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ディスタンクシオンは読まないだろうな

ブルデュー「ディスタンクシオン」

100分de名著 岸 政彦


フランスの学会では、難解さが高くないと論文が受け付けられないそうだ。

たぶん、ご本人(プルデュー)の本は難しくて読めないだろうな。

選択の自由や自由意志は幻想。

生まれ育った環境や共同体によりハビトゥス(趣味嗜好)は作られる。

生まれながらに裕福な環境にあると、高尚な趣味は周りにあって当たり前、勉強も努力するのではなく当たり前に行うもの、という考えを持つ。

裕福に生まれず、学校で教養を身に着けた人間は、教養や学力は努力して身に着けるものであるというストイックな考えを持つようになる。

自分が何かを選ぶとき、自分の自由意志で選んでいるのではなく、実は、自分の階級や自分が属する場(界)に相応しいと思われるものを選んでいる。

様々な階級の人たちへのインタビューや観察で、社会学的に「自由」とは何かということを研究した本、の紹介。


フランス革命の際、文化人が貧乏人が立ち上がったことに歓喜したけど、その残忍性に幻滅したという話を思い出した。

フランス文化人は、なぜ革命にロマンを感じてしまうのか?

彼らは、清貧な庶民が世の中の腐敗を綺麗にしてくれると思ったらしいが、清貧な?庶民の方は、そんなロマンで動いたわけではない、って話。

戦争には、貧富の差やら階級制度をリセットする機能がある。

第二次世界大戦でかなりの部分がリセットされた日本では、あまり意識されてこなかった部分だが、戦後70年も経つと階層化が固定されてきて、プルデューの研究したようなことを言い出しているね。

戦後、小金持ちの中産階級が増えたので、今までは階級差がそれほど表沙汰にならなかったのだろう。

政界の顔ぶれを見ると、未だに薩長連合が機能しているように思えるけど。

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「神ねこ様」で、クロが勧められて読んでいたので興味を持った本。

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