2024年7月号 詩人会議 小詩集作品

 

 

目があると言う

いや 口もあると言う

耳もあるはずだと

話に割り込んで来る人もいる

 

見た事はないが

と 言葉が

置いた句読点で紐づく

 

曖昧になっても

僕はこのやりとりが好きだ

少しずつ

真実味を増してくる

 

指を舐めてみて

と 言われた

風の動きが分かるよね

 

うん と頷くと

その時 凝視すれば

もしかすると

一つだけでも

見る事ができるかも

 

一日の中で

寂しくなる時間があると

そんな問答を

取り出しては

心の中に広げていく

 

大量の核を

風が拡散した時があった

そっと付箋の赤色を

心の中に貼って

風を睨んだ

 

それからは 長い時間

心の中で区切る

付箋の色を考えて来た

風が均した時の道で

躓く事がないように

 

目があると言う

いや 口もあると言う

耳もあるはずだと

話に割り込んで来る人もいる

 

見た事はないが

と 言葉が

置いた句読点で紐づく

 

赤色の付箋から

黄色の付箋へ

どこか自信はないのだが

青色の付箋は

まだ早いだろう

 

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