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忍殺TRPG小説風リプレイ【クロス・ザ・カナガワ(その2)】

◆アイサツ

 ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

 こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。

ではやっていきたいと思います!

◆本編

◆◆◆

◆バッサリ・テンプル

 風の強い夜だった。重金属酸性雨がフェイク檜造りのコンクリート寺院に荒々しく吹き付けられる。

 バッサリ・テンプルの守りは覚束ない。ネオサイタマ市警から提供されたマッポ軍団は、全てカスミガセキ・ジンジャカテドラルの防衛に充てられており、周囲の零細テンプルにはわずか数名の警官しか回されていないのだ。
結果、バッサリ・テンプルはブラックメタリストの襲撃でブッダでさえも目を背けるほどのツキジ・ゴア。

「切断されし聖徳太子の首を見よ/俺は再び蘇りて忘却を殺す!/殺す!殺す!殺す!忘却を殺す!」「アイエエエ!」そして、今まさにテンプルの主、イロリ僧正に向けてマサカリを振り下ろさんとするは、不吉な逆さトリイが描かれた白塗りメイク顔面、裸の上半身に黒いハカマ・スカートを纏い、腕には錆び果てた重々しいガントレットを嵌めたブラックメタリスト。あれぞまさにアーマゲドン!

◆イロリ僧正 (種別:モータル) 【カルマ:善】
カラテ     1  体力    1
ニューロン   3  精神力   1
ワザマエ    3  脚力    2
ジツ      -  万札    1

攻撃/射撃/機先/電脳  1/3/3/3

◇装備や特記事項
 聖職者用拳銃ソード・オブ・ブッダ:カスタム・チャカガン読み替え、【万札:5】で売却可能


◆アーマゲドン (種別:ニンジャ)
カラテ    7  体力   13
ニューロン  4  精神力  8
ワザマエ   6  脚力   4/N
ジツ     3  万札    10

攻撃/射撃/機先/電脳  10/9/4/4
回避/精密/側転/発動  7/9/6/10

◇装備や特記事項
マサカリ(標準近接武器)

『☆謎めいたニンジャソウルLV3』
『◉ニンジャソウルの闇』×3、『◉ダークカラテ・エンハンスメント』
『◉反ブッダの戦士(聖戦士読み替え)』
『◉ブッダエネミー』
『◉狂気:アンタイ・ブディズム』『◉狂気:邪悪の化身』『◉狂気:メガロ妄想』『◉狂気:謎めいた儀式』

『◉ブッダエネミー』
自身が反ブッダ存在であるとの自己暗示。
聖職者に対する近接攻撃ダイスが+2されるが、
『聖職者用拳銃ソード・オブ・ブッダ』による被ダメージが+1されてしまう。

※一部データが変更されています。完全に狂ってます。

「ツブダミアムナ……ツブダミアムナ……哀れで愚かなボンズよ。念仏を逆さに唱え、世界を呪え。ブッダは実在せず、夢想にすぎん。それを認めれば……お前の命を助けてやるぞ」アーマゲドンは黒い唇を歪め、邪悪に微笑んだ。「ブッダにも助けられない、お前の命をな」

「お、愚かな!そのような世迷言にわしの信仰心が揺らぐとでも思ったか!」BLAM!イロリが手に持った銃を発砲!ネオサイタマの高位聖職者のみに装備を許されるありがたき聖職者用拳銃、ソード・オブ・ブッダ!聖別されし重金属弾がアーマゲドン目掛け飛来!

「イヤーッ!」アーマゲドンは無造作に右手に持ったマサカリを振るい、弾丸を叩き落とした。「ア、アイエッ!?アイエエエ!?」BLAM!BLAMBLAM!イロリ僧正は驚愕し、半狂乱となって銃を乱射する。「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」真っ二つに切断された弾丸が冬の蠅のように床に落ちた。

「イヤーッ!」「グワーッ!」アーマゲドンはマサカリを振り上げ、ソード・オブ・ブッダの銃身をイロリ僧正の人差し指ごと斜めに切断した。あまりの激痛に立っていることもままならず、イロリは尻餅をついた。

「アイエエエエ……」イロリはケジメされた指を抑えながら壁際まで後ずさり、逆光を背負うアーマゲドンの顔を見上げる。その色白で細身の身体が今のイロリ僧正には何倍にも巨大に見えた。この華奢な姿は悪魔の擬態で、今にも人間の皮を突き破り、中から恐ろしい化け物が姿を現すのではないか、そう思った。だがアーマゲドンは悪魔ではなかった。アーマゲドンはニンジャだった。

「アイエエエエ!ニンジャ!ニンジャナンデ!反ブッダ存在ニンジャナンデ!」「この世は苦痛……!涙を流す痩せ馬……!地獄と繋がる死のトリイ……!俺はアンブッシュでブッダの首を刎ねた……!」「アイエエエエ!アイエエエエ!」種類の異なる2人の狂気が歯車のように噛み合い、互いの狂気を加速させた。アーマゲドンがマサカリを振り上げる。イロリ僧正の頭が2分割されようとした……まさにその時!

「「イヤーッ!」」アーマゲドンが開け放った入口のシャッターを連続側転で通り抜け、セルフハームたちが電撃的にエントリーした!「ドーモ、セルフハームです!」「グロウコブラです!」有無を言わせぬアイサツと共に入口をその身で封鎖する!ここはもはや仏敵を閉じ込めるネズミ袋だ!

 アーマゲドンはマサカリを下ろし、セルフハーム達の方へ向き直る。その身から迸る、強大なニンジャソウルの気配。ソウカイニンジャの2人は心臓が締め付けられるような感覚を覚えた。おそらくはアーチ級ソウル憑依者!「ドーモ、アーマゲドンです。この世界に死と炎をもたらす!」

「アイエエエ!ニンジャ! ニンジャ3人ナンデ! 」BLAM!BLAMBLAM!哀れなイロリ僧正は重篤NRSを発症し、泣き喚きながらソード・オブ・ブッダを明後日の方へ乱射した。跳弾のひとつがブッダ像の額に命中し、白毫を削り落とした。

「フッ、大きく出たなアーマゲドン=サン。まさかニンジャになっておったとはちと驚いたが、逆に言えば底が割れたというものよ」グロウコブラが一歩前に踏み出し、顎を上げてアーマゲドンを見下した。

「なんてことはない、貴様はソウル憑依直後の成り立てニンジャに過ぎん。取るに足らないモータルどもを数十人ばかし殺した程度で神にでもなったつもりか?なんたる蒙昧!いっそアワレすら感じるわ!貴様は所詮サンシタ・ニュービー。夏に歌い冬に飢え死ぬキリギリス、井戸の底で干乾びて死んでいく蛙に過ぎんというわけだ。ま、その様を見世物にサケを飲むというのもまた一興ではあるが……あいにく我が組織のボスは貴様の首をご所望だ。光栄に思うがいい。ソウカイヤの中でも極めて優れたニンジャであるこのグロウコブラが、先達としてみっちりと教育して進ぜようではないか。夜と闇の世界に生きる、真のニンジャのカラテというものを!……貴様の命を授業料にな!」言い終えると同時、グロウコブラは自分が一番格好いいと思うカラテの型を構えた。

「聖人を殺せ……テンプルに火を放て……聖徳太子の首を切断しろ……!」アーマゲドンはカナガワの楽曲のフレーズを口ずさみ、内在する狂気を煮詰めていた。「聞いてないみたいね」セルフハームは肩をすくめた。グロウコブラは無視されたショックで自分が一番格好いいと思うカラテの型を構えたまま固まった。

「AAAAAAAGGGHH!コロス!コロス!コロス!オブリヴィオン!」アーマゲドンが咆哮する!そしてそれがそのままイクサの始まりを告げるゴングとなった!

◇戦闘開始

イニシアチブ
グロウコブラ→セルフハーム→アーマゲドン

「…………ハッ!シ、シューシュシュ!SHHHH!SHSHSH!」我に返ったグロウコブラは自分が一番格好いいと思うカラテの型を構えたままアーマゲドンへと接近!蛇めいた連続チョップを繰り出す!「グワグワグワーッ!?」肩、脇腹、腿!2匹の蛇が喰らいつく!「ク、クッフハハ!どうだ!これがニンジャの、カラテの、ソウカイヤの、あの、その……マイッタカ!」

「いいわよグロウコブラ=サン!ダサいしバカだけど!イヤーッ!」セルフハームはカタナを交差させアーマゲドンへ大砲の玉めいて突撃する!狙うはその白く滑らかな細い首!数多のニンジャの血を吸ってきたカタナが殺人ハサミとなって次なる生贄を求める!

「イヤーッ!」カタナが交差しきる直前、アーマゲドンは手に持ったマサカリをカタナの間に差し込んで首切断を回避!だが!「イイヤァーッ!」「グワーッ!?」渾身のケリ・キック!アーマゲドンはワイヤーアクションめいて弾き飛ばされ、テンプル奥のブッダ像に受け止められる!「AAAAAAAGH!」アーマゲドンは極限屈辱に狂気を深め、獣めいて叫ぶ!

◇1ターン目
グロウコブラチドク・ジツ:
11d6>=5 = (3,1,1,5,6,3,2,5,3,2,5 :成功数:4)
グロウコブラ精神力4
グロウコブラ精密ジャブ連打:
3d6>=4 = (4,1,3 :成功数:1)+2d6>=4 = (5,5 :成功数:2)
+2d6>=4 = (1,2 :成功数:0)+2d6>=4 = (5,4 :成功数:2)
アーマゲドン回避:
1d6>=4 = (3 :成功数:0)+1d6>=4 = (6 :成功数:1)+1d6>=4 = (3 :成功数:0)
アーマゲドン体力11

セルフハーム二刀流:
4d6>=4 = (6,2,2,6 :成功数:2)+3d6>=4 = (6,6,3 :成功数:2)
+3d6>=4 = (3,5,2 :成功数:1) サツバツ×2!
アーマゲドンアドレナリンブースト使用サツバツのみ回避:
2d6>=3 = (6,5 :成功数:2)+1d6>=3 = (2 :成功数:0)
サツバツ:
1d6 = (1)「イヤーッ!」腹部に強烈な一撃が命中! 
痛烈な一撃:『痛打+1』、『弾き飛ばし』
アーマゲドン体力7精神力7

アーマゲドンのターゲット1グロウコブラ2セルフハーム:
1d2 = (1)

アーマゲドンマサカリ強攻撃:
5d6>=5 = (1,5,5,5,6 :成功数:4)+5d6>=5 = (1,2,4,4,1 :成功数:0)
グロウコブラ回避:
9d6>=4 = (5,3,2,6,6,5,6,1,4 :成功数:6)カウンター!
アーマゲドン体力6

「地を埋め尽くす亡者の群れが/天からブッダを引きずり堕とし/血に塗れた足で踏み潰す!」アーマゲドンは悪霊に憑依されたエクソシストのような無軌道さで鋼鉄マサカリを振るう!明らかに戦闘経験の足りない稚拙な動きではあるが、その一撃に籠められた威力は侮れぬ!

「SHHHHSHSHSH!SHHHH!」「グワーッ!」グロウコブラは大振りの攻撃をスウェーで掻い潜り、がら空きの顎目掛けて樹木を這い上る蛇のようなアッパーを捻じ込む!アーマゲドンの脳が揺れる!「弱・敵・なり!」

 と、その時。『フォホホホ………よいぞよいぞ……その調子で奴の肉体に責め苦を与え続けよ。以って魂を救済してやるのだ……』どこからともなく響き渡る声。イクサの場にそぐわぬ気楽さ、高貴さ、傲慢さ、そして卑劣さの滲むその声は、グロウコブラとセルフハームがソニックブームから渡されたバッジから聞こえてきた。

「これって通信機?」『フォホホ……左様。ドーモ、カスミガセキ教区のアークボンズ(大僧正)タダオです。ラオモト=サンにこのミッションを依頼した者と言った方がわかりやすいでしょうか?』「なんと!タダオ大僧正!?」その名前にソウカイニンジャたちは目を見開く。

『あなた方の着けているブッダシンボル・ピンバッジは通信機も兼ねています。そして、このテンプルの防犯カメラを通してこの光景を見せてもらっているのです。フォホホ……いいですか、ソウカイ・ニンジャたちよ。この罪人をできる限り惨たらしく殺すのです』大僧正は平然とそう言ってのけた。

『カルマの汚れは凄惨なる懲罰によって浄化される。故に、生前のうちに痛めつけられることが贖罪となり、死後のジゴクの苦しみを減ぜられる。これは他ならぬ彼自身のため……救済なのです。フォホホホ、この神聖行為によってあなた方のカルマも浄化されるでしょう……!』喜悦を隠さぬ声色!

「クッフハハハ!そういうことであればこのグロウコブラにお任せあれ!この罰当たりな仏敵めに誅を下してやりましょうぞ!」大僧正のお墨付きを得たグロウコブラは調子に乗ってより積極的に攻め立てる!残像が見えるほどの高速連続チョップはまるで弱った獲物に群がる蛇の群れが如し!「グワーッ!」アーマゲドンは防戦一方!

『フォホホホ、実に素晴らしい。ブッダもご照覧あれ。これぞ信仰の勝利。ありがたやありがたや…………それにしても嗜虐心をあおる白い肌よ……フォホホホホ!』(こんな奴がアークボンズなんてやってられるんだからマッポーよね)セルフハームは内心で嘆息した。(でも嗜虐心をあおる肌ってのは同意ね)ナムサン!同類!

◇2ターン目
グロウコブラ精密ジャブ連打:
3d6>=4 = (5,1,6 :成功数:2)+2d6>=4 = (6,1 :成功数:1)
+2d6>=4 = (4,3 :成功数:1)+2d6>=4 = (3,3 :成功数:0)
アーマゲドン回避:
1d6>=4 = (6 :成功数:1)+1d6>=4 = (2 :成功数:0)
+1d6>=4 = (4 :成功数:1)
アーマゲドン体力5

セルフハーム二刀流:
4d6>=4 = (5,3,1,6 :成功数:2)+3d6>=4 = (5,3,1 :成功数:1)
+3d6>=4 = (3,6,3 :成功数:1)
アーマゲドン回避:
2d6>=4 = (3,6 :成功数:1)+1d6>=4 = (4 :成功数:1)
+1d6>=4 = (4 :成功数:1)

アーマゲドンマサカリ集中強攻撃:
5d6>=4 = (5,2,4,5,2 :成功数:3)+5d6>=4 = (6,4,4,6,4 :成功数:5)サツバツ!
グロウコブラ回避:
3d6>=4 = (2,1,5 :成功数:1)+6d6>=4 = (6,5,5,4,5,5 :成功数:6)カウンター!
アーマゲドン体力4
◇3ターン目
グロウコブラ精密ジャブ連打:
3d6>=4 = (6,3,1 :成功数:1)+2d6>=4 = (6,2 :成功数:1)
+2d6>=4 = (2,1 :成功数:0)+2d6>=4 = (5,4 :成功数:2)
アーマゲドン回避:
1d6>=4 = (3 :成功数:0)+1d6>=4 = (1 :成功数:0)
+1d6>=4 = (4 :成功数:1)
アーマゲドン体力2

セルフハーム集中二刀流:
4d6>=3 = (3,3,3,2 :成功数:3)+3d6>=3 = (6,4,2 :成功数:2)
+3d6>=3 = (2,2,2 :成功数:0)
アーマゲドン回避:
2d6>=4 = (2,5 :成功数:1)+2d6>=4 = (3,6 :成功数:1)

アーマゲドンマサカリ集中強攻撃:
5d6>=4 = (1,6,6,3,6 :成功数:3)+5d6>=4 = (1,6,4,6,6 :成功数:4)ナムアミダブツ×2!
グロウコブラアドレナリンブースト回避:
4d6>=4 = (5,1,6,6 :成功数:3)+5d6>=4 = (5,3,2,5,3 :成功数:2)
グロウコブラ精神力3

「貴様らッ!さてはブッダの代理戦士か!ボンズの軍門に降った豚どもめ!」一方、今の会話を聞いていたアーマゲドンは目の前のソウカイニンジャたちに対する認識をただの鬱陶しい障害から何としても滅ぼすべき仇敵へと改めた!鋼鉄マサカリに霊魂めいた青白い炎が灯る!「AAAAAAGH!」「ヒイィ!?アイエエ!」恐ろしい破壊力を秘めた一撃をグロウコブラはかろうじてブリッジ回避!アブナイ!

※アトモスフィアハードモード突入

「お、おおおおおのれい!このソウカイヤの極めて優れたニンジャであるグロウコブラをほんのちょっぴりとはいえ怖がらせるとは!腐ってもニンジャということか!」「いや見栄張ってんじゃないわよ。マジでビビリ入った悲鳴だったでしょが」「ダマラッシェー!貴様、何を根拠にそういう、だいたい貴様いつも貴様、貴様ーッ!」

「逆さトリイにブッダを磔/聖職者共の魂を穢す/奴らの指を切り落としブッダに喰わせろ……!イヤーッ!」「グ、グワーッ!?」ブザマ極まる言い訳をがなり立て、致命的な隙を晒したグロウコブラの胸元にマサカリが横一文字を描く!飛び散る鮮血!「アアアアアダブ……!」アーマゲドンは返り血で胸に逆さトリイを描き、トランス状態に入る!

 だが!「グワーッ!?オボボーッ!?」おお、これはいったい如何なることか!?アーマゲドンが突如として苦しみだし、血を吐き出した!「ウカツ……!ブッダの代理戦士の血は聖水……!」「違うわこのマヌケめが!我がジツの力だ!」そう、原因はグロウコブラの流した血!チドク・ジツだ!

「オボ、オボボーッ!」アーマゲドンは吊り上げられたマグロめいて地面をのたうつ!傷口から侵入した神経性の毒が彼の肉体を内側から蝕み、猛烈な激痛と共に細胞を破壊しているのだ!「俺は……黙示録の獣……オボーッ!」アーマゲドンは吐血しながらも地面に手をついて立ち上がろうとするが、腕に力が入らず、自分で吐き出した血だまりの中に頭から落ちる。

「クッフハハ!無駄に耐えるでないわ見苦しい!元シックスゲイツ最強のニンジャすら追い詰めたジツだ!そのまま世界の終りまで眠るがいい!」グロウコブラは傷の痛みも忘れて勝ち誇り、仰向けに蹴り転がしたアーマゲドンの胸板を踏みにじる!アーマゲドンはなおも何かを掴もうとするように手を伸ばし、「グワーッ………」やがてその手が力無く床を叩いた。

◇4ターン目
グロウコブラ精密ジャブ連打:
3d6>=4 = (5,1,2 :成功数:1)+2d6>=4 = (5,3 :成功数:1)
+2d6>=4 = (3,5 :成功数:1)+2d6>=4 = (2,3 :成功数:0)
アーマゲドン回避:
1d6>=5 = (1 :成功数:0)+1d6>=5 = (5 :成功数:1)
+1d6>=5 = (5 :成功数:1)
アーマゲドン体力1

セルフハーム集中二刀流:
4d6>=3 = (3,3,2,4 :成功数:3)+3d6>=3 = (3,6,4 :成功数:3)
+3d6>=3 = (6,1,3 :成功数:2)
アーマゲドン回避:
2d6>=5 = (5,1 :成功数:1)+1d6>=5 = (5 :成功数:1)
+1d6>=5 = (5 :成功数:1)

アーマゲドンマサカリ集中強攻撃:
5d6>=4 = (4,3,6,2,1 :成功数:2)
+5d6>=4 = (4,6,6,6,3 :成功数:4)
グロウコブラナムアミダブツ回避:
9d6=6 = (4,1,6,2,5,3,3,6,3 :成功数:2)
グロウコブラ体力6
チドク・ジツによりアーマゲドン体力0!

「終わったわね。カイシャクしてあげなさいグロウコブラ=サン」『もう終わりですか……いえいえ、大変見事な働きでした。これで彼のカルマも浄化されたでしょう』セルフハームがザンシンし、グロウコブラに指示する。タダオは何処か名残惜しそうな声で称賛した。

「クッフハハ。まあそれほどでもありますが。ではこのままコイツの心臓を踏み砕いて……」「AAAAAAAGGGGHH!」「アイエッ!?」「!イヤーッ!」「グワーッ!?」セルフハームがカタナの峰でグロウコブラをバッティング!ワイヤーアクションめいて吹き飛ぶグロウコブラ!コンマ3秒後、グロウコブラの足があった位置を通り過ぎる冷たい死のマサカリ!

「コロス!コロス!コロス!オブリヴィオオオォォォンヌ!」おお、ナムアミダブツ。その身に宿した狂気ゆえに、アークボンズの手先に殺されるという運命を受け入れられなかったアーマゲドンは体内に残っていた毒物をジツの力で燃やし尽くし、満身創痍の身でありながら立ち上がった!

「俺は死者の王……!俺はブッダの大敵……!暗黒の橋が現れ……!神無き河を超えて攻める……!」もはやアーマゲドンの身体を支えているのはブッダ及びブディズムに対する憎悪と殺意のみ!しかしセルフハームたちのニンジャ第六感は少しも脅威が減じていないことを察知する!

アーマゲドン ラスト・ニンジャ・スタンディング状態発動!

「グヌヌ……ええい、なんたるしつこさか!これ以上ソウカイヤの極めて優れたニンジャである私の手を煩わせるでないわ!」壁から身を剥がしたグロウコブラは胸の傷から流れる血で両手を濡らし、地を這う巨大な蛇のような動きでアーマゲドンに接近した。

「AAAAAAGH!」「SHHHHHH!」グロウコブラは振るわれたマサカリを地面に顎が擦れるほどの低姿勢になって回避。そして全身の関節が喪失したかのような奇怪な動きでアーマゲドンの足を這い上がり、背後に回る!そのまま己の両足をアーマゲドンの両足に、己の両腕をアーマゲドンの両腕に蔓めいて巻き付けた!

「AAAAAGH!」「クッフハハハ!どうだ動けまい!そしてこの体勢ならばその自慢のマサカリも意味を成さんだろう!これが頭脳戦である!クッフハハハ!」アーマゲドンはまるで十字架に磔にされた聖者のような格好で拘束された!そしてその事実自体が彼を苛んでいるのか、あるいはグロウコブラの両手に滴る毒血がそうさせるのか、アーマゲドンの両手足がどす黒く変色していく!

「そのまま抑えてなさいグロウコブラ=サン!」セルフハームは二振りのカタナを水平に構え、限界まで張り詰めた弓から放たれた矢のように駆け出した!「最終戦争の狼煙が……! 終わる!俺のカナガワが……!俺の栄光が……!」「アノヨでブッダとヨロシクしてなさい!イイィヤアーーッ!」」「アバーッ!」

 カタナがアーマゲドンの脇腹に突き刺さる!返り血がセルフハームの包帯で覆われた右目にかかり、彼女は恍惚とした笑みを浮かべて全身をぶるりと震わせた!「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAGGGGGGGGGGGGGGGGHHHHHH!」アーマゲドンはこの世の全てを呪う怨嗟の声を上げながら「サヨナラ!」爆発四散した。

◇5ターン目
グロウコブラ集中カラテ:
3d6>=3 = (6,6,3 :成功数:3)+3d6>=3 = (3,6,3 :成功数:3)サツバツ!&痛打!
アーマゲドンサツバツ回避UH2:
3d6=6 = (6,1,4 :成功数:1)
サツバツ:
1d6 = (5)「これで手も足も出まい!」敵の両腕をダブルチョップ切断!
アーマゲドンカラテ5 ワザマエ4 体力3

セルフハーム集中二刀流即応ダイス3使用:
5d6>=3 = (6,2,5,6,6 :成功数:4)+4d6>=3 = (3,4,3,1 :成功数:3)
+4d6>=3 = (3,6,2,5 :成功数:3)ナムアミダブツ!
アーマゲドンナムアミダブツ回避UH3:
4d6=6 = (1,5,3,5 :成功数:0)
サツバツ:
1d6 = (1)「イヤーッ!」腹部に強烈な一撃が命中!
アーマゲドン 体力‐2!爆発四散!

戦闘終了
【万札:10】GET

 今度こそすべてが終わった。依頼主であるタダオ大僧正もその目でアーマゲドンの死を確認したことであろう。セルフハームとグロウコブラは達成感と疲労に息を吐き、帰路に就こうとした。『ああ、そうそう。大事なことを忘れていました』だがその大僧正から引き止める声。

「まだ、なにか?」若干口調が刺々しくなってしまったことにセルフハームは己の失敗を感じた。『いえいえ、ただひとつ確認してもらいたいことがありまして』幸い、タダオは気にしなかったようだ。彼は声を潜めて尋ねる。『……このテンプルの主、イロリ僧正は殺されてしまっていませんか?』「イロリ僧正?」セルフハームはテンプル奥に向き直る。そこには気絶した老ボンズの姿。

『 フォホホホ……、私はもう、そのことが心配で心配で』言葉とは裏腹に、タダオの声音に心配の様子は感じられない。むしろその声に含まれた感情は……

「ウーン」まるで見計らったようなタイミングで、イロリ僧正が呻き声を上げながら目を覚ました。「あなた、達は……?」NRSで朦朧とした意識のまま、生まれたての子鹿めいて無力なボンズがセルフハーム、グロウコブラの2人を交互に見る。『どうですか? イロリ僧正は殺されていますか?』

どっちがやる?1グロウコブラ2セルフハーム: 1d2 = (2)
DKK獲得:
2d3 = (3+2)
セルフハーム【万札:10】【DKK:5】GET
Wasshoi!判定! = (6+5) = 11<=7 判定失敗 

ブッダ!眠っているのですか!

 セルフハームは無言のままアーマゲドンの使用していたマサカリを拾い上げ、「イヤーッ!」「アバーッ!」イロリ僧正目掛け投擲し、脳天へ突き刺した。「大変残念でした。私たちが来た時には既に殺されていたみたいで」欺瞞!『おお、おお、 それはそれはなんたる悲劇!』欺瞞!「エッ?貴公ら何を言っておるのだ?」バカ!

『フォホホホホ……僭越ながらこの私が祈らせていただきましょう。彼の魂に安らぎがあらんことを、あなた達のカルマにブッダの加護があらんことを………では、改めておやすみなさい。フォホホホ……』これ以上の会話はもはや必要無いと判断したのか、タダオは返事を待たず、通信を切断した。

「人のこと言えないけれど、胸糞悪いわね」「おい、タダオ=サンはイロリ僧正が殺されているか確認しろと言ってなかったか?何故貴公が殺すのだ」「空気読めないなら黙ってなさいよ。それにしても……」セルフハームはイロリ僧正の遺体を一瞥する。「聖職者の切り傷はまた格別ね」「さっぱり意味が分からぬ。イカれておるのか」「否定はしないわ」

 ……2人はそのままテンプルを後にした。テンプル襲撃犯の首謀者であるアーマゲドンが死んだことで今回のABBMたちの騒動はほどなく落ち着きを見せることであろう。そうしてすべては日常へと流されていく。このマッポーの世に、最終戦争もブッダの降臨も起こる気配は依然としてない。

 数日後、「カナガワ」の生き残りであるヘルゲートとキョウアク・ハンザイシャはバンドの続行を表明。その音楽性は徐々に過激なアンダーグラウンド路線からメジャーな商業路線へと移り変わっていったが、カナガワおよび初代フロントマンであるアーマゲドンの熱狂的な信者たちはなおもテンプルに対する襲撃を行い、ボンズを殺し、ブッダを冒涜し続けた。

◆報酬

A:バッサリ・テンプルの戦いでABBM集団を全滅させ、アーマゲドンも爆発四散させた。 :【万札】60を山分け。全員が【名声:ソウカイヤ】+2。

合計で
グロウコブラ【万札:38】【名声:2】【余暇:4日】GET
セルフハーム【万札:47】【名声:2】
      【DKK:5】【余暇:4日】GET

◆後書き

 ナムアミダブツ×2が出たときはヒヤリとしました。強攻撃とダークカラテ・エンハンスメントにより一撃で3ダメージ持っていくアーマゲドン=サンはやはり強大なソウルを宿していたのでしょう。

 2人は余暇を終えてこう!

◆グロウコブラ(種別:ニンジャ)  DKK:0    名声(ソウカイヤ):9
カラテ    6		体力   9(12)
ニューロン  6		精神力  6(9)
ワザマエ   9		脚力   5/N
ジツ     5		万札   12

攻撃/射撃/機先/電脳  6/9/7/8
回避/精密/側転/発動  9/9/9/11
即応/緊急       5/0

◇装備や特記事項
 所持品 :『オーガニック・トロスシ』『オーガニック・スシ』『トロ粉末』『ZBRアドレナリン注射器』
 スキル :『●連射2』
      『◉◉コブラカラテ(ボックスカラテ読み替え)』
      『◉頑強なる肉体』『◉特殊近接ステップ』
      『★◉毒属性ダメージ軽減1』『★◉毒手』
      『◉知識:犯罪』
      『○錠前破り』
 ジツ  :『☆カナシバリ・ジツ』『★レッサー・イビルアイ』『★チドク・ジツ』
 装備  :『タクティカルスーツ』
 サイバネ:『▶︎生体LAN端子LV1』

      『●気力体力の充実(体力+3、精神力+3)』

 組織内での立ち位置や性格:『全能感や野望』

◆忍◆ニンジャ名鑑#---
 ソウカイヤの油断ならぬニンジャ。ヘビ・ニンジャクランのソウル憑依者。自分の有能さ、優秀さを信じて疑わない。本当に疑わない。
◆殺◆

『★レッサー・イビルアイ』と『★◉毒手』を習得。そしてオンセン旅行で『●気力体力の充実(体力+3、精神力+3)』を得ました。もう彼はステータス上げません。このくらいの強さがグロウコブラ=サンらしいでしょう。


◆セルフハーム(種別:ニンジャ)  DKK:6(7)    名声(ソウカイヤ):16
カラテ    8		体力   11(16)
ニューロン  5		精神力  6(11)
ワザマエ   8		脚力   4/UH
ジツ     4		万札   58

攻撃/射撃/機先/電脳  11/8/5/5
回避/精密/側転/発動  8/7/7/10
即応/緊急       3/1

◇装備や特記事項
 所持品 :『オーガニック・トロスシ』『オーガニック・スシ』『トロ粉末』『ZBRアドレナリン注射器』
 スキル :『●連続攻撃2』『●連射2』
      『◉◉タツジン:二刀流』『◉回転斬撃強化』『◉頑強なる肉体』『◉ニンジャソウルの闇』
      『★◉イタミ吸収の構え(斬撃限定)』
      『◉知識:伝統的アート(刃物)』『◉知識:犯罪(ツジギリ)』
      『○刀剣マニア』
 装備  :『ストリートウェア』
      『**サシイタ**(カタナ)』『**マソウ**(カタナ)』
 ジツ  :『イタミ・ニンジャクラン』

      『●気力体力の充実(体力+5、精神力+5)

◆忍◆
ニンジャ名鑑#---
 ソウカイヤに所属するイタミ・ニンジャクランのソウル憑依者。刃物で付けられた切り傷を愛する異常性癖の持ち主。
◆殺◆

『◉狂気:偏愛』を得ました。

 また、名声が15を超えたのでラオモト=サンから【万札:30】を貰い、「武器の大業物化」を実行して『**サシイタ**(カタナ)』『**マソウ**(カタナ)』をゲット。ついでに『ストリートウェア』を着ました。

 余暇はモータルハントとオンセン旅行にぶっこみ、体力と精神力が素のステータスから2倍になりました。彼女のデータも完成ですね。後はDKKだけどうにかしたいですが。

 ところで全然使用されていないセルフハームの『★◉イタミ吸収の構え』ですが、彼女は「刃物での斬撃以外はイタミ吸収出来ない」という裏設定があったりします。一応その点明記しておきました。今回は相手の武器がマサカリだから使えると思ったんだけどなあ。

 それではここまで読んでくださってありがとうございました!