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「先輩は面倒くさい人ですね」

 昔、結構昔に一緒に舞台をやっていた後輩から言われたことがある。
「先輩は面倒くさい人ですね」
 こう言われても別に怒ったりしなかったし、妙に納得してしまったので全然面倒くさい人ではないと思うわけだが、本人としても実は自分が面倒くさい人間だという認識はあった。

 まぁ、昔はそんな良い後輩がいたわけですが、気がつけば周りには友人知人は居らなくなったわけである。人付き合いというものが得意でもマメでもないし、出来れば一人でいる時間が多いほうが良いと思っているので特に困ることはないので気にしているけど気にはしていない。

 困ることがあるにはある。例えば著作物を公開した場合、閲覧数が増えないことだ。私は漫画や小説脚本のようなモノを書いて月にして50円くらいを貰っているわけであるが、友だちが多ければ恐らく月で1万円は余裕で行くだろう。「あいつは良いやつだからちょっと見てやろう」「どれ、あいつは良いやつだからちょっと宣伝してやろう」「そういえばあいつは良いやつだから出版社の知り合いを紹介してやろう」という具合である。私一人が「面白いものが出来たんでー」とネットの片隅でぶんぶん手を振っていたところで誰の目にも止まらないが友だちが多いやつはすごい。想像してみてほしい。ネットの片隅で一人で手を振っているやつとネットのあちこちで手を振っているやつがいたらどっちが目立つだろう? つまり、一人で手を振って月50円を手に入れている私は本当にすごいやつなのである。

 違った。友だちの話だった。
 ちなみに私の友だち認識のハードルは高い。非常に高い。伯牙絶弦レベルである。親友と呼べる友は半世紀でただ一人だけである。二十年以上会っていないが子どもの頃に隣の家に住んでいた友だちが唯一の親友である。

 さあ、これで私の面倒くさい部分がわかってきたのではないだろうか?
 この面倒くささのせいで社会の中で生きていくことが本当に大変である。特にお金を稼ぐということが難しい。「良いものは良いんだからほっといても売れるだろう」という思考のせいでなかなか宣伝が上手く行かないし、せっかくの読者にも「ありがとうございます」以上の言葉が出せない。本当はつらつら御礼の言葉を書けば良いのだろうが、思っている以上に何を書いて良いのかあれこれ思い浮かべているうちに結局よくわからない文章になってしまう。それを送ることは出来ないので削除して「ありがとうございます」で落ち着くわけだ。

 というわけで宣伝を。
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 ホラー小説「汀~みぎわ~」
 「田沼汀子を探してはいけない」
 この忠告を聞かずに田沼汀子を捜した者は死ぬという。田沼汀子とは誰なのか一体何者なのか。
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 大賞に応募しているけどそれも今日(3/31)で終わる。こういうところが自分自身が面倒くさい性格であるという理由でもある。

 他にも色々書いており、今月はありがたいことに高校演劇でも脚本が使用されました。そうやって私の面白いものを知ってくださる方も少しずついて嬉しく思いますが、これでは全然暮らせない(笑)

 本当に面白いのよ。多分、というか大分文章が下手くそなんだろうけど。

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