけで失禁し、発狂し、精神的セプクを選ぶであろう!だが、おおナムアミダブツ!恐るべきはレッドゴリラのニンジャ耐久力か!「GGHHウウ……!」チキンハートのヘンゲが解け始めた!
ブラインド集中カラテ→レッドゴリラ:10d6>=4
= (5,4,3,5,5,4,1,6,5,6 :成功数:8) = 8 サツバツ!
レッドゴリラはサツバツ!を無効化!ダメージ0!
ブレードブレイカーは防御的イアイドー使用
チキンハートカラテ→レッドゴリラ:6d6>=4+7d6>=4
= (2,3,6,2,3,3 :成功数:1) + (4,2,2,2,4,6,3 :成功数:3) = 4
レッドゴリラは回避せず
レッドゴリラ体力-2
レッドゴリラ、連続攻撃4でターゲットは
1ブレードブレイカー2ブラインド3チキンハート:4d3 = (1+2+3+2) = 8
レッドゴリラカラテ:6d6>=4+6d6>=4+6d6>=4+6d6>=4
= (5,1,5,2,1,5 :成功数:3) + (4,2,5,6,2,4 :成功数:4) +
(6,6,3,2,6,4 :成功数:4) + (2,3,3,1,5,4 :成功数:2) = 13 3発目ヒサツ!
ブレードブレイカー回避:12d6>=4
= (5,5,4,6,3,5,3,6,6,3,5,6 :成功数:9) = 9 カウンター!
レッドゴリラ体力-3
ブラインド回避:5d6>=5+5d6>=5
= (3,6,5,4,4 :成功数:2) + (3,4,1,2,3 :成功数:0) = 2
ブラインド体力5
チキンハートヒサツ回避難易度UH2:10d6=6 = (2,4,6,1,3,1,6,2,2,6 :成功数:3) = 3
クローンヤクザ射撃→レッドゴリラ:
3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4+3d6>=4
= (5,2,5 :成功数:2) + (2,1,4 :成功数:1)
+ (5,1,6 :成功数:2) + (6,6,4 :成功数:3)
+ (1,1,2 :成功数:0) + (4,3,2 :成功数:1) + (6,5,3 :成功数:2) = 11
レッドゴリラは回避せず!ダメージ無効化!
エクストラ2ターン目
「ウウオオーッ!」「GHH……アバーッ!」レッドゴリラが人型に戻ったチキンハートを両手で掴んだ!そのまま力を籠め、握り潰さんとする!「ヤバイ!チキンハート君が死んじゃうよー!」「畜生が!何とかしやがれ!」ブラインドとブレードブレイカーが必死に攻撃を加えるがレッドゴリラはまるで止まる気配が無い!
「ウウオ……アバーーッ!」だがその時、レッドゴリラが苦痛の叫び声を上げる!全身が激しく負傷しているにも関わらず無茶なカラテを振るった反動ゆえか?ニューロンが焼き切れかけているようだ!「!今だ―ッ!ヤクザ共!一斉射撃重点!」ブレードブレイカーが命令を下す!
「「「ザッケンナコラー!」」」BLATATATA!「アバババーッ!」凄まじい量の弾丸がレッドゴリラの頭部に吸い込まれ、蜂の巣めいた有様に!チキンハートの拘束が僅かに緩む!そして!ついに!「アバッ!アババッ!シ、シテンノヨ!トモヨ!サキニイクゾーッ!」レッドゴリラはチキンハートを放し、轟音と共に地面に倒れた!
「チキンハート君!しっかりして!」ブラインドが地面に倒れそうになったチキンハートをキャッチし、抱え起こす。「ア、アバッ……なんとか生きてます……」「マジで!フー、ヨカッタ!」「グワーッ!?」安堵に気が緩み、チキンハートが腕から滑り落ちて地面に叩きつけられた。「ア、ゴメン」「い……いえ」
「それよりも、レッドゴリラ=サンは……?」チキンハートは仰向けの姿勢のまま首だけを動かしてレッドゴリラの方を見る。ブレードブレイカーがレッドゴリラの側に片膝をつき、確認を行う。「……死んでやがるぜ。間違いなくなァ」ブレードブレイカーは立ち上がり、「イヤーッ!」レッドゴリラの頭をカタナでスイカめいて叩き割った。カイシャクである。
「アー……疲れた」ブラインドがその場に座り込んだ。ブレードブレイカーもそれを咎めはしない。全員が満身創痍。1人も死なずに済んだことが奇跡的ですらあった。ザイバツ・グランドマスターの突然の襲来という罪罰罪罰罪罰……追手として差し向けられたシテンノを討ち取った。妙にしつこかったが既にトドメも刺した。言うこと無しだ。
「連絡は俺がしといてやる。治療を済ませたらラオモト=サンに報告だ。いいな?」「ワカッタ―……」「ワカリマシタ……」IRCで任務達成の通達を行いながら、ブレードブレイカーは力無い返事をしてきた2人に文句の一つも言おうとしたが、自分自身も限界に近かったため何も言わずにIRCの操作を続けた。
ブレードブレイカーは防御的構えを選択
チキンハートはヘンゲ解除
レッドゴリラ、バリキ・ジツにより【ニューロン】-2
レッドゴリラ、連続攻撃4でターゲットは
1ブレードブレイカー2ブラインド3チキンハート:4d3 = (3+3+3+2) = 11
レッドゴリラカラテ:6d6>=4+6d6>=4+6d6>=4+6d6>=4
= (4,6,4,2,2,5 :成功数:4) + (4,3,2,3,1,6 :成功数:2)
+ (6,5,5,2,6,6 :成功数:5) + (5,4,1,4,3,2 :成功数:3) = 14 3発目ヒサツ!
ブラインド回避:10d6>=5 = (5,3,6,6,6,2,2,5,4,5 :成功数:6) = 6
チキンハートは3発目のヒサツを全力回避!
チキンハート回避難易度UH2:10d6=6 = (1,5,2,3,6,5,4,5,1,6 :成功数:2) = 2
チキンハート体力1
ゴウランガ!おおゴウランガ!
レッドゴリラは【ニューロン】【精神力】がもうマイナス出来ず
ニューロンが焼き切れ死亡! ナムアミダブツ!
戦闘終了
アロンダイトの【万札:5】GET
◆◆◆
ネオサイタマのネオンの光を浴びながら高速道路を進むリムジンの周囲には護衛として4台のリムジンが並走している。各リムジンの中には武装したクローンヤクザの他にニンジャも数名ずつ含まれており、例えシックスゲイツ級の手練れであっても中央のリムジンに危害を加えることは叶わぬだろう。
もっとも、中央のリムジンに乗るニンジャに護衛が必要かと言われると甚だ疑問ではあるが。空調の効いた車内で窓の外の風景を眺めるのはソウカイヤとの交渉を終え、キョートへの帰路に着くイグゾーションだ。このままネオナリタ空港に向かい、自家用ジェットでガイオンへと戻る。明日の朝にはキョート城でロードに報告が出来るだろう。
車内にはクローンヤクザの他にアンバサダー、クラミドサウルスが同乗しているがここに来るまで彼らの間に会話らしい会話は無い。「師父」凍り付いた空気を溶かしたのはアンバサダーの放った一言であった。「この度は自分の未熟がために、ギルドが多大な損害を被ることになりました」
イグゾーションは何も答えず、視線だけで先を促した。横で聞いているクラミドサウルスは胃が締め付けられる思いで無言を貫く。「多くの同胞が死に、ギルドはネオサイタマでの基盤を失い、師父の顔にも泥を塗ってしまいました。私は」「アンバサダー=サン」
名前を呼ばれ、アンバサダーはメンポの下で口を噤んだ。「君の考えていることはよく分かっている。だがそれは必要無い」「は……」アンバサダーは師の言葉の意味を咀嚼し、飲み込もうとした。だがグランドマスターの真意を理解することなど出来よう筈も無い。彼は表面上の言葉に素直に反応することを選んだ。
「必要無い、とは如何なる意味で御座いましょう」「ディプロマット=サンは君の事を大層心配していてね」兄の名前を出され、アンバサダーの心臓が鼓動を速めた。彼が先ほど言おうとしたことは、自分が責任をとってセプクを行うので、兄に対して処罰を与えないで欲しいという嘆願であったからだ。
アベノスゴイハルカスビルでのイクサで気絶したアンバサダーはキョートに居る双子の兄……ディプロマットとのテレパスで一度意識を取り戻し、されど力及ばず再び気絶した。この行為により処罰の対象が自分だけではなく兄にも及ぶことをアンバサダーは危惧したのだ。そんな思いを知ってか知らずか、イグゾーションが言葉を続ける。
「君達を育てたのは他でもないこの私だ。君が野蛮なソウカイヤの手に落ち、受けたであろう責め苦……そしてディプロマット=サンが抱いた心痛……どちらも想像に難くない。私自身、この身が張り裂ける思いだったよ。そして慈悲深きロードはそんな私の思いを汲んでくださったのだ」「ロードが……」
「ロードは私にネオサイタマに向かい、君を救うよう命じられた。故にアンバサダー=サン。君が気に病むことは無い」「は……」そう言って微笑むイグゾーションの顔を直視することにアンバサダーは大変な精神力を要した。イグゾーションの言葉は哀れなアロンダイトへかけられたそれとまったく同じだったからだ。
……だが、続くイグゾーションの言葉にアンバサダーはとうとう心の防波堤を崩してしまうことになった。「キョートに戻ったらまずは兄に無事な姿を見せてあげると良いだろう。しばらく2人で静養するといい」「……は?」今、師父は何と言ったのか?静養?キョートで?……兄に会えると?
アンバサダーはてっきりこのままキョートのザイバツ本拠地に連れていかれ、兄の顔をただひと目見ることも叶わず処刑されるものとばかり考えていた。何が起きている?いったい自分が捕らえられている間にキョートで何があった?「状況は大きく動いている。ギルドにとって好ましい方向へ」イグゾーションは演説を行う王のように言った。
「ネオサイタマなどという田舎の利権などくれてやろう。我らの志はより高みにある。格差社会の実現。ニンジャ千年王国の到来が刻一刻と近づいている。その時こそ地上に蔓延る穢れたストラクチャをすべて洗い流し、漂白された歴史の上でロード・オブ・ザイバツが支配される黄金の時代が幕を開ける。これは約束された未来だ」
………イグゾーションは懐にある六文銭アミュレットを通じてネオサイタマに満ちるエテルの奔流を感じ取る。確かにこのアミュレットはニンジャの行使するジツに力を与えることが証明できた。今はグランドマスターのみが所持を許されているが、いずれは下位の構成員たちにも正式に配られることになるだろう。
イグゾーションは再び窓の外に目を向ける。乱立するビル群。煩雑なネオンの光。汚染された空を我が物顔で泳ぐマグロツェッペリン。耳障りな喧噪。それら全てが混然となり、後方へと高速で流れていく。極彩色に染められた都市の中で、ドクロめいた満月だけがキョートと何も変わらない。リムジンは邪悪な陰謀を乗せてハイウェイを走り続ける………
その日、ネオサイタマからほとんどのザイバツニンジャが姿を消したことをソウカイ・シックスゲイツの一人であるダイダロスが電子ネットワーク上で確認した。
◆◆◆
リザルト
トコロザワピラー天守閣、謁見の間。
「ムハハハハハハ!ザイバツシテンノを打ち取り『オミアゲ』を回収したか!ムハハハハ!見事な働きだ!ご苦労であった!」「「ハハーッ!」」「ハーイ!」玉座タタミにアグラをかいて上機嫌に笑うのはソウカイヤ首領、ラオモト・カンだ。
ブレードブレイカー達3人は『美辞樽』での交渉から戻っていたラオモトの元へミッションの報告に訪れていた。彼らのやや後方にはドゲザするデスペラードの姿。彼も『オミアゲ』と共に無事にソウカイヤで保護されていたようだ。
「ムッハハハ!お前達には褒美をくれてやろう!その金で更にカラテを磨くとよい!」ラオモトが手を叩くと彼の周囲に侍っていた金髪オイラン達が部屋の奥の黒漆塗りのタンスの中から万札の束を取り出し、豊満なバストに挟んでブレードブレイカー達に差し出した。「ドーゾドスエ」
S:レッドゴリラを撃破し、デスペラードは生還、フロッピーも獲得した。
:【万札】130を山分け。全員が【名声:ソウカイヤ】+4 余暇6日
ブラインドの「ピンハネ」で【万札:1】GET
合計【万札:150】【名声:4】【余暇:6日】GET!
1人頭【万札:50】に山分け!
「アリガタキシアワセーッ!」「ア、アリガトゴザイマス!」「ヤッター!スゴイヤッター!」3人は喜びの声と共にドゲザ!「ムッハハハ!……して、そのなんとかという元ザイバツのニンジャ…」「ハ、ハハー!」帝王の凝視を受けたデスペラードが慌てて更に深くドゲザする。
「ムハハハ!ソウカイヤに入ったからにはお前も俺様のために尽くせ!働き次第では今こいつらにくれてやったようなボーナスも出してやる!励めよ!ムハハハハ!」なんたる器か!ラオモトにとって出自やヌケニンであることなどまるで興味が無い。彼が関心を向けるのは己の役に立つか否か、ただそれだけだ。「ヨロコンデー!」デスペラードはタタミに額を擦り付けた。
「ムハハハハ……時に、ブレードブレイカー=サン」「ハ、ハハッ!」急に話を振られ、ブレードブレイカーは狼狽した。「貴様も中々ソウカイヤクザとしての気概が備わってきたな、ウン?」「ア、アリガトゴザイマス!ラオモト=サンへの忠義故です!」狼狽しつつも……ラオモトの言葉のニュアンスから己にとって好ましいアトモスフィアを敏感に感じ取り、口の端を吊り上げた。
その心の動きを恐るべきニンジャ洞察力で察したラオモトがニヤリと笑う。「ムッハハハ……分かりやすい男よ!俺様も単刀直入に言おう。貴様にシックスゲイツ候補生としての地位を与えてやろう。今後も励めよ!ムッハハハ!」「……!アリガタキシアワセーッ!今後もラオモト=サンのために尽くします!」ブレードブレイカーは歓喜の表情を浮かべドゲザ!
「おめでとうございます。ブレードブレイカー=サン」「オメデト!ブレードブレイカー君!」チキンハートとブラインドが祝いの言葉をかけた。2人はブレードブレイカーの飽くなき向上心を知っている。「ムッハハハ!ではこれにて報告は解散とする!退室してよし!」「「「ハハーッ!」」」「ワカリマシター!」
ブレードブレイカー、チキンハート、ブラインド、そしてデスペラードの4人は立ち上がり、謁見の間を後にした。………「シツレイシマス」入れ替わるように別のフスマを開いてエントリーしてきたのはソウカイ・シンジケート最高幹部、ゲイトキーパーだ。「今宵の交渉、オツカレサマデシタ」「報告せよ、ゲイドキーパー=サン」「ハハッ」
ゲイトキーパーは高性能UNIXめいた冷たさを感じさせる淡々とした口調で報告を始める。「ダイダロス=サンと共に確認したところ、ネオサイタマに駐留していたザイバツのニンジャはその9割ほどがイグゾーションと共にキョートへ帰還したようです。残ったニンジャの中にキョート系企業の役員などもおらず、木端の下位構成員のみです」
「……確かか」「ハッ、間違いありません」ラオモトは金髪オイランに注がせたサケの入ったグラスを傾けながらカタナめいた目を細める。しばしの無言。完璧に温度管理されている筈の部屋の気温がラオモトの放つオーラの影響を受けてやや低下する。ゲイトキーパーは忠実な騎士めいて奥ゆかしく帝王の言葉を待った。
「……どうもムズ痒い」ラオモトはサケが半ば以上残ったグラスを放り投げ、玉座タタミから立ち上がった。そのまま謁見の間の奥にある壁一面の強化ガラスの前に立ち、ネオサイタマの夜景を見下ろした。「ソクシンブツじみた慣習に未だに囚われておる腰の重いキョート人どもがこうも早く決断出来る筈がない」
「すなわち、以前から決めていた事だと?」「まず間違いあるまい」ラオモトは強化ガラスの反射越しにゲイトキーパーに返事をした。「来る知事選に向けてザイバツの邪魔が入らんように行った交渉だが、連中がこのネオサイタマで何かしらの目的を既に罪罰罪罰罪罰来る知事選に向けて罪罰罪罰」
「……ザイバツの邪魔が入らんように行った交渉だが、連中がこのネオサイタマで何かしら罪罰罪罰罪罰連中がこの罪罰罪罰罪罰何かしらの罪罰罪罰罪罰罪罰何か罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰目的罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰罪罰ヌオオオアアアーーーッ!」CLAAAAAAAASH!!!
突如怒号を上げたラオモトの拳が強化ガラスを完全粉砕した!破片が強風に流されネオサイタマの夜空に雹めいて降り注ぐ!「「「「アバーッ!?」」」」金髪オイラン達がラオモトの急激に膨れ上がったキリングオーラを間近で受け失神!泡を吹いて死亡!ナムアミダブツ!
ラオモトはジゴクの大地から噴き出る蒸気を思わせるような憤怒に染まった息を口から吐き出し、ゲイトキーパーへ向き直った。ゲイトキーパーは先程強化ガラスに映っていた奥ゆかしいドゲザ姿勢のままだ。「ただちにダイダロスにザイバツの電算室へハッキングするよう伝えろ!奴らのくだらん企みの尻尾を掴んでこい!」「ハッ、ヨロコンデー!」
ゲイトキーパーは立ち上がり謁見の間から退室した。彼にとってラオモトの命令、ラオモトの行うことは絶対である。一々命令の内容や行動の理由を問い質したり、疑問に思うことなどしない。ラオモトがやれと言えばやる。それだけだ。「ヌウウゥーーッ!」ラオモトは余憤さめやらぬ様子で再び玉座タタミに腰を下ろした。一体彼の身に何が起こったのか?
「気に食わぬ……!何か分からぬが気に食わぬ!それがまた気に食わぬ!」ラオモトは己の怒りが何に起因しているのか判然としないことにまた苛立っているようだった。死亡した金髪オイラン達をキネシスでフスマの奥へ放り捨て、肘掛のボタンを押す。すぐに新しい金髪オイラン達がやって来てラオモトにサケやスシ、扇情的なダンスを振舞った。
………だが、悪い事というものは列をなして訪れるものである。それはネオサイタマの帝王たるラオモトの元へであっても例外ではない。この数分後に謁見の間を訪れたニンジャ、ヘルカイトがもたらした報告により再びラオモトの怒りが爆発し、金髪オイラン合計8人がショック死することになった。
ソウカイ・リヴェンジへ続く
後書き
ということでシナリオ自体は完全クリア―!
次回はドラゴンドージョー襲撃に挑戦します!
以下は各々の余暇の処理になります!
ブレードブレイカー
カチグミ・オフィス購入
1日目:カラテ鍛錬失敗
2日目:カラテ鍛錬失敗
3日目:カラテ鍛錬成功→カラテ11へ
4日目:スキル取得成功→『◉マキアゲ』取得
5日目:チキンハートのカラテの壁突破に付き合う(失敗)
6日目:同上
オイラン:1d6 = (2) = 2
【万札:2】GET
※マキアゲはハウスルールで◉でも取得できることにしてあります。
ブラインド
サイバーカリブーの鍛錬をする(ハウスルール)
※基本はモータルPCと同様の処理で成長を行うこととする。施設として「ドージョー」ではなく「危険生物飼育施設」が必要……という独自ルール。(そのため木人や香炉の効果及びカケジクやショドーの振り直しは効果を得られない。蓄積ルールはあり)
また、【カラテ】鍛錬で【体力】、【ニューロン】鍛錬で【精神力】は上昇するが【脚力】は何かしらのスキルを得ない限り上昇しないものとする。
1日目:サイバーカリブーカラテ鍛錬成功→カラテ3へ
2日目:サイバーカリブーワザマエ鍛錬失敗
3日目:サイバーカリブーワザマエ鍛錬成功→ワザマエ4へ
4日目:サイバーカリブースキル取得成功→『◉蛇行轢殺』取得
5日目:ブラインドニューロン鍛錬失敗
6日目:ブラインドニューロン鍛錬失敗
チキンハート
1日目:ブレードブレイカーをセンセイにカラテの壁突破鍛錬(失敗)
2日目:同上
3日目:ワザマエ鍛錬成功→ワザマエ9へ
4日目:ワザマエ鍛錬成功→ワザマエ10へ
5日目:サイバネ『▷第二の心臓』をインプラント
6日目:モータルハントと言う名のお仕事 【万札:14】GET
で、こうなりました!
ニンジャ名:ブレードブレイカー
【性別】:男
【カラテ】:11 【体力】:14/14
【ニューロン】:6 【精神力】:7/6
【ワザマエ】:8 【脚力】:7
【ジツ】:3(近接武器) 【万札】:2
【DKK】:3 【名声】:22
【アイテム】:**イチガツ**:
近接攻撃ダイス+2 『射撃基本難易度:HARD』、『連続側転難易度+1』
:オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)
【サイバネ】:ヒキャク【脚力】+1、回避ダイス+1個
【装備品】:フルヘルムメンポ【体力】+1
:*高級ヤクザスーツ NPCに対する説得や脅迫時、1つの判定につき1回だけダイスを振り直せる。
またこのシナリオの後に『カルマ・ロンダリング』を行う場合、1回だけダイスを振りなおせる。
【スキル】:『連続攻撃2』『連射2』『疾駆』
●ツジギリ ●タツジン(イアイドー) ●頑強なる肉体
◉マキアゲ
【備考】:ワザマエ鍛錬蓄積+1
アジトに『風呂』【精神力】+1
ソウカイヤのシックスゲイツ候補生。肩に担いだ妖刀『イチガツ』を扱う。
彼がカタナを振るったものは何故か切断されず、打撃的衝撃によって破壊される。
ニンジャ名:ブラインド
【性別】:女
【カラテ】:4 【体力】:7/7
【ニューロン】:10 【精神力】:12/12
【ワザマエ】:5 【脚力】:3
【ジツ】:0 【万札】:13
【DKK】:2 【名声】:12
【アイテム】:ウイルス入りフロッピー:
使用するとそのハッキングの難易度がー1される。使用後ダイスを1個振り、
出目が3以下だった場合、このアイテムは失われる。
:オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)
:トロ粉末:【精神力】を2回復(使い捨て)
:ZBRアドレナリン注射器:次の手番まで【脚力】+2、行動不能状態にある仲間の蘇生(使い捨て)
【サイバネ】:▶▶生体LAN端子+【ニューロン】判定時にダイス+2個、ハッキング時にさらに+4個
▷無線LAN攻撃用ユニットLAN直結を行うことなく「生体LAN端子」持ちの敵に対し遠隔ハッキング攻撃を仕掛けられる。
【装備品】:スゴイテック社製LAN直結攻撃用ケーブル:『特殊近接武器』、『ダメージ0』、『戦闘スタイル:直結攻撃』
:パーソナルメンポ:【精神力】+1
:*キーボード・オブ・ザ・ゴールデン・エイジ*:ハンドヘルド型レリックキーボード。ハッキング絡みの判定時に、ダイスを全て振り直すことができる。
1回の判定につき1回までしかこの振り直しは行えない。また、任意のダイスだけを振り直すこともできない。シナリオ中1回限りの使用。
【生い立ち】:『ピンハネ』
【スキル】:『時間差』『マルチターゲット』
◉『挑発』◉『翻弄』◉『痛覚遮断』
【備考】:アジトに『サイバーカリブー』(『危険生物飼育施設』あり)
アジトに『プール』(【精神力】+1
ソウカイヤの末端女ニンジャ。怠惰で無計画。
アイマスクめいたメンポとジャージめいたニンジャ装束を纏う。
【ニンジャネーム】:チキンハート 【性別】:男 【カラテ】:6 【体力】:7/7 【ニューロン】:5 【精神力】:6/6 【ワザマエ】:10 【脚力】:7 【ジツ】:5(ヘンゲヨーカイ) 【万札】:22 【DKK】:1 【名声】:17 【アイテム】:家族の写真 :トロ粉末:【精神力】を2回復(使い捨て) :オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て) 【ジツ】:★肉体破壊 ★★グレーター・ヘンゲヨーカイ・ジツ 【サイバネ】:▶クロームハート:【体力】+1、【精神力】+1 ▷第二の心臓:『サツバツ!』の出目6を受けた場合、即死をまぬがれ、 本来のダメージ+D6ダメージを受けるだけで済む。 1回限りの使用(使い捨てで再増設が必要)。 【装備品】:伝統的ニンジャ装束:回避ダイス+1個 【生い立ち】:○実家のカネ 【スキル】:『連射2』『疾駆』 ◉『トライアングル・リープキック』◉『常人の三倍の脚力』 【備考】:カラテの壁突破鍛錬蓄積2 下流カチグミ家庭の青年カナオリ・ショウジにニンジャソウルが憑依。 唯一の友にして家族、ヒナイの写真を常に懐に忍ばせている。
それではここまで読んで下さってありがとうございました!